立体写真とムービー撮影用カメラ  
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立体撮影用カメラ総論
<各論>
・Canon TX1 + SDM
・Canon IXY 10 + SDM
・Sony DSC-V1 + LSP
・三洋 Xacti HD1A
立体撮影TIPS
・シャッター及び
  フレーム同期
・ステレオベースと
  ステレオウィンドウ


■立体編集・鑑賞ソフトと
  その具体的な使用方法
・SDM(フリーソフト)
・SPM(フリーソフト)
・SMM(フリーソフト)
・SMP(フリーソフト)
・SPV(フリーのJAVA)
・Stereoscopic Player
  Zalman Edition


■立体技術・製品の
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■立体写真とムービー撮影用カメラ

§このセクションについて§

このセクションでは、『誰でも、フルカラーで、立体写真と立体ムービーを撮れる、 総額10万円以下のカメラやアダプター』を紹介していきます。 (それ以上の価格のものも参考情報程度には取り上げていきます)

しかし結論から先に述べると、2008年5月現在のベスト・チョイスは、ズバリ

■安価で高画質でハイビジョンムービーも撮れる「キャノン・パワーショットTX1」2台
      +無料のシンクロ用プログラム「ステレオ・データ・メーカー(SDM)」
      +パワーUSBリモートスイッチで総額約5万円!
※SDカードは使用目的に応じた容量のものが別途必要です

  ただし2008年7月12日現在、生産完了! 新品ゲットは各店舗の在庫限り!


パワーUSBリモートスイッチを作るための多少の工作と撮影操作の慣れが必要ですが、 カメラ2台を含めても総額5万円少々で、高画質で、静止画のシャッター同期がほぼ完璧で、 1280x720ピクセルx30フレーム/秒の高画質なMotionJPEGムービーも高精度で同期撮影できて、 ステレオベースが最小32mmに寄せられるので小さな被写体から大きな被写体まで撮れて、 フリーソフトの「ステレオムービー・メーカー」で直接読み込めてハイビジョンムービーの 立体編集が出来てしまうのですから、アマチュアにとってはもはやコレだけでほぼ完璧です。

仮に今後「立体ムービーデジカメ」が発売されたとしても、1台の専用カメラでは ステレオベースを何メートルにも広げることはできないのと、7メガ画素の静止画と 720pのハイビジョンムービーを撮れる立体カメラが5万円以下で発売されることは ありえないので、この『キャノン・パワーショット TX1x2台による方法がアマチュアにとって最強の立体カメラシステムである』 と断言できます。
ただし、最強ではありますが不便な点・十分に満足できない点もいくつかありますので、 キャノン・パワーショットTX1の立体カメラ化については<各論>編で詳しく解説いたします。

その他の総額10万円以下で揃えられる立体写真・ムービー撮影可能なカメラとアダプターには大きく分けて、
 @1台のカメラに取り付ける「ステレオアダプター」方式 ⇒ 定番のペンタックス製3Dアダプター
 A1台のカメラに取り付ける「3Dレンズ」方式 ⇒ 香港ロレオ社製の3Dレンズ
 B電子レリーズが使える2台のデジカメをレリーズを改造して同期させる方式 ⇒ リコーGRデジタルなど
 CLANC端子付きのカメラを特殊なLANCコントローラーで同期させる方式
         ⇒ ソニーCyberShotシリーズに米国製Lanc Shepardを組み合わせる
 D赤外線リモコンを使ってアバウトにシャッターを同期させる方式 ⇒ 赤外線リモコンが使える機種
 Eカメラのシャッター部分を改造して2台をつないで同期させる方式 ⇒ ニコンCoolPixなど

の6種類がありますが、前述のキャノン・パワーショットTX1+SDM+パワーUSBスイッチ 方式によるほぼ完璧なシャッター同期が実際に成功してしまった現在、 より高画質な商用作品制作を目指してデジタル一眼レフカメラや完全なフレーム同期を 取れる業務用ハイビジョンカメラを使う場合以外は、2008年4月を境に、明らかに 「過去の方式」になってしまいましたが、一応、参考までに具体的な製品や改造例を 取り上げ、その性能を評価していきたいと思います。


その前に動かない被写体を撮るのか、少しでも動きのある被写体を撮るのか、まずそれが問題!

