| □ BACK |
●
Part 12 ● |
NEXT
□ |
|
見返り美人 |
|
● ●
● ● ● |
ある日突然、考えたこと Part 2。
● |
 |
美人に見える条件に、「夜目、遠目、傘の内」というのがある。つまり美人の条件とは器量だけでなくその「姿」にあり、背中を丸めてとぼとぼと歩いているのと、背筋を伸ばし颯爽と歩いているのとでは、どちらに魅力を感じるのかは言うまでもない。
「一に無地、二に縞・格子、三小紋」
ふとそんな言葉も思い出した。粋(いき)な柄を並べたものだ。「お江戸でござる」で聞いた言葉だったと記憶している。
それに江戸時代には、「四十八茶百鼠」といった言葉がある位、たくさんの「ねずみ色」や「茶色」が流行ったそうだ(というか、政策的に華美な色が禁じられていた)。どちらも派手ではない、没個性的な色だけれども、この地味な色をどれだけ粋に着こなすか、そんなことを楽しんでいたらしい。外見ではなく内面、さらに内面からにじみ出る外見を磨き、きっとそんなことから、立居振舞を重視したのだろう。そして奇抜でも派手でもない、春が来て梅の花が咲くような、穏やかで調和のある個性が生まれたのだろう。
でも考えてみれば、そうなってくるのも当然かも知れない。日本人というのは皆、髪の色も目の色も肌の色も同じで、しかも似たような格好をし、同じ土地に定住して巡る季節の中、それこそ変わらない営みをして暮らしてきたのだから。
弓道でも、基本体が重視されている。立った姿勢や座った姿勢、歩き方や礼の仕方など。普段は弓を引くことばかりに気をとられて、おろそかにしがちなことだけれども、実はそれは、とても重要なことに違いない。
|