小沢亜美の秘密 Back Index Next
『アラバスター』(2)


殺して!こんな辱めを受けるなら
いっそ殺して!

 『アラバスター』のヒロインは小沢亜美である。
 単行本では亜美はアメリカのイリノイ州クリントンで起きた猟奇事件で発見された赤ん坊だ。当時アメリカで働いていた小沢判事が亜美を自分の子供として日本へ連れてきたことになっている。兄のカニ平は亜美の眼が青いことを「アメリカで生まれたからさ」と説明する場面がある。(オリジナルの亜美の眼は青くない)
 しかし、亜美は本当にアメリカ人なのだろうか?そもそもアラバスターの正体は本当に黒人のスポーツマン・ジェームズなのだろうか?その謎の解明は(3)に譲るとして、ここでは『アラバスター』屈指の迷場面、全身にラッカーを塗られて辱められる亜美をオリジナル版と全集版で比べてみよう。ロックの残酷さは初出版の方が強烈だ。

少年チャンピオン版 手塚治虫全集版
亜美を追いかけるロック ロック「いくらにげてもわかるぞ!おまえの足から血が出ている!」
亜美「ハア、ハア、ハア、ハア、ハア」
ロック「フフフ・・・つかまえたぞ」
ロック「いくらにげてもわかるぞ!おまえの足から血が出ている!」
亜美「ハア、ハア、ハア、ハア、ハア」
ロック「フフフ・・・つかまえたぞ」
亜美を捕らえたロック 亜美「い・・・た・・・・ァい」
ロック「女か?」
亜美「ハア、ハア」
ロック「女の透明人間か!女とはしらなかった。映画じゃともかく、現実に透明人間にお目にかかったのは、はじめてだ。おっと、見えないからお目にかかったいうのはへんかね。さあ、たつんだ
亜美「い・・・た・・・・ァい」
ロック「女か?」
亜美「ハア、ハア」
ロック「女の透明人間か!女とはしらなかった。映画じゃともかく、現実に透明人間にお目にかかったのは、はじめてだ。おっと、見えないからお目にかかったいうのはへんかね。さあ、たつんだ
湖のほとりへ 亜美「・・・あたしをひきわたすの?」
ロック「ただひきわたすのはおしいんでね。じっくり観察させてもらうよ。透明人間の女というのを。とまれ。この池にはいれ」
亜美「ええっ?」
亜美「・・・あたしをひきわたすの?」
ロック「ただひきわたすのはおしいんでね。じっくり観察させてもらうよ。透明人間の女というのを。とまれ。この池にはいれ」
亜美「ええっ?」
湖に入る亜美 ロック「水にぬらせておまえのすがたをみる」
亜美「いやよ!いやよ!」
ロック「命令どおりにしろっ!あまったれるな、犯人のくせに!
おまえ・・・はだか・・・じゃないか!
ロック「水にぬらせておまえのすがたをみる」
亜美「いやよ!いやよ!」
ロック「命令どおりにしろっ!あまったれるな、犯人のくせに!
ヌードだったのか!?
無理やり口づけ ロック「そうか・・・なるほど。透明なのは肉体だけか・・・いつもその姿で?
亜美「・・・・・。いや!・・・ひどいわ・・・」
ロック「そうか・・・なるほど。透明なのは肉体だけか」
亜美「・・・・・。いや!・・・ひどいわ・・・」
胸を揉む 亜美「いや!いやーッ!(書き文字)」
ロック「
ばけものの味もかわってておもしろいな
亜美「
ばけもの・・・です・・・って!
ロック「
そう、おまえはばけものさ。まともな女だと思ってるのか?
亜美「キャーッ。
人でなし!
ロック「おっとっとっ」
亜美「
あたし人間よ!(書き文字)」
ロック「
ふざけンなっ(書き文字)」
亜美「いや!いやーッ!(書き文字)」
ロック「
透明人間のキスってのもおもしろいな
亜美「
いいかげんにしてっ
ロック「
熱っぽく興奮しなさんな。熱でかわくと姿が消えるじゃないか
亜美「キャーッ。
やめて
ロック「おっとっとっ」
亜美「
もうかんにんしてっ
ロック「
だまれッ
その後 亜美「・・・なんてひどいことをするの・・・。それでもあなた刑事?」
ロック「
ぼくをどう思う?
亜美「
にくいわ・・・。ころしてやりたいわ!
ロック「これでおまえを日本の警察にひきわたせばおしまいだが。
ぼくのいいなりになれば人間なみにかわいがってやるぜ
亜美「ペッ(書き文字)」
亜美「・・・なんてひどいことをするの・・・。それでもあなた刑事?」
ロック「
ぼく美しいだろ?
亜美「
なによ!三流の少女マンガみたい顔
ロック「これでおまえを日本の警察にひきわたせばおしまいだが。別
れるのは残念だ。ぼくとつきあいたくないかい?
亜美「ペッ(書き文字)」
ラッカーを塗る 亜美「なにをするの!いやーっ(書き文字)たすけて!
殺して!こんなはずかしめをうけるならいっそ殺して!
(書き文字)」
亜美「なにをするの!いやーっ(書き文字)やめて!
ペンキなんかぬらないで。そんなものぬられたら死んじゃうわ!
逃亡 亜美「・・・・・・」
ロック「
水をつけたくらではすぐかわく。おまえを見失わないためにはちょっとやそこらではとれないものをぬっておかなければな。ウプッ!くそ!止まれ!そのかっこうじゃ、どこへにげてもむだだぞ!」
亜美「おぼえておいで・・・きっと・・きっと・・・いつか・・復しゅうするわ!」
ロック「
まてーっ。そのばけものをつかまえてくれー!(書き文字)」
亜美「・・・・・・」
ロック「おまえを見失わないためにはちょっとやそこらではとれないものをぬっておかなければな。ウプッ!そのかっこうじゃ、どこへにげてもむだだぞ!」
亜美「おぼえておいで・・・きっと・・きっと・・いつか・・復しゅうするわ!」
ロック「
まてーっ。その女をつかまえろ。そいつは犯人の一味だ

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