闇と言う程に、暗くはない。かと言って、明るいと言う訳でもなかった。新聞は無理でも漫画くらいなら読めそうな暗がりの中に、俯せになってアスカは転がっている。ひくひくと小刻みに、身体を震わせながら。

 
「うむっ、うんっ・・・うぅんっ!」

 異臭が、この部屋の中には満ちていた。汗や他の何かが入り交じった、顔を背けたくなる臭いが。

 
「あっあんっ、はぁっはぁっ・・・あぁっ!」

 マナの、荒い喘ぎ声がアスカの耳に響く。聞きたくもなく、耳を塞ぎたくなる声。だがそれは、叶わぬ事だった。何故ならアスカの両腕は、背中に廻されたまま動かす事も出来ないからである。

 アスカの手首と足首は、リストバンドの様な革のベルトが巻かれ両手・両足をそれぞれ固定していた。更に、手首と足首のベルトは鎖で結ばれている。力を込めても金属が触れ合う音がするだけで、外す事も引き千切る事も出来なかった。

 首にも、革のベルトが付けられている。犬や猫が付けるのと同じ、ペット用の首輪が。そして首輪の根本には金属製の鎖がつながり、ベッドの足に止められていた。長さはギリギリを計算されている為に、ロクに動く事すら出来ない。

 
「いっいいっ!いいですっ気持ち良いですぅっ、御主人様ぁっ!」

 
「っ・・・うむぅっ!?」

 マナの嬌声を聞かされ続けても、アスカは何も言う事が出来なかった。呆れて、ではない。口に、布の猿轡を噛まされている為である。

 布は口元まで達し、奥歯で布地を噛み締める事となっていた。当然、噛み込んだ厚みの分だけ口は開きっ放しになっている。

 部屋に入ると同時にワンピースとショーツを剥ぎ取られ、動きを封じられ全裸でベッドに転がる捕囚。それが、今のアスカに与えられた立場である。

 
「あぁんっ!もっとぉ、もっと奥までぇっ!ひっ、くうぅっ!」

 シンジに後ろから貫かれ、マナは嬌声を張り上げていた。それを聞きたくないとでも言う様に、アスカは顔を背けている。身体の自由を奪われている今、それ以外にアスカに出来る事など有りはしなかった。

 
「んんっ!?んむぅっ、んくっ!」

 ただそれは、快楽を貪り交尾を続ける2匹の獣に対するささやかな抵抗と言うだけでは無い。アスカはアスカで、単に放って置かれている訳では無かった。

 両方の乳首と膣口と肛門。その4カ所を覆う様に、それぞれを幅の狭い透明なテープが張り付けられている。ピンクローターと呼ばれる卵形のバイブレーターを挟み込み、絶えず振動で刺激を受けさせる為に。

 
「んっ、んぐっ・・・んむぅっ!」

 ローターの震えが、アスカの身体に刺激を与える。マナに弄ばれた時とは微妙に異なる、単調だが容赦の無い刺激を。

 しかもアスカは、シンジ達に薬を投与されている。脳内麻薬を溢れさせ、快感を数十倍にもしてしまう薬を。抗う事など不可能だった。次々と襲う快楽の波に弄ばれ、猿轡で塞がれた口から唸り声の様な歓喜を訴え続けている。

 
「んくっ・・・うんんっ、んっんんんっ!」

 ひときわ大きく、アスカの身体が仰け反った。もう何度達したかなど、アスカにも判らない。また、果ててしまった。その事実だけが、アスカに伝わるだけの事だ。

 布が吸い切れなくなった涎が飛び散り、溢れた愛液が内腿を伝いシーツに滴り落ちる。吹き出した汗が、総身をてらてらと濡らしていた。

 その3つが入り交じった、自分の性臭がアスカの鼻腔を埋めている。余りにも濃く、形骸化しそうな己の臭気が。自分が欲に酔い、溺れていると知らしめるが如く。

 
「んっ・・・んくぅっ!?」

 ただ、果てた所で終わる訳では無かった。アスカがどうなろうが、プラスチックの球体は知った事では無いのだから。彼らは与えられた機能を、電源が切られるその時まで果たすだけである。

 
「ひっ、くうぅっ!もっ、ダメですっ御主人様ぁっ!イくっ、いいっイっちゃいますぅっ!!」

 絶頂に至りかけた、マナの悲鳴にも等しい絶叫が響き渡った。部屋の中に。そして、アスカの頭の中に。








17:1 〜scene.2〜








 
「いいよ、いっちゃえば?」

 マナを背中から抱き、後ろから刺し貫いているシンジは身体を寄せてマナの耳に囁く。

 
「はいぃっイくっ、イくっいいイくぅっ!!」

 主人の許しを得ると同時に、マナの身体がびくんびくんと震えながら伸び上がった。膣壁が収縮し、突き立てられたままになっているシンジの肉塊から射精を誘う。

 
「それにしても、今日は早いねぇ・・・マナも、アスカに射った薬使ってるの?」

 だがシンジは何事も無かった様に、激しく腰を突き上げマナを責め続けていた。マナと違い、完全に理性でコントロールされた口調でマナに聞いている。

 
「いっ・・・いいえっ、そっそんなああっ!そんなっ事ぉっ!」

 首をぶんぶんと横に振り、マナはシンジの疑問を否定した。当然である。せっかく主人に貫いて貰っていると言うのに、薬を使うバカはいない。使えば確かに快楽の度は増すが、逆に挿入されている感覚そのものは弱まってしまう。快楽自体が強まり過ぎて、感覚が麻痺してしまうのだ。

 
「あくぅっ、いいいっ!ごっ御主人様の、御主人様のがあぁっ!」

 そんな勿体ない事が、出来る訳が無かった。自分の膣壁を擦り上げる感覚も、自分の身体の奥を打ち据える感覚も。存分に、且つ確実に味あわねば何の意味も無いだろう。

 自分の身体を、御主人様に使って頂いている。はしたなく淫らな身体を、御主人様は使って下さっている。それで、マナには充分だった。言い方を変えれば、シンジの存在そのものがマナには強烈な催淫剤なのだ。改めて、薬を使わねばならない理由など無かった。

 
「はぅっ、ひくぅっ!あうっ、くっ・・・うんんっ!」

 だから、マナは激しく腰を振り。膣内に埋まるシンジの肉棒を責め立てる。膣に力を込め、自分の持てる性技の全てを以てシンジをもてなす。荒々しく膣壁を抉り子宮口を突くシンジの肉塊に、奉仕を続けていた。

 
「はぁっ、はぁっ・・・ひっ、くうぅっ!」

 シンジの手が背中越しにマナの乳房を激しく弄ぶ。掌では覆い尽くせない、14歳の少女には不釣り合いな程発達したマナの胸を。形が変わってしまいそうなくらいに強く揉み、ピアスをぶら下げた乳首を引き千切らんばかりに引っ張る。

 
「あぁんっ!はっあっ、くっあうぅっ!」

 シンジが奴隷に望む事は単純だった。自分が放つ時、共に果てる事。たった、それだけだ。それさえ満たせば、それ迄に奴隷が幾度気をやってしまおうが文句を言う事は無い。

 ただ、イったからと言って奴隷としての義務を放棄させる気もシンジには無かった。自分が満足する迄は、奴隷の勤めは続いているのだから。例え気を失おうが、そのまま無理矢理奉仕を続けさせる。

 使徒殲滅後、4時間が経過しようとしていた。アスカを連れてミサトに顔を見せに行った後、シンジはここでマナを責め続けている。殆ど休みも、そして容赦も無く。

 ここは、こうなる事を予測・・・いや、期待をしてマナが用意した部屋だった。四畳半程度の部屋の半分を巨大なベッドが占め、小さく簡易版とは言えシャワールームまでも用意されている。更に部屋は完全防音の上、内から鍵をかけてしまえば外から扉を開く事は出来ない。

 空母とは、とてつもなく巨大な空間である。60階建てのビルが、海に浮いていると思って貰えば良い。人目に付かない空間など幾らでも有るし、又その手の空間を探すのは諜報員でもあるマナの得意技だった。

 その空間を、マナが勝手に改造したのだ。この時の来る事を望み、夢見て。

 
「ひぁんっ、くうぅっ・・・ぁうんっ、いっあはぁっ!」

 その労が、今報われている。かれこれ2時間以上休みも無く、シンジはマナを苛み続けていた。この場が無ければ、ここまでシンジもマナにかまける余裕は無かっただろう。

 
「くっ・・・むうっ、んんっ!」

 今でもアスカは忘れられない。しれっとした顔で、弐号機にアスカと共に乗り使徒を撃退したとミサトに嘘を語るシンジの表情を。

 実際には、シンジが1人で弐号機に乗り込み使徒と闘っている。アスカは、搭乗していないのだ。だがその事を知るのは、シンジとアスカしかいない。何故ならシンジがエントリープラグ内の、カメラとマイクのスイッチを切っていた為だ。

 稚拙な手である。そんな事は、ちょっと調べれば直ぐに判るだろう。しかし、それをさせない為にシンジは既に手を打っていた。霧島マナと言う、誰も存在する事すら知らない手を。

 シンジがわざわざミサトの前に自ら赴いた、真の理由がそれだった。自分たちが顔を出す事でミサトの行動を縛り、その間隙を縫いマナがコンピュータに記録されたデータを消去する。

