はじめに
ゴミ収集・処理のシステムは、自治体によってまちまちであり、一部水俣のように極めて微細な分類を行なっている地域もあれば、福岡市のように3種類の分類しかない地域もあります。東京都府中市は、ゴミ収集システムに優れた点があるので、簡単に報告しようと思います。
● 特徴
府中市のゴミ収集システムの特徴は、分別収集とゴミ出し日の期日が無いことです。写真―1、2は、府中本町駅前の街路に設置されたもので、青いボックスが可燃物、だいだい色のボックスが不燃物になっています。リサイクルボックスの横に置かれた籠には、ビンと缶を分けて入れます。
いつでもゴミを出せるということが、市民には好評のようです。また、いつでもゴミが出せるからといって、ゴミがあふれているようなところも見られませんでした。
● 分別について
ボックスは全部で5種類 不燃物、可燃物、ペットボトル(写真―3参照)、発泡スチロールトレイ、電池があるそうです。発泡スチロールと電池の回収ボックスは確認できませんでした。 また、瓶用、カン用の籠{または網(写真―8参照)。また、新聞や古い布、ダンボールを入れる倉庫があるそうですが、確認できませんでした。
● 個々の例について
分別自体は、市民が面倒さに耐え得る程度という印象を受けました。非常に細かな設定があるわけではなく、写真−11を見ると分かるように可燃物収集ボックスの中には衣類、紙類、ノート、ダンボールが入ります。キチンとまとめて回収ボックスに入れられるので、後で分別されるのかもしれません(情報求む)。
写真―3〜5は、府中市の交通公園および郷土の森に設置されたリサイクルボックスです。写真―5は、売店の前に置かれており、スチール缶、アルミ缶、ペットボトルなどを分別して入れられるようになっています。写真―3を見ても分かるように、市内に普通に設置されている回収ボックスとは違い、景観を意識した、ステンレス制で明るく清潔感があるのが特徴です。この公園には子供連れの父母が多く訪れます。
写真―6には小さなゴミ焼却炉が映っています。このようなゴミ焼却炉はダイオキシンを発生しやすいため、規制する動きが強いのですが、府中市の場合はどうなのでしょうか。この焼却炉を使っているかは確認が取れませんでした。
写真―7の回収ボックスには「乾電池は有害容器に」と書いてありましたが、乾電池用の「有害容器」は確認できませんでした。福岡市では乾電池は、店頭などで自主的に引き取っていますが、一般的には燃えないゴミとして捨てることになっています。このような細かな意識の差が、やはり中央と地方を象徴するのでしょうか。写真―8の網の袋はアルミ缶専用です。
ビンや缶を捨てるときに、一度洗浄してから出すという決まりがあります。必ずしも徹底されてはいないようですが、写真―10のような酒瓶のたぐいがあっても、酒臭いということはありませんでした。キャップについては、私が質問した料理屋の女将は「キャップを取って出す必要はない」と言っていましたが、ゴミの中にはキャップのあるものと無いものが混在していました。
● 疑問
私は府中市のゴミ収集システムについて、役所に行って調べたわけではないので、いくつかの疑問が残りました。まず、生ゴミについてですが、可燃ゴミの回収ボックスをあけてみても、異臭がするということがありませんでした。生ゴミは別の収集システムがあるのでしょうか。
乾電池について、有害容器というのはどこに設置されているのでしょうか。
可燃物について、ボックス内では数種類のゴミが混在していましたが、これは処理場で分別されるのでしょうか。
また、粗大ゴミの回収についてはどうなっているのでしょうか。
もう一つ意外だったことは、このような市民にとって比較的便利なゴミの収集システムがあるにもかかわらず、街の中が特別きれいとは言えなかったことです。私が調査中も目の前でタバコのポイ捨てを目にしました。また、袋小路のような場所には自転車や布団などが放置されていました。公園内にはカラスが多いですが、これはどこかにカラスの餌となる生ゴミなどが豊富に落ちているという可能性を示しています。システムの構築と、市民の意識の向上という側面から見ると、まだシステムに市民の意識が完全には追いついてはいないということなのでしょうか。
● 終わりに
私の住んでいる福岡市は、ゴミのリサイクルシステムの構築は遅れています。それに比べると府中市のゴミ収集システムは、市民の忍耐の限度を超えない程度の範囲で、またいつでもゴミを出せるというメリットもあって、うまく機能しているのではないかと思われました。
しかし一方で、「ゴミがいつでも出せるから、かえってゴミを減らそう(家の中にゴミを溜めまい)という努力をしなくなる」という話も聞きました。そういう点から、次回は、このようなゴミのリサイクルシステムを構築した結果、ゴミの総量・一人あたりゴミの排出量がどのような変化をしたのか、調べてみたいと思います。
調査日2000年2月7日 GEM
神奈川県日航ホテルロビーには、下のような節水・節電を呼びかける看板が立っていました。

上野公園敷地内には、左のような看板と、右のようなゴミのリサイクルボックスが設置されていました。リサイクルボックスの左の袋の中には、衣類が入っていました。これは、上野公園内だけなのか、東京都のゴミ収集システムなのかは、現在不明です。
神奈川県川崎市は、ゴミのリサイクルシステムの構築が遅れており、最近ようやく透明のゴミ袋が採用されたそうです。下の写真は「資源ゴミ」なのだそうですが、これをリサイクルショップなどに回すので、資源ゴミと言っているのでしょうか?私は疑問に思います。