立体写真を撮影する際の第一前提として、このことがまず重要です。
例えば、動かない商品や生け花やフィギア等の静物の立体写真を撮るためだけなら、カメラ1台を 横スライドさせて左目用と右目用の2枚を撮影し、ソフトで編集すれば立派な立体写真に なります。そのような「2回撮り」機能を備えたデジカメもあります(ペンタックスの一部の機種)。
2Dの写真でも、静物派、風景派、人物派、スポーツ派、スナップ派のようなそれぞれの好みがありますので、 「私は静物しか撮らない」という人には1台のカメラを横移動させて立体写真を撮るときに便利な以下のような スライダーがあれば十分です。
    ・「アマダ光機株式会社」(狭いステレオベース用)
    ・「STEREOeYeオンラインショップ」(狭いステレオベースから建造物などの広いステレオベースまでカバー)

しかし、風にそよぐ木の葉が写ってしまう風景も含めて少しでも動きのある被写体の 立体写真を撮る場合には最も重要なファクターは「シャッターの同期」に尽きます。
立体写真を始めた頃は、とりあえず写真全体として立体写真になっていれば「やったー」 と思いがちですが、このシャッター同期が崩れていると、動きのある細かな部分が ムニャムニャと立体視が崩れて不完全な立体写真になってしまい、立体写真を見慣れた 人が見れば「ダメだこりゃ」な写真になってしまいます。
静かにしていられない子供やペットに限らず、人物のポーズ写真などでも、モデルが 呼吸を止めて身動きしない状態でも、瞼や胸が微妙に小刻みに動いてしまうので、 シャッター同期がとれていないとその部分がとても違和感のある立体写真に なってしまいます。

もちろん「シャッター同期の精度」は、人間が左右の画像の「時間的なズレ」 を認知できない範囲ならばOKなわけですが、人間の眼と脳は「時間的なズレ」に敏感で、 1ミリセカンド(1/1000秒)ぐらいを超えてしまうズレは認知してしまいますので、 2台のカメラのシャッターを「気合の同時押し」で上手く撮れるケースは、よほど 練習を積んでも10枚に1枚ぐらいの成功率しかありません。

そこでここでは、そんな「立体写真のキモはシャッター同期」にこだわった立体写真撮影 システムについて説明します。


@これはアマチュアにとっての立体カメラの革命だ!
    カメラのファームウェアをSDカードから起動+簡単なパワーUSBスイッチでつなぐ方式

高画質なのに新品が2台で約3万円〜5万円と非常に安価に購入できるキャノン製 PowerShotシリーズやIXYシリーズのデジカメ本体のファームウェアを SDカード側から一時的に制御し、USBパワーケーブルスイッチで接続して 驚異的な高精度シャッター同期(同期性は、1/8,000〜1/20,000秒)を実現する方式が 2008年の年頭に"Microfunguy(David)氏"により提案・開発されました。
それが「ステレオデータ・メーカー(SDM)」です。

最新の情報なので、まだシステムの詳しい説明は英語によるものが主ですが、 「ステレオフォト・メーカー」作者のむっちゃんさんが パワーショットA570ISで実験を 成功させ、2008年2月23日からステレオデータ・メーカーの日本語解説ページを 「ステレオ・ワールド」サイト上にアップされました。
むっちゃんさんをはじめ、SDMを導入された人々が行ったテスト撮影でのシャッター同期 精度の高さは本当に驚くべきもので、今までの様々な立体カメラ化の方式が全て過去の ものとなってしまったと言っても過言ではない、まさに革命的な方式です。

