雑誌「少年」連載リスト10     前へ 目次へ 次へ
昭和35年(1960年) 32才

少年 タイトル ストーリー 同時期の事件
1月号 火の壷島
(第3回)
避難室へ逃げ込んだお茶の水博士を、なんとホームスパンは素手で引き出した。

彼の身体は、頭以外はすべて機械化されていたのだ。

お茶の水博士は、人工太陽球の秘密をホームスパンに打ち明ける。

アトムでさえ人工太陽球には対抗できないというのだ。

その頃、人工太陽球に追われたアトムは、
孤島の人々が犠牲になるのを見かね、自らの身を太陽球に投じた。
『エンゼルの丘』連載開始
『おれは猿飛だ!』連載開始

岸首相の渡米に反対した学生が羽田空港に座り込む。
火の壷島
(第3回)
【別冊付録】
人工太陽球によって溶かされ、芋虫状態になったアトムを救ったのは『十字架大陸』事件の仇敵・金三角だった。

お茶の水博士に変装したホームスパンを運んできたジェット機の操縦ロボットを説得し手足を得たアトムはホームスパンを金三角の手から救い出す。
2月号 火の壷島
(最終回)
アトムの活躍で人工太陽球は太陽へ向かって飛んでいった。

金三角を逮捕しようとしたホームスパンは身体でただ一箇所残された脳を撃たれる。
現皇太子誕生。
火の壷島
(最終回)
【別冊付録】
頭を撃たれたホームスパンは手術を受けて完全なロボットとなって蘇った。
【解説】
ホームスパン最後のセリフ、「私は喜んでロボットの仲間に・・・」。読後、胸にジ〜ンとくる名ラストである。
 最初の手塚全集(光文社)版は、『火の壷島』あらため『人工太陽球』を最後に発行を終了したため、この作品までを前期アトム、とするファンもいる。
宇宙豹
(第1回)
【別冊付録】
東京に雪が降った。その雪に触れたロボットたちはエネルギーを吸い取られ動けなくなる。アトムを襲った六本肢の豹ルーペこそ、地球制服を狙うリーゲル星人のペットなのだ。
リーゲル星人の『地球雪ふり作戦』は成功するのか?
3月号 宇宙豹
(第2回)
学校へ出てきたアトムは理科室でルーペを発見する。四部垣の機転でルーペは傷を負う。 栃錦vs若乃花の初の全勝対決。
宇宙豹
(第2回)
【別冊付録】
ルーペは郊外のロボット博物館へ逃げ込み、そこでアトムの模型に化ける。アトム対アトムの対決!四部垣は偽アトムに倒され、アトムはタワシ警部に誤って逮捕される。

偽アトムは二人組の犯罪者と共に、世界ロボット会議場を襲う。お茶の水博士危うし!そこへ駆けつけたアトムと再び対決した偽アトムはパラフィンで固められてしまう。


ルーペを取り戻しにきた宇宙人はヒゲオヤジを人質にしてルーペを解放するようにお茶の水博士に要求した。

【解説】
この回はその後の単行本から丸ごとカットされた。ストーリーとしてはとても面白いので残念である。
4月号 宇宙豹
(第3回)
まんまとルーペと宇宙人に逃げられるアトム。 韓国の李承晩大統領辞任。
SONY、世界初のトランジスタ・テレビ発売。
宇宙豹
(第3回)
【別冊付録】
再び地球征服を狙うリーゲル星人。囚われていたヒゲオヤジは、宇宙人の円盤から逃亡しようとした。彼を救ったのは、アトムのアイデアで『群体』となったロボットの集まりであった。
5月号 透明巨人
(第1回)
アメリカに続いて日本でも立体テレビ放映が開始された。ところが受像機からは怪しい怪物が・・。 アメリカのU2号スパイ機、ソ連上空で撃墜。

三池闘争さかん。
透明巨人
(第1回)
【別冊付録】
四部垣の家にも現れた透明巨人はアトムの活躍で姿を消した。

ロックDナッシー商会を訪れたウッズ博士はNHKに残った立体テレビ装置の破壊を依頼する。実はウッズ博士の助手・花房の発明した物質電送機のために空中をさまよう花房が透明巨人なのだ。ロックDナッシーは透明巨人を犯罪に利用しようとする。