 消去されたデータを見ても、何か判る訳が無い。データが存在しない事に疑問を覚えるかも知れないが、所詮はそれだけの事だ。存在しないと言う事実の前で、打てる手など何1つとして存在しなかった。せいぜい出来る事と言えば、データが記録されていない理由を探る程度の事である。

 それを見越して、シンジもわざわざ空母にダメージを与える様な戦い方をしたのだ。万一痕跡が残っていたとしても、消したのでは無く消えてしまったのでは無いかと思わせる為に。

 因みに弐号機の方は、もっと簡単である。万全なテストを行って、起動させた訳では無いのだ。多少のトラブルなど、逆に抱えていて当たり前だろう。

 だからカメラが動かずに、プラグ内の映像を映せなかった。だからマイクが動作せずに、音を拾えなかった。既に、その2つは実績として起こった事象である。データレコーダーが何も記録していなくても、それはトラブルがもう1つ存在したと言うだけの事でしかない。

 そこまで読んだ上で、シンジはアスカと共にブリッジに上がっていた。建前では筋を通す為に、真相はミサトの意識を自分たちに集中させる為に。

 
「・・・っ・・・」

 ただ、そのアリバイを崩せる者が1人だけ居た。アスカである。事実として彼女は、弐号機に搭乗していないのだ。アスカがそう証言すれば、シンジの計画など木っ端微塵に打ち砕く事が出来る。

 
「っ・・・くっ・・・っ!」

 だが、それがアスカには出来ない。いや、それどころでは無かった。何故なら、彼女に射たれた薬が精神を苛み続けていたのだから。

 
「・・・船、ボロボロになっちゃいましたね・・・・」

 
「使徒撃退と引き替えだと思えば安いモンよ。この艦隊の装備じゃ、どうやっても使徒を倒せないんだから。それに、誰が弁償するって訳でも無いし・・・」

 
「弁償って・・・あれ?そう言えば、アスカと一緒に居た・・・えーっと、加持さん・・・でしたっけ?あの人は?」

 
「・・・あいつなら、一足先に飛行機で第3新東京市入りしたわ・・・さっき連絡が有って、もう着いたそうよ・・・」

 
「・・・」

 
「んで、司令から命令。私らは弐号機と一緒に、ちんたら戻って来い・・・って」

 
「ちんたらって・・・因みに、どの位かかりそうなんです?」

 
「・・・さっき計算してみたけど、この船足じゃざぁっと一週間って所よ・・・もっぺん使徒が攻めて来ない事を祈って、船上で優雅な休暇と決め込みましょ」

 
「っ!?・・・ぅっ・・・ぁっ」

 シンジとミサトが何事かを話しているらしいが、それさえも彼女の耳には入っていなかった。必至に漏れそうになる声を押し殺し、表情を固め何事も無いと周囲の目を偽り続けている。

 薬効は、少しも衰えようとしない。むしろ、1つのピークを迎えようとしていた。暴走していた快感が脳内で整理され始め、それをより純粋に感じられる様になってしまった為だ。マナに弄ばれていた時と違い、混乱と言うフィルターを経ない感覚が。

 ガラスが砕けた艦橋の窓から、吹き込む風が触れる素肌。揺らぐ髪が撫でる肩口。スカートの裾が触れる太股。単なる飾りとして、チョーカーを巻いた首。ワンピースを吊る紐が、僅かに食い込む肩口。腕時計を付けた手首。床を踏み締める足の裏。更にはマナに散々嬲られた、胸や股間・・・いや、アスカの身体の全てが。

 それぞれが重奏を成し、快感を交響楽の様にアスカの脳へと訴えている。それは、とても美しい調べとは言えない。むしろ耳障りで、振り払いたくなる様な感覚だった。何故ならそれは脳に対する感覚情報の報告では無く、あくまでも訴えなのだから。

 身体の各部位が、揃って叫ぶ。もっと強い感覚を求め、欲し。挙げ句の果てには、触られ愛撫されたと擬似的な感覚を勝手にやりとりし始めていた。

 
「・・・っ」

 内腿を、何かが伝っている。汗か、ショーツから染み出した愛液か。アスカには判らない。だが、どちらにしても同じ事だ。膝の少し上までしか丈が無い、ワンピースの裾から直ぐに覗く事になる。ミサト達にバレれば、それで終わりだ。エヴァ弐号機の適格者、自分は選ばれし者なのだと言うアスカのプライドが。

 自分はミサトと何事か言葉を交わしたのか、アスカは全く覚えていなかった。記憶には少しも残っていないし、そもそもアスカの脳は記憶する機能を殆ど放棄している。押し寄せる快感に酔い、より強い快楽を求めるだけの器官と化していた。

 ただ、あの時のシンジの顔だけがアスカには忘れられない。周囲の目を偽る為に被った気弱な少年と言う立場を演ずるシンジの顔を。

 
「マナ、もうそろそろ出すよ」

 
「はっはひぃっ、下さいっ御主人様のを!私の、奴隷のおま○こにいぃっ!一滴残らず、御主人様の精液を注ぎ込んでぇっ!!」

 容赦なくマナに腰を打ち付け、快楽を貪る顔。たかが14歳にして、奴隷を飼うなどと考える思考。それこそが、碇シンジと言う少年の本性である。

 びくんっとシンジの身体が震え、マナの絶叫が部屋に喧しく響いた。シンジが果て、マナに精液を注ぎ込んだのだ。

 
「っ!・・・はぅっ、あっあああっ!!」

 身体を弓なりに反らせて、マナは歓喜の叫びを上げている。主人の命に従い弐号機の戦闘データを消去した褒美が、どくっどくっと脈打ちながら胎内を満たしていた。奴隷にとって、持てる能力の全てを以て尽くした証である。悦ばない方が、どうかしているだろう。

 ひとしきり喚いた後、マナの身体から力が抜けベッドに突っ伏した。その上に、未だマナを貫いたままのシンジも覆い被さる様に倒れ込む。

 ただマナとシンジには微妙な違いが有った。マナは全身で喘ぐ様に呼吸しているのに比べ、シンジの方は殆ど呼吸が乱れていない。精も根も尽き果てたマナと違い、シンジは軽く一服しているだけだった。

 当然である。奴隷に褒美を与える程度の事で、疲労を覚える訳が無かった。別にシンジがマナに、おざなりな褒美の与え方をしたと言う訳では無い。マナにはともかくシンジからすれば、当たり前の性交だったと言うだけの話である。

 シンジにとって、本番はむしろこれからだった。ベッドに転がし玩具で遊ばせておいた、アスカに刻み込まねばならないのだから。

 彼女の身体と精神に、自分の奴隷になるのだと言う証を。





 
「んんっ・・・くっ、んんんっ!」

 最初に天国と言う名の地獄を味あわせてくれた薬の効果が、ゆっくりとアスカの脳から消え失せ始めている。感じない、と言う訳ではない。ピンクローターが伝える振動から、未だアスカの身体は快楽を訴え続けていた。

 ただ、薬は薬である。効果が永遠に続く事などない。脳を酔わせる電流は弱まり、翻弄され続けた波も段々と弱まって来ている。それでもアスカは、未だ薬が効いていると言う演技を続けていた。

 注射した彼らも、そろそろ薬が切れる頃だと言う事くらいは判っているだろう。だが効果が続く時間には、個人差が有って当たり前である。そろそろだとは思っていても、正確には判る訳が無い。

 アスカの一切抵抗しようとしない、彼女らしくない態度を見れば薬は未だ効いていると思うだろう。そう思ってくれれば、隙が生じる。いや、そう思っているからこそ2人は性交に興じているのでは無いか?

 両手両足の自由が奪われている上に鎖で繋がれているので、大した事が出来ないのは判り切っている。だが、たった1つの事が出来れば良いのだ。助けを呼ぶとまでは言わなくても、この事態を外部に知らせる事さえ出来れば・・・。

 この部屋は、国連軍太平洋艦隊への来訪者兼お荷物であるシンジ達にあてがわれた部屋ではない。マナが見つけて来た、空き部屋である。だからこの場に、シンジが居るのは異常な事なのだ。誰かが何事かと思い調べてくれれば、それで事足りる。

 方法も何個か考えていた。ブレーカーを飛ばすのが、一番楽な方法だろう。照明をショートさせれば良いだけなので、それなら今のアスカでも何とか可能な手段と言える。

 
「・・・」

 先程まで散々続いていた嬌声が途絶え、アスカの耳には荒い呼吸音しか聞こえなくなっていた。もしかしたら、待ち望んでいた好機が訪れたのかも知れない。ゆっくりと首を巡らせ、アスカは状況を伺った。

 マナはベッドに突っ伏し、全身に汗を浮かべ肩で荒い呼吸をしていた。その上に、こちらは大して汗に濡れてはいないシンジが覆い被さっている。

 性も根も尽き果てた。端から見ている限りでは、シンジはともかくマナはそんな様相を呈している。シンジにしても、射精直後なのだ。頭の中が、完全に何処かへ吹き飛んでしまっているだろう。

