雑誌「少年」連載リスト11     前へ 目次へ 次へ
昭和36年(1961年) 33才

1月号 白熱人間
(第1回)
 科学省で五十万馬力の史上最強のロボット・ブロンXが製造されることになった。発注主はスットン共和国のガストン氏であるが、アトムはガストン氏が悪人であることを見破る。
アトムと共にブロンXを見学したコバルトは、小型のブロンX試験体に頭部を接続させ、動かす。
医学博士取得

『ナンバー7』連載開始

ケネディ、アメリカ大統領に。
白熱人間
(第1回)
【別冊付録】
 ブロンXの出す光線でアトムもコバルトも動きを封ぜられてしまう。ブロンXはアトムに「わたしは今に人間もロボットも征服する」と伝えた。

 お茶に水博士によると、ブロンXはアフリカのルベンゾ山脈にあるブロン山で探検家ガストン氏が地中に埋められた円盤から発見した設計図をもとに製作したロボットという。アトムはブロンXの完成に反対するが、お茶の水博士は聞く耳をもたない。

 科学省を訪れていたガストン氏が部下と「ブロンXを使って世界を征服する」という話を聞いたアトム。それに気づいたガストン氏の車がアトムに体当たりするが、壊れたのは車の方である。しかし、ガストン氏の訴えでアトムは警察に逮捕される。

 中村警部の力で保釈されたアトムであるが、ついに科学省に忍び込んでブロンXの頭部を盗む。怒り狂ったガストン氏はお茶の水博士に命じて、ブロンXの胴体(本体)に首を探させるようにお茶の水博士に要求した。
増刊号 植物人間  滅びた筈のアルソア12という星からやってきたロボットが、雪山を溶かしてその水を円盤の中に集めだした。いくら壊しても自動的に修復される円盤にアトムもなす術がない。ところが、『X』の印のついた円盤に囚われていたアルソア12星人のただ一人の生き残りの少年を助けたアトムは、円盤が吸い上げた水の温度を調節する能力を持っていることを知らされる。
 すべての円盤の水を凍らせることで、円盤は中の体積が膨張し、同時に爆破してしまう。
 残されたアルソア12星人は植物人間であった。山の中、一人植物としてひっそりと地球で暮らす少年。
【解説】
 手塚お気に入りの短編である。アイデアに斬新さはないが、雪山の中でアトムが四部垣らに語るところが雰囲気が出ている。
2月号 白熱人間
(第2回)
 日本の南の果て、洞ガ島に盗んだ首を埋めた。そこへ出現したブロンXとアトムの決闘が始める。ところが埋められた首は何者かに盗まれていた。 『ごめんねママ』連載開始

ソ連、金星ロケット発射
白熱人間
(第2回)
【別冊付録】
 白熱したブロンXの胴体は冷たい海の中で爆発した。なくなったブロンXの首は貧しい村の少年・正一が夜勉強するために盗み出したのだった。

 その頃、東京ではガストン氏がお茶の水博士を説得してテスト用のブロンXの胴体を動かそうとしていた。そこへ現れた謎の人物・CPクラブのノッポーはブロンXを勝手に飛ばした。
 いよいよアトムとブロンXの最後の戦いが始まる!
3月号 白熱人間
(第3回)
 アトムを追って空中パトロール隊が到着し、アトムは逮捕される。そこに現われたのはCPクラブのノッポーであった。
白熱人間
(第3回)
【別冊付録】
 CPクラブのノッポーは、ブロンXを取り戻しにきた宇宙人だった。
 アトムはブロンXの首を島の灯りとして使いたいと希望する。