そして2008年2月初旬に私が「TX1用のSDMができたら最高だと思うが、どうのように頼めばよいか」 という問い掛けを出したところ、たまたま偶然でしょうが、その1ヵ月後にはSDMのベースとなったキャノン・パワーショット シリーズのファームウェア解析フォーラム「CHDKフォーラム」でTX1の解析が始まり、 さらに1ヶ月半後の2008年4月27日、正式にTX1をサポートしたSDMが完成・公開され、 TX1を3台所有して立体写真とムービーを撮っていた「サンデーさん」がテストを行い、 翌4月28日に国内版TX1で問題なくSDMが機能したことを公開しました。
今後もパワーショット・シリーズを中心に、SDMのサポート機種は増えていくと思われます。

▼参考写真その1:USBパワーリモートスイッチの接続状況
下の撮影結果写真と共に、サンデーさんが2008年4月28日付けで「STEREOeYe」のBBSに 公開したTX1を3台使ったテストの模様(平行法でご覧ください)。

サンデーさんはUSBハブを使って1つのパワーリモートスイッチを3分配しましたが問題なく3台のシャッター同期が取れています。
ストロボの光量も編集で修正可能な範囲の差異でシンクロしています。

【ムービーのフレーム同期精度】
なお、この時点でのSDMにはTX1のムービー録画スタートを制御する機能がありませんでしたが、 むっちゃんさんがすぐに改良を行い、4月29日にはムービー録画スタート機能が追加されました。

ただし、ムービーの同期は、静止画と違い、スタート後に個々のカメラがフォーカスとアイリスの 調整を行うことによる「個体差」が生じるため、現時点では「スタートボタン直結以上の 同期精度は得られない」のですが、サンデーさんや他の人による実験の結果、
@録画スタート前に十分なフォーカス・アイリス自動調整時間を与える(数秒)
A録画から次の録画スタートの間は数秒間あける
B被写体ができるだけ明るく高コントラストになるようにする
C左右のカメラが同一条件となるように片方のレンズ前を遮らない
ことに注意すれば、5ms(5/1000秒)程度の差異内でムービーの同期が取れるようになりました。

▼参考写真その2:SDMによりシャッター同期を取った3台のTX1による静止画テスト撮影結果

▼参考写真その3:改良版SDMによりムービー録画スタートの同期性能のテスト撮影結果の紹介



【評 価】
SDMによるシャッター同期方式のメリットは;
  @なんといっても安価で高画質なキャノンパワーショット・シリーズが使える(1台15,000円前後から)
  A静止画のシャッター同期性能が非常に高い
  BSDMが無料頒布されているので費用が掛からない(パワーUSBケーブルは別途必要)
逆にデメリットは;
  @元々のファームウェア自体はそのままにSDカード側から機能追加するだけだが行為自体は自己責任となる。
  AパワーUSBケーブルを自作する必要がある(ヨーロッパでは既に販売されているので入手可能)
  BTX1以外のパワーショット・シリーズは横幅が広いため、近接撮影時は縦アングルのブラケットが必要
  CSDMの使い方に慣れる必要がある
  Dキャノンのデジカメ動画フォーマットはMotion-JPEGのため、ファイルサイズが非常に大きくなってしまう

なお、私が実際に試した「TX1」ならびに「IXY Digital 10」の詳細については、別項の 各論編をご参照ください。



▼参考としたサイト

[むっちゃんのステレオワールド](日本語)全般
http://stereo.jpn.org/jpn/

[Stereo Data Maker 解説](日本語)
http://stereo.jpn.org/jpn/sdm/sdm.htm

[Muttyan's home page](英語)
http://stereo.jpn.org/eng/index.html

[StereoData Maker](英語)
http://stereo.jpn.org/eng/sdm/index.htm

[Synchronising Multiple Cameras](英語)
http://stereo.jpn.org/eng/sdm/synch.htm

[ステレオワールド掲示板(日本語)]
http://stereo.jpn.org/stkeiji/bbs39_2.cgi

[このシステムによる撮影テスト結果ギャラリー]
http://www.stereomaker.net/galleries/tega2/index.htm

[この方式用のUSBパワーケーブルスイッチがなんと既に製品化されています] 価格は25〜37ユーロ
http://www.digi-dat.de/produkte/index_eng.html#SDM