 ともあれ、チャンスには違い無かった。絶対に、逃す訳にはいかない。そう思い行動に移ろうとしたアスカの耳に、予想もしていなかった声が聞こえて来る。

 
「・・・所で、アスカってさ」

 
「!?」

 それは、シンジの声だった。まるでアスカの考えを読んでいたかの様な、絶妙のタイミングでの呼びかけ。びくっと身体を震わせ、驚きに目を見開きアスカはシンジの方へと顔を向ける。

 
「本っ・・・当に」

 頭を掻きながら、シンジはゆっくりと身を起こした。それから面倒臭そうに、アスカの希望を根本から断つ様な事を無造作に言い放つ。

 
「演技、下手だよね」

 
「っ!?」

 やられた。アスカの顔が、一瞬で恐怖と絶望に塗り潰される。演技と見破られてしまっては、相手が油断する可能性などない。

 
「・・・それにさ、未だ気付かないの?」

 身を起こしたシンジが這う様にしてアスカに寄り、荒っぽくアスカの猿轡を外しながら聞く。呆れを浮かべた、人を小馬鹿にする様な口調で。

 
「っ・・・何が・・・よ?」

 
「おかしいと思わない?奴隷にするって言いながら、ボクが何にもしない事を」

 殆ど言葉遊びの領域だが、確かにシンジは何もしていない。今アスカの身体を弄んでいるのは、シンジでは無くピンクローターなのだから。

 ただ、そう言う状況にアスカを追い込んだのはシンジだ。だから、何もしていない等と言わせる気など無い。しかも、折角猿轡を外して貰ったのだ。お望み通り、大声で喚き散らしてくれる。

 
「良くも何もしてないなんてホザけるわねぇ!だったらこれは何なのよっ!?それに他人にこんな事しといて、変態同士でサカんのに夢中になってんじゃないわよっ!!」

 
「変態同士?・・・うん、確かにそうかもね」

 頭の中で、何かが弾ける音をアスカは確かに聞いていた。頭に血が昇り、全身の血が煮え滾るのを確かに感じている。動ければ掴みかかっているだろうが、流石にそれは不可能だった。

 
「っ・・・自覚してんなら是正しろぉ!!」

 仕方なく空気を震わしシンジを吹き飛ばす様な勢いで、アスカはシンジを怒鳴り飛ばす。がちゃがちゃと繋がれた鎖が煩く音を立て、今まさに噛みかからんとする狂犬と化した剣幕で。

 しかし。

 
「何で?」

 柳が風に揺れる様に、見事にアスカの怒気を受け流しながらシンジは首を捻る。余りの手応えの無さに気が抜けそうになるが、だからと言ってこんな相手に言い負ける訳には行かなかった。抜けかけた気を張り直しながら、アスカは再びシンジに怒鳴り付ける。

 
「何でって・・・そもそも、アンタらのやってん事は公序良俗って奴に反してるでしょうがっ!?14歳のガキが、ぬわにやってやがんのって話よっ!!」

 
「・・・あのさぁ、マナ。今、どんな気分?」

 それでも、シンジは少しも堪えない。身体を捻り俯せになったままのマナの方を向き、アスカの物言いとは何も関係無い事を聞き出した。

 
「っ・・・はい、御主人様に・・・お仕え出来て、私を使って頂けて・・・とても、幸せです・・・」

 
「っンな事アンタに聞いちゃ無いわよっ!!」

 よろよろと身を起こしながら応じるマナに、アスカは一喝を浴びせる。そもそも意見を求めていないし、聞いた所で何の役にも立たない主従関係にありがちな返答でしか無い。アスカからしてみれば、時間の無駄でしか無かった。

 
「アスカ、それで良いんじゃないの?ボクも楽しいしさ、他に理由や言い訳が要るのかな?」

 マナの返事に満足した後、アスカの方へ向き直りながらシンジは問う。

 
「アスカが何を言いたいのか、ボクには判らないよ」

 
「っ・・・単刀直入に言えば!私を巻き込むなってぇのっ!変態は変態同士、どっかで隠れてヤってろぉ!!」

 シンジがあえて触れようとしない事。アスカは望んでこの場に居るのではない。それを棚に上げての理屈に、同意も納得も出来る訳が無かった。

 
「・・・隠れろって言われてもねぇ」

 アスカはアスカなりに、まっとうだと思われる理屈を使っている。しかしその理屈は、シンジには何の感情も呼び起こさなかった。苦笑いと共に、にべも無くアスカの理屈を否定するだけである。

 
「アスカはもう知ってるでしょ?今更隠れる意味なんて無いじゃない」

 
「っ頼んで教えて貰った訳じゃあ無いわよっ!!」

 
「でも、今はもう知ってるよね。だから、選ぶ道は1つしか無いんだよ。ボク達と同じく、当事者になる事。それだけさ」

 
「くっ・・・」

 自分も結構弁舌が立つとアスカは思っていたのだが、シンジはその上を行っていた。あからさまな屁理屈と僅かばかりも堪えないシンジの性根に、あっさりとアスカは敗北している。

 
「本題に戻るよ。放ったらかしにした理由なんだけど・・・待ってたんだよ、ボクらは」

 アスカが言い淀んだ所を見計らい、表情を改めシンジが口を開いた。

 
「・・・何を?」

 
「アスカから、薬の効果が消えてくれるのを」

 
「・・・え?」

 
「・・・どうせなら、もうちょっと下手な演技を続けてくれれば良いのに・・・そうすれば、あなたなんかに御主人様がかまけないで済むのに・・・!」

 よたよたと身を起こしたマナが、アスカに近寄りながら忌々しげに呟く。俯せになったままのアスカの身体を転がし仰向けにしてから、刺激を与え続けていたピンクローターを次々と引き剥がす。

 
「いっ、ぎっ!?」

 皮膚や肉ごとテープに剥ぎ取られる様な痛みが4度、アスカの中を駆け抜けた。どう考えても、わざと痛みを強く感じる様に引き剥がしたとしか思えないやり口。その事にも怒りを覚えてはいるが、今は怒鳴り散らしている場合ではない。

 
「そっ、それって・・・一体、どう言う意味よ・・・!?」

 アスカには、2人が何を考えているか全く判らなかった。だから刑場の羊となっている自分の立場を忘れ、執行官の1人であるマナに聞く。

 
「良く言うでしょ?破瓜の痛みって」

 
「!?」

 
「・・・良く言うかどうかは知らないけど、マナの話によるとアスカって処女らしいし・・・だったら、折角の瞬間をちゃんと味わって貰おうと思ってね」

 頭から一気に血の気が引いて行く音を、確かにアスカは聞いていた。ぼこぼこと沸き立っていた血液も、今では完全に凍て付いている。シンジのあっさりとした一言には、それ程の衝撃をもたらす絶対的な威力が有った。

 先ほどまで効いていた薬は、途轍もない快感をアスカにもたらしている。あの薬が効いていれば、それこそ処女膜を失った痛みすら心地良い代物へと変貌させただろう。

 しかしそれを、シンジは否定した。だからこそ、薬の効果が消える迄あえてアスカに手を出さなかったのだ。アスカに痛みを味あわせる、ただそれだけの為に。恐らく貞操がシンジに奪われたと言う事を、アスカの身体だけでは無く精神にも焼き付けさせる為に。

 
「・・・」

 小刻みに、アスカの身体が震えていた。シンジ達の思考方法を理解し、その余りの禍々しい考え方に初めて恐怖を感じている。私はこいつらを嘗めていた。こいつらは、そんな甘っちょろい相手なんかじゃあ無かった。そんな、僅かばかりの悔悟と共に。

 
「あなたの薬が切れなかったら、未だ未だ私が御主人様に苛めて戴けたのに・・・」

 アスカの両足首を固定する金具を外しながら、恨めし気にマナが耳元で囁いた。自分が嬲られる機会が奪われた事を、心底惜しむ様な口調で。最もそうなる事は、アスカの望んだ事ではないのだ。どれだけ忌み事を言われた所で、アスカには逆恨みと捉える事しか出来ない。

 
「でも、仕方ないわね。人生でたった1回しか味わえない事なんだから・・・思う存分御主人様に貫かれて、御主人様に身体を使って頂ける悦びに身も心も震わせるがいいわ」

 
「・・・マナ。2回、だよ」

 
「?・・・申し訳ありません。御主人様の、おっしゃる通りでした」

 シンジの指摘に、疑問を感じたマナが慌てて首を縦に振る。判っていないが適当に相づちを打った、と言う感じとは違う。どうやら、ちゃんとシンジの言う意図を察したらしかった。

 
「・・・」

 だがそんな事を気にする余裕など、今のアスカに有ろう筈も無い。

 回数の問題では無かった。それが1回だろうが、あるいは2回だろうが。アスカとしては、どうあっても避けたい・・・それでいて奇跡でも起きなければ避ける事など出来ない状況を、改めて理解しただけである。





 
「やっぱり・・・ショーの始まりには、ちゃんとした照明が要るよね」

 そう嘯きながら、シンジは身を起こし部屋の照明を灯した。

 
「!?」

 当然、シンジもマナも何も身に付けてはいない。それはそれでショックを覚えるが、今更そんな事で驚く気にはなれなかった。息を飲んだのは、隆起したままのシンジのモノを見てしまった為だ。