 首をかけてのブロンXとの戦いでアトムは勝利し、首は村に本当の灯りがつくまで照らし続けるのだった。

【解説】
 アトムより強いロボット登場!ブロンXの巨大さと不気味さは、巨大ロボットものの魅力を少年たちに教えた。しかし、CPクラブとはいったい何なのだったろうか?
 なお某「鉄腕アトム大百科」ではブロンXの設計図が見つかった「ルベンゾ山脈」を架空の土地と言っているが、実際に存在する。「ジャングル大帝」に登場するムーン山もこのルベンゾ山脈の一部である。
ホットドッグ兵団
(第1回)
【別冊付録】
 ヒゲオヤジの愛犬ペロを狙う謎の怪人たち。
 突如路上から消えたペロは?
4月号 ホットドッグ兵団
(第2回)
 それから一か月後、ペロを失って元気のないヒゲオヤジを心配するアトムと級友たち。校庭へ謎のジェット機が着陸する。
ホットドッグ兵団
(第2回)
【別冊付録】
 学校へ着陸したジェット機から降りてきたのは青い顔をしたロボットだった。彼はヒゲオヤジの顔をジッと見つめるだけで飛び去った。アトムはジェット機にシクロメータを投げつけた。
 
 北極の秘密基地に着いた謎の男は、サンタ・マリア大公妃に仕える親衛隊の隊長44号であった。なぜアトムの学校へ行ったか自分でもわからない44号はロボット医のポンコツ博士の診察を受ける。そこで44号は倉庫に大量の犬の毛皮が隠されているのを発見した。

 その時、大公妃は、44号らの『ホットドッグ兵団』へ日本宇宙船への攻撃を命じた。ロボットである筈のホットドッグ兵団は人間への攻撃を開始したのだ。
TV番組『ふしぎな少年』放映開始

初の有人衛星ボストーク1号。

黒澤明の『用心棒』。
5月号 ホットドッグ兵団
(第3回)
 ホットドッグ兵団の攻撃を受けた『八洲号』の乗組員は全滅した。

 宇宙遭難対策本部では中村警部がお茶の水博士に泣きついたが、アトムは出張中とのこと。
 そのアトムはシクロノメーターを頼りに北極海へ向かっていた。謎の要塞でアトムを待ち受けるものは?
『ふしぎな少年』連載開始

アメリカで黒人の公民権運動盛んになる。
ホットドッグ兵団
(第3回)
【別冊付録】
 ホットドッグ兵団の攻撃を受けたアトムは氷の下に隠れる。
 そこへ、日本の宇宙船を破壊した44号らが到着した。大公妃は「月の裏に眠る母親に、人間を月に行かせるものか」と誓うのだった。

 わざと巨大な魚に自分を飲ませたアトムは、秘密要塞に潜入することに成功する。
 日本船を撃滅させた報償として、ポンコツ博士は44号にペロの毛皮を与える。アトムを発見した44号であるが、毛皮の犬のことを知っているアトムを自分の部屋へ隠す。

 月を見ながら母親の遺言を思い出すサンタ・マリア大公妃。
 彼女の母こそ、『月のうらの秘密(イワンのばか)』に登場した女パイロットだったのだ。
 そこへ、ポンコツ博士が現れ、ホットドッグ兵団が犬の本性を現し始めたと報告する。ホットドッグ兵団は犬を使った半ロボットだったのだ!

 ペロの毛皮を奪い返したアトムは、ヒゲオヤジの家へ到着した。しかし、アトムを追って44号もやって来た。
6月号 ホットドッグ兵団
(第4回)
 44号は近所の犬と格闘となり、警察隊に取り囲まれる。
 アトム対44号の戦いが始まった!
手塚治虫プロダクション動画部設立
ホットドッグ兵団
(第4回)
【別冊付録】
 アトムは44号と廃品処理工場で戦い、辛くも勝利した。

 逮捕された44号の身体を調べたお茶の水博士は、彼の体内に神経があることを発見する。それはサイボーグス(半人間)のようなもので、神経は犬のものだという。44号がペロを改造したことを知ったヒゲオヤジは怒り狂う。

(単行本削除)44号の尋問が始まった。ロボット刑事は、ロボットならば人間を襲う筈がないから、彼の鎖を解くよう主張する。親身になって44号に近づいたロボット刑事は44号に破壊されてしまう。

 興奮した44号は、ヒゲオヤジをみて大人しくなった。自分を作ったのがポンコツ先生であること、今まで月へ向うロケットばかり13回も襲ったことをヒゲオヤジに告白する44号。

