川西市条例第 24 号
1998年12月22日公布



                                                                          
川西市子どもの人権オンブズパーソン条例
                                                                    
     目次
  第1章  総則(第1条−第3条)
  第2章  オンブズパーソンの設置等(第4条−第9条)
  第3章  救済の申立て及び処理等(第10条−第18条)
  第4章  補則(第19条−第22条)
  付則

      第1章  総則
  (目的)
第1条 この条例は、すべての子どもが人間として尊ばれる社会を実現することが子ども
 に対するおとなの責務であるとの自覚にたち、かつ、次代を担う子どもの人権の尊重は
 社会の発展に不可欠な要件であることを深く認識し、本市における児童の権利に関する
 条約(以下「子どもの権利条約」という。)の積極的な普及に努めるとともに、川西市
 子どもの人権オンブズパーソン(以下「オンブズパーソン」という。)を設置し、もっ
 て一人一人の子どもの人権を尊重し、及び確保することを目的とする。
  (子どもの人権の尊重)
第2条 すべての子どもは、権利行使の主体者として尊重され、いかなる差別もなく子ど
 もの権利条約に基づく権利及び自由を保障される。
2 本市及び市民は、子どもの権利条約に基づき、子どもに係るすべての活動において子
 どもの最善の利益を主として考慮し、子どもの人権が正当に擁護されるよう不断に努め
 なければならない。
3  本市は、子どもの権利条約に基づき、子どもの教育についての権利及び教育の目的を
 深く認識し、すべての人の基本的人権と自由を尊重して自己の権利を正当に行使するこ
 とができる子どもの育成を促進するとともに、子どもの人権の侵害に対しては、適切か
 つ具体的な救済に努めるものとする。
 (定義)
第3条 この条例において「子ども」とは、子どもの権利条約第1条本文に規定する18
 歳未満のすべての者及び規則で定める者をいう。
2 この条例において「子どもの人権案件」とは、本市内に在住、在学又は在勤する子ど
 もの人権に係る事項(以下「本市内の子どもの人権に係る事項」という。)のうち、本
 市内に在住、在学又は在勤する子ども又はおとな(以下「本市内の子ども又はおとな」
 という。)から擁護及び救済の申立てを受けてオンブズパーソンが調査し、処理する案
 件並びにオンブズパーソンが自己の発意により擁護及び救済が必要と判断して調査し、
 処理する案件をいう。
3 この条例において「市の機関」とは、市長その他の執行機関その他法律の規定に基づ
 き本市に置かれる機関(議会を除く。)若しくはこれらに置かれる機関又はこれらの機
 関の職員であって法令により独立に権限を行使することを認められたものをいう。

      第2章 オンブズパーソンの設置等
 (オンブズパーソンの設置)
第4条  地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づく市
 長の付属機関として、オンブズパーソンを置く。
 (オンブズパーソンの組織等)
第5条 オンブズパーソンの定数は、3人以上5人以下とする。
2 オンブズパーソンのうち1人を代表オンブズパーソンとし、オンブズパーソンの互選
 によりこれを定める。
3 オンブズパーソンは、人格が高潔で、社会的信望が厚く、子どもの人権問題に関し優
 れた識見を有する者で、次条に規定するオンブズパーソンの職務の遂行について利害関
 係を有しないもののうちから、市長が委嘱する。
4 オンブズパーソンの任期は、2年とする。
5 オンブズパーソンは、再任されることができる。ただし、連続して6年を超えて再任
 されることはできない。
6 市長は、オンブズパーソンが心身の故障のため職務の遂行ができないと認められる場
 合又は職務上の義務違反その他オンブズパーソンとして明らかにふさわしくない行為が
 あると認められる場合を除いては、そのオンブズパーソンを解職することができない。
 (オンブズパーソンの職務)
第6条 オンブズパーソンは、次に掲げる事項を所掌し、子どもの人権案件の解決に当た
 る。
 (1) 子どもの人権侵害の救済に関すること。
 (2)  子どもの人権の擁護及び人権侵害の防止に関すること。
 (3)  前2号に掲げるもののほか、子どもの人権の擁護のため必要な制度の改善等の提言
  に関すること。
 (オンブズパーソンの責務)
第7条 オンブズパーソンは、子どもの利益の擁護者及び代弁者として、並びに公的良心
 の喚起者として、本市内の子どもの人権に係る事項についての相談に応じ、又は子ども
 の人権案件を調査し、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。
2  オンブズパーソンは、その職務の遂行に当たっては、関係する市の機関との連携を図
 り、相互の職務の円滑な遂行に努めなければならない。
3 オンブズパーソンは、その地位を政党又は政治的目的のために利用してはならない。
4 オンブズパーソンは、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後
 も、また、同様とする。
 (市の機関の責務)
第8条 市の機関は、オンブズパーソンの職務の遂行に関し、その独立性を尊重し、積極
 的に協力、援助しなければならない。
 (兼職等の禁止)
第9条  オンブズパーソンは、衆議院議員若しくは参議院議員、地方公共団体の議会の議
 員若しくは長又は政党その他の政治団体の役員と兼ねることができない。
2 オンブズパーソンは、本市に対し請負をする企業その他これに準ずる団体の役員又は
 オンブズパーソンの職務の遂行について利害関係を有する職業等と兼ねることができな
 い。

