■施主である(株)ジョイントコーポレーション「5つの無視」
1.新宿区の「絶対高さ制限」を無視
→現地の高さ制限は40メートル。
しかし「アデニウム夏目坂上」は100メートル
今は建てられても、今後は建替えはできません!!
2.建築審査会を無視
→審議中にもかかわらず、違反指摘箇所をこっそり訂正
3.新宿区の行政指導を無視
→何度、指導されても変更に応じず…「異例中異例」の文書指導!
4.景観まちづくり審議会の変更要請を無視
2度にわたる、審議会全会一致での変更要請無視
5.住民の要望を無視
住民の要請を無視し、既成事実を積み重ね続ける!
◆「アデニウム夏目坂上の5つの無視」◆
1.新宿区の「絶対高さ制限」を無視
現地の「絶対高さ制限は40メートル」
しかし「アデニウム夏目坂上」は100メートル。
この規制を無視して建てるため、
今は建てられても、今後は建替えはできません!!
この地区は、2005年12月に都市計画決定された新宿区の
「絶対高さ制限を定める高度地区変更案」によれば、
○商業地域で40メートル
○その北側の第一種住居地域で20メートル
の高さ制限がかけられています。
ところが、「アデニウム夏目坂上」は…
●高層棟が30階、100メートルと、この制限の2倍以上の高さ。
●「隣地境界70センチ」と超高層の建物なのに周囲に空間が
ほとんどない設計。
です。
本来は2005年7月から施行されるはずだった「絶対高さ制限」の決定が年末にずれ込んだため、今回の駆け込み建築を止めることはできませんが、新宿区は「駆け込み建築を許さない」方針のため、 「アデニウム夏目坂上」は建つ前から「既存不適格」の建物となり、今後の建替え時には、現状の2分の1以下の高さである40メートル規制を守らなければなりません。
つまり、100メートルの建物のうち、60メートル分の所有者が権利放棄でもしない限り、このような建物の建て直しはきわめて困難であり、それを考えると、将来の財産的価値は急落すると考えられます。
その結果、数十年後にはゴーストタウン化するのではないかと、私たち住民は非常に怖れています。
未来の町づくりのために、このような建物はあってはならない。
そう考え、建て主のジョイント・コーポレーションに対し、私たちは新宿区と共に再三、設計変更を求めてきました。
しかし、ジョイント・コーポレーションの返事は、 「これは事業なので変更はできません」の一点張り。
売ってしまえば「あとのことは知らない」のでしょうか。
私たちは、未来の町づくりのことや、そこに住む人の生活を考えない、ジョイント・コーポレーションの、このような利益一点張りの姿勢に強い疑問を持っています。
2.建築審査会を無視
建築審査会で「まだ審議中」にもかかわらず、
違反指摘箇所をこっそり訂正していました。
この「アデニウム夏目坂上」には、建築確認に違反があるのではないかと私たちは疑問を持ち、一級建築士の先生と建築問題に詳しい弁護士の先生(日置雅晴先生)をお願いして、東京都の建築審査会に異議申し立てをしてきました。
具体的には、
●平均地盤面の取りかた(これによって日照制限などが変わる)
●東京都安全条例に基づく、避難用の窓先空地の確保などに
ついての違反
の疑いです。
これに対して、建築主であるジョイント・コーポレーションが建築確認を求めた日本ERIは、図面の提示請求を拒否しつづけました。
(新宿区の「景観まちづくり審議会」でも、ジョイント・コーポレーションは、審議会会長から「図面の提出が少なすぎる」との苦言を呈されています。) ようやく一定の図面が提示されたのは、請求が起こされてから2ヵ月後の 2005年年末でした。
しかも、この後、驚くべきことが明らかになります。
図面を出してきたこの時点でジョイント・コーポレーションは、私たちの「ここが違反である」という指摘を受けて、こっそり訂正した図面を再度日本ERIに提出し、計画変更確認申請書を出していたのです。
こんな後出しじゃんけんのような行為が許されるのか…、私たちは疑問に感じずにはいられません。
