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フランツ・シューベルト   Franz Peter Schubert ( 1797 - 1828 ) オーストリア

「 夕映えの中で 」   
      

Im Abendrot  
     

詩: ラッペ


  おお、なんと美しいのだ、御身の世界は、
  父よ、世界が金の光を放つ時!
  また、御身の輝きが降り注ぎ、
  ほこりを微光で色づける時、
  雲の中でちらついている紅が
  私の静かな窓辺に沈み込んでくる時!

  私は嘆き、ためらっているのだろうか?
  御身も自分も信じられないのだろうか?
  いや、私は胸にしかと抱こう、
  もうここにある御身の天空を。
  そして、この心は、もろく崩れ落ちる前に
  さらに赤熱を飲み込み、光をすすり入れるのだ




ラッペという教員の詩に1824年か1825年に作曲された荘厳な作品です。

夕焼けの赤さが思い浮かぶ美しい曲ですが、詩人は何か心にわだかまりを抱いてい
るのでしょうか。嘆き、ためらい、不信といった感情が詩人の心を崩壊させようとし
ているのでしょうか。

心に負担をかかえている時は、いつにも増して自然の美しさが身にしみます。詩人
は夕映えの光を飲み込むことによって、癒されたいと望んでいるのでしょう。

自然の懐の深さを示すかのようにピアノ・パートは大きな音程が連なり、手の小さ
なピアニスト泣かせの曲になっています(M.プライスと組んだサヴァリッシュはア
ルペッジョだらけにして弾いていますが、こればかりはどうしようもないですね)。

演奏はアメリング&ボールドウィンが断然素晴らしいです(PHILIPS:1973年)。
全盛期のアメリングがどこまでも伸びる美声で、大自然にじかに語りかけているかの
ような広がりのある名唱を聴かせてくれます。ボールドウィンは決して前面に出ない
のに、やるべき事はしっかりやって、歌との一体化を完璧に実現しています。

( 2002.01.06 フランツ・ペーター )


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