.弓のきこなし・着物編

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弓引き着物のTPO?

 着物についてもの思う で「審査で小紋や紬といった柄物を着るのは絶対に間違っている」と書いてしまった手前、それでは一体どんな着物がふさわしいんだろうか、と考えてしまった。このまま書き逃げするのも無責任かもという訳で、男性の和装TPOと弓引き(茨城県・弓道誌)に見る着こなしを参考に、私の独断と偏見で考えてみました。ただしこの表は、私の思いこみが主軸にあり、さらに一部には誤った弓引き和装も含まれているので、一般的には通用しない部分もあります。
 それにしても弓引きは「着た上で弓を引く・慣れる」必要性と、着物よりも弓矢にお金をかけたいという気持ちによってか、男性は「黒五つ紋付き半襟白の縞袴」、女性の五段位までは「紋なし色無地に袴」の一張羅で何でもこなす人が多く(私もその一人だが)、またどうせ道場以外では着ないので、履物や上着も揃えないことが多い。着物の素材も、ほとんどがポリエステルの洗える着物で、絹物を着るのはもともと手持ちにある人、しかも冬場くらいのものだろう。なので、絹織物の種類である羽二重、縮緬、紬といった表記は、実はポリエステルの「○○風」だったりする(注:前述の紬は柄物で、ここでの紬は無地をさす)。
 しかしこう見てみると、着る人や場所といった立場が違うものの、弓道着と紋無し色無地がほぼ同格なのは面白いと思った。それに弓引きの着物は色無地が基本だけど、柄物でも極細の鮫や行儀といった定め小紋なら、色無地扱いだし裃(かみしも;江戸時代の武士の礼装)の柄だったから許されるのでは……なんてことも考えてしまった。TPOだなんてつまらなくも面倒臭いことを書いているけれど、実際のところの私は、融通がきいて無難なところでふわふわと漂って、縛られるのはまっぴらだと思っている。→ 能書き無しのシンプル版

弓引き着物のTPO?
  正 装 略 装 練  習  着 稽古着
着 物
(羽二重・縮緬)
色無地
(左記以外の黒を含む)
その他無地
(綿 麻 ウール)
柄物 弓道衣
5・3・1
半襟

または色)

(本来は色)

(本来は色)

(本来は色)

無地
(黒?)

無地

無地

無地

無地

稽古袴

縞 or 無地

無地

無地

無地

履物
(鼻緒)
礼装用(白)
雪駄・草履
礼装用(色・柄)
雪駄・草履
普段用(色・柄)
雪駄・草履
普段用(色・柄)
雪駄・草履・下駄
普段用(色・柄)
雪駄・草履・下駄
なんでもあり
雪駄・草履・下駄
・サンダル・靴
・実際の雪駄や草履は、安価なビニール表のウレタン底が主流。女性も←に同じな女物の雪駄ゃ草履、和装用の草履など色々。しかし実体はなんでもあり。

上着
・男性の正装では本来は「黒五つ紋羽織・白羽織紐」を合わせるが、基本的に道場内では脱ぐ(ただし、主催者、審査員といった立場の人は着ていることがある)。もちろん射場では脱ぐ。
・女性は道行コート、道中着、羽織などがあるが、あくまでも防寒目的。
・たいていの人は、着物でもジャケット、コートなど、「なんでもあり」で通している。一部の女性は弓道衣でも道中着など合わせた姿を見かける。
演武          
矢渡し          
介添 大会
(色は主に女性)
       
射会
(色は主に女性)
   
(場合により)
審査
(五段まで?)
   
(段位による)
大会
講習会
射会
練習

※ 上表は、相当、弓引き用にアレンジされており、実際の和装TPOと異なる部分が多々あります。
※ 表内「●」は相応しいと思われるもの、「○」は実際に見かけ許容範囲と思われるもの。判断基準は、多数派 > 相応。
※「色無地」とはあくまでも 着物の色 で紹介したような、色みを感じさせない深いものか、白に近い淡いもの(地紋なし)。
※「紋」は抜き紋(5・3・1)or 縫い紋(1)。加賀紋は除外。
※ 男性袴の「縞 or 無地」については、羽二重には縞、縮緬は縞か無地、紬・ウールは無地(同素材)を合わせる。また縞の太さは、目安として 細 > 太 で改まったものになる(太い方が若向きという説もある)。選ぶなら、細めの方が無難。
※「大会」とは県以上の公式的な大会をいい、「射会」とは弓道会等の内的な大会をいう。ただし神社等の「奉納射会」は別格(そのあたりのランク付けは各人の思想・思念による)。

■参考:本来の和装と弓引き和装の違いとは?

  1. 正装では、本来は「下着」を着る or 着物に「比翼(ひよく)」をつける。
  2. 男性の半襟が白一辺倒(本来は、正装(一部略装)以外は色半襟。肌脱ぎをした時の美観だと思うが……と思っていたら、半襟すらついていない人もいる)。
  3. 綿や麻には、本来袴を合わせない(スーツのズボンにTシャツのようなもの)。
  4. 何が何でも紋を入れればいい訳ではなく、羽二重 > 縮緬 > 紬 > ウール ≧ 綿・麻 で、紋を入れるのは紬以上らしい。羽二重は抜き紋、縮緬は抜き紋か縫い紋、紬は縫い紋。

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