デベロッパーVSテナントの接点(賃料)







賃料(改訂)の考え方

DVとテナントの接点(賃料)


賃料に対する基本的な考え

1.新規家賃と継続家賃
新規家賃・・新規に建物(店舗)を賃貸する時に決める家賃。
継続家賃・・既に賃貸契約済みで一定期間経過後、増額改訂する家賃

2.実質家賃と支払家賃
支払家賃・・毎期支払家賃
実質家賃・・保証金・敷金・権利金等がある時、この運用益・償却額を含む家賃

3・固定家賃と売上歩合家賃
家賃には固定家賃と売上高に比例して支払われる売上歩合家賃とがある。又固定と売上歩合をミックスした併用型もSCの場合一般的である
※歩合率を決める際、業種により適正率を採用する事が肝要です。

家賃改定算出方法と留意点

新規家賃の算出法

@原価方式
●この方式で算出した賃料を「積算賃料」といいます。土地・建物価格を基礎として、期待利回りを乗じ、この額に必要諸経費を加算して算出する。
※実質積算賃料/年=土地・建物価格×期待利回+諸経費
●SCの場合全体家賃を各階層に振り分ける「階層別効用比率」と同一階層家賃を区画別に振分ける「部分別効用比率」を求める。
A比較方式
●「比較賃料(比準賃料)」は対象SC(区画)と類似事例を収集し立地・建物の質他総合的に比較して算出する。
※事例家賃に売上歩合制があるときは推定売上による。

B収益方式・・省略。

継続(改訂)家賃の算出方法

@利回り法:新規契約時(or契約更新時)の土地・建物価格に対する純賃料(必要経費等を除いた賃料)の実績利回りを算定しておき、改定時点での土地・建物価格に前者の利回りを適用して、改定時点での継続賃料を算定.
(※契約の経過期間につれて利回りは低下するので、同類型事例を分析し得られた利回り水準を考慮、査定する必要があります。)

A差額配分法:前述の「新規家賃」算定と「実際支払い家賃」との差額を、貸主と借主に適正に配分して、継続家賃を求める方法。
(※配分はex:折半法or3分の1法がよくなされる。)

Bスライド法:新規契約時(or契約更新時)から改訂時点までの期間について消費者物価指数、小売業年間販売額等の指標を用いてスライドして求める。

C業種別家賃負担能力から求める方法:売上高に対する業種別の家賃負担率を算出し、売上高にこの負担率を乗じて求めた家賃が標準とする。
(※家賃負担率=(減価償却費+保険料+修繕費+経常利益)×1/2+賃借料/売上高

家賃改定の際の留意事項

1.家賃改訂に関する約定の法的拘束力
家賃増額に関する約定の例としては、固定・売上歩合併用型、売上歩合型で歩合率を約定する場合の他、現行賃料に公表されている消費者物価指数等の変動率を乗じて自動的に改訂していく客観指数スライド型がある。
この様な約定の法的拘束力については、客観的に適正な家賃を算定する約定であれば有効と解される。但し、家賃が著しく高額となって客観的に妥当でないと認められる場合には、賃借者側は賃料の減額を請求を請求することもできる。

2.家賃増額改訂の要件
契約締結時に、その基礎において予定されていた事情に大幅な変更が生じ従来のままの法的効果を認める事は、社会的に不合理があるような場合。
@当初の契約締結時or最新改訂時から「相当期間」経過していること。
A当初の契約締結時or最新改訂時と増額請求しようとする時との間で、前提事情( 経済事情)が変化したこと。
B増額請求がなされた時点で現在授受されている家賃が妥当でなくなっていること。
C以上@〜Bの要件だけでは不十分で、現在授受している家賃を維持することが公平の観点から妥当でなくなっていること。
D増額しない旨の特約がないこと。