 恐ろしく大きい。長さも、太さも。空母の中で幾度か盗み見た、男性向け週刊誌に出て来る外人のソレと大差は無い。色は赤黒く、焼けた赤銅の様にも見えた。更に青黒い血管や半球状のドームの様な瘤が、竿や大きく張り出した鰓を歪ませる様に隆起している。

 14歳の少年が有するには、間違い無く不相応で異常な男性生殖器。それをアスカは、呆然と見つめていた。自分が何を見ているのかすら失念し、まるで悪魔に魅入られた様な表情で。

 
「ああ、コレ?マナが改造してくれたんだよ、薬で細胞分裂させて大きくしたりシリコンとか埋めたりして」

 
「・・・」

 アスカの視線に気付いたシンジが、指を差しながらアスカに説明をした。だがそれは、さらっと聞き流せる事では無い。説明を聞いた所で、納得など出来る訳が無かった。

 
「ボクも、小さいよりは大きい方が良いかなぁって思ってたからさ。でもコレ、マナは凄く悦んでくれるし。アスカも直ぐに、気に入ると思うよ」

 
「っ!?」

 呆けたままの、アスカが我に帰る。アスカの足首を掴み、力任せにマナがアスカの両足を開こうとした為だ。

 慌ててアスカも足に力を込め、何とか閉じようとしたがマナの力に抗し切れなかった。おまけに後ろ手に両手首を固定されている為に、掌で隠す事も出来ない。赤ん坊がオムツを換えるのと同じ格好で、アスカは股を開かされシンジに全てを曝している。

 
「あ・・・ぁあ・・・」

 羞恥心でアスカの顔が、真っ赤に上気していた。屈辱と恐怖が、アスカの身体をかたかたと震わしている。

 
「それでは、御主人様。どうぞ、ご賞味下さい」

 
「・・・さて、どんなモンだろうね?」

 軽く本音を呟きながら、シンジの指先がアスカの股間へと伸びる。淡く陰毛が生え始めた恥丘を撫で、つい先程までピンクローターで弄ばれて僅かに緩んだアスカの淫裂に触れた。

 
「あぅんっ!?」

 びくっと、アスカの身体が仰け反り震える。ローターによる刺激やマナとのセックスを見ていた事が、アスカの身体を感じ易くさせているのだろう。

 
「んっあうっ、はっいあぁっ!」

 指の腹で陰唇を撫で回すと、甲高い声でアスカが喘ぎ応じた。少しは身体が覚え始めたのか、薬が切れているにも関わらずそれなりにアスカは反応を示している。

 
「マナが言う様に、賞味って程のモノだと良いんだけどね」

 人差し指を鍵型に曲げ、シンジは指をアスカの割れ目へと差し入れた。膣口を軽く撫で更に奥へと指を埋めて行く。

 
「くっ!?・・・あぁっ!」

 差し入れたアスカの膣は、充分に潤っていた。指を動かす度に、くちゅくちゅと湿った音と共に愛液が溢れこぼれる。

 
「はあっ・・・ぎっ、ふっあうっ!」

 散々ローターで焦らされた挙げ句の挿入に、アスカは複雑な反応を示していた。快感に緩んだかと思うと、次の瞬間には苦痛に顔を歪める。入れられる事に、慣れていない事を証明する反応だった。

 
「ふーん・・・」

 引き抜いた指に絡むアスカの溢れさせた滴を、シンジは暫く眺めている。その愛液は、マナのモノと違い未だ随分とさらさらとしていた。感じ方が、マナと比べて数段浅い証拠である。

 脱ぎ捨てた自分のズボンから、シンジは1本の注射器を取り出した。カバーを歯で噛み外し、指で小陰唇を拡げ膣前庭に極めて細い針を突き立てシリンダを押す。

 
「っ!?っな、何したのよっ!?」

 ちくっと、細い何かが突き刺さる感覚にアスカは毛色ばんだ。痛みを感じる程では無いが、ついさっきまで薬に狂わされ続けたアスカに程度など関係無い。一体、どんな薬を注射したのか。針にカバーを被せ直して注射器を部屋の隅に放り捨てたシンジに、アスカは喚く様に聞いた。

 
「末梢神経を狂わせる薬を注射したんだよ。まぁ筋弛緩剤の一種だと思ってくれれば良いかな。ただ、さっき注射した薬とは違うから・・・」

 
「ひっ!?あっぁあんっ!」

 再び人差し指をアスカに刺し入れたシンジは、膣の中で円を描く様に指先をぐるぐると幾度か回す。シンジからすれば説明しているだけの事なのだが、アスカには愛撫をされているのと同じ事だった。シンジの説明には耳を貸さず、膣壁が擦れ伝わる感覚に途切れ途切れの悲鳴を上げている。

 
「・・・この辺りにしか、効果は無いけどね。言ってみれば、全身麻酔と局部麻酔の違いみたいなもんだよ」

 そう言われても、アスカに喜べる訳が無かった。所詮、薬は薬でしかない。また、薬で狂わされる。そんな暗澹たる事実だけが、暗くアスカの脳裏を埋めて行く。

 
「それじゃ、マナ。そろそろ始めるから、ちゃんと撮っておいてね」

 
「はい、御主人様」

 ビデオカメラを構えたマナが、シンジの指示に頷く。シンジの望む瞬間を、確実に記録する為に。

 別に処女喪失の瞬間そのものを撮らせる気など無いし、そんなモノをシンジも求めてはいない。何処から出ようが、血は血である。それ以上でも、それ以下でもない。他の者であればともかく、シンジは珍しいとも有り難いとも思わなかった。

 マナに映させるのは、アスカの表情である。失う瞬間の、恐怖に怯え苦悶に歪める顔。そして薬に導かれ、快楽に溺れる顔を。

 
「せっかく記念に残すんだから、出来るだけ良い顔しておいた方が良いと思うよ」

 
「ひっ・・・!?」

 指を引き抜いたシンジは、アスカの膝の裏を掴み根本から足を両側へと開く。それから腰を擦り寄せ、亀頭の先でアスカの二重の陰唇を掻き分け膣口で止める。これから貫くのだと、アスカに教える為に。

 
「やっ・・・止め・・・!」

 
「いやだよ」

 アスカの無意味な懇願を無視して、シンジはアスカの秘肉へと自分の分身を突き立てた。

 
「っ!?」

 四肢が引き裂かれる様な鋭い痛みが、股間から放たれアスカの全身を駆け巡る。それに続いて巨大な異物がねじ込まれる、恐怖を伴う苦痛がアスカを襲った。

 ぶちぶちと、肉が裂ける音が身体を通じて聞こえる。痛い。他に思える事や、考えられる事など何も有りはしなかった。涙どころか、声さえ出ない。ぱくぱくと口を動かしながら悶絶し、アスカは目を見開いたままで音にすらなっていない叫びを上げている。

 
「・・・未だ、全然入って無いんだけど」

 そんなアスカの態度に、シンジは不満を覚えていた。実際問題として、入ったのは未だ半分にも満たない。それでじたばたと暴れられては叶わなかった。

 
「いいや。さっさと、全部入れるよ」

 痛みで抗おうとするアスカに構わず、シンジは体重をかけ一気にアスカを貫く。痛かろうが何だろうが、どうせやる事は同じである。それにアスカは自分の奴隷となるのだ。自分の思う通りにして、奴隷如きに文句を言われる筋などない。

 
「ぎっ!?ぃ・・・ぐっ・・・うぅっ!!」

 だがアスカには、それは地獄の苦しみだった。堪えよう、耐えようなどと言う気にすらなれない。身体をのたうち廻らせながら、少しでもシンジから離れようとする。

 
「もう。往生際が悪いわねぇ」

 そんなアスカの身体を跨ぎ、マナがどっかと腰を下ろした。カメラでアスカの顔を捉えたまま、眉をひそめ藻掻くアスカをなじっている。

 
「御主人様に折角捧げられたんだから、もうちょっと喜べば良いのに・・・」

 
「うぐっ、そっそんな事喜べる訳が・・・っ、うぁっ!?」

 どくんっと身体の中で何かが激しく脈打つ音を、確かにアスカは聞いた。目に映っていたモノ全てが1度ぶれた後、再び焦点が合い1つの像と化した時。

 
「あぅっああんっ!」

 痛みが快楽へと変化した。アスカが全く、予想もしなかった形に。ごりごりと膣壁を擦り掻き回す感覚が。どんっと身体の奥を突き押す感覚が。今初めて知った挿入の感覚を、アスカの女性器は快感として脳に伝えていた。

 
「あっ、うんんっ!はんっ・・・ひぁうっ!」

 それが薬の効果だと言う事くらい、アスカにも判っている。だが判った所で、どうにもならなかった。抵抗しようと考えても、まるで叶わない。まるで、出来過ぎた告白小説の様に。始めて受け入れた尋常ならざる肉塊で、アスカは感じ激しく喘いでいる。

