小売店の店つくり&新しい動き
兵庫県中小企業振興公社セミナーレポート


魅力ある店舗つくりのポイント


店つくりについて
店つくりについて、以下の6つの視点からそのポイントについて考える事にします。



歴史に見る店の発生
人類が自給自足の時代を脱して、物々交換といった経済行為をするようになり、やがて、店の誕生、そして、現在のIT革命を迎えた仮想商店街の発生に至るまでの過程とその背景を整理してみますと、次のようになります。
□物々交換・・貨幣経済の誕生
□市の発生・・定期市から常設市へ
□まちの誕生(市場町)・・店の誕生
□業態の分化・・問屋と小売
□商店街・・・・人口集中、都市・地方駅前
□ショッピングセンター・・薄利多売
□郊外型店舗・・モータリゼーションの発達
□仮想商店街・・IT革命
という推移・変遷をしてきており、商業の基本:必要とされるものを必要とされるところへというのが、店つくりのキーワードとなります。
今の店舗の形態は、立地条件に合わせる形で、店の形態・業態が次ぎの様に細分化しています。
□商店街型店舗
□郊外型店舗
□ショッピングセンター
□バーチャルストアー



「店」・・その語源からの考察
どうして「みせ」といわれるようになったのか。これを語源から解きほぐしてみると、3つの行動の場を総合して現在使われている「みせ=店」になったと考えられます。
□みせる(観せる)場・・・・観てもらう。
□みせる(診せる)場・・・・判断してもらう。
□みせる(魅せる)場・・・・魅了させる。




店つくりのためのシステム
では、店つくりのためのシステムはどうなっているのでしょうか。店をつくるには2つの側面があり、1つはどのような店にしようか、どのように管理しようかといったソフト面とこれを反映させるために、どのような入れ物(施設)をつくるかといったハード面があり、この2つをうまく重ね合わせて始めて効果のある店ができるのです。
店つくり=ソフト(企画・管理)+ハード(施設)
※ソフト:ソフト(企画)→どう売るか?
     ハード(管理運営)→財務管理・商品管理
※ハード:ソフト(企画)→どんな店にするか?
     ハード(設計・施行)→店舗設計・店内レイアウト

という図式になります。ここで注意しておくべきは、ハード面の応援はいつでも受けられるが、ソフト面の開発は、自らの手によるしかないということです。



店つくりの概念
店つくりの大原則
「ハードなソフトで、ソフトなハード」
しっかりとした企画・運営(]ソフト)をもってフレキシブルな店舗(ハード)を創る。
※「利用しやすく、環境の変化に耐えうる」店舗を創ることが大原則である。
店つくりの原点
1.もの(商品)ではなくて、「みせ」を売る。
2.「みせ」は「かお」。顔を見れば人がわかる。。「みせ」も同様である。
3.「みせ」つくりは、「まち」つくり。「みせ」の良否に拘らず、「まち」に大きな影響を及ぼす。
※「いい店」は社会に役立つ。
店つくりの必要条件
1.高齢者に優しいみせつくり。
2.商圏規模に合致したみせつくり。
3.回遊しやすいみせつくり。



