ピエロ君
そもそも、元彼と別れて約1年経った頃、もう情報センターの活動もこんど会った人に「ピン!」とこなければ、しばらく活動をお休みしようかな・・・そう思った矢先のことです。
ある日の夜、世話役のおばさんから突然こんな電話が入りました。
おばさん「ヨン江さん!久しぶり!お元気?」
ヨン江「あ・・○○さんですか?ご無沙汰してます。」
おばさん「実はね、ヨン江さんのプロフィールを見て、一度お会いしたいって方が今ここにいらしてるんだけど・・・」
私は、もしやこれって、「運命の出会いになるかも〜」![]()
なあんてときめいちゃいましたよ。
ヨン江「それで、どんな方なんですか?」
おばさん「そうねぇ・・・とてもいい方よ!お話好きだし、おしゃれだし、なんと言っても車はジャガーに乗ってるくらいの方だから。ヨン江さんにぴったりだと思うわ!」
「ジャガーって何の車だ?ジャガイモか!?」
実は私、車音痴なんで、車の名前言われても、一体何の車なのか「ピン!」とこないんです。(後日友達に聞いてみたら、どうやら外車だったようですが)
でも、なんで、「おしゃれ」で「ジャガー」が私にぴったりなんだ!?
ヨン江「どんな経歴の方なんですか?」
おばさん「そうねぇ〜国立の大学院卒で、仕事の方も技術職だし、ヨン江さん「技術職」の方がいいっていってたから会ってみなさいな!」
ここまで言われて、「まぁどんな方かは分からないけど、とりあえずあってみるかぁ」なんて思ったので、その次の日曜日に会う約束をしました。
電話で約束を取り次いだ時の彼は、おばさんの言ってたとおり、お話好きなひと。確かに悪い人ではなさそうだし、そこそこ冗談も通じそうです。
ただ、どんな格好をしていくかについて話しているときに「黒いスーツを着ていきますよ。」と言われたので、そんな気張らずカジュアルなほうがいいかなと思い、「あの・・・そんな畏まらずカジュアルにしませんか?私、フォーマルってもってないんです・・・」と言いました。
先方も、「あ!いいですよ!カジュアルにしましょう。カジュアルにね!」と言ってくれたので、目安は特に決めず「カジュアル!」この言葉をキーワードに会う約束をしました。
すべてはそこから始まりました。
そして日曜日がきました。○○駅の改札に10時。目安は、「カジュアル!」
事前にピンぼけに近い形ではありましたが、写真をおばさんに送っていだたいたので、「何となく見つけられるだろう」そんな気持ちで電車を降りました。そして、「おしゃれ」で「ジャガー」な「大学院卒」というかなり興味をわかされるキーワードのもと、「どんなひとかなぁ!」とドキドキしながら改札口にいってみると・・・そこには・・・そこには・・・
そのときの私の正直な胸の叫びは
「ピ、ピエロだ!」

なんと、私の前方5メートル先には、シャツからズボンから靴からバッグからネクタイから、すべ〜て白づくしの男性がたっていました。しかも白のサスペンダー。そして7・3ヘア。これにバラを加えたら、まさに宝塚男性歌劇団・・・・
まっさかぁ・・・って思いましたけど、おそるおそる顔を見てみると、おばさんから見せていただいたピンぼけの彼の顔と99パーセント一致しているといっても過言ではありませんでした。
私の心の中は一瞬にして凍ったのはいうまでもありません!(いや、身体も硬直状態。時すでに遅しでした。)
「まさか・・・このピエロみたいな人???・・・うっそだよね・・・違うよね・・・違うっていってよぉぉ!」
と心はすでに200メートル引いた状態のところへ・・・
ピエロな彼「ヨン江さんですよね?」(めっちゃ笑顔で)
ヨン江「(違いま・・・)あ、・・・は・・・は・・・い・・・」
ピエロな彼「どうも〜はじめまして、比得郎です!」
私はその場を離れたいがために、すぐに緊急の口実をつくりました。
ヨン江「あっあの〜ですね・・・今日この後お通夜ができてしまって?・・・1時間でもいいですか?」
私は、また人を一人殺してしまったと罪悪感に駆られましたが、とにかく受け付けられないものは受け付けられない。だって〜!これって、「おしゃれ」じゃなくて「勘違いだよ」
その後のことは、とにかく早く帰りたい一心で、あまり覚えていませんが、覚えているのは、「彼と私は無関係なんだ!」と通りすがりの人々にわかってもらいたくて縦横3メートル離れて歩いていたということです。とりあえず、何にも話さないのは失礼なので(そのときの私に芽生えたわずかな良心がそうさせた)喫茶店に入ってお茶だけでも耐えてみることにしました。
比得郎「えーと、何にしますか??」
ヨン江「あ・・・・そうですね・・・コーヒーでいいっかなぁ・・・・」
比得郎「あっそぅお!それじゃボクはチョコレートパフェ」
よりによって何でそんなめんどくさいもの食うんだよー
喫茶店の店員さんが、こっちをみているような気がしてたまりません。だって、全身まっしろの男性・・・どう見たって、お色直し済みの新郎そのものだからです。
かすかに、笑い声が聞こえます。
私は、どうしても気になって仕方なかったので、聞いちゃいけない質問をあえてしてみることにしました。
ヨン江「あのぉ・・・ですね・・いつも洋服とかどこで買うんですか?」
比得郎「あっ!ボクですかぁ?う〜うん。そうですね〜。銀座の○○ってブランドしってます?」
知らねーよ!
比得郎「そこで買うんですよ〜!うんうん!」
ヨン江「あ・・・そうなんですかぁ・・・」
比得郎「これでもね、昔はもっとダサかったんですよ!うんうん!」
ってこたぁ、今はダサくないってこと!?
そのあとのことは、もう言うまでもありません。
人の趣味や表現にとやかくいうつもりはないけれど、言わせてください。
全身真っ白ブランドは「カジュアル」じゃないぞ〜
私は悟りました。
おばさんのいう「おしゃれ」は、全くあてにならないということを。