 
「あの薬、本当に良く効くね。もう悶えてるよ。それとも、才能が有ったのかな?」

 予想以上のアスカの反応に驚いているのは、シンジも同じだった。とても初めてだとは思えない嬌声を聞きながら、シンジは激しいピストン運動でアスカを責め立てている。

 
「薬だと思いますけど・・・具合の方は、如何ですか?」

 
「キツいだけ。締めてるんじゃなくて、締まってるって奴だね。具合なんて判りゃしない」

 
「・・・仕込まなければならない事が多そうですね、この牝犬には」

 ファインダーから顔を外し、ため息混じりにマナが首を幾度か横に振った。出来の悪い生徒に嘆く教師の様に、これから先が思いやられると態度で示しながら。

 
「はふっ・・・ああっ!はっ、いぁっああぅっ!」

 焦点の外れかけた目で天井を見つめながら、アスカは激しく喘ぎ声を上げていた。それは別にいい。問題は主人を喜ばせる事も出来ずに、自分だけ勝手に歓喜に酔っている事だった。それは、奴隷として断じて許される事では無い。

 主人に快楽を与える事。それこそが、奴隷にとって至上の喜びの筈である。少なくともマナはそう思っていた。シンジが快楽を与えてくれるから、マナが歓喜に震えるのではない。シンジが歓喜に震えてくれるからこそ、マナは悦びに嬌声を上げるのだと。

 
「あっあんっ、ぃああっ!ひっあ、はぁんっ・・・ふ、あぁっ!」

 しかし。今のアスカは違う。薬で狂わせた脳がシンジが与える快楽に酔い、溺れているだけだ。それは、奴隷として絶対に間違った態度である。

 
「自分だけ悦んじゃって・・・バカって言うか本性丸出しって言うか・・・」

 その事にアスカが気付きもしないのが、マナにはどうしても許せなかった。そんなレベルから、つまり奴隷としての心得を1から教え込まねばならないのである。苦々しく口元を歪め、マナがアスカを詰るのも当然だろう。

 
「じゃあ、そのバカな顔を良く撮っておいてね」

 
「はい。でも、そろそろ限界みたいですよ。泡まで吹いて、悶え狂ってますから」

 
「・・・もう限界?早いねぇ」

 アスカの状態を聞いて、シンジは思わず苦笑いを浮かべていた。

 
「あれでも未だ、薬使い過ぎだったかぁ・・・仕方ないから、もう出しちゃおう」

 別に意識を失って尚、責め立てても構わないとシンジは思っている。だが今回ばかりは訳が違った。何しろアスカは初物なのだから。中に出される感覚を、ちゃんと頭と身体で知って貰う必要が有った。

 
「いっ・・・止めて・・・くっあぁんっ!中・・・中には出さないぃっ、でっ・・・はあぅっ!?」

 出す。それが何を意味するか、判らないほどアスカもウブでは無い。だが、現状が理解出来ているとは思えない台詞を慌ててアスカは口にしている。そもそも願いが聞き入れられる相手ならば、無理矢理奪われ貫かれる事など無い筈なのに。

 
「え?何で?」

 案の定、シンジは首を傾げながらも腰を打ち付けるのを止めようとはしない。ただ、その返事はアスカの意表を突いていた。予想外の台詞に、戸惑いながらもアスカは説明を続けている。

 
「な、何でって・・・で、出来ちゃったら・・・んあぅっ!」

 
「どうやって?」

 
「っ・・・はぁ、あぅっ・・・え?」

 シンジの言う疑問の意味が、アスカには判らない。シンジは、コンドームなど付けてはいなかった。だから出せば、受精する可能性が皆無とは言えない。既に生理が始まっているアスカからすれば、当然の懸念である。

 だがシンジは、腰の動きを少しも弱めようとしなかった。抜く気など微塵も無いと態度で示し、疑問を感じた理由をアスカに教える。

 
「だって今日って、アスカ安全日でしょ?幾ら中に出したって、出来る訳無いじゃないか」

 
「っ!?」

 確かにその通りだったが、まさか肯定出来る訳も無い。愕然として、何故知っているのだとアスカは目でシンジを問い詰める。

 
「そりゃあ知ってるよ。マナに調べて貰ったから」

 
「・・・ああぁっ!?」

 種を明かせば、そんなモノなのだろう。しかし今のアスカのに、何か言う余裕は無い。シンジのストロークは、未だ続いているのだ。抜き取られる寸前まで引かれたかと思うと、次の瞬間には子宮口を突き抜ける程に深く埋め込まれる挿入が。

 
「はうっ、ひあぁっ!あんっあぁんっ、くうっあああっ!」

 
「それに子供なんて、出来る訳無いでしょ。御主様と、牝の間で」

 唾液を撒き散らし喘ぐアスカに、マナが冷やかに言い放つ。先程よりも嘲りの度が強まった、毒に濡れた棘が剥き出しになった言葉を欲に狂う牝犬へと浴びせていた。

 
「・・・巧い事言うね、マナも」

 
「っ・・・あ、ああぁっ!?」

 
「・・・っと」

 アスカの身体が絶叫と共に反り返るのに合わせて、シンジは身体をぶるっと震わせる。それから熱い迸りが、アスカの奥底に叩き付けられる様にぶつかった。

 
「ぁっ!?・・・あぁ・・・」

 それが何を意味するか、アスカにも無論判っている。中に出された。その事実が、身体を通して伝わって来る。どくっどくっと脈打ち、シンジの精子がアスカの身体を浸食し犯して行く。

 叶って欲しくは無かったが、予想通りシンジはアスカのささやかな望みを無視した。逆にぴったりと腰を密着させ、アスカの胎内に一滴残らず注ぎ込もうとする。

 
「・・・ふぅっ」

 全て放ち終えたのか、シンジはアスカから肉塊を引き抜いた。様々な体液に濡れ、屹立し硬度を保ったままの陰茎を。

 当然の事だった。取り敢えず放ちはしたが、シンジは全く満足していないのだから。それに新しい奴隷に体験し味あわせる事も多々残っている。つまり、未だアスカの勤めは終わっていないと言う事だ。

 
「・・・」

 だがアスカの身体は、何の反応も示さなかなかった。仰向けに倒れたまま、呆然と天井を見つめている。

 
・・・汚された・・・奪われた・・・この事実が、アスカには余りにも大きく重くのし掛かっている。視野の端にシンジやカメラを構えるマナが入っていたが、だからと言って何かをすると言う気にもなれないでいた。

 産まれて始めて味わった挿入と、射精。その2つの感覚に、慣れたいとは思えない。アスカが漠然と考えた事は、精々それだけだった。





 
「何をヘバってるの?未だ、やる事が残ってるじゃない」

 
「・・・?」

 そう言われても、アスカには言葉を発する事すら出来なかった。無理矢理奪われた、と言う衝撃がアスカから全ての能力を奪ってしまっている。髪を掴み身を起こすマナに成されるがまま、アスカは抵抗する事も無くベッドに座り込まされていた。

 
「・・・!?」

 眼前に突き付けられたモノが何かを知ったアスカは、我に帰り反射的に顔を背けていた。見たくも無い代物が、其処には存在していた為だ。とても、見る気になどなれない。ささやかな抵抗とは言え、目を逸らさずにはいられなかった。

 つい先程まで自分の躯を抉り欲望のままに暴れ廻った、シンジの肉の棒が其処には存在している。

 
「ほら。御主人様のモノを、お清めてしないと」

 勃起したままのシンジの陰茎には、様々な液体がへばり付いていた。アスカの血や愛液、そしてシンジの精液が。未だ乾く事無く、ぬらぬらと照明の光を反射させている。

 
「これは、あなたが汚したのよ。あなたの口で清めるのが、当然の事でしょ?」

 別に望んで、と言う訳ではなかった。アスカからすれば無理矢理奪われたと言う感覚しか持ち得ない。マナにそう言われた所で、当然と思う事など出来る訳が無かった。

 口で清めると言う事は、つまりシンジの肉棒を舐めろと言う事である。そんな事は、頼まれてもゴメンだった。マナの促しとは逆に、アスカは口を堅く閉じ決して口に含もうとはしなかった。

 
「もう、ホント面倒臭いわねぇ」

 それはアスカからすれば当然なのだろうが、マナから見れば往生際の悪くまどろっこしい行為でしかない。手っ取り早く終わらせるべく、頑なに抵抗しようとするアスカの鼻をマナは力強くつまむ。

 
「っ!?」

 引き千切られる様な鋭い痛みが、アスカに伝わる。だがそんな痛みなど、今はどうでも良かった。マナの目論見が判ってしまい、その驚きの方が遙かに強かった為である。

 鼻を塞げば、イヤでも口から呼吸をしなければならない。そしてアスカが口を開くと同時に、シンジは自分のモノを今度はアスカの口へと突き立てる。

 人が無呼吸でいられるのは、精々1分と言う所だ。アスカも、その程度は我慢したと思う。しかしそれは、アスカへの刑執行が1分延びたと言うだけの事でしかない。

 
「っ・・・はぁっ、んぐぅっ!?」

 アスカが口を開き大きく息を吐き出すと同時に、シンジは猛り立ったままの濡れた肉棒をアスカの咥内に突き立てた。

 
「っ・・・んんっ!?」

 生々しい血の臭い。汗の臭い。自分の愛液の臭い。そして、生臭い精液の臭い。それらが入り交じり、一気にアスカの口を満たしている。

 
「ぶっ、うむぅっ!」

 鼻をつまんでいたマナの手が放れ、代わりにシンジがアスカの頭を掴み頭を前後に動かし始めた。打ち据える先が、下腹部から顔に変わっただけの事である。喉の奥をシンジの先端が突き、アスカに更なる吐き気を煽っていた。

