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梁弘志   Leung Hong Zi ( 1957 - 2004 ) 台湾

「 但願人長久(水調歌頭) 」   
      

 
     

詩: 蘇軾


澄んだ月よ、お前は何時の頃から輝くのかと
酒盃を持って天に問う
天上の宮殿では
今は何時の年にあたるのだろうか
風に乗りそこに行ってみたいものだ
だが翡翠の楼閣や玉の家は私には不相応だし
そのような高い所の寒さには耐えられないだろう
月の下で舞えば影も共に踊る
この良き人の世にはかないはしまい

朱色の楼閣を廻る
低い月の光が窓から差し
その明かりに寝付けない
私を恨むわけでもあるまいに
何故別れの時はいつも満月なのか
人には悲しみと歓び、出会いと別れがあり
月には晴れと曇り、満ち欠けがある
古き世から完全とは難しいもの
ただお互いが長く久しきこと
今宵君も同じ月を見ていることを願うばかりだ

明月幾時有
把酒問天
不知天上宮闕
今夕是何年
我欲乘風歸去
又恐瓊樓玉宇
高處不勝寒
起舞弄C影
何似在人間

轉朱閣
低綺戸
照無眠
不應有恨
何事長向別時圓
人有悲歡離合
月有陰晴圓缺
此事古難全
但願人長久
千里共嬋娟


北宋の政治家、文人蘇軾(そしょく)41歳、密州での作で異郷より弟の子由(蘇轍)を思い詠った詞(CDの解説では弟子を偲んだと書かれてるが「弟子由」の誤読だろう)。月世界の「翡翠の楼閣や玉の家」というくだりは「大地の歌」の「若さについて」を思い起こさせる。
梁の作曲は憂いを穏やかな長調で歌うが、それはこのアルバム全体に言えることで、聴き飽きの来ない独特の味わいを生み出している。テレサの歌のうまさは言うまでもなし。編曲と演奏も素晴らしく、間奏の美しいホルンの二重奏には驚かされる。弦楽合奏も上々で、この実力あるオーケストラはどこの団体だろうか。
なお作曲家梁氏は昨年44歳の若さで惜しまれて病没されたという。

( 2005.03.14 甲斐貴也 )


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