外観の持つ役割・機能
外観のもつ役割・機能とは次のようなものです。
お客は、みせの外観を通してその中に何があるかを想像したり、入ってみたいという気持ちになったり、みせの外観がお客を選択もしたりする重要な役割を持っています。
みせの業種・業態を知らしめる
□一目でわかる外観つくり・・・「建物そのものが店構え」
□外観認識距離・・・歩行者とみせの距離は建物の高さの約3倍
客層(来店客)を絞り込む
外観は好むと好まざるに拘らず、客層を絞り込む。その為、ストアコンセプトと合致した外観つくりが必要になります。(※同じようにユニフォームも同様の役割を果たす為、配慮が必要です。)
外観が店格を示す
外観の持つ情報量は、多大なものであって、瞬時に、店格・商品・価格・雰囲気を伝達し、他店との差別化を表現するものです。
計画に当っては、その事を十分理解しておかねばなりません。
□店格にあった出入口の選択。 ※1.オープン・・・開放感・安心感・廉価感
※2.セミオープン
※3.クローズ・・・閉鎖的・高級感・落ち着き
□店格により客は自然と店内の様子が浮かび、入店の際にその予想が大きく外れると大きなショックを受ける為、店格にあった店つくりが必要です。ここでは、店格の5段階グレードを説明します。
[グレード1]:建物が無く屋台・平台を中心とした店前(市場・露天)
       日常生活用品の低級品
       低価格品を売り物
[グレード2]:建物内で屋台・平台を中心とした店前(市場等)
       店頭がフルオープン形式の商品陳列
       日常生活品の普通品を低価格販売
[グレード3]:店頭が透明ガラススクリーンやドアのセミオープン形式
       普段は開放している店
       一般的に普及品・中級品を販売
[グレード4]:店頭には壁面・ショーウィンドウ等が設置され、通常扉が閉まっている
       閉鎖式店舗
       専門店が多く、中級品から高級品を扱うイメージ
[グレード5]:グレード4に加え、店頭部分にアプローチを持つ等様々なデザイン性を重視
       専門店で高級・超高級品を扱う



売場の陳列と装飾について
せっかく店に言っていただいたお客様に魅力ある売場とするためには、売場の陳列と装飾の善し悪しが大きな決め手となります。そこで、陳列の意味や見せ方を整理すると、次のようになります。
陳列(商品を売るためにどう見せるか)
※同じ商品でも]条件によって変化します。
□大きく 見せる  ⇔  □小さく見せる
□多く  見せる  ⇔  □少なく見せる
□明るく 見せる  ⇔  □暗く 見せる
□高価に 見せる  ⇔  □安価に見せる
□きれいに見せる  ⇔  □汚く 見せる

※条件付け
(1)誰に売るのか?
(2)何を売るのか?
(3)いくらで売るのか?

※陳列・装飾の実施
どうやって売るのか具体的な方法を考える(ソフト+ハード)⇒装飾の実施



小売業の新しい動き




パソコンを使った情報戦略

最近のIT(情報技術)を活用するために小売業は何に留意すればいいのか?について考えてみたいとおもいます。



小売業にとってITとは何なのか
小売業にとって、どのようにIT(情報技術)を考えていけばいいのでしょうか。お店の情報化を図るためには3つのステップがあります。
[STEP1]業務の効率化を目的とした情報化
会計や税務申告処理は自ら対応していますか。朝早くから夜遅くまで働いておりそれど頃ではないかもしれません。でも、最近は見積書作成から売掛管理、試算表作成から決算業務までを処理してくれるソフトウェアが非常に安価で購入できるようになりました。これらのソフトウェアを活用し、自らの経営センスの向上をしない手はありません。
[STEP2]情報収集・情報処理・コミュニティを目的とした情報化
インターネットや顧客情報の管理にパソコンを活用していますか。
2つ目のステップはITを情報収集やコミュニケーションツールとして活用して行く方法です。業務の効率化を行って行く過程で、今後の販促活動を行って行く際の大切な情報を蓄積して行く方法です。これは、従来のコンピューターの導入にありがちな業務効率化の活用方法から「情報の分析」に主眼を置いた活用方法であるといえます。例えば、お客様の購買傾向から好みや嗜好をデーターベース化して、新商品発売時には木目細やかな販促を行うといった方法があります。米国の例で、夕方スーパーでビールと紙オムツが一緒に購入されるケースが多いというものがあります。その要因を調べてみますと子育てに忙しい母親の為に父親が仕事の帰りに紙オムツを購入すると同時に、ビールを購入することがわかりました。早速店長は紙オムツとビールの特設コーナーを設置してビールの売上を向上させることが出来たという話があります。
これらはデーターウェアハウスという方法を駆使して戦略的な情報活用ができた事例です。
現に大企業では情報系のシステムとして、社員全員が情報を駆使出来るような環境を整えて1人1台のパソコン体制がほぼ整いつつあります。
加えて最近では、電子メールが携帯電話などから容易に発信することが出来るようになり、従来の電話・FAXに加わる新たなコミュニケーションツールとして爆発的に伸張しています。
これらの情報はネットワークを通じて「情報の共有化」という形で活用することが出来るようになってきています。営業マンの日報、顧客からのクレームといった情報が大きな価値を産む時代がIT革命と呼ばれる所以かも知れません。
SOHO(SmallOfficeHomeOffice)に代表される、最近の新しいビジネススタイルを目指す人達にとって、このツールは社内や得意先との連絡にとっても重宝しています。これを機に小売店の皆さんも電子メールに挑戦してみてください。
[STEP3]機器活用を主体とした情報化
最近は携帯電話が休息に普及し「電話」よりも「情報末端」として2000年12月にはJAVA(ジャバ)とういメーカーに依存しないソフトを活用できる期首が発売されました。そして2001年春には2MB(現在の最速が64KBですので約30倍となります)の電装スピードをもった次世代携帯電話が]出てきます。
これにより、今の文字情報から画像や動画が簡単により早く見られる時代が来るでしょう。まさにモバイル中心の時代到来といっても過言では有りません。これらツール面から情報化を検討して行くのも一つの手法と考えられます。



