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「子どもの権利救済機関」の設置に向け、外部の有識者による検討委員会(委員長・青木孝志国際学院埼玉短期大学教授)がまとめた提言案について県民に意見を聞く県の広聴集会が十八日、さいたま市の埼玉会館で開かれた。参加者は五十一人で、意見や質問のほぼすべてが「公立学校の調査・勧告の実施には教育委員会と事前協議し同意が必要」とする「運用」規定に集中。「一番問題が多い学校を調査できなくなったら救済機関設置の意味がない」「行政からの独立性が確保できなくなる」など、規定の不自然さを厳しく指摘、削除を求める声が相次いだ。 (柏崎智子) 提言案によると救済機関は、いじめや体罰、児童虐待など子どもへの人権侵害行為があった時、子どもの立場に立って相談・調査する第三者機関。侵害行為者に会って事実確認するなど直接解決に乗り出す権限が条例で保障される点が大きな特徴となっている。 しかし、体罰やいじめ、校則問題などで県・市町村立学校へ調査・勧告を行う場合だけは、県教委や市町村教委の同意を得なければ実施できないとする特別な「運用」が定められた。この日の広聴集会で、県はその理由を「学校教育にかかわる問題は学校の職務権限に配慮する必要があるため」と説明。 それに対し、参加者から反対意見が続出。 子どもの人権を守る運動をしてきた市民団体の女性は「教育委員会が子どもの立場に立ってくれないので第三者機関の設置を求めているのに、教委の同意が必要になっては救済機関は教委からの独立性が保てなくなり、子どもを救済できない」と発言。 県東部の公立小学校PTA会長の女性も「教育委員会と連携することで子どもが不利益を受ける事態が現実に今起きている。教師の言動について半年間学校と教育委員会に相談しているが、らちが明かない。逆に教委へ相談したために教師によるいじめがエスカレートし、子どもは不登校になってしまった」とし、運用規定への危ぐをあらわにした。 県西部の男性は、県立所沢高校教諭処分問題で、県教委の処分を第三者機関である県人事委員会が取り消した後も、県教委が処分を正しかったとしていることを例に挙げ、事前協議でどの程度教育委員会が救済機関の意見を尊重するか、疑問を投げ掛けた。 日原知己・県こども家庭課長は「意見は委員に伝え、次回の委員会で議論してもらう」と約束。次回委員会は今月下旬に開かれ、最終案をまとめる。
(2001年11月19日『埼玉新聞』) |