子ども救済オンブズマン組織設置へ
県が条例案

子ども救済オンブズマン組織設置へ 県が条例案

 県は体罰やいじめ、虐待などから子どもを救おうと子ども問題専門のオンブズマン組織「子どもの権利救済機関」を知事の諮問機関として設置する条例案を二月定例県議会に提出する。子どもたちから幅広く相談を受け付け、子どもの立場に立った問題解決を目指す機関で、学校や児童福祉施設などの機関へ調査に入る権限を持ち、問題が解決しない場合は勧告などを行う機能もある。子ども専門の第三者機関が条例で設置されれば都道府県では全国初となる。

 「救済機関」は全体の方針や申し立て事案の審査に当たる「子どもの権利擁護委員」三人と、相談を受け付ける「相談員」、事実関係を調査したり当事者間の調整を図る「調査専門員」で構成され、養護委員には大学教授や弁護士など子ども問題に詳しい専門家、専門員は県職員を配置。今年十月の設置を目指す。

 問題によっては公立学校や児童相談所など行政機関や私立学校や民間の塾、家庭などに調査に入る権限を持つ。この場合、県の施設には調査協力が義務づけられる。救済機関がかかわっても改善が見られない場合は、勧告や意見表明を行い、一般に公表する。

 同期間の設置は、県が委嘱した専門家と県職員などによる検討委員会がこれまでに提言をまとめており、条例案は提言をほぼそのまま生かした内容になった。

 太田尭・日本子どもを守る会名誉会長 子どもの権利条約を具体化する意味で画期的。学校など各機関は「監視されている」と否定的に受け止めるのでなく連携して取り組むべきだ。市民一人ひとりが知恵を集めることは参加型民主主義を前進させる手がかりにもなる。

(2002年2月13日 『埼玉新聞』)


県 子どもの権利擁護に第3者機関設置へ

 いじめや体罰、児童虐待などから子どもを守るため、県は第三者機関「子どもの権利擁護委員会」の設置を決め、26日開会の2月定例議会に条例案を提出する。子ども本人や保護者からの訴えをもとに調査し、関係機関に勧告。その結果を公表もする。同様の機関は東京都などでも要綱で設置されているが、より権限を明確にするために条例化に踏み切った。

 委員会は学識経験者や弁護士ら3人で構成し、10月をめどに発足させる。委員を手助けする事務局は、心理学の専門家などの非常勤調査員3人と、カウンセリングなどの経験者らによる常勤相談員数人が務める。

 県内在住、在学、在勤の18歳未満の少年が対象で、学校や家庭、塾やスポーツクラブなどすべての場所で権利が侵害された事例を扱う。

 委員会は子どもや保護者らからの相談に助言するほか、それでも問題が解決しなかった場合は救済の申し立てを受け、関係機関を調査する。権利が侵害されていた場合、県の機関には勧告や意見表明を、市町村立学校などそれ以外の機関には必要な措置を要請する。その内容は公表することもできる。

 県内の児童相談所に寄せられた虐待の相談は、昨年4月から12月末までで1261件。前年度1年間の数字をすでに上回り、毎年増える傾向にある。いじめや体罰なども残っているという。

 県では00年にプロジェクトチームを発足させ、子どもの権利擁護に取り組んでいた。
(2002年2月25日『朝日新聞』埼玉版)