小売業にとってインターネットとは何なのか
小売業がインターネット活用を考える際、以下の7つの視点を考慮して自店(自社)での活用の優位性と他店(他社)との差別化の優位性を検討して行きたいと思います。
顧客への情報発信に活用する
インターネットを活用する場合最も一般的な活用方法です。ホームページを作成する場合、何の情報発信であるかを明確にしなければなりません。自店の商品の良さをPRするのか、地域におけるお店の位置付けをPRするのか等です。よく見かけるに種々の情報を盛り込みすぎて、一体何に重点をおきたいのか判らないホームページや、重たい図表を貼り付けたために内容を表示するのに時間がかかるホームページ等があります。あくまでも、新ムルでかつ表現力のあるように心掛けたいものです。
そして、新しい情報をどんどんHPに掲載してもらいたいものです。情報発信をすればするほど、コンテンツが充実しインターネット上の優位性は高まっていきます。
顧客の必要とする選択肢の提案をする
顧客がホームページにアクセスした際、単純明快な選択肢を用意すると喜ばれます。情報化時代といわれる昨今、小売店の周りには数多くの情報があり、その中で何が顧客にとって有益性のある情報なのかを選択する技術が問われる時代です。サーチェンジに登録する際には、お店のキーワードが何なのかを常に意識する必要があります。
逆にいえば、どのような主義や意見を有する人に自店のホームページを訪れて欲しいかを充分に考慮しなければなりません。
顧客への利便性をPRする
インターネットの世界は24時間、365日無給です。日本全国いや全世界からいつでもどこのサイトにも訪れる事が可能です。従って、現在の事業で24時間サービスを実施する利便性はあるのか、ないのか。あるとすればそれはどのような方法で提供するのがいいのかを検討することが大切です。
顧客管理を志向する
「個」の価値観を大切にしてゆく時代です。インターネットは個の情報を発信する非常に有益なツールとなります。例えば流通業の場合には、個客に対して、受注・出荷・入金情報などの詳細情報をインターネットを通じて発信しサービス向上に努めたり、購買傾向に応じて個客にマッチした情報を発信する事が可能となります。「○○台限定販売商品」、「あなただけのオリジナル○○」がヒット商品になっている今、「個」の顧客に情報発信することを目的としたホームページも少なくありません。自店の顧客対応を再度見直して、インターネットの活用戦略を検討する必要があります。
インターネットでの業務効率化
最近はインターネットを活用した業務効率化の方法が実現されつつあります。具体的には、クローズドな伝達手順からインターネット上に移行されて行くことです。先進的な事例では、インターネットで得意先からの発注データーや出荷データーを受信し伝票や請求書の発行を行っている企業もあります。
顧客との語らいの場を提供する
インターネットのおもしろさに「語らいの場」を提供する「コミュニティ」の機能があります。これはインターネット上で会話する「チャット」や「電子掲示板」があります。
「チャット」はインターネット上にそのホームページをアクセスしている者同士がキーボードを通じて会話をすることです。そして、その会話のログ(記録)がのこされています。
ある統計ではチャットの産むにうおりそのホームページでの滞在時間が3倍になったという結果もでています。インターネットは情報発信するだけでなく情報を収集するにしても有効であることを認識すべきです。
顧客に楽しみの場を提供する
インターネットは見て楽しくなければなりません。ホームページを訪れる際に心を和ませる良さや、また訪問してみようという気にさせてくれる雰囲気が必要です。上場会社のホームページは「デザイン性」を重視し、楽しさを基本としたホームページ作成に取り組んでいます。そして直接事業に」かかわる内容だけでなく、常日頃の生活の中で継続性・ストーリー性のある情報を定期的に発信することによりホームページでファションクラブを構築する事が可能となります。