3.家賃増額改訂の申し入れ事項
@家賃増額改訂の意思表示を明確にする事。
はつっきりと対象不動産、現契約並びに相手方を特定して、増額改訂の意思表示をおこなう。
A増額改訂すべき基準時を明確にする事。
例えば、「平成○年○月○日から月額家賃を○円にします。」というように時期を明らかにする。もし明示がない場合でも、意思表示の到達の翌日から効力が生ずるものとされている。
B増額改訂すべき額の明示をする事。
申し入れた額が、最終的に相当額にならないとしても、意思表示の効力には関係ないので、請求の上限を示す意味でも必ず記載しなければならない。
(※本内容は「ShoppingCenter特集:家賃改訂」の一部を引用)




ケーススタデイー

不動産投資INDEX総合収益率


家賃(交渉)は営業活動の凝縮である

1.状況、ポジショニング
  @オープン11年目で保証金の返還が一部始まっている。
  ADVは累積赤字は解消したが、多額の借入金を抱えている。
  B開業以来、一貫して新規投資を行いたのSCとの差別化推し進めている。
  C売上は順調に推移している。

2.家賃改訂の背景
  @前回改訂分(5%)が持ち越しとなっている。
  A家賃原価が相当上昇した。(改装投資・金利アップ・償還に伴う金融費用
  のアップ・一般管理費用のアップ
  Bオープン10年経過により、全面リニューアルを計画している。

3.改訂率策定上の三つのポイント
  @SCトータルの立場から、開業以来順調に売上推移してきたのは、
   リフレッシュ実施による所が大きい。今後もこの方針で投資を実施
  Aテナントの立場から、共存共栄精神でテナントの経営状況を考慮
   (家賃額は上がるが、家賃率は下がる方向に努力。)
  BDVの立場から、経営安定化のため資金運用の合理化を図り、借入金
   増加に歯止めをかけ得ること。以上@〜Bを前提に改定額を算定

4.改訂手順
  @会長・副会長会議
   理事会に先立ち商店会会長、副会長(複数)にDVより諮問。
   趣旨は解るが、UPは低率との要望。要望を踏まえ提示額検討。
  A理事会
   業種別(orフロアー別etc)部会の意見を聞いた上で最終調整。
  B業種別(orフロアー別etc)部会
   部会員の総意を各部会長が取りまとめ。
  C理事会
   部会長より各部会の意見を報告後、審議。DV提示案を受諾。
  D商店会会長、DV連名にて高尚結果報告を全テナントに送付。
※上記の改訂交渉の流れは、「商店会組織」を活用する場合の流れの
 一例である。本来契約は個々であり、個別交渉の手法も当然あります。
 選択はそのSCの特性により合理的な改訂手順を選択すべきです。

5・家賃交渉における留意点。
  家賃交渉はSCの全ての営業活動が凝縮されたものと言えます。従って日頃のテナントとDVの
   コミュニケーションが大切であり、交渉の難易は「相互信頼」と「共存共栄」の理念の徹底度合
  いによって左右される。具体的には次の4点が重要な留意点と言えます。
  @SCの管理運営方針を明確に設定し、DV・テナント間で確認業務を怠らない事。
  ADVはテナントの経営状態を常に把握しておく事。
  B他のSCの動向(売上・賃料等)に留意し、自己のSCの位置付けを正確に認識しておく事。
  C低成長下、できる限りの「経営合理化」努力を行い、テナントの負担軽減に留意する事。



運命共同体(DVとテナント)

運命共同体(DVとテナント)


