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フランツ・シューベルト   Franz Peter Schubert ( 1797 - 1828 ) オーストリア

「 さすらい人が月に寄せて 」   
      

Der Wanderer an den Mond  
     

詩: ヨハン・ガブリエル・ザイドル


僕は大地を行き、お前は空を行く
僕らは共に元気良く歩いてゆく
だが僕は硬く暗い顔、お前は穏やかで曇りない
どうしてこうも違うのか

僕は見知らぬ土地から土地へとさすらう
故郷も無く、誰にも知られず
山を登り、山を下り、森に入り、森を出て
しかしああ! どこにも僕の家は無い

お前は東の揺りかごから昇り
西の墓に降りるまで
国から国へ静々と歩んでゆく
だがお前はいつも自分の家にいる

限りなく張り巡らされた天空
それがお前の愛する故国だからだ
おお、幸せだ、どこへ行っても
故郷の地に立っているお前は!




シューベルト好みの孤独なさすらい人の詩。さすらい人の歩行を示すリズムと、民謡調のわびしく素朴な旋律が印象的な作品です。演奏はブレンデル伴奏のフィッシャー=ディースカウ盤(フィリップス)でよく聴いています。

( 2003.10.24 甲斐貴也 )


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