闇に蠢く
<サイケおやじの私的日活SM映画史>
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<1>昭和49年 そもそもの始まりは・・・
| 何がどうなって、ということはわかりません。 ただ少年時代から私の中にはそういう性癖がありました。 それが「SM」という嗜好のものであるという事を知ったのは中学生の時でした。 そして、明日は高校入試というその日の夕方、「花と蛇」に出会ってしまいました。 それは当時我が家に下宿していた叔父さんが結婚を機に引っ越すことになり、私に処分を頼んで行ったゴミの中にあった奇談クラブ増刊号でした。 ほとんど徹夜で読み耽り、静子夫人が、京子が、美津子や文夫が、そして小夜子が妖しく責められる場面の連続に頭がクラクラして朝をむかえたのでした。もちろんオナニーは、恥ずかしながら何回もやってしまいました。 それにしてもあんな状態で入試に行けた自分の若さにいまさらながら驚いているところです。運良く入試には合格することが出来ましたが、試験中にも小夜子が木馬の上でおしっこを漏らすまいと苦しんでいる場面が浮んでいたほどでした。 それ以来、SM文学やその手の映画の虜になり現在に至っております。 その奇談クラブなんですが、高二の時、母親に見つかって燃やされてしまいました。そのきっかけが、それを読みながらオナニーをしていたところを妹に発見されたことで、<Led Zeppelin U> というハード・ロックのアルバムを聞きながらというのが失態の原因のようです。そしてそれ以来、彼等の音楽にはなじめないでおります。ちなみにその場面は美津子と文夫が立ちションをさせられ、そのおしっこで三々九度の杯を、というあたりでした……。 こうして「花と蛇」と強制的な別れをさせられたのですが、何回も読んでいたので好きな場面は暗記しているほどでした。 SM映画との出会いは日活ロマンポルノを通じてのことでした。 当時私はエロ本のグラビアで見た女優の中川梨絵さんに夢中でした。もちろん成人映画の女優さんですが、大きな目と愛くるしいルックスが魅力でした。そして、密かに彼女の出ている作品を見に行ったのですが、初めて見たのが「エロスの誘惑」で、昭和四十七年十月の事でした。同時上映は「一条さゆり・濡れた欲情」で、実はこちらで私の性癖を痛感させられたのでした。 その場面とはストリップ小屋が警察のガサ入れを受け、はるみという踊り子(伊佐山ひろこ)が大きなトランクに隠れるのですが、その中でおしっこが漏れそうになり、ついに……。 その演技が大変良く、おしっこの水流も映っており、さらにそのまま路上に運び出され道路におしっこの跡が流れていくあたりでゾクゾクしてしまいました。 あぁっ、これって……! あと、彼女が路地裏で放尿する場面もありました。 というわけで、これ以降同じ場面を期待してロマンポルノを中心に成人映画を見ていくことになりました。 しかし当時はまだ日活SM系作品は製作されておらず、その他で特に印象的だったのが昭和四十九年正月に見た「濡れた欲情・特出し21人」で、この中でストリッパー役の片桐夕子が巡業中の雪道で堪えきれずに道端でおしっこをしてしまう場面でした。堪えに堪えた後に放尿し、ほっとした彼女の表情が何とも官能的であり、寒さの中でおしっこが湯気となり彼女の姿をぼやかしていくあたりが、なんとも良い味でした。 ふと気づくとこれは両方とも神代辰巳監督の作品で、放尿やおしっこ場面に執着ある監督ではないか、と当時推察しておりました(どうも真実らしいです……)。 ところで、この年公開された日活初の本格SM映画といわれる谷ナオミさん主演の「花と蛇」はリアルタイムで見ておりません。 実は当時私はある事情から六月〜九月末まで日本を離れておりましたので、初めて見たSM映画は「生贄夫人」でした。これは本篇より先に予告篇を見ていたので、封切の日が来るのを胸を高鳴らせて待っていました。 というわけで、これから私が見てきた日活SM系映画の感想を拙い文章とおぼろげな記憶一発で綴らせていただく事になりました。 これは当時からポツリポツリとつけていた手帳のメモを見返しての作業で、物によってはビデオやDVDを所有している作品もあるのですが、あえてリアルタイムの感性を大切にという七四式様からのアドバイスもいただきましたし、個人的にも青春の思い出みたいな物を語らせていただければという気持ちです。 そのメモなんですが、先日七四式様から教えていただいたロマンポルノのファンサイトにあった作品リストと見比べてみたら、昭和五十年〜六十二年頃までのロマンポルノ作品はほとんどリアルタイムで見ていたのでした。 作品によっては自分でも驚くほど仔細なメモをつけていたものもあります(またしても自分の若さに呆れるやら、額に汗が滲みます。)が、正確な資料とはいえず、間違いなどはなにとぞご容赦お願い致します。 最後に何故私が当時のSM映画に引かれるのか? それはスクリーンの女優さんたちが所謂「高嶺の花」に他ならないからだと思います。 「堕ちる女」はやはりそうでなければなりません。どこにでもいるような娘がテレビなどで活躍している現在からは想像も出来ないほど、たとえそれが成人映画の女優さんであっても、当時の彼女達は別世界の人だったのですから……。 その彼女達が驚愕の痴態や狂態を見せてくれるスクリーンは桃源郷でした。そしてもちろん、それがあるのは映画館の「暗闇」だったというのも、たまらない啓示だったのではないでしょうか? 次回、第二回 「花と蛇」と「生贄夫人」 へ続く (2001/11/1掲載) |