 
「ぐぅっ、むうぅ!?」

 何か考えた訳では無い。イヤだとは思っていたが、だからと言う訳では無かった。理屈や感情からの行動と、それは明らかに違う。殆ど反射的にアスカの顎が動き、頬張っているシンジの肉塊を噛み千切ろうとする。

 
「!?」

 その、たかが顎を動かす事が出来ない。代わりにみしっと骨の軋む音と共に、顎から鈍い痛みが広がっていた。

 
「・・・御主人様は寛大におっしゃってるけど、私は違うわ。あなたの意志なんて、どうでも良いの。奴隷としての、最低限の礼儀を弁えて貰わなくては困るわね・・・」

 耳元で、マナの囁く声が聞こえている。冷ややかで、感情の欠片も感じさせない声が。

 
「・・・次にあんな真似をしたら・・・あなた、殺すわよ。でも御主人様にご奉仕する事もロクに出来ないなら、さっさと殺すべきなのかしら?」

 
「うっ・・・ぐむぅっ、ぇっ!?」

 そう言われた所で、アスカに出来る事など何も無かった。シンジになされるがまま、死んだ方がマシかも知れない時を耐えるだけである。

 先ず、どう呼吸して良いのか判らなかった。そこまで太くも無い筈なのに、口の中全てが塞がれた様な錯覚を覚えてしまう。

 血と自分の愛液とシンジの精液の入り交じった味が、アスカの口の中に広がっている。我慢の限界などあっさりと振り切った、生理的嫌悪しか覚えさせない味。悪寒が全身に広がり、吐き気が堪えられなくなって来る。

 
「・・・こりゃ、こっちの方が限界早いみたいだね・・・・」

 アスカの顔色を見ながら、シンジが呆れた声を上げた。アスカの真っ青になった、吐く寸前といった顔色を見ればイヤでも判る。

 
「やだなぁ、早漏になったみたいで」

 可哀想だとは思わないが、突き立てている途中で吐かれてはたまらない。ぼやきながらシンジは、より激しくアスカの顔を前後に動かし刺激を強め自分で射精を煽り始める。

 
「せめて、吸うとか舌絡めるくらいしてくれたら良いんだけどなぁ」

 流石にシンジも、マナ並の奉仕をアスカに期待していた訳では無い。だが、余りにもアスカは何もしなかった。シンジに刺激を与えるのは、唇が擦れる事だけ。これでは自慰と殆ど同じである。

 
「んぐっ、んんっ!?ぐっ、んんんっ!?」

 つまらなさが手伝って、シンジの動きは荒々しさが増している。しかしそれに付き合わされているアスカには、たまったものでは無かった。口を塞がれている為に声は出せないが、止めろと喚き続けている。

 今更言う迄も無いが、勿論シンジに止める気など無い。むしろ声にならない喚きが、心地よい振動となりシンジを刺激していた。アスカには皮肉な事に、嘆く事でシンジに奉仕をしていた事になる。

 そして。

 
「っ!」

 アスカの口の中で、シンジのペニスが跳ね上がる。それとほぼ同時に、シンジは熱く滾った塊と化した精液を吐き出していた。

 
「んぶぅっ!?」

 反射的に顔を引こうとしたが、シンジはアスカの頭を抱え逃がそうとしない。藻掻くアスカに構わず、口内にはどくどくと苦くて粘ついた生暖かい液体が注ぎ込まれていた。

 
「ん゛ん゛っ、ん゛ー!?」

 口から鼻へ、恐ろしく生臭い臭いが抜ける。先程まで部屋に漂い鼻腔を突いていたモノが、数十倍は強化された臭気。それがシンジの精子の臭いである事だけは間違い無い。口の中を暴れ廻り、容赦なく少女の口の中を汚して行く。

 
「ぐっ・・・うぅっ!?」

 口の中に溜まった多量の液体にえづき、少しだけアスカは精液を飲み込んでしまった。喉を粘ついた液体が流れ、食道にへばりつき胃へと落ちて行く。

 
「う゛ぶっ・・・」

 もはやアスカの、我慢の限界は突破していた。胃から、強い酸味が逆流して来る。それを表情から悟ったシンジは、慌てて手を離しアスカから距離を置く。

 
「う゛ぇっ・・・げほごほっ!」

 口から肉棒が引き抜かれると同時に、アスカは俯き咳き込んで大量の白濁液を吐き出した。大きく口を開き涙を滲ませ、ぼたぼたと零れ落ちシーツを汚すに委せて。

 
「っえほげほげほっ!」

 実際にアスカが吐いたのは、精液と唾液と微量の胃液だけだった。食事を取っていなかった為に、吐くモノが殆ど胃に無かった為である。少しだけ酸のの臭気を伴っているが、吐瀉物と呼べるほど酷い代物では無い。

 
「げっ・・げほごほげほっ!」

 アスカは、自分の口から入ったシンジの精を1滴残らず吐き出したかった。あんなモノを、1滴でも飲みたくは無かったからだ。他に理由など要らない。まるで何かに憑かれた様に、アスカは吐く事に執着している。

 
「・・・っ!?」

 盛んに噎せ返るアスカの顔を掴んで起こし、シンジは自分のモノを扱き残っていた精を顔に向けて放った。右目の僅か下辺りに当たった精液が、涙の様にアスカの頬を伝い流れて行く。

 
「・・・」

 殆ど吐き出した後なので、量は大した事は無かった。だが精液を顔に直接叩き付けられた、アスカの心理的な衝撃は比べるべくも無い。

 アスカからすれば、所詮は精子も排泄器官から出された排泄物にしか過ぎなかった。色こそ違えど、小便を引っかけられたのと同じ事である。あまりにも屈辱的な行為に、逆に思考が停止してしまったアスカは呆然とシンジの顔を見上げる事しか出来ないでいた。

 
「勿体ない・・・こんなに美味しいのに」

 マナが、アスカの顔に張り付いたシンジの滴を器用にも舐め取り始める。だがマナの声は、アスカの耳には届いていなかった。





 
「・・・」

 シンジの肉塊に貫かれて暫くの時が過ぎていたが、未だにアスカの陰裂は閉じようとはしない。そこが抉られたのだと誰とは無く知らしめる様に、ぽっかりと丸く開いたままになっている。

 そこから時折、脈打つ様にシンジの放った大量の精が音を立て吐き出されていた。血の色で斑に汚れた白い濁りが、シーツに浸み冷たく濡らし染めて行く。

 
「・・・っ・・・」

 シンジの陵辱の証は、未だに音を立てアスカの膣から排出されていた。膣の脈動に合わせ、ごぼっと濁り籠もった音を立てながら。だがその音や感覚の繰り返しが、皮肉にもアスカに我を取り戻させていた。

 屈辱。そんな一言だけでは、とても片付けられない。
薬を使われた?2人がかりだった?そんな事を言った所で、無理矢理奪われた事実に変化が生じる訳では無いだろう。

 シンジはベッドで胡座をかき、再びマナに奉仕をさせている。まるで、何事も無かったかの様に。アスカと自分は、何の関係も無いのだとでも言うが如く。

 そんなシンジの姿を見ているだけで、アスカの腸はぼこぼこと煮え返る。こんな男を主人として見られる訳が無い。自身の手で八つ裂きにしても、未だ飽き足らない憎悪の対象でしかなかった。

 
「っ・・・許さないから、絶対に・・・!」

 余りの悔しさに声を震わせながら、アスカは殺意を込めてシンジを睨み付ける。無理矢理貞操を奪われたのにも関わらず、この程度の事しか言えないのが余計に悔しさを募らせていた。本来のアスカであれば、即座に生死を問わぬ一戦を挑む所である。

 だが今のアスカに、それは出来ない。彼女の股間が訴える、余りにも激しい痛みが彼女の運動能力を根元から奪っていた。ほんの少し身体を動かすだけでも、鋭い痛みが身体を駆け巡る。とても跳ね起き闘う、どころではなかった。

 
「・・・絶対に、絶対に・・・!」

 勿論、実際に肉弾戦を挑む意味など無い。仮に戦った所で、既に結果は判り切っているのだから。アスカの敗北。それは既に共通の認識となった事実だった。

 だからと言って、戦わない訳には行かない。絶対に、このままで終わってたまるか。直接殴り倒す事は無理でも、差し違えてでもコイツは潰してやる。股間にマナを蹲らせて、奉仕を受けるシンジを睨みながらアスカは己に誓っていた。

 
「・・・ふぅん・・・」

 アスカの声が聞こえたのか、振り返りもせずにシンジが声を上げる。役にも立たない、下らない事を聞いたと言う声で。

 
「いいよ、別に。アスカに許しを請う気なんて無いから」

 アスカの言い方が余りにもありがちだったと言うのも差し引いても、シンジはシンジで意に介さな過ぎだった。開き直っていると言う感じでは無い。つまり本気で、気にもかけていないと言う事である。