こうしたことが許されるなら、業者は、指摘された違反箇所を指摘されるたびに訂正していくことで、永遠に審議を逃れ続けることができることになってしまいます。
このようなことは、建築審査会の制度そのものを愚弄し骨抜きにするものです。
もちろん、このことに対しても、弁護士を通じて異議申し立てをしていますが、こうした態度からも、私たちはジョイント・コーポレーションの企業姿勢に疑いを持たずにいられません。
3.新宿区の行政指導を無視
何度、指導されても変更に応じず…
「異例中異例」の文書指導がなされました。
こうしたジョイント・コーポレーションの企業姿勢に関しては、 新宿区でも非常に問題を感じ、 『「絶対高さ制限」が施行しようとしているので、できる限りそれを守ってほしい』という再三の行政指導を行ってきました。
このことは、私たちが新宿区に対する「陳情書1」を出したのに対し、議会で、「この計画に関しては、景観協議をもとに階数をさげてもらうべく強い行政指導をしている」(都市計画課長)という答弁がなされたことからも明らかです。
その後、区役所の担当者とのやりとりで、「アデニウム夏目坂上」に対しては『新宿区景観まちづくり条例』に基づく行政指導が行われており、
本来、「区との合意が成立しないうちは、お知らせ看板を出したり、説明会を開いたりしないよう指導している」のにもかかわらず、ジョイント・コーポレーション側は、それを無視してお知らせ看板を出し、説明会を開いたものだということが明らかになりました(「新宿区新聞」*2)。
さらにその後、直近の住民にどのような工事になるのかきちんとした説明がないままに、建築予定地に建っていた「原町会館」の解体工事が始まりました。周辺住民にとっては突然の大騒音と振動に悩まされる日々が始まったのです。
その後も、新宿区では都市計画部長が再三にわたって同社を呼び出し、再三の行政指導を行いました。
しかし、同社はいっこうに指導に応じず、新宿区では、この問題を「景観まちづくり審議会」(後述)にかけることを決定。 その後、「異例中の異例」だという文書による計画変更要請指導も行われました。しかし、ジョイント社はそれすらも無視。 ここまで行政指導を無視する業者ははじめてと新宿区も手を焼く状態でした。(詳細は→コチラへ)
4.景観まちづくり審議会の変更要請を無視
2度にわたる「審議会全会一致での変更要請」
も無視しています。
ジョイント・コーポレーションがあまりにも区の行政指導に従わないため、「アデニウム夏目坂上」の計画は、7月25日、有識者による「第30回景観まちづくり審議会議事録」(進士五十八会長)の審議に委ねられることになりました。
審議会では、
●このような高さ100メートルの建物がまちづくりに与える影響
●初めから既存不適格の建物を建てるということについての問題
など、この計画に対する疑義が続出し、審議会委員全員一致で、建築主であるジョイント・コーポレーションに対し、設計の見直しが要請されました。
(その際、委員の中からは「見苦しいとしか言いようがない建物」という発言も聞かれています)
にもかかわらず、当日夜に開かれた説明会では、業者は住民に対し「午前中には景観審議会でいろいろ言われもしたが、本計画は事業なので見直すつもりはない。ご了承ください」と説明。住民の怒号で説明会が成立しないような有り様となりました。
結局、その後も再三の行政指導にも関わらず、ジョイント社はやはり基本的な設計変更は行わず、最終的に出された修正案は、「高さ100メートルに対して、約1.4メートルだけ下げる!」というものでした。
そこでやむなく、12月20日、「アデニウム夏目坂上」の問題は再度、
「景観まちづくり審議会」にかけられ、このときも全員一致で
「審議会としてはこの案件は不同意である。よって再考願いたい」 という結論が出ております。(詳しくは→「第31回新宿区景観まちづくり審議会議事録」)
同審議会においては、会長から
「事業者は企業の社会的責任を十分考えていない」
「街並みとの間に差がありすぎる」
「事業者の図面等の情報提供があまりに少なすぎる」
という苦言も呈されました。