インターネットビジネスモデルについて
インターネットを利用した事業を検討したい方の為に、インターネットで成功しているショップ事例の特徴を紹介いたします。
リアルショップでは簡単に購入することが出来ない商品
例えば京都にあるEASYという米国のTシャツ専門店では日頃みることの出来ない商品をインターネット上で販売して成功しています。
リアルショップでは購入できにくい商品
女性の下着等、リアルショップではちょっと購入しにくいといった商品について購買心理をくすぐっているものが有ります。
しかし、これら特徴に加えてもっと大切な事は販売しようと考えている商品やサービスに関するこだわりをもっているかということが大切です。言葉を変えれば「極め」を求め続けるだけの強い意志と情熱があるかという事です。リアルショップで成功しているからインターネットでのビジネスに成功するかというと必ずしもそうではありません。インターネットでは独特の販売方法や顧客管理が必要になります。
特に顧客管理に関しては、インターネットにおける販売の場合には必要になります。「だれに」が明確でないと「ショップコンセプト」が固まりませんし、商品の見せ方・選択肢の選び方なども大きく異なってきます。最近では携帯電話を活用した顧客毎の販売促進やパーミッションマーケッティングに代表されます、顧客との語らいの中から新たな商品創出や販売促進をしかけようという新たな動きも出てきています。



インターネットビジネスの脅威
2000年にはフィリピンから発生したLOVEウィルスが全世界を巻き込み、その損害額は数千億円といわれています。又、ハッカーがサイトを侵そうと虎視眈々と狙っています。某保険会社はこれを機に「e保険」を商品化、ハッカーにホームページを改竄されたり、肖像権を犯されたときの弁護料を保証するなど新たな保険も出てきました。それだけインターネットの世界ではリスクがあることを認識しておかねばなりません。
又、最近ではITを駆使したアイデアが特許として認められる時代なってきました。有名なものとしてはアマゾン社の「ワンクイック特許」、プラスライン社の「逆オークション」などです。他人のアイデアを簡単に真似することは許されない時代になろうとしています。
インターネット通販は、原則訪問販売法の適用になります。具体的に留意すべき点としては、「販売責任者の明示」「クーリングオフ(無償返品)の適用」などがあります。通販を本気で行っているサイトには「訪問販売法に基づく通販広告の表示」が記されています。又景品表示法についても適用になる場合があります。「限定○○個」などはおとり広告とみなされる場合もありますので注意が必要です。それと画像やイラストを表示する場合には「コピーフリー」であることの確認も忘れてはなりません。
米国の有名サイトもまだ赤字です。初期投資が安価で済む、在庫が要らないなど安易な考えでスタートする事は失敗のもとです。充分な計画立案が必要なことはインターネットビジネスについても同様です。


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