以下は、過去の方式と言いますか、2008年以前は皆さんこのような方法を行っていたという参考情報です。

A1台のカメラに取り付ける「ステレオアダプター」方式:メーカー直販価格で10,290円

ペンタックス・ステレオアダプターDセット:
  オープンプライス(同社直販サイト価格:10,290円)
    ※詳しい使用説明及び撮影サンプル写真はコチラを参照。

手っ取り早く立体写真を始めたい人が試すのに最適なアダプター。
ペンタックスのデジタル一眼カメラistシリーズ用のオプションとなっているが、 このステレオ・アダプター自体は私が子供の頃の約40年まえには既に販売されていたもの で、52mmのフィルター径を持つレンズや筒胴ならどんなメーカーのカメラにも取り付け られる。
ただし、フォーカスする際にレンズが回転してしまう機種には使えない。
私はキャノンのGシリーズやPro1の筒胴に取り付けて実際に使用していました。

ステレオアダプター方式のメリットは;
  @カメラ1台で撮れる
  A完璧なシャッター同期が撮れる
  Bカメラの機種によってはフォーカスもアイリスも全てオートで撮れる
逆にデメリットは;
  @縦アングルしか撮れない
  A画角やステレオ撮影できる被写体までの距離が限定されてしまう
  Bミラー式のため、撮影画像に台形の歪みが生じ、修正する必要がある

【評 価】
立体写真の深みに徐々にハマり始めると、私の場合は上記のデメリットがどうしても 我慢ならなくなってしまい、現在は全く使わなくなってしまいました。

B1台のカメラに取り付ける「3Dレンズ」方式 ⇒ 香港ロレオ社製18,800円

Loreo 3D Lens in a cap(APS-Cサイズ)
  + デラックスビュアー セット


    ※詳しい使用説明及び撮影サンプル写真はコチラを参照。

キャノンEOS、ニコンD、ペンタックスistなどAPSサイズのデジタル一眼カメラの各マウント用があり、 カチッとワンタッチで取り付けて立体撮影ができます。

Loreo 3D Lens in a capのメリットは;
  @カメラ1台で撮れる
  A完璧なシャッター同期が撮れる
逆にデメリットは;
  @縦アングルしか撮れない
  A画角やステレオ撮影できる被写体までの距離が限定されてしまう
  Bレンズが低品質のプラスチックレンズのため色収差が酷すぎる
  C絞りがF22とF11しか無く、絞りピンが無いのでカメラ側の測光機能も使えない

【評 価】
私の場合は上記のデメリットの中でもBCがどうしても我慢ならず処分してしまいました。
本格的に立体写真を楽しみたい人にはお奨めできません。
デジタル一眼ブームの今日、ケンコーやハクバなどのサードパーティーが各社のマウント に連動してアイリス調整のできる安価で高画質なものを発売して欲しいものです。

C電子レリーズが使える2台のデジカメをレリーズを改造して同期させる方式

2台のカメラのシャッターを同時に切るための電子レリーズ改造実績があり、かつ、 2台のカメラの総額が10万円以下のものは、
  ・リコーCaplio GX100
  ・リコーCaplio GX8
名機の誉れ高いGRデジタルは2台だと残念ながら10万円を超えてしまう。
リコーの場合は、オプションの「ケーブルスイッチ」を単に二股に分配するだけ、 ダイオードや抵抗不要で3つの端子にそれぞれもう1本のコードからのリード線を 繋ぐだけでシャッター同期と外部ストロボのシンクロが取れるそうです。
具体的なリコー製カメラ用電磁レリーズCA-1改造例は ⇒ コチラを参照されたい。