再び四部垣の家を訪れたアトムは、透明巨人が助けを求めていることを知った。そこへ・・・
6月号 透明巨人
(第2回)
爆弾攻撃を受けたアトムは危機一髪助かる。四部垣家の立体テレビ受信装置を奪ったロックDナッシーは透明巨人を呼び出すことに成功する。 安保反対闘争
安保条約成立
透明巨人
(第2回)
【別冊付録】
ロックDナッシーは透明巨人にウッズ博士を殺すように命ずるがアトムが博士を助ける。ウッズ博士から得た情報でアトムは花房博士の研究室で物質電装装置の設計図を手に入れる。

ロックDナッシーは
殺し屋『ゲキガー』にアトム抹殺を命ずる。ゲキガーによってアトムは両腕をもぎ取られるが、ヒゲオヤジに救出される。ゲキガーからロックDナッシーが海岸通りに隠れていることを知る。

警察隊が取り囲んだ海岸通りの小屋からは透明巨人が・・・。
7月号 透明巨人
(第3回)
透明巨人にてこずったアトムは物質電送装置を破壊する。しかし、それこそが犯罪の証拠だったのだ。証拠不十分で逮捕を免れるロックDナッシー。
レーザー光線の発明。
岸首相退陣。

ソ連が中国への技術援助停止。
透明巨人
(第3回)
【別冊付録】
お茶の水博士は花房博士の設計図を元に物質電送装置を作るが、そこへロックDナッシーが登場。しかし、電送装置から出てきた花房博士はロックDナッシー一味を別世界へ送ってしまう。改心した一味は裁判所で有罪の判決を受ける。

花房理学士はアトムの頼んで宇宙の果てへ電送装置で送ってもらう。一か月後、ヒアデス星団のある星で花房理学士そっくりの宇宙人と探検隊がであったというニュースが流れた。

今回の事件でのアトムの活躍を感謝したお茶の水博士は、ウランとコバルトをアトムへ贈る。
【解説】
元ネタが小説『ハエ』(映画『ハエ人間の恐怖』)。これほど元ネタがはっきりしているのは手塚作品では珍しい。
『透明巨人』最大の謎は、ラストに突然登場するウランとコバルトであろう。

8月号 1/2人間
(第1回)
生まれたばかりの弟と妹を連れて東京見物をするアトム。ロボッティング選手権大会に勝手に飛び入り出演するウラン。 富士見台に家を新築。

アフリカ諸国の独立が盛んになる。

ライカ犬宇宙より帰還。

オリンピック・ローマ大会。
1/2人間
(第1回)
【別冊付録】
規則上、最後まで戦い続けなければならなくなったウラン。学校と試合との両立が困難なことに悩むウランに近づく雪杉博士。ウランはふたつに分かれることができるようになったが腕力も半分になったことをウランは知らない。
増刊号 ロボット流し  お盆には最近亡くなった人そっくりのロボットを作り、数日家で故人を偲ぶ、という習慣がある。
 アトムそっくりの子供が亡くなったというので、アトムが身代わりとしてその家へ。実はその子はタイムマシンを発明していたのだ。タイムマシンで60年の東京へ来たアトムはデモに巻き込まれる。
【解説】
番外編。タイムマシンよりも、「灯篭流し」ならぬ「ロボット流し」というアイデアの方が面白い。
9月号 1/2人間
(第2回)
2分の1になったウランに十万馬力はない。相手ロボットにバラバラにされるウラン。アトムはウランを連れてお茶の水博士のもとへ向かう。そこへランプが・・。
【解説】
カッパコミックで『ウランちゃん』のタイトルでまとめられる。半分になるウランの描写がなかなかホラー風味がきいていて素晴らしい。アニメか実写でやってほしい。
日本でカラーテレビの本放送開始。