      第3章 救済の申立て及び処理等
 (救済の申立て等)
第10条 子ども及びおとなは、何人も本市内の子どもの人権に係る事項についてオンブ
 ズパーソンに相談することができる。
2 本市内の子ども又はおとなは、個人の資格において、本市内の子どもの人権に係る事
 項について、オンブズパーソンに擁護及び救済を申し立てることができる。
3 前項の申立ては、口頭又は文書ですることができる。
4 第2項の申立ては、代理人によってすることができる。
 (調査等)
第11条  オンブズパーソンは、前条第2項の申立てを審査し、当該申立てが本市内の子
 ども又はおとなから行われ、その内容が本市内の子どもの人権に係る事項であって、か
 つ、第6条各号のいずれかに該当すると認める場合は、当該申立てに係る調査を実施す
 ることができる。
2 オンブズパーソンは、前条第2項の申立てが擁護及び救済に係る子ども又はその保護
 者以外の者から行われた場合においては、当該子ども又は保護者の同意を得て調査しな
 ければならない。ただし、当該子どもが置かれている状況等を考慮し、オンブズパーソ
 ンが特別の必要があると認めるときは、この限りでない。
3 オンブズパーソンは、本市内の子どもの人権に係る事項についての相談又は匿名の擁
 護及び救済の申立てその他の独自に入手した情報等が第6条各号のいずれかに関するも
 のであると認める場合は、当該情報等に係る調査を自己の発意により実施することがで
 きる。
4  オンブズパーソンは、前条第2項の申立て又は独自に入手した情報等の内容が次の各
 号のいずれかに該当すると認める場合は、当該申立てに係る調査又は当該情報等に係る
 調査を実施することができない。
 (1) 重大な虚偽があることが明らかである場合
 (2) オンブズパーソンの身分に関する事項である場合
 (3) 議会の権限に属する事項である場合
 (4) 前3号に掲げるもののほか、調査の実施が相当でないことが明らかである場合
5 オンブズパーソンは、第1項又は第3項の調査を開始した後においても、その必要が
 ないと認めるときは、当該調査を中止し、又は打ち切ることができる。
 (調査の方法)
第12条  オンブズパーソンは、必要があると認めるときは、関係する市の機関に説明を
 求め、その保有する関係書類その他の記録を閲覧し、又はその写しの提出を求めること
 ができる。
2 オンブズパーソンは、必要があると認めるときは、市民等に対し、資料の提出、説明
 その他の必要な協力を求めることができる。
3 オンブズパーソンは、必要があると認めるときは、専門的又は技術的な事項について、
  専門的機関に対し調査、鑑定、分析等の依頼をすることができる。この場合において、
 オンブズパーソンは、依頼した事項の秘密の保持に必要な措置を講じなければならない。
 (申立人への通知)
第13条  オンブズパーソンは、第11条第1項に規定する審査の結果について、これを
 速やかに第10条第2項の申立てをした者(以下「申立人」という。)に通知しなけれ
 ばならない。
2 オンブズパーソンは、第10条第2項の申立てについて、第11条第1項の規定によ
 り実施した調査を中止し、又は打ち切るときは、その旨を申立人に通知しなければなら
 ない。
3  オンブズパーソンは、第10条第2項の申立てを受け、第11条第1項の規定により
 調査を実施した子どもの人権案件について、これを第15条から第18条までの規定に
 より処理したときは、その概要を申立人に通知しなければならない。
4 前3項に規定する通知は、申立人にとって最も適切な方法により行うものとする。 
 (市の機関への通知)
第14条  オンブズパーソンは、子どもの人権案件の調査を開始するときは、関係する市
 の機関に対し、その旨を通知するものとする。
2 オンブズパーソンは、第11条第5項の規定により、子どもの人権案件の調査を中止