レリーズを改造方式のメリットは;
  @なんといっても高画質
  Aかなりの精度でシャッター同期がとれる
  Bカメラ本体を改造する必要が無い
逆にデメリットは;
  @二股レリーズを自作する必要がある
  Aカメラの機種によってシャッター同期の精度が違う
  Bカメラの横幅が広いため、近接撮影時は縦アングルのブラケットが必要

リコーCaplio GX8の横幅は113.6mm、名機GRデジタルII は107mmですが、 2台横並びでの人物撮影時でも全身像ならばギリギリOKなステレオベースだと 思いますし、風景撮影には最適だと思われます。

【評 価】
既に多くの実績があるので、これから本格的に立体写真を楽しみたい人にお奨めの方法のひとつです。

なお、カメラ2台の総額が10万円を超えてしまいますが、より高画質なキャノンDシリーズや EOS Kiss D等のデジタル一眼用の電子レリーズ改造例もありますので 以下を参照してください。

また、岩田氏からの情報によると、キャノンEOS Kiss Dの場合は『ミニステレオピン同士の直結(リモート端子同士) でどちらかのカメラのシャッターで同期しますよ。SDMに比べると精度は比較になりま せんが、実用の範囲とお考えください。ダイオード等は不要ですが、ケーブル接続の まま電源を入れると暴走いたしますので、電源を入れてから接続するようにすれば、 特に問題はありません。(ダイオードを入れれば暴走はしないかと思います。)』 とのことなので簡単です。
※岩田氏のサイト「電子<立体画像撮影機改造本舗」はコチラ


■キャノンEosシリーズ用電磁レリーズRS-60E3改造回路図はコチラを参照

アマチュアにも売れ筋のデジタル一眼カメラであるKissデジ・シリーズ用の電磁レリーズ RS-60E3も2本を1本にまとめるにはダイオードと抵抗が必要ですが、 数少ないプロの立体カメラマンの方々の多くが使っているプロ向けデジタル一眼上位機種 Dシリーズ用の電磁レリーズRS-80N3も基本的に同じ方法で改造できるものと思われます。

2台横並びでの撮影ではややステレオベースが広いですが、風景、屋外での人物ポーズ撮影は OKですし、縦アングルにしての近接撮影など、現状では最も高画質な作品作りが可能です。

レリーズ改造の自信が無い人には、天文写真機器の製造販売を行っている 「アストロ三ツ星」 でオーダー可能です。


■旧ミノルタ製カメラ用電磁レリーズ改造例はコチラを参照

キャノン同様にダイオードと抵抗が必要となるようです。
旧ミノルタ製デジカメ自体、お持ちの方はそんなに多くはないかもしれませんが他社の電磁レリーズ改造の際の参考になります。


DLANC端子付きのカメラを特殊なLANCコントローラーで同期させる方式

■米国製「LANC Shepherd」日本では STEREOeYeの通販で59,800円

ソニーがコンピュータのRS232規格を基に開発したAV機器のコントロール端子規格の LANCを使って2台のカメラ(デジカメやビデオカメラ)のシャッターやズームの同期を とる米国製ユニットを使用する方法。

かつてはソニーのサイバーショット・シリーズの上位機種やビデオカメラのほとんどに 装備されていたが2008年現在、ほとんど無くなってしまったので既に過去のシステムだが、 私はまだサイバーショットV1との組み合わせで使っています。

新品のサイバーショットV1は既に入手困難ですが、たまにデッドストックが 1台15,000円程度で市場に出ることがある。

米国ではかなりの使用者がいるらしい。

2台のカメラの同期のズレがリアルタイムにディスプレイに表示され、ズレが大きく なったら電源を再起動させる。


LANC Shepherd方式のメリットは;
  @なんといっても高画質
  Aかなりの精度でシャッター同期とズーム同期がとれる
  Bカメラ本体を改造する必要が無い
逆にデメリットは;
  @価格が高い
  A徐々に同期精度がズレてくるので時折再起動する必要がある
  Bカメラの横幅が広いため、近接撮影時は縦アングルのブラケットが必要

