小売業の計数管理

小売業の計数管理





管理資料に必要な公式



基本となる指数
「儲かりまっか?」「まあまあでんなァ」大阪の商売人さんの挨拶とされるこの会話の意味する中身は深くて広い。どれ位「儲かっているのか?」昨年に較べて「まあまあなのか?」小売業にとって、具体的にお店の状態を把握し、対策・計画・方向を定める為に、「計数管理」は欠かせないツールです。

達成率=実績/予算×100
消化率=経過期間の実績/期間トータルの予算×100
前年比=本年実績/前年実績×100



売上に関する指数
「利は元にあり」と言われます。小売業にとって、先ず「商品を管理」することが全てのスタートとなります。

売上原価=期首在庫高(原価)+期中仕入高(原価)−期末在庫高(原価)
売上原価率=売上原価/売上高×100



在庫に関する指数
お客さまに満足して頂ける売場を作るために、お客様の目に触れないところで、地道でこつこつとした努力が欠かせないのです。

在庫高(原価)=在庫高×在庫原価率
推定在庫高=あるべき在庫高−(売上高×標準ロス率)
推定在庫高(原価)=推定在庫高×在庫原価率
あるべき在庫高=期首在庫高+期中仕入売価+期中売価復元高−期中値下高−売上高
在庫原価率
{(仕入原価−返品原価)+(振替入荷原価−振替出荷原価)+月初在庫高(原価)}/{(仕入売価−返品売価)+(振替入荷売価−振替出荷売価)+月初在庫高(売価)}×100
在庫消化日数=在庫高/(売上高予算/期間中営業日数)
在庫日数={(期首在庫高+期末在庫高)÷2}/(売上高÷期中営業日数)
回転率={期中売上高×(年間営業日数/期間中営業日数)}/{(期首在庫高+期末在庫高)÷2}
在庫修正=在庫高−推定在庫高
在庫修正(原価)=在庫修正×在庫原価率



荒利益に関する指数
荒利益は、市場/商品戦略(ポートフォリオ)の結果を示すもので、小売店にとっては、売上高とともに最も注目と関心がはらわれる重要な事項であることは言うまでも有りません。

荒利益高=売上高−売上原価
荒利益率=荒利益高/売上高×100
推定荒利益高=売上高−{期首推定在庫高(原価)+仕入原価−期末推定在庫高(原価)}
総荒利益高=推定荒利益高+在庫修正(原価)+仕入割戻等
=荒利益高+仕入値引割戻等
値入高=仕入売価−仕入原価
値入率=(仕入売価−仕入原価)/仕入売価×100



ロス、値下げ・売価復元に関する指数
読んで字の如し「商品ロス」に関する指数です。原因はそれぞれ(EX:値引き・汚損・万引き等)ありますが、ロス率悪化の防止&改善はその原因を探り、対策を立てる必要が重要です。

ロス率=ロス高/売上高×100
ロス高=あるべき在庫高−在庫高
値下げ(売価復元)高=値下げ(売価復元)高/売上高×100



交叉主義比率に関する指数

交叉主義比率(在庫生産性)
=荒利益率×回転率=(荒利益高/売上高)/(売上高/在庫高)=荒利益高/在庫高
貢献度比率=交叉主義比率×売上高構成比



損益分岐点に関する指数
損益分岐点売上高とは、売上高と費用のバランスが等しくなる売上高で、それ以下であれば損失が生じ、それ以上であれば利益が生じる採算点での売上高の事です。店舗運営上、売上拡大策を取るのか、コスト削減策を取るのか、この指数分析は最も重要なデーターですが、新しくお店を出店する際にも、売上推定と可能投資限界を見積もる極めて重要な尺度となります。

変動費=売上原価+販売費+その他変動費
限界利益=売上高−変動費
固定費=人件費+営業費+その他固定費
損益分岐点=固定費÷(1−変動費/売上高)=固定費÷限界利益率
損益分岐点比率=損益分岐点÷売上高×100



効率指標に関する指数
坪効率は高いに越した事は有りませんが、異常に高すぎる坪効率は、面積過少であったり、従業員に過剰負担をかけている場合が多く、高いから問題なしとは言い切れません。当店の適正坪効率はいくらか?という観点も必要なのです。労働生産性各指標も、従業員のモラールと利益圧迫の両面を考慮した店舗運営の為に重要な指標です。

坪当たり売上高=売上高/売場坪数(千円/坪)
売場生産性(坪当たり荒利益高)=荒利益高/売場坪数(千円/坪)
坪当たり貢献利益=貢献利益/売場坪数(千円/坪)
坪当たり営業利益=営業利益/売場坪数(千円/売場坪数)
一人当り売上高=売上高/人員(千円/人)
一人当り荒利益高=荒利益高/人員(千円/人)
一人当り人件費=人件費/人員(千円/人)
一人当り貢献利益=貢献利益/人員(千円/人)
一人当り坪数=売場坪数/人員(坪/人)
MH当り売上高=売上高/総マンアワー(千円/MH)
人事生産性(MH当り荒利益高)=荒利益高/総マンアワー(千円/人)
一時間当り人件費=人件費/総マンアワー(千円/MH)
MH当り貢献利益=貢献利益/総マンアワー(千円/MH)
人件費分配率(労働分配率)=人件費/総荒利益高×100
販売費・営業費分配率=(販売費+営業費−その他営業収入)/総荒利益高×100




