道端にゴム製の黒い長靴や、軍手が落ちていた。
と言うような事を笑いの種にしている人がいた。
国道や高速など誰も下車しそうもないところに落ちている。
必ず片方であり、もう片方はどこにも見当たらない云々。
ありえない事だが、よく見かける事態でありその矛盾に笑い
を感じるのか。いや、それだけでは取るに足らない笑いに
過ぎない。この状況が笑える状況であると言う話をすること
が笑いである。社会風刺の一面が見られる。
長靴や軍手が落ちている事が普通ではあるはずがないと考える
人間は、トラックを知らない人間だと断言する。
トラックにはドアの下部にステップがある。これはドアを開け、
運転席に座ろうとするためには欠かせないものだが、ここに
落し物をすると厄介だ。
運転席のブレーキ、アクセルのあるところからステップの部分に
落ちる可能性が非常に高い。また、足を置くところだけに長靴を
おいておく場合が多く、軍手は長くはめていて汚れが激しい場合
足元に転がすことが多いだろう。
ドアを閉めてもステップのみは屋外に出たままの状態になる
トラックがある。路上に落ちていないにもかかわらず屋外に
出ている状態になる。ドアを閉めた状態で落し物を探す場合、
これほど探しにくい状態はない。屋内にはない。かと言って
屋外を見てもない。ドアを開けないと見つからない。
長靴や軍手はホームセンターに行けば購入可能なので
ドアを開けずに見渡して見あたらなければあきらめて発車する。
それで急カーブ、急ブレーキなどがあると長靴や軍手が
転げ落ちる。
なくしたことに即座に気付いて探したとしても、
ドアを開ける事に気づかなければ、路上に落としてしまう。
ドアを開ける前に多分屋内の見えないところにあるだろうと
思って発車したら確実に路上に落ちる。
ましてやなくしたことにも気付かず、
必要になった時に探しだした時には時既に遅しである。
ここに車道に落ちる片方だけの長靴、軍手の図式が
成立する。これでトラックを知るものにとっては日常茶飯事で
あると言う事が証明されたのではないだろうか。
これに社会風刺の一面がある。トラックが現代社会に
なくてはならないものなのに、トラックをよく
知っている人間が少ないと言う現実を風刺している。
コンビニでものが買えるのも、インターネットで
ものが買えるのも、郵便が届くのもトラックの
おかげだがそのトラックについてあまり知らないと
いう矛盾。ここに一番笑いのエッセンスが
詰め込まれているのかもしれない。 |