【評 価】
ビデオカメラのセクションで紹介する2007年までのソニー製ハイビジョンムービーカメラ を主に使用して立体写真と立体ムービーの両方を撮るつもりなら最適。
ただし、ソニー製デジカメやハイビジョンムービー・カメラにもLANC端子付きの新製品が 無くなってしまった2008年以降の製品では使用できないので注意が必要。

LANC端子付きのサイバーショット・シリーズやビデオカメラが無くなってしまい、 旧製品が入手困難なことや、電子レリーズ改造やSDM方式など、より高精度に シャッター同期をとれる方法が考案されている現在、高額なこのユニットはこれから 立体写真を始めようとする人には今やお奨めできない。


■ドイツ製の新LANCコントローラー発売!(2008年5月)

「420ユーロ(1ユーロ178円で約75,000円)」とかなり高額ですが、ソニーの新しい LANC端子である『AV/R』端子に対応した同期コントローラーがドイツの「digi-dat」から 販売されています。
2台のカメラのズーム速度も設定できるなど、さすがドイツ製らしく、米国製の LANC Shepherdよりもかなり高機能・高品質な感じです。

また、旧LANC端子を新AV/R端子に変換するアダプターのみも2個セット(?)で150ユーロ で2008年6月10日から販売されているので、ソニーの新しいハイビジョン・カメラを古い LANC Shepherdで同期コントロールできそうです(検証は行っていませんが...)

「digi-dat」は他にもSDM用のパワーUSBスイッチやIXY DIGITAL 10用のZリグ、ストロボ 同期ユニットなども販売している。
詳しくは「digi-dat」のホームページ(英語版)を参照してください。
      >>>> http://www.digi-dat.de/produkte/index_eng.html


E赤外線リモコンを使ってアバウトにシャッターを同期させる方式

赤外線リモコンが使えるデジカメやビデオカメラを、光ケーブル二分配アダプターを 使ってコントロールする方式。
既に私は三洋Xacti HD1Aで実践していますが、あくまでも「アバウト」なシャッター 同期しかとれません。

詳しくは「Xacti HD1Ax2」のコーナーを参照してください。

赤外線リモコンニ分配方式のメリットは;
  @約2,500円の光分配アダプターで手軽に出来る
  A動きの少ない被写体ならば十分
逆にデメリットは;
  @動きの速い被写体には使えない
  A折りたためない光ケーブルが邪魔
  Bリモコンと分配器との結合部の自作が必要


2007年度中はこのXacti HD1Aによる撮影精度と使いやすさの向上に励んできましたが、 2008年初頭のSDMの登場と、キャノン・パワーショットTX1対応版SDMが公開された ことにより、既に過去の方式となってしまいました。
コスト的にもXactiのハイビジョン・シリーズの実売価格はTX1よりも1万円〜2万円以上 も高いので、「動画記録フォーマットがmpeg4なのでファイルサイズが小さい」という 点以外は、ステレオカメラの素材としてのメリットが無くなってしまいました。



Fカメラのシャッター部分を改造して2台をつないで同期させる方式

STEREOeYeの関谷氏が2台のニコン・クールピックスP500のシャッターを繋いだ実例はコチラのブログの2007年12月29日を参照。

ドイツの某ショップが同様にP500を2台接続し、専用のステレオマウントと併せて かなりの高価格で販売しています。
細かなハンダ付けも得意ならば、オークションなどで安いカメラを2台入手して自作する のも良いと思います。

デジカメのシャッター部分の改造分配方式のメリットは;
  @シャッター同期性能が高い
  Aハンダ工作が得意なら安価に製作できる
逆にデメリットは;
  @細かなハンダ付け作業が必要
  Aカメラ本体を分解するリスクが伴う




