シネマ坊主2 を読んだ。松本人志著の映画評論だが、アマゾンの
カスタマーレビューに私の言わんとするところが書いてあった。
レビュアーの何人かはこの本に映画評論としての価値を
求めていた。そう考えると低評価になって当然だと思う。
ただ松本が映画を見て、その映画を作った監督が面白い人間か
どうかを論ずるというもので、作品の内容にはほとんど
触れていないように思った。触れていたとしても
ごく表層的な面のみで、深く論じるつもりはないようだった。
深く論じる際には、1シーンを取り上げてどうこうと言う
見方が必要だと思う。が、「それは細かい見方である」として
松本はそれを嫌った。それにより映画評論とは違う何かという
この本の独自性が出たように思う。そう言っておけば、聞こえが良い。
また、松本は日本映画には比較的高い評価を下している。
一大段落の最後に松本が論じた映画のあらすじと星の数がかいてある。
いわゆるハリウッド映画だと、面白くなければ星が0である場合がある。
日本映画だと0と言うことはなかったように思う。
日本映画の中で最も辛い評価だと思ったのが「呪怨」だが、
これも「スターどっきりで言うならば『ゴリラが出たぞ!』である」
と言う評し方だ。これはある意味ほめ言葉とも取れる。
ゴリラが出てきたら誰でも驚く。そこでどっきりとして成功している。
呪怨もとにかく怖がらせることには成功しているのだ。
日本映画びいきは、松本が映画監督デビューを考えているので、
日本の映画をこき下ろして映画業界の心証を悪くする事を
さけているとも取れる。私はそうではないと思う。
松本はナインティナインをチンカス呼ばわりする人間だ。
また、横山やすしの存命中にその行動を非難した。
先のことは考えていない。ただ、見た感覚として日本映画が
ハリウッド映画よりも面白く感じたということであろう。
では、それはなぜなのかと考える。
これは単純に松本が日本で芸能活動をしているためだと思う。
松本は話の作り方から人物を見ている。ゆえに伝記や史実を扱った映画は
あまり論ずる材料がなく手持ち無沙汰の感じをかもし出す内容になっている。
外国映画の場合は話の作り方のみで人物を見ているので良し悪しが
はっきりしている。
日本映画の場合、芸能活動をしていれば、監督、キャストなどと
会う機会がある上に、映画以外で活躍している様を目にすることがある。
話の作り方以外からも人物が見えてしまうわけだ。この多面的見方により
面白さが出てきてしまっているのではないかと思う。
ハリウッドが面白くないということではなく、日本の映画に関わる人たち
よりもハリウッドに関する予備知識が少ないので面白いと感じないと
言う事だろう。 |