 
「っ・・・奴隷相手にゃ、ンな事する気は無いとでも言いたいのっ!?」

 余りの手応えの無さが、アスカの癇にも癪にも障った。痛みを無視し、アスカはシンジを怒鳴り付ける。

 
「外れ」

 面倒臭そうに、シンジがゆっくりと顔をアスカの方に向けた。白々しく首を横に振り、それからアスカの意表を付く言葉を放つ。

 
「で、アスカはどうする気なの?」

 
「・・・何を?」

 
「許さないって言うんなら、どうするのさ?自慢の腕力じゃ、既に勝てないって証明してるんだし。ミサトさんにでも言う?それとも一緒に来た加持って人に・・・あ、それだったら司令やってるボクの父さんに言った方が良いね。私はシンジに強姦されましたって」

 
「・・・」

 確かに手としては、シンジが言うその程度しかない。それはアスカにも判っている。だが、今はそんな事よりも気にすべき事が有った。

 
「・・・アンタ・・・何考えてるのよ・・・?」

 どうしてシンジが、わざわざ自分が不利になる様な事を提言したか・・・だ。何か仕掛けているとでも言いたいのだろうか。露骨にいぶかしむ視線を投げかけながら、アスカはシンジに聞く。

 
「アスカをボクの奴隷にする事」

 
「っそうじゃ無いわよっ!戦略自衛隊と癒着して情報タレ流した上に、私をレイプした事を!誰に話したって、アンタ終わりなのよっ!そこん所、判ってるの!?」

 
「勿論。是非ともそうなって欲しいね」

 
「・・・え?」

 又もや何でも無い事の様にあっさりと言ったシンジに、アスカは完全に気勢を削がれていた。間抜けな声を上げて、アスカは自分の耳を疑う事しか出来ない。

 普通のパターンなら、シンジはこう言うだろう。
だったら、さっき撮ったビデオをバラ撒く・・・と。

 あの映像には、アスカの顔しか映っていない。ビデオを見たら何をやっているかは判るだろうが、その相手が判らない様に撮られているのだ。つまり喘ぐ姿を公開される、アスカ1人だけが世間に恥を曝す事になる。

 しかしシンジは、ビデオの件には全く触れなかった。代わりに言い出したのが、終わりになった方が嬉しいと言う一言である。

 アスカには全く訳が判らなかった。この返答だけは、予想すらしていない。しかしシンジの口調は、単なる強がりには聞こえなかった。だからこそ、何も言う事が出来ない。何も言えずに、アスカはぽかんと口を開けシンジの補足説明を待っている。

 
「だってそうなれば、エヴァに乗らなくて済むじゃないか。勝手に適格者とか言うのにしといて、アレコレ鬱陶しい事言われたくないんだよ」

 
「!?」

 この一言も、見事にアスカの意表を突いていた。
エヴァに乗らなくて済む?自分が弐号機に乗れると決まった時、どれ程喜んだ事か。弐号機の適格者になれると判った時、どれだけ心踊った事か。自らエヴァに乗りたいと願い叶ったアスカの、想像の遙か外に有る言葉である。

 
「だだだだって・・・アンタ、使徒と闘わなきゃ人類の未来が・・・」

 
「知った事じゃないよ、人類の未来なんて。使徒とか言う奴にやられて人類が滅ぶって言うんなら、勝手に滅べばいいんだよ。有史以来滅ばなかった生物なんていやしない。滅んだ所で、それは人類の番が来たってだけの事さ」

 
「・・・」

 先程とは違う意味で、アスカは総身から血の気が引くのを感じていた。ある意味では正論なのかも知れないが、既に幾多のいきさつを知っているシンジが言うのでは単なる暴論でしかない。増してやシンジは、エヴァに乗り幾度も使徒と戦っているのだ。今更知らないは通らないだろう。

 
「・・・じゃ・・・何でアンタは、エヴァに乗ってるのよ・・・?」

 
「大した額じゃあないけど、先ずはお金の為。それから・・・身元を保証してくれるって言うのも、無い事は無いかな」

 
「・・・それじゃあ・・・さっき弐号機動かしたのは・・・?」

 先程あれだけ猛り狂っていた感情も、今は僅かばかりも存在していない。唖然としたまま、アスカはシンジに疑問を重ねて行く。

 
「第何使徒になるんだっけ・・・忘れちゃったけどさ、あんなのに邪魔なんてされたくなかったから。だから、適当に闘っただけだよ」

 
「・・・あれが・・・適当?」

 
「たかがエヴァ動かすくらいの事を、真剣にやってどうするのさ?給料が増える訳でもないのに」

 
「・・・」

 アスカには全く信じられなかった。先程の戦闘をモニターで見ていたからこそ、疑える。自分が本気になっても、それこそ悟りを開いても弐号機をあそこまで制御させて動かす事は出来なだろう。

 それが
適当にやっただけ?信じる気にはなれない、いや信じたくない。適格者として、自分より優れた者が居るなどと。増してやそれが、こうまで狂った性根の持ち主だったなどと。

 
「だからさ、出て行けって言われた方がボクには嬉しいんだよ。そうすれば大手を振って、好きな事をやれるじゃないか。ボクが何をやったって、出てけって言った人達に文句を言う筋なんて無いからね」

 自分の意志で去った場合、責任は去った者に帰属する。だが去らせた場合は、去らせた者が責任を負わねばならない。エヴァの適格者と言う特殊な立場に有るシンジにとって、これは重要な問題である。

 普通は自分の意志を示す為に、立ち去る事を選ぶだろう。だがそれでは、後々も因縁がつきまとう可能性が極めて高い。

 周囲が有用だと認めている所から去れば、そうなるのはむしろ必然である。しかもこの場合、勝手に立ち去るのはシンジだ。批判も非難も、シンジ1人に集中して当然だろう。

 だが去れと言われた場合は、話が別である。周囲が無用だと、既に認めているのだから。後からノコノコ顔を出し戻ってくれと言われた所で、要らないと言った者たちの言う事に耳を貸す義務は無い。要するにシンジは、そう言っているのである。

 
「・・・で、でも・・・さっきアンタ、身元を保証してくれるとかって・・・」

 
「そう。そこが問題なんだよなぁ・・・」

 
「いいえ。心配など無用です」

 白々しく悩むフリをするシンジに、これ又わざとらしくマナが首を突っ込む。

 
「御主人様は、私が養わさせて頂きますから」

 
「本当?そりゃ助かるけど・・・本当にいいの?」

 
「はい、どうぞお任せ下さい。御主人様が何1つ不自由無くお暮らし頂ける様に致しますし、身分証くらいなら幾らでも作れますから」

 
「・・・そう?じゃあアスカ、遠慮しないでさっさと言っちゃってよ。気も済むだろうし、めでたく四方八方丸く収まるよ」

 
「・・・」

 更に、少年には戦略自衛隊の人間が接触している。ここが最大の問題だろう。NERVから離れれば、シンジの取り込みを図るのは必然である。

 何しろシンジは、エヴァと言うNERVの最高機密に最も近い所に居た人間なのだから。マナを通じて得ている今よりも、情報の質も量も上がるだろう。

 そしてシンジには、取り込まれる事を拒む理由が無かった。何しろ彼自身が、責任感からエヴァに乗っている訳では無いと明言しているのだから。金でも積めばあっさりと、シンジは戦略自衛隊側の人間へと転向するに決まっている。

 
「でも・・・その前に、決着は付けさせて頂きます」

 
「決着ぅ?どうするのさ?」

 
「御主人様の立場を追いやろうなどと考えた、身の程を知らない愚か者を・・・私の手で処分します」

 
「・・・」

 マナの冷たい目線に射抜かれ、アスカの背に戦慄が疾った。人類がどうこうとか組織がどうとか言う以前に、自分にとって最大の危機が間近に控えている事を思い知りながら。

 彼女の戦闘能力は、恐らく加持すらを容易く上回る。当然加持に手ほどきを受けた自分など、話にもならない。マナよりは弱いと公言していた、マナに格闘術を学んだシンジにすら歯が立たなかったのだから。

 
「・・・まぁ、それは仕方ないね」

 肩をそびやかしながら、シンジはマナの提言を受け入れる。その動作も又、驚く程軽かった。

 それが、アスカには腹立たしい。まるで、自分の存在そのものが軽く見られた様な気がしてならないからだ。ムキになる必要も無いのに、顔を真っ赤にしてアスカはシンジに喚き散らす。

 
「っじゃあ何で、アンタは私を奴隷にしようとしたのよっ!?」

 
「同僚に、アスカみたいな性格の人は居て欲しく無いから。はっきり言って、目障りだしね。だからボクの奴隷に調教する、それだけの事さ。そうでも無ければ、わざわざアスカを奴隷になんてしないよ」

 
「・・・」

 元々シンジがアスカを奴隷にすると言い出したのは、共に居て鬱陶しい事この上ない性根を叩き直す為である。共に居ても鬱陶しくない性根にする為に、それが一番手っ取り早いから奴隷にするとシンジは決めたのだ。

 だが自分がNERVから去れるので有れば、別にアスカを奴隷にしなければならない理由は無かった。そもそもの前提である、共に居る事が無くなるのだから。当然、鬱陶しい訳が無い。つまり、調教を続ける意味など無いと言う事だ。

 では単純に、奴隷を増やすと言う観点だけで見たらどうか。肉体的にも精神的にも、奴隷の素養に乏しいアスカに手をかける理由など無かった。単に、時間と労力のムダである。もっと素質が有る者を探した方が遙かに早いし楽だろう。