■ ムービーカメラ編...現時点では総合的にキャノンTX1が最強

初心者の人が個人で楽しむ程度の短い立体ムービーならば、上記のデジカメなどの「動画機能」 を使っても可能ですが、静止画同様、動画の場合も左右の同期が狂うと、その部分の立体 イメージが崩れてしまいます。
このズレは最大半フレームですが、結構気になるズレです。
2台のムービーカメラを完全に同期させるには、業務用カメラなどに搭載されている「GEN ROCK」 端子で2台を繋いで制御する方法がベストですが、その機能を有するムービーカメラは安くても 1台50万円ほどしますので、アマチュアの方が気軽に2台も購入できるものではありません。

そこで、次善の方法としては、以下の選択肢があります。
  @キャノンTX1+SDMで撮影する
  A古いソニー製のLANC端子付きのムービーカメラ+LANC Shepherdで撮影する
  B新しいソニー製のAV/R端子付きのムービーカメラ+ドイツdigi-dat製コントローラーで撮影する
  C高いフレーム同期精度を諦め、サンヨーXactiシリーズを赤外線リモコンによる録画同時スタートで撮影する

しかしどの方法も録画スタート時に最大半フレームのズレが生じ、また、録画時間が進むに 従って同一フレーム内でのズレも広がってくる可能性がありますので、 結局のところムービーの場合は編集時にアタマを揃えることまでで諦めるしかありません。

こだわるとしたら、以下のポイントに重点を置く必要があります。
  1. ステレオベースを人間の眼の間隔に近づけられる薄い縦型がベスト
  2. 編集に非常に手間が掛かるので、せめてキャプチャーする時間と手間を省けるハードディスク式もしくはメモリーカード記録式がベター
  3. 撮影時に直接ファインダーで立体状況や左右の録画状況を確認できるビューファインダー付きがベター
  4. 編集時に左右の画像位置を補正してクロップ(トリミング)する必要があることから、 ハイビジョン(出来ればフルハイビジョン)カメラがベター
2008年現在、ソニー製品のLANC規格が変わってしまいLANC Shepherdを使えるビデオカメラ がラインナップから消えたためドイツ製の高額な同期コントローラーしか使えないこと、 アバウトなシャッター同期しか取れないサンヨーXactiもコストパフォーマンスが低いこと から、ファインダーは無いものの小型の縦型で、静止画の画質とシャッター同期精度の高さと 価格の安さから「キャノンTX1」がアマチュアにとってはベストと言える。



■結局のところ...

結局のところ、今まで多くのお金と時間を費やしてきた私の「立体写真と立体ムービーを 撮れるデジタルカメラ探し」は、キャノンTX1と、それをサポートするSDMの登場によって 終わりを迎えたと言えます。

冒頭で記したとおり、仮に今後どこかのメーカーが「立体専用デジタルムービーカメラ」 を市場投入したとしても、ステレオベースの柔軟性や価格の安さから、総合的な意味で TX1を超えるものはTX1の後継機しかないと思われます。
もちろん専用機には「使いやすさ」というメリットがあると思いますが、そのために 何十万円もコストを払うかどうかは、その人の価値観によると思いますが、私は TX1で十分と思いますし、カメラ自体が安い分、16GBのSDHCメモリーカードやACアダプター といった必要なアクセサリーや防滴・防水ケースを製作して撮影フィールドを広げる方に コストを掛けたいと考えています。

また、もしも近々TX1の後継機が発売されたとしてもSDMが対応するのはずっと先のこと になるでしょうし、価格も現在のTX1並みになるのは発売から1年後だと思いますので、 2008年での選択肢はTX1のみとなると思います。

これから立体写真・立体ムービーを始めようとしている人には、無駄なお金と時間を 節約するためにも、 「安くて」「シャッター同期性能がほぼ完璧で」「ハイビジョン動画も撮れて」 「ステレオベースが柔軟で近接から広大な風景まで撮れる」 キャノン・パワーショットTX1を強くお奨めします。
浮いたお金でZALMANの3Dモニターを購入すれば、現時点では「撮影」と「鑑賞」の 両方で満足できると思います。