デべロッパーとテナントの関係

これからのSCのデヴェロッパーは、管理運営だけでなく、より一層、経営能力が求められている。今後一層SC間の競争、優勝劣敗は激しくなる事は明らかで、統一の取れた、ポリシーの明確なSCのみがお客様の支持を得ることになるでしょう。このようなSCを運営してゆく為には、DVとテナント間の意思疎通は益々重要で、DVならびにテナントには、
@テナントミックスやテナントのマーチャンダイジングができる。
Aテナントの経営にまで踏み込んだ指導が出来る人材でもって運営にあたる必要がますます強く求められる。
B常日頃のDVとテナント間の「コミュニケーション」と「信頼関係」の確立が重要。
Cテナントの売上を伸ばす為の努力を、DV,テナント両者が協力してやって行けるシステムを確立する事。 競争時代を勝ち抜くSC運営には以上@〜Cはより一層重要になってきたと思われます。
(※本「「DVとテナントの接点」は「”ShopingCenter”の家賃改訂特集」を参考資料としています。)



SC賃料(「SC賃料・共益費調査」から抜粋)

1999年SC物販テナント賃料は24,012円(実効/月・坪)
1999年のSC物販テナント賃料は24,012円(実効/月・坪)、1998年末までにオープンした全国の2,553SCの内、800SCを立地別、規模別に比例割当で抽出して対象とし、420SC(52.5%)から有効回答を得てまとめた。1999年の全国総合の平均実効月坪賃料は、24,012円で、単純に金額だけをみると1998年の24,907円(対象SC数は1999年と異なる)と比べー3.6%、895円減となっていて、ほぼ前年並みではあるが、売上歩合賃料制を採用するSCが多いことを重ね合わせると、売上の低迷で、売上歩合による賃料部分が落ち込み、この結果をもたらしたと考えられる。だが、前年調査と比較可能なSC同士では、1998年のー5%に比べ、今回はー4%とマイナス幅を減じ好転している。テナントの売上高対賃料比率を見ると1997年の7.58%、1998年の8.32%、1999年8.15%と前年並みの経営状況となっている。都市別では、政令指定都市等13大都市の平均が31,962円で、40,000円を超えた所は無く、前回調査の名古屋、前々回の横浜、京都、大阪が上回っていたのと比べ特徴的で、東京の39,365円、横浜の38,910円が目立つ程度。立地別では、中心商業地域が29,259円と最も高く、横浜の同立地48,128円、東京の同立地46,049円が、大阪・名古屋の38,000円台と比べても頭1つ抜けている。SC規模では、最も調査対象テナント数の多い10,000〜20,000uクラスで26,656円と、対象テナント数の11%を占める20,000〜30,000uクラスの28,057円に次いで高い。概ね、大規模SC程賃料が高めのようである。立地別、ビル形態別では、やはり売上高に応じて、大都市の中心商業地域の駅ビル、地下街が、46,416円、36,808円(総合平均38,846円36,502円)と割高な面(住宅ビルの総合平均14,251円)を相変わらず見せている。キーテナント形態別では、総合平均で、百貨店単核30,333円、GMS単核18,058円、核無しで31,563円となっている。



2002年SC物販テナント賃料は20,352円(実効/月・坪)
地 区 総  合 物 販  飲 食 サービス
全 国 19,438  20,352  19,450 13,198
東 京 31,956  35,966  27,065 22,294
滋 賀 21,544  24,404  23,617 10,579
京 都 17,584  17,363  25,136  8,824
大 阪 22,359  23,676  21,980 13,092
兵 庫 13,053  13,541  11,024 13,354
奈 良 13,556  13,851   7,400 10,649
和歌山 15,647  16,109  14,251 15,359


2007年SC物販テナント賃料は24,159円(実効/月・坪)
1.SC総数 2,804(SC)
      テナント総数 136,769(店)
      1SC平均テナント総数 49(店)
      キーテナント総数 2,593(店)
      SC総面積 46,751,572u
      1SC平均面積 16,633u
2.SC総売上高(推計) 271,633(億円)
      1SC当り平均年間売上高 96.87(億円)
      3.3u当り平均年間売上高 2,427(千円)
3.SC平均賃料
      SC平均賃料(物販店舗) 24,159(円)
      SC平均賃料(飲食店舗) 21,117(円)
      SC平均賃料(サービス店舗) 13,159(円)





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