原子力空母エンタープライズ進水。

ジャイアント馬場とアントニオ猪木デビュー。
デッドクロス殿下
(第1回)
【別冊付録】
ある夜、アトムの家を尋ねた謎のロボット。アトムは彼と共にグラービア国に向かった。理由もわからず後を追うヒゲオヤジは同国の秘密組織に捕らえられ、
余計な音は聞こえないふしぎな家へ運び込まれる。
一方、謎のロボットの正体は国務大臣のチュート・ハンパーであった。ラグ大統領はアトムに協力を依頼する。
10月号 デッドクロス殿下
(第2回)
ポリエステルの拷問を受けるヒゲオヤジ。
翌朝、
アトムはラグ大統領から国のロボット事情を聞く。アトムが修理した敵ロボットの後をついてデッドクロス殿下の秘密基地へアトムと大統領は向かった。
「サンセット77」放映開始。

浅沼社会党委員長暗殺。
デッドクロス殿下
(第2回)
【別冊付録】秘密基地でアトムとラグ大統領はデッドクロス殿下に発見される。そこにはロボットの墓場があり、ラグ大統領の友人であるブードーの変わり果てた姿も見つかる。捕虜になっているヒゲオヤジを助けようとしたアトムであるが、それはスクリーンに映った姿であった。

4月13日、大統領の演説の日がきた。ラグ大統領の演説を聴いたブルンブル博士はビル型ロボットを出現させた。アトムがビル型ロボットと戦っている間に大統領が誘拐される。

ロボカーに乗って、チュート・ハンパー大臣とアトムは大統領の後を追って孤島へ到着する。そこには十字架にかけられたヒゲオヤジが。
11月号 デッドクロス殿下
(第3回)
高圧線の十字架に縛られたヒゲオヤジを救い出したアトムであったがエネルギーが切れて、デッドクロス殿下の下へ運ばれる。ラグ大統領もまた電子頭脳を破壊されようとした。 国連で南アフリカの人種隔離政策が非難される。
デッドクロス殿下
(第3回)
【別冊付録】デッドクロス殿下はラグの電子頭脳を取り出し、ラグを単なる無能ロボットに変えてしまう。
ヒゲオヤジは大臣のチュート・ハンパーと共にロボカーに乗ってデッドクロス殿下の秘密基地に潜入した。

殿下の秘密日記を読んだヒゲオヤジは、ラグがデッドクロス殿下に作られ、彼に逆らってロボットを奴隷状態から解放するために大統領選挙に立候補して殿下を破ったことを知った。

デッドクロス殿下の部下達に見つかったヒゲオヤジを救ったのはまたまたチュート・ハンパー大臣であった。
大臣は上半身を犠牲にしてヒゲオヤジの救出に成功する。ピラニア・プールの中央に浮かんだアトムを取り出したヒゲオヤジは大臣の下半身と共に基地からの逃亡に成功する。

ヒゲオヤジと大臣の下半身はアトムをブルンブル博士の所へ連れて行くが、
そこには既にデッドクロス殿下の部下が・・。
12月号 デッドクロス殿下
(第4回)
アトムを修理するためにヒゲオヤジが向かったブルンブル博士はデッドクロス殿下の部下だった。そこへ現われたのはアトムを心配してやってきたお茶の水博士であった。ヒゲオヤジとお茶の水博士はロボットに襲われる! 東映動画『シンドバッドの冒険』の脚本

『キャプテンKen』連載開始

石原裕次郎結婚。
デッドクロス殿下
(第4回)
【別冊付録】
デッドクロス殿下は人工頭脳を抜かれたラグにテレビ出演させようとする。アトムがラグの頭をつけて替え玉出演し、デッドクロス殿下の悪事を露呈する。

最後、追い詰められたデッドクロス殿下のヘルメットの中にラグの電子脳が見つかる。グラービア国でより良い政治を行うことをアトムに誓うラグ大統領。
【解説】
ただの冒険活劇。デッドクロス殿下の正体が意外といえば意外だが、フェアではない。『0マン』や『キャプテンKen』といった大河ものが描ける週刊誌連載の方に力を入れて、アトムは惰性で続けているような雰囲気もあるぞ。