最後に参考までに、今までTX1を「気合の同時押し」でステレオ写真とステレオムービー を撮影されている「サンデー」さんが改造したモデルを掲載します。
サンデーさんがインターバル撮影で時間を圧縮して撮られた花の開花の模様は素晴らしい 作品です。

こちらはサンデーさんがTX1にZeiss製プリズムを付けたマクロ撮影用モデル。
1台で完全同期した色収差のほとんどないマクロ・ステレオ写真&ムービーが撮影 できますが、さすがカール・ツァイスのプリズムだけあって1個4万円ほどするとのこと。
サンデーさんはそれを2個直列に被せて使っているとのことですので、プリズムだけでも e-bayで見つけて購入し、2個8万円+海外送料とのことです。

サンデーさんの作品の一部は「STEREOeYe」の掲示板の2008年2月17日とその前後の記事で 確認できます。

また、サンデーさんのTX1+ツァイス製プリズムによるマクロ・ムービーは コチラのサイトで 確認できます。



■プロ、セミプロ並びにリッチな人向けのムービーカメラは...2008年6月22日追加更新

さて、上記まではあくまでも「アマチュアが趣味で立体写真や立体ムービーを撮って楽しむ」 ことを想定した総予算10万円以下でベストと思われるカメラ選び案ですが、 「商業用3Dコンテンツを低コストで制作したい」とか「私はアマチュアだが近い将来の ことを考えると、もっと高画質なフル・ハイビジョンカメラで撮影して残したい」という 人向けの機種を以下に提案します。
総額は約30万円程度と思われますので、業務用と考えれば非常に安いと思います。


カメラは2008年夏に発売予定のソニー製AVCHDデジタルハイビジョン“メモリースティック” “ハンディカム”『HDR-CX12』を2台使い、 ドイツ「digi-dat」製のAV/Rコントローラーでステレオ同期撮影を行います。
HDR-CX12のプレスリリースは以下のページを参照してください。
      >>>> http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200806/08-0619/

選定の理由は以下のとおりです。
  @HDR-CX12はフルハイビジョンかつカード記録であること
  A横幅が69mmと狭く、レンズがF1.2と明るいこと
  B静止画も一応500万画素3680×2760ピクセルで撮れること

ただし、「digi-dat」製AV/Rコントローラーには映像出力端子が無いため、右側カメラの 映像をモニターするためには映像出力端子のある「AV/R⇒旧LANC端子変換アダプター」と 米国製LANC Shepherdを使う必要があるかもしれない(その方が総コストは安く済む)が、 まだHDR-CX12が発売されていないので検証できない。
HDR-CX12発売後、どなたか人柱となる方がいらっしゃれば、レポートをお願いしたい。



■TX1同等のステレオベースを実現できるハイビジョンカメラは...2008年6月22日追加更新


ソニーの縦型ハイビジョンカメラ「HDR-TG1」とドイツ「digi-dat」製AV/Rコントローラー による組み合わせ。


選定の理由は以下のとおりです。
  @HDR-TG1は一応フルハイビジョンかつカード記録であること
  A横幅が32mmとTX1同様に狭く、レンズがF1.2と明るいこと
  B静止画も一応400万画素相当2,304×1,728ドットで撮れること

ただし、静止画の実ピクセル数はあくまでも200万画素なので商業用コンテンツの制作には 使えないため、静止画用にはキャノン・パワーショットまたはIXY DIGITAL 10+SDMによる 静止画用セットが別途必要だと思います。
総額約25万円程度と思われますので、狭いステレオベースにこだわらないならば 総額約30万円のHDR-CX12セットの方が動画・静止画兼用として画質もコストパフォーマンスも 高いように思います。

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