「都市農地の価値を再確認する」「広く身近な環境を生き物を見る視点で観察する」
消費者や農業生産者が共同して身近な地域の環境を調査することで、地域の緑地や水辺、そして食料を生産する農地が、多くの生き物の生育・生息の場となっていることを実感します。調査に参加することで地域環境や都市農業を理解し、関心を持つ人の広がりをつくり、多様な生き物が生息できる豊かな環境を持つ「農と緑のあるまちづくり」を提案します。
生活クラブ東京にも、生き物環境調査について詳しく載っています。
世田谷で継続している3コースは、今年で5年目になります。
| 世田谷Aコース | 世田谷Bコース | 世田谷Cコース | |
|---|---|---|---|
| コース | 飯田実験農園 &用賀神社 | 次大夫堀公園 と野川&小泉農園 | 大平農園& ねこじゃらし公園 |
| 日時 | 8月4日(月) 9:30〜12:00 | 7月21日(月) 9:30〜14:30 | 8月29日(火) 9:30〜14:00 |
| 場所 | 飯田農園 | 小泉農園 | 大平農園 |
| 予備日 | 8月6日(水) | 7月31日(木) | 8月5日(火) |
喜多見の野川沿い遊歩道 春の野川の観察会 4月2日(土)
4月2日、ポカポカ陽気の絶好のお花見日和。
生き物環境調査の春企画として、普段“雑草”とひとまとめにしてしまう草の名前を一つひとつおぼえながら、30名の参加者で野川の遊歩道を散策しました。
鳥の声を聞きながら風に吹かれ、足元の草花や虫たちに目を向け、心を寄せるひと時。感性は経験によって育つことを実感しました。
野川の野草ビンゴ 今日は13種類の野草をおぼえました。
ナズナ・ハハコグサ・ハコベ・オニタビラコ・ヨモギ・スギナ・スイバ・ハルジオン・ノビル・カラシナ・タンポポ・ホトケノザ。スペシャルビンゴは今日見た鳥、カワセミ・モズ・シジュウカラ・セグロセキレイ・キセキレイ・ハクセキレイ・コサギ・・・。
※最後に、都の鳥獣保護員の市田さんより「河原や公園で生き物に餌をあげている光景をよく見かけますが、餌付けは自然のバランスを崩すので、生き物のためにはなりません。」とお話がありました。
飯田農園ぶどう畑 夜の観察会 7月7日(土)
梅雨真最中の7月7日、飯田ブドウ園で夜の観察会を行いました。とはいえ、今年は梅雨らしい雨があまり降りませんでした。おまけに気温が低く、飯田さんからカブトムシが羽化していないとの気になる情報が入り、今年はいないのかと心配しながらの観察会となりました。ブドウ園では、飯田さんから観察の注意を聞いて、ブドウを痛めないよう、周囲の住宅に迷惑にならないよう、静かに入っていきました。
ブドウの幹を懐中電灯で照らしてカブトムシを探したり、ブドウの木のチップが積んである堆肥のところをほじくって探したりしているうちに、堆肥の中から待望のカブトムシが見つかりました。黒光りした生まれたばかりのような、綺麗なカブトムシでした。飯田さん曰く、「今年最初のカブトムシ」。参加者から喜びの声が上がりました。
自然界には今日から春、昨日まで秋…といったきまりはありません。年によって、夏が早く来たり、雪が降らなかったり、いろいろなハプニングがあるからこそ自然なのです。それにしても、このごろの天候はちょっと変かもしれませんが…。
農家の人と自然との戦い、そして都市で農業を営む人ならではの悩みもあります。以前は越冬害虫や病原菌を殺すために剪定枝を畑で焼却していましたが、今では苦情が多くできなくなりました。燃やさない代わりに剪定した枝を細かく砕いて堆肥にする事にしましたが、チップにする機械は大きな音が出るため、また苦情がきます。一般住宅の生垣にムシがついてもその防除をしなかったり、そのために周囲の畑に病虫害が広がったとしても、農薬を使わないでほしい、などと無理難題を押し付けられてしまいます。本来の自然の中では、害虫なんていない、と飯田さんはおっしゃいました。農薬を多用してある一定の種だけなくすことで、逆に害虫の異常発生がおこるのでしょう。
もともと日本にいなかった外来鳥獣を人間が飼い、その後、飼いきれなくなって放してしまい、野生化するものがあります。ハクビシンは最近、都内でも増えていて繁殖もしています。ハクビシンはブドウが大好きで、ブドウ園にとっては有害獣です。飯田さんの畑にも出没して、かけてある袋を破っておいしいブドウを食べていきます。農家は有害獣を行政に捕獲してほしい、しかし、外来生物の取り扱いは慎重にする必要があります。都、区、農協どこが対処してくれるのか、行政によって対処の仕方が違うこともあり、農家の方も苦労されているようです。立場による考え方はいろいろです。しかし、一番被害を受けているのはハクビシンだということを、つい忘れてしまいます。ハクビシンの立場に立ったら、こんなところで、こんな生活したいとは思っていないのではないでしょうか?ちょっと考えさせられる観察会でした。
小泉農園と次大夫堀公園 7月25日(水)
今年はまち・きぬたが、広く呼び掛け、おおぜいの親子の参加がありました。
国分寺崖線や野川があるこの地域は、世田谷でもたくさんの生き物の種類が存在する場所です。また、次大夫堀公園は唯一田んぼがあることで、都市にいながら稲作文化とともにある生き物に出会えます。今年もイナゴやナガコガネグモに会えました。