 シンジがNERVから出て行ってしまえば、アスカを調教する理由は無い。ならばさっさとアスカから手を引き、関わりを絶つのは当然である。赤の他人と言う、関わり合う事など有り得ない関係に安住すべきだろう。

 そして、その上でマナがアスカを殺そうとしてもシンジに止める理由など無い。赤の他人をどうしようが、シンジの知った事では無いからだ。

 だがマナには違う。いかにNERVから追い出される事がシンジの望みだとは言え、それを叶える側に悪意が有ればマナは原因に落とし前を付けねばならない。それは奴隷として主人に飼われる者として、成さねばならない事なのだ。

 なぶり殺しか、事故に見せかけるか。どちらで有っても、結果は1つしかない。アスカの死。それだけだ。だからこそシンジも、仕方ないと応じているのである。

 
「・・・」

 アスカには、これは余りにも意外な展開だった。自分の対抗手段が、2人の前に完全に敗れた事も理解している。何しろシンジを追い込もうと思っていたのに、気が付いたら先ほどより悪い立場に自分が追い込まれてしまったのだから。しかも、生命の危機と言う予測など出来る筈も無い状況に。

 自分がマナに殺されない為には、どうすれば良いのか。簡単な事だ。シンジをNERVに居させ続ける、それ以外に手は無いだろう。

 ではシンジをNERVに居続けさせるには、どうすれば良いのか。これも簡単な事だった。たった1つの、犠牲を差し出す事を黙認すれば良いだけである。

 
「・・・」

 犠牲の名は、惣流・アスカ・ラングレー。つまり、自分だ。殺されない為に、自分の身体を差し出すと言う事である。このまま碇シンジに弄ばれ続け、自分が調教されている事を外部に知られなければ良いのだ。

 それなら、アスカが原因でシンジがNERVから追い出される事は無いだろう。仮に他の理由でシンジがNERV追放になったとしても、それはアスカのせいではない。多少逆恨みされるかも知れないが、殺される理由は生じないだろう。

 
「っ・・・」

 自分がシンジの奴隷に、もっと簡単に言えば性欲処理の道具に成り下がる。耐え難き理屈だが、殺される事を思えば仕方が無いのかも知れない。もしかしたら殺された方がマシなのかも知れないが、それでは何の為にドイツから日本に来たのかも判らなくなる。

 エヴァ弐号機を駆り、使徒を撃退する為にアスカはドイツから日本に来たのだ。一度も対使徒戦を経験せずに死ぬなど、絶対に御免である。

 かと言って、共にNERVに居ながら顔を合わせないなど不可能だろう。何しろ2人は、今の所世界に3人しか存在しない適格者なのだから。嫌でも顔を合わせる事になると考える方が自然である。

 だからこそ、シンジはアスカを調教すると言う選択肢を選んだのだろう。つまりアスカは、生き残りたければ他に選ぶ道などない。忍び難きを忍び、シンジの目論見を受け入れるしか無いのだ。

 
「っ判ったわよ!私を、アンタらの好きなようにすればいいじゃない!!」

 まさかこんな事を言わされる羽目になるとは、アスカも想像していなかった。あんな目に遭わされて尚、まるで懇願する様な事を言わねばならない。屈辱以外の何者でも無かった。

 知らずと、涙が溢れそうになる。冗談では無かった。泣いた所で何になる。悔しさに情けなさが上から塗り被さるだけではないか。

 だから、決して泣いてはならない。悔しさは怒りに変わる。だが情けなさは自己嫌悪にしかならない。それでは何の意味も無いのだ。悔しさを忘れず、何時の日か彼らに復讐する時の為に。その為に、泣く事だけは断じて許されない。

 
「・・・あのさぁ」

 そう必死で自分に言い聞かせているアスカに、シンジが普段通りの声をかけた。

 
「何よっ!?何か文句でも有んの、アンタの望む通りヤらせてやろうって言うんじゃない!!」

 
「一応教えてあげるけど・・・楽しまないと、損だよ。多分」

 
「っ何を楽しめってぇのよっ!!」

 楽しめないからこそ、アスカはこれだけの葛藤をしているのである。そんなアスカに、シンジの理屈を受け入れられる訳が無かった。

 
「・・・未だ判らないの?本当にバカね・・・」

 
「っ!?」

 やれやれと嘆く様に首を振りながら、マナがアスカに歩み寄る。反射的に怯えるアスカを無視して、アスカの身体を持ち上げた。背中から軽く抱く様にアスカの身体を支え、その身体を改めてシンジの前に曝け出させる。

 
「御主人様に、自分の身体を使って頂く事を。御主人様に仕え、奉仕をする事を。そして、御主人様の欲望を満たす事を・・・」

 マナの掌が、背中越しにアスカの胸を揉み始める。奇しくも、輸送船の中でアスカが弄ばれた時と同じ態勢で。違いと言えば、2人とも服を着ていない事とシンジと言う観客が居る事だけだ。

 
「あぅんっ!そっそそそそんな事を・・・ひっ、くぅっ!?」

 マナの言葉を、アスカは否定しようとする。しかし、そんな事はとても出来なかった。

 マナの指が身体を這う度に、アスカの身体をびりびりと快楽が駆け抜ける。乳房を大きく、強く揉まれる度に。摘まれた乳首を引っ張られ、こりこりと弄られる度に。アスカは歓喜の悲鳴を上げ続けていた。

 
「くっ・・・あうっ!いっ、んあうぅっ!」

 シンジが見ている事など、既にアスカの脳から吹き飛んでいる。そこまで考える余裕が、今のアスカには無い。喘ぎ身体を震わしながら、快楽を謳歌するだけで精一杯だった。

 最も、観客を意識する余裕が無いのはアスカだけだ。マナは、充分に意識している。弄ばれるアスカを、冷ややかな目で眺めるシンジの視線を。

 
「はぐっ・・・あ、くぅっ!はぅっ、あっあぁっ!」

 
「あなたの、この身体で・・・ね」

 指の腹で身体に触れたまま、ゆっくりと滑らせアスカの秘所へと到らせた。シンジの放った白濁液でぬめる中に指を割り入れ、くちゅくちゅと音を立て掻き回す。

 
「あんっ、ああっ!いっ、はぁっ・・・うんんっ!」

 マナの愛撫に、アスカは翻弄されていた。はっきり言って、自分でする時よりも数段快楽の度が強い。自分の性感帯の総てを知っているかの様に、マナはアスカの身体を弄び。アスカも又、マナになされるがまま悦びの声を上げ続けている。

 
「そしてあなたは、それをあなたの悦びにしなくてはならないの。そうじゃなきゃ、御主人様の奴隷とは言えないから・・・だから」

 
「あんっ!?」

 どんっとマナがアスカの身体を前に押した。不意を突かれ踏ん張る事も堪える事も出来ずに、アスカはシーツの中に顔から突っ込んで行く。

 
「よいしょ・・・っと」

 マナは俯せに倒れたアスカの身体を廻し、シンジに尻を曝す様に向きを変えた。続いてアスカの首の辺りに腰を下ろし、両手で抱く様に腰を持ち上げる。それから腿の肉を掴み引き寄せ、膝で下半身を支えさせた。

 
「取り敢えず、御主人様に身体を使って頂ける悦びを覚えなさい。あなたの場合、総てはそこからよ」

 
「っ!?」

 アスカはシンジに向け、4つん這いになっていた。ただ上半身が押し潰されている為に、極端に下半身だけが持ち上がった姿勢になっているのだが。

 
「っ・・・!」

 羞恥心で、アスカの顔が真っ赤に染まる。散々弄ばれたのだから今更、などと言う感覚が持てる訳が無かった。しかも今は弄ばれている訳でも無い。単純に、裸を晒しているだけだ。だから、現状が冷静に認識出来てしまう。それこそ今更なのだが、こみ上げて来る恥ずかしさで今にも頭が爆発する様な錯覚を覚えていた。

 まるでシンジに突き立てられる事を今や遅しと待っている様な、恥も外聞も無い格好。そんな事はアスカにも判っていた。だから、その姿勢をアスカは崩そうとする。膝を畳んでしまえば良いだけの事なのだから、容易に出来る筈だった。

 だがそれだけの事が出来ない。マナが妨害する為だ。逆に地味な攻防すら利用してアスカの腰を振らせ、まるで誘っているかの様な動きを演出させている。

 
「どうぞ、御主人様。この牝犬も、待ちきれないみたいですから」

 抵抗するアスカに構わず、アスカの柔肉を両指で開き挿入を促しながらマナがシンジに向けて笑みを浮かべた。

 
「今度は我慢しなくて良いのかなぁ?」

 そう言いながらシンジは、肉棒の先をアスカに突きつける。その感覚を受け、アスカの目元の筋肉が激しく痙攣した。

 
「・・・そ、そっちは・・・!?」

 シンジの先端が触れているのは、先程穿たれた場所では無い。其処よりも、もう少し上の閉ざされた所だった。再び顔を青くして、首を後ろに回しアスカはシンジに喚く。

 
「っそそ其処は・・・ちっ違・・・!?」

 だが、シンジは。

 
「・・・だから。さっき言ったじゃないか、2回って」

 造作も無い事の様に言い放った後。アスカの菊座に、己が分身をねじ込む様に突き立てた。



つづく

 


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