
(1)1956年 光文社刊 全3巻
初の単行本。内容も表紙も素晴らしい。連載順ではなく、書き直しも多いが、これはこれで素晴らしい単行本である。古本屋で一冊一万〜五万円もするが、それだけの価値はある。『気体人間』から『謎の冷凍人(冷凍人間)』まで収録。かなり売れたらしい。
(2)1958円 光文社刊 手塚治虫漫画全集(全14巻?)として全8巻
(1)の三巻に五巻を加えたもの。だから第1〜3巻は(1)と共通。ただしカバーはシンプルになった。『アトム大使』から『火の壷島(人工太陽球)』までを収録。(1)があまりにも売れたので『ジャングル大帝』、『黄金のトランク』、『西遊記』を入れて手塚治虫漫画全集として刊行。ただしすべての作品が途中までで終了。ちゃんと最後まで責任を持って欲しい。古本屋で一冊3000円〜1万円。第4巻の『美土路沼事件(ミドロが沼)』は珍しくコバルトが死ぬバージョンを収録。著者もまさかその後復活するとは思わなかったらしい。
(3)1964年 光文社刊、カッパ・コミックス 全32巻、別巻2、合本3
アトムの初アニメ化と同時に刊行。『アトム大使』から『青騎士』までを収録。カラーページが美しい。初収録作品が多いが、かなりカットされていたためかつのて「少年」読者の多くが失望している。古本屋では一冊1000円〜3000円。
(4)1968年 小学館刊 手塚治虫全集(全40巻)として全20巻
「手塚作品をすべて刊行する」という発表に手塚ファンは狂喜したが、出たのはたった40冊。カバーも味気ない。ほぼ(3)と等しいが、『アトム復活』以降の作品や『アトム今昔物語』が初めて収録された。
(5)1975年 朝日ソノラマ刊 サンコミック 全21巻+別巻
手塚の希望で各話(全作品ではない)の始めに1、2ページの解説マンガが付け加えられ、作品そのものも大幅書き直しが行われた。また『アトム誕生』の巻が書き下ろされた。わかりやすくなったかも知れないが、評判はそれほど良くない。
(6)1979年 講談社刊 手塚治虫全集(全400巻)として全18巻と別巻2
初めて発表年代順に作品が並べられた。(4)に似るが、『アトム大使』と『アトムの両親』はオリジナル版を収録しているのが有難い。現在でも本屋で簡単に入手できるアトム本としてはベスト。買うならコレ。
(7)1980年 朝日ソノラマ刊 全12巻
二回目のアニメ化と同時に刊行。前回ほど売れなかったようで12巻で終了した。ほぼ(3)と同じだが四色カラーがなくなった。資料的価値は全くない。
(8)1987年 講談社刊 KCスペシャル 全7巻
選集。安い。それだけ。
(9)1992年 講談社刊 豪華愛蔵版 全15巻
(8)は初心者向け、アトムファンはこちら、という意味らしい。(6)にほぼ等しい。カバーの3Dアトムをいろいろレンダリングした絵は当時としても低レベルだ。
(10)1995年 光文社文庫版 全15巻
皮肉にもアトム以上に人気の出た『ブラックジャック』で文庫コミックのブームが起きた。その結果、アトム初の文庫本が発売。
(11)1999年 秋田書店刊 全21巻+別巻2
サンデーコミックと呼ばれるが、内容は(5)と同じ。
(12)2002年 講談社漫画文庫 全13巻
二度目の文庫本。(9)を文庫本にしたようなもの。厚くなって巻数が減ったことだけがメリット。
以上以外にも単発、選集は十種類以上出ている・・・・が、無視。
結論・・・・大金を出して(2)を買うか、普通の値段で(6)全集版を買うこと。