次大夫堀公園から、小泉農園までは、野川沿いを歩きます。毎年、参加者に感動を呼ぶカワセミを、今年は見ることができませんでした。また、猛暑のせいでしょうか、その他の鳥類もほとんど姿を見せず、いつもいるカルガモと、けだるそうなコサギが1羽と、大きな木の中からシジュウカラの声が少し聞こえただけでした。
小泉農園は世田谷でもまだ農地が多く残る宇奈根にあります。しかし道路計画で、外環自動車道と、東名高速のジャンクション周辺の緑地帯にかかるとのこと。たくさんの種類のミカンや、茶摘みをして自家製のお茶を作る木も、ウコッケイの小屋も、数年後にはなくなってしまいそうです。
この季節には、芙蓉のようなオクラの花やレースのようなニンジンの花が咲いています。トカゲも暑すぎるせいか、出てきませんでした。
大平農園とねこじゃらし公園 7月24日(火)
どんなに暑い日でも、大平家の屋敷林は、涼しい木陰と風を作っています。
最初に、30年無農薬、無化学肥料で作物を作り続けているお話を伺いました。この屋敷林の大量の落ち葉は、堆肥として畑に戻されます。門、竹垣、扉は木や竹です。ここへ来ると、人は木に癒されることを感じます。いつまでもこの風景がこの町にあってほしいと願います。
生活クラブが大平農園で草取りボランティアを始めてから4年目になります。最近では、苗の植え付けなどもさせていただくようになりました。今回の調査では、作物の説明も、毎週農作業に参加されている組合員の方にお願いしました。
自家採種するナタマメの大きさにびっくり!暑すぎてカエルに会えなかったのが残念でした。大平農園で農作業に参加している皆さんは、「ここの土に触れているだけで癒されます」と言われます。大平農園のすぐ近くにある、ねこじゃらし公園は、草が自然に生えている原っぱです。九品仏の墓地の裏側にあり、アゲハ類がよく飛んでいます。
少しですが水の流れもあり、指標種のオモダカも生えています。ここにはシオカラトンボ・ギンヤンマ・イトトンボ・ウスバキトンボ、などたくさんのトンボがいます。)
北沢川緑道 7月28日(土)
緑の少ない下北沢ちいきにおいて貴重な景観である北沢川緑道で、「生活クラブ・からきたこどもエコクラブ」(環境省が推進する環境学習事業に登録して活動している、まち・からきたのまちづくりテーマグループ)主催の「北沢川探検隊」という企画の中で、身近な水調査と合わせて、農地の生物調査の指標生物を使った調査活動を行いました。
参加人数は、大人10人、こども10人。2組の家族がお父さんと一緒に参加し、昆虫採集や、魚とり、草相撲などを楽しみました。下水の再生処理水の流れる人口の小川にも、魚が棲んでいるのには驚かされます。指標生物ではありませんが、子どもたちが夢中になって捕まえた小魚は、写真と図鑑を見比べた結果、クチボソ(モツゴ)だったと思われます。下水の処理水を水源とする川にどうやって、小魚が棲むようになったのか?など、身近な自然から、子どもたちと環境を考えるきっかけを得た活動でした。
*緑道の木種が、思ったより少ないことに気づいた。桜だけでなく、色々な季節に咲く花や、実のなる木があると昆虫や鳥の種類も増えるのではないか。
*せせらぎ状のものはあっても、トンボの種類としては、シオカラ(オオシオカラ)トンボ以外は見られなかった。子どもは、シオカラトンボのメスが麦わら色のことを知ってびっくりしていた。
都立林試の森公園 8月6日(月)
暑い暑い8月6日、午前10時から都立林試の森公園を散策しました。徒歩で来た人、自転車で来た人、みんな汗を拭いて暑そうでした。照り返しのあるアスファルトを通った後で、木の生い茂った森の中に入ると、木陰がどんなに涼しいかがわかります。公園に入るとセミの大合唱です。
林試の森公園は、以前は国の林業試験場でした。その移転をきっかけに、紆余曲折があったものの、現在のような都立公園として、開放されるようになったのです。林業試験場であったため、他の都立公園に比べて樹種と外国産の木が多いのが特徴です。
開園にあたっては、地元住民との話し合いも行われ、公益性の高い公園になりました。地震や火災に対応できる公園、自然環境を守るための公園、レジャーやスポーツが楽しめる公園など、様々な目的に対応しています。すべてを満足させるのが無理なのは当然のことです。より自然に近い公園にするには、下に生えている草が少なく、昆虫の種類も少なくなってしまいます。防犯上の都合から、藪を刈ってしまうのが最近の公園の管理の仕方のようですが、藪を好む鳥たちにも、嬉しい環境ではありません。ともあれ、都心にこのような公園があるということ自体、珍しいことで、それだけでも喜ばなければならないのかもしれません。もともと起伏のある土地でしたが、その形状を生かした公園で、斜面と斜面の間には流れがあり、羅漢寺川へと注いでいます。最近涸れてしまったようですが、近くには湧水もあり、目黒不動尊の滝は有名です。豊かな水を物語るかのような「清水町」という地名もあり、かつてほとばしる泉の水が旅人たちの喉を潤したそうです。林業試験場になる前には、お屋敷があったり、畑だったりした土地なので、その面影も残っています。
園内では、樹木を中心に観察したり、水質調査をしたりしました。樹齢百年以上にもなる木、めったに見られない珍しい木、秋の準備をして実が成長しつつある木、時折眼に入る昆虫などを見ながら、暑さにも負けず公園を一周しました。山手線の目黒駅からそれほど遠くないところに、このような憩いの場所があるのは、本当に素晴らしいことです。