* 原 文 *
射(しゃ)は進退周還(しんたいしゅうせん)必(かなら)ず礼(れい)に中(あた)り、内(うち)志(こころざし)正(ただ)しく、外(そと)体(たい)直(なお)くして、然(しか)る後(のち)に弓矢(ゆみや)を持(と)ること審固(しんこ)なり。弓矢を持ること審固にして、然る後に以(も)って中(あた)ると言うべし。これ以(も)って徳行(とっこう)を観(み)るべし。
射(しゃ)は仁(じん)の道なり。射は正しきを己(おのれ)に求む。己正しくして而(しこう)して後(のち)発(はっ)す。発して中(あた)らざるときは、則(すなわ)ち己に勝つ者を怨(うら)みず。反(かえ)ってこれを己に求むるのみ。
* 解 説 *
「礼記(らいき)−射義(しゃぎ)−」とは、孔子(紀元前500年頃の中国の思想家。「論語」で有名)による儒教の教えで、49編から成る「礼記」の46編目が射義編です。弓道教本に掲載されているものは、その冒頭と最後のあたりの部分を抜粋したもので、主に弓道における礼儀作法と、あるべき姿について述べられています。