これに対して事業者の返答は、 「いっさい計画を変更するつもりはない」というものだったのです。
つまり「アデニウム夏目坂上」は、新宿区行政指導だけでなく、「景観まちづくり審議会」の要請も無視して建てようとしているマンションなのです。
5.住民の要望を無視
説明会要請などの住民の要請を無視し、
既成事実を積み重ね続けています。
このように、公的機関の決定や区による行政指導にも従わないジョイントコーポレーションですから、この間の話し合いで住民側の要望を無視したり、不信感をいだかせるような出来事は枚挙にいとまがありません。
◆説明会での不十分な対応
第1回目の説明会の案内には「30階100メートルの建物が建つ」などということは一言も書いてありませんでした。
また、2回目の全体説明会に予定されていた会場は近隣から遠く、しかも月曜日の午後6時半から。週末の出席しやすい時に、出席しやすい近くの学校で、という住民の要求は再三拒否され、区議の方が無理に会場を予約して、やっと場所だけを近くの小学校に替えることができました。
◆建築申請延期要請を完全無視
私たちは東京都に紛争のあっせん(調整)を求め(詳しくは→経過へ)、『少なくとも紛争あっせん中は建築確認申請を控えるよう』に求めましたが、これを完全に無視され、3回目のあっせんの前日である8月1日に、すでに確認申請が出されていることがわかりました。
◆工事説明会の強行
そして実際に建築確認がおりるや、住民側の抗議を無視して、9月5日「工事説明会を強行」。 9月14日には3年間にもわたる工事に着工すると宣言したのです。まだ工事協定書も結ばれていないのにです。
その後、同社社長宛に内容証明を送り、なんとか着工を10月4日まで延ばしてやっと工事協定についての話し合いをすることができました。
しかしながら、建て主であるジョイント・コーポレーションは、工事説明会にも、工事協定の話し合いにも姿をみせませんでした。同社が同席せず、基本的な責任が工事を請け負っている熊谷組にまかされた形になったのです。私たちは、熊谷組と共同して「工事協定書」を作り上げました。
◆プライバシーの問題
なにしろ隣接との距離があまりないので、プライバシー問題は両者にとって切実な問題です。
それを話し合うため、窓やベランダの図面を出してほしいと私たちは要求し続けましたが、ジョイント・コーポレーションは、「被害が予想されるお宅にあくまでも『個別に』応じる」と拒否し続け、ようやく図面を出して話し合いに応じそうな気配をみせたのは、私たちが建築審査会に訴えた後の、11月の下旬のことでした。 しかもその後、私たちの質問や回答は延ばされ、無視されたままです。
◆「風害」の問題
東京都のあっせんの場のおける先方の主張は「風害については、本建物に起因すると明白に立証された場合にのみ、話し合いに応じる」とするとうてい納得できないものでした。
これについては、なんとか「本建物に起因すると考えられる風害が発生した場合には、甲乙協議の上、乙は責任をもって対処する」という合意を取ることができました。
しかしながら、現実問題として、高層建築が建った場合、風害はどのように出てくるか全く予断できません。実際に被害が出てからでは遅いと私たちは思っています。
◆100メートルという高さからの「落下物の危険」
これは、近隣住民にとっては、とても怖いことです。
何しろ、隣地境界は70センチ、高さが100メートルもあるのですから。
しかし、ジョイント・コーポレーションの回答は、とくに対策を講じるつもりはない、「あくまで原因者の責任にて対応すべき事柄と考えております」。(あっせん時の回答より)
しかしその中で、「防火水槽の設置」「避難通路の設置」「風害」の問題などは、東京都の立会いのもと、「一部和解書」(*)を取り交わしました。
しかし、今なお「アデニウム夏目坂」に関しては大きな問題が残っているのは前述した通りです。
今後の経過を、これからも報告していきたいと思います。
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