経営分析に関する公式



収益性指標
以下の収益性指標は、個々のお店の収益ではなく、会社全体の利益獲得能力・特性を見るものです。最も重要視されるのが「資本利益率」で、収益性の状況を把握します。

[利益率]

総資本利益率=当期利益/総資本×100
自己資本利益率=当期利益/自己資本×100
資本金利益率=当期利益/払込資本金×100
純利益率=当期利益/売上高×100
営業利益率=営業利益/売上高×100
経常利益率=経常利益/売上高×100



[経費率]

営業費比率=営業費/売上高×100
純支払利息比率=(支払利息−受取利息)/売上高×100
人件費比率=人件費/売上高×100



[売上原価率]=売上原価/売上高×100



[資本効果]

総資本回転率=売上高/総資本平均在高
自己資本回転率=売上高/自己資本平均在高
固定資産回転率=売上高/固定資産平均在高
商品回転率=売上高/商品平均在高



健全性指標
健全性(安全性・流動性)指標は、現在及び将来の支払能力を現し、支払われるべき夫妻と現金に換えられる資産(支払原資)の割合を見るものです。

自己資本比率=自己資本/総資本×100
固定比率=固定資産/自己資本×100
固定長期適合比率={固定資産/(自己資本+固定負債)}×100
流動比率=流動資産/流動負債×100
当座比率=当座資産/流動負債×100



その他の指標

一株当り利益=当期利益/発行済株式数
配当性向=配当率/資本金利益率
一株当り純資産=自己資本/(発行済株式数+権利落新株数)
坪当たり売上高(荒利益・純利益)=売上高/売場坪数(平均)
一人当り売上高(荒利益・純利益)=売上高/総人員(平均)





キャシュフロー経営の勧め



キャシュフロー経営について
キャシュフロー経営とは
キャシュフロー経営とは、キャシュフローを経営の善し悪しの判断基準とした経営を言います。
換言しますと、キャシュの流れ方と一定時点でのストックの残高を経営判断の基準とする経営を言います。

キャシュフロー経営は素直な経営者の感覚
会社の決算書・税務申告書を作成し、決算金額が確定した時、「現金が無いのに儲かっているの?」「税金を払う金が無い」というケースがあります。P/L重視ではこのような経営感覚と損益のギャップが生じます。キャシュフロー経営は損益(P/L)よりもキャシュ(C/F)を第一に考えますので、このような経営感覚のギャップが生じないのです。

学生のアルバイト賃金とも同じ感覚
本来収入の無い学生がアルバイトをした場合、お金をどのように使うでしょうか?本来お金を稼ぐ事が出来ないのですからせっかく得たお金は大事に使用しょうとします。お金は計画的に使用します。何時も残高を気にしています。もし、買いたいものがあれば真剣に吟味して買物をします。このような学生のアルバイト賃金の使用行動と思考は、経営者の行動・思考と同じであると言えます。



キャシュフロー経営の必要性

国際会計基準の適用から
国際的に貸借対照表・損益計算書以外にキャシュフロー計算書の添付が要請されています。このことから、上場企業につきましては、2000年3月期決算からキャシュフロー計算書を開示することが義務づけられました。
では、「中小企業は必要ないのか」といいますと、大企業の資本系列になっている中小企業では、連結決算の対象となり、大企業と同様にキャシュフロー計算書の開示が求められる事になります。
さらに、国際的取引をしている中小企業はキャシュフロー計算書を作成していませんと、取引停止となる可能性も出てきます。

銀行からの資金調達への偏重の反省から
銀行の貸し渋りは、今でも続いていると考えられます。銀行の収益性は改善しているようですが、まだまだ銀行の財務体質は脆弱なもののようです。
ですから、銀行からの資金調達を第一に考えた経営は、何時黒字倒産になるかもしれないという心配を抱えているという認識が必要です。

キャシュフロー経営が経営の合理化を促進する
最後は、キャシュ残高の多い企業が勝ち残ります。現金を持ったディスカウント・ストアーが人気を得る構造と似て、キャシュを持っている企業が勝つ可能性が高くなるのです。
若干のテクニックはありますが、キャシュの残高を多くするのは、基本的には利益をあげる事です。ですから、利益をあげる為の合理化が促進されねばならないと言う事になります。



損益重視からキャシュ重視の必要性
工事中につき今しばらくお待ちください。


計数管理関係のHP
酒井邦浩のhyperO-TAX
TKC全国会(経営指標)
損益分岐点売上高
上場公開小売企業財務データー(2000年版)






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