 し、又は打ち切ったときは、前項の規定により通知した関係する市の機関に対し、その
 旨を通知するものとする。
3 オンブズパーソンは、次条から第18条までの規定による子どもの人権案件の処理を
 行ったときは、その概要を必要と認める市の機関に通知するものとする。
 (勧告、意見表明等)
第15条  オンブズパーソンは、子どもの人権案件の調査の結果、擁護及び救済の必要が
 あると認めるときは、関係する市の機関に対し、是正等の措置を講ずるよう勧告し、又
 は是正等申入書を提出することができる。
2 オンブズパーソンは、子どもの人権案件の調査の結果、制度の見直しの必要があると
 認めるときは、関係する市の機関に対し、当該制度の見直し等を図るよう意見表明し、
 又は改善等申入書を提出することができる。
3 前2項の規定により勧告、意見表明等を受けた市の機関は、これを尊重しなければな
 らない。
 (是正等の要望及び結果通知)
第16条  オンブズパーソンは、子どもの人権案件の調査の結果、必要があると認めると
 きは、市民等に対し、是正等の要望を行うことができる。
2 オンブズパーソンは、子どもの人権案件の調査の結果、前条に規定する勧告、意見表
 明等又は前項に規定する是正等の要望の必要がないと認める場合においても、第13条
 の規定による申立人への通知のほかに、関係機関及び関係人に対し、判断所見を付した
 調査結果を文書で通知することができる。
 (報告)
第17条  オンブズパーソンは、第15条に規定する勧告、意見表明等を行ったときは、
 当該勧告、意見表明等を行った市の機関に対し、是正等の措置等について報告を求める
 ことができる。
2 前項の規定により報告を求められた市の機関は、第15条第1項に規定する勧告等に
 係る報告については当該報告を求められた日から40日以内に、同条第2項に規定する
 意見表明等に係る報告については当該報告を求められた日から60日以内に、オンブズ
 パーソンに対し是正等の措置等について報告するものとする。
3 市の機関は、前項に規定する報告を行う場合において、是正等の措置等を講ずること
 ができないときは、オンブズパーソンに対し、理由を示さなければならない。
 (公表)
第18条  オンブズパーソンは、その総意において必要があると認めるときは、第15条
 に規定する勧告、意見表明等の内容を公表することができるものとする。
2 オンブズパーソンは、その総意において必要があると認めるときは、前条第2項の報
 告及び同条第3項の理由を公表することができるものとする。
3 オンブズパーソンは、前2項に規定する公表を行う場合においては、個人情報の保護
 について最大限の配慮をしなければならない。

      第4章 補則
 (事務局等)
第19条  オンブズパーソンに関する事務を処理するため、事務局を置く。
2 オンブズパーソンの命を受け、その職務の遂行を補助するため、調査相談専門員を置
 く。
 (運営状況等の報告及び公表)
第20条  オンブズパーソンは、毎年、この条例の運営状況等について、市長に文書で報
 告するとともに、これを公表するものとする。
  (子ども及び市民への広報等)
第21条  市の機関は、子ども及び市民にこの条例の趣旨及び内容を広く知らせるととも
 に、子どもがオンブズパーソンへの相談並びに擁護及び救済の申立てを容易に行うこと
 ができるため必要な施策の推進に努めるものとする。
  (委任)
第22条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
                                                                             
         付 則
 この条例は、規則で定める日から施行する。