 月ロケット攻撃が16回を越えたとき、警察は機動部隊とアトムに北極のホットドッグ兵団の基地を襲撃させることを決定する。
 しかし、基地のポンコツ博士は人工霧と人工雷雨で機動部隊をバラバラにしてしまう。気がついた時にはアトム一人しか残されていなかった。
7月号 ホットドッグ兵団
(第5回)
 日本からホットドッグ兵団攻撃に向かった爆撃機舞台は、突然の激しい雷によって全滅していたのだ。
 一人残されたアトムにドラムカン・ロボットが襲いかかる。ロボットの噴射するドライアイスによってアトムの電子脳が凍ってしまった。ポンコツ博士は人造カモメに「アトムと44号を交換しよう」と手紙を書きお茶の水博士の元へ送る。
若大将シリーズがスタート。
ホットドッグ兵団
(第5回)
【別冊付録】
 44号の力でアトムは氷山の中から逃れることができたが、再びポンコツ博士が目の前に洗われる。
8月号 ホットドッグ兵団
(第6回)
 ポンコツ博士はアトムに、大公妃の母親が昔ロケットパイロットして月へいき、月の裏にダイヤを発見したこと、ホットドッグ兵団はそのダイヤを守るために月へ行くロケットを破壊するのだ、と教える。

 アトムは足のジェット噴射で氷を溶かし、危機を逃れる。
 怒り狂ったポンコツ博士は洗脳された44号にアトムを殺すように命令する。

 三か月後、月へ向かうロケットにはアトムが乗っていた。ホットドッグ兵団全滅作戦の開始である。
長男(真)誕生

『白いパイロット』、『オズマ隊長』連載開始
ホットドッグ兵団
(第6回)
【別冊付録】
 アトムのロケットに近づくホットドッグ兵団。

 無線電波の声からアトムが乗っていると44号は判断した。
アトムのロケットから発射された爆弾には動物の神経を麻痺させるガスが入っていた。

 
大公妃は、どうせ捕らえられるならホットドッグ兵団を月をぶつけて自滅させて証拠を消そうとした。次々と月に衝突して全滅するホットドッグ兵団。
 アトムはせめて44号だけでも、と44号らの乗った円盤を月へ着陸させることに成功する。

 それから3か月が過ぎた。

 ヒゲオヤジは44号がペロの毛皮を奪いにやって来ないことから、44号とアトムが一緒であること、そして彼らは月かどこかで生き残っているのではないかと、お茶の水博士に伝える


 その頃、ようやくガスの効果が切れたホットドッグ兵士らは、アトムへの反撃を計画していた。
増刊号 溶鉱炉の怪人  若い刑事がアトムに相談をもちかけた。
 最近若い男の失踪事件が頻発しているが、刑事の父親が若い男の遺体を溶鉱炉へ投げ捨てるのを目撃したのだと言う。
 自分の父がとんでもない犯罪者ではないかと悩む青年。
 アトムは・・・。
【解説】
 ミステリー仕立ての短編。トリックというかアイデアにはちょっと問題もあるが、なかなか面白い。

9月号 ホットドッグ兵団
(第7回)
 アトムの不意を狙うホットドッグ兵団。
 しかし一千万倍の耳の力で彼らの計画を知ったアトムは難を逃れる。

 44号と格闘中のアトムは深い谷に落ち、そこでダイヤを発見した。
こんな石ころを守るために仲間が犠牲になったことを知った44号は悩む。

 そこへ巨大な一つ目ロボットが現れた!
柏戸と大鵬が横綱に。

少年に『魔術師キオとアトムの対決』記事掲載。
ホットドッグ兵団
(第7回)
【別冊付録】
 一つ目ロボットは、その周囲に自分の目となる虫型ロボットを飛ばしていた。 虫型ロボットを破壊して逃走したアトムと44号は、ダイヤモンドの山と巨大なキノコ群を発見する。

 その頃、生き残っていたホットドッグ兵団の兵士たちは、次々と一つ目ロボットに殺されていった。
 やがて、ポンコツ博士と大公后が月に到着し、ダイヤの所有権を宣言する。


