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ゲジヒト

異国からやってきたロボットはお茶でもてなすのがアトム家の家風
「どうやって飲むのかしら?」と胸ワクワクの母親♪

今週からビッグコミック・オリジナルで「PLUTO」の連載がスタートした。
主役はゲジヒト刑事である(たぶん)。

さて、「史上最大のロボット(のちに地上最大のロボット)」に登場するロボットたちの中でも登場シーンが少ないわりに人気の高いのがドイツ一のロボット刑事・ゲジヒトだ(「ゲジヒト」とはドイツ語で「顔」のこと)。1964年8月号の付録に登場し、登場後わずか23ページ後に破壊されてしまう短命キャラである。

単行本では三箇所がカットされている。

 カットされた第一の部分はアトムの母親から差し出されたお茶(実は原子力エネルギー)を飲む場面だ。
「お茶をどうぞゲジヒトさん」
「これは?」
「ロボット用のお茶ですの。実は・・・原子力エネルギーの小型チューブですわ」
「なるほど。これはうれしいごちそうですなあ」
そう言うと、黄金に輝くゲジヒトの頭がパックリと二つに割れ、その中へチューブがニュルニュルと入り込むのである。ゲジヒトの頭の割れ目・・というか線がなんとなく色っぽく感じた読者も多かったであろう。
「日本のロボットはお客にとても親切だと聞いていましたがホントにその通りですね。ではおいとまを・・・」
 と立ち上がるゲジヒトに頭を下げるアトムの母親。その顔は真っ赤になっている(どうした?)。

どうやらアトム家は外国から変なロボットがやってくるとお茶を出してその飲み方を確認するのが楽しみとなっているようだ。「デッドクロス殿下」では上半身のないロボットが来たときに、「どうやって飲むのか見たい」と言いながらウランがお茶を出していたではないか。娯楽の少ないアトム家では仕方のないことだろう。お客には迷惑かも知れないが。

 次のカット部分はウランとゲジヒトとのやりとりだ。
 アトム家を出たゲジヒトをウランが追いかける。

「おじちゃーん」(お兄さんだろ!)
「なんだい、おじょうちゃん」
「あのね、おじちゃんは何馬力?」
「ハハハ、三十万馬力さ」
「プルートウは百万馬力よ。おじちゃん逮捕できる?」
「あたしがお手伝いした方が強くない?ふたりだと四十万馬力よ」
 さすがの穏健なゲジヒトも生意気なウランにムッときたらしい。
「せっかくだが手伝いはいらんよ。わたしはドイツ一のロボットだ!!」
 さらにゲジヒトはコートの前を開いてみせる。
「それに、わたしには
この武器がある!
 それを見たウランは・・・
「あらっ!」
「ハハハハ・・・」と笑いながら去っていくゲジヒト。目を回したまま立ち尽くすウラン。

 う〜ん、これはどう考えてもヤバイ場面じゃなかろうか。

 ウランが見たのはゲジヒトの胸についている10本の光線銃とヘソのあたりについているキャノン砲(こちらの発射シーンは単行本ではカット)だろう。黒光りするキャノン砲のたくましさに驚いたのか、ウラン?


 いずれにしても「PLUTO」で同様なシーンが再現されるのが楽しみだ(無理だ)。


(2003/9/10掲載)