 巨大なキノコは記録装置であった。
 それによると、月の都フィドラは平和で豊かな都市だったが、人々はダイヤの魅力に負け、何としてもダイヤの増産に務めた。
 やがて、科学者らは人工隕石によってダイヤを作る方法を発見する。しかし、隕石の衝撃は環境破壊をもたらし、やがてフィドラは滅んでいったという。愚かな町の記録をキノコは笑いながら説明するのだ。

 それを聞いた44号は、人間の愚かしさを知り、アトムとの戦いをやめることを決心するが、そこへ再び一つ目ロボットが現れ、44号は追いつめられる。
10月号 ホットドッグ兵団
(第8回)
 一つ目ロボットに襲われる44号を救おうと、ホットドッグ兵士たちが捨て身の攻撃を繰り返すが、一人また一人と倒されていく。44号はアトムにロボットをコントロールしている装置を破壊するように頼む。
ホットドッグ兵団
(第8回)
【別冊付録】
 町の動力の中心部を破壊したアトム。
 爆発した一つ目ロボットによってホットドッグ兵団も大公妃らも全滅した。

 アトムは44号にロボット犬になるようにすすめる。ペローに戻った44号であったがなぜか月に向かって吠えるクセだけが残った。
【解説】
 アトム・シリーズ最長の作品。人気も高く、手塚も「地上最大のロボット」と共に、「ホットドッグ兵団」をお気に入りとしてあげている自信作。確かに面白い。サイボーグ(作品中ではサイボーグスと表記)が日本の科学雑誌に紹介されたばかりの頃。犬を飼っていた子供たちにとっては、愛犬が人間化する、それもファンタジーではなく科学的に、ということで衝撃的だったのではないだろうか。
 ただし、欧米では動物愛護の観点からこの話はタブーで、アニメ版もこの回は放映を許されていない。
 カッパコミックで単行本化したときに、構成を一部変更し、後半、とくに月へ到着してからのくだりをかなりカットしている。
三人の魔術師
(第1回)
【別冊付録】
 ロボット魔術師キノオを狙う魔術師赤野多仁。
 彼はキノオの得意技である透過術を犯罪に使おうとしているのだ。キノオが閉じ込められた洋館へアトムや四部垣らがサインを求めてやってくる。
11月号 三人の魔術師
(第2回)
 魔法屋敷の仕掛けに、タマオと四部垣はさんざんな目にあう。
 アトムは屋根裏に意識を失ったキノオを発見する。
TV番組『ごめんねママ』放映開始
三人の魔術師
(第2回)
【別冊付録】
 今までの経過が、タマオと四部垣による校内テレビ放送として語られる。
 学校でがっかりしているアトムにヒゲオヤジが新聞を持ってきた。
 なんと、キノオが11月27日昼に国立美術館の絵画百点を盗み出すと言う予告なのだ。タワシ警部の奮闘、むなしく予告通り絵画は盗まれる。
 警視総監と相談したタワシ警部は、日本中のロボットの知能を下げる法案が提出されようとしているというニュースを耳にする。
12月号 三人の魔術師
(第3回)
 アトムと田鷲頚部は、キノオの身体にしかけたシクロノメータを追ったが、それは失敗に終わる。法案に反対するロボットのデモが始まった。
 心配するアトムの前にキノオが現われた!
映画『ウェスト・サイド物語』公開。
三人の魔術師
(第3回)
【別冊付録】
 ビルの屋上に現れたキノオはアトムに真実を伝えた。キノオは赤野に改造されたわけではなく、偽キノオが盗難を働いているというのだ。(偽キノオは作りが簡単なロボットなので善悪の判断がつかない、とキノオは説明する)
 そんなアトムとキノオをタワシ警部が追い詰めるが、キノオの透過術によって二人は逃げることに成功する。
 盗まれた美術品が奥多摩の鍾乳洞にあると睨んだアトムとキノオ。
 洞窟の中で盗まれた絵画を発見したアトムに、赤野他仁と偽キノオが襲いかる。