流通業界トピックス:VOL2
       (参考資料:日本実業出版刊「流通業最前線」)




[ITと流通][物流革新][マーケッテイング][業界動向]



ITと流通革新


ITと流通
ITと流通革新

ITは流通の何をかえるのか?「答えは全てを変える」という事です。産業革命が全てを変えたと同じインパクトをITは持って、既に各分野で既成秩序を革新していますが、流通は最も影響を受けやすい分野なのです。

ITが促す流通産業革命とは?
これからの流通は「情報の流れを作り出す」ことにその本質があります。実際インターネットによる「情報の大衆化」は既存の流通システムや秩序を根底から揺さぶっています。

インターネットは消費(需要)を起点にした供給側(川上→川中→川下)のビジネス革新、即ち「オンデマンド型流通構造」への変革を迫っている。ITは「工業化社会」から「情報化社会」への移行を促進する画期的なツールであるからです。

「需要起点」の動きは、ネットを通した[CtoC]・[CtoB]・[BTO]等のサイトに見られ、供給側も[POS]・[EOS]・[EDI]・[SCM]・[ITロジスティックス]のシステム構築を図ってきています。しかし、現状は「需要起点」と「供給側の情報システム武装」間に整合性が取れていない。今、重要なテーマは「需要と供給の融合」で、これが達成された時、ITによる真の流通産業革命は達成されるといえるのではないでしょうか。

小売業のIT戦略事情

独自の通信衛星を飛ばすウォルマートは先端ITによる情報武装と独自のシステム武装で流通の覇権を握った。欧米の流通列強もITインフラのもとにその経営が成り立っている。

わが国の流通業はどう対応しているのか?
2002年3月1日号の「チェーンストアエイジ」のアンケート調査によれば、日本の大手小売業は「IT投資の焦点を商品の再発注に充てており、欧米に比べ商品計画・在庫管理・価格の最適化という分野では、非常に弱い立場にある」としている。
既に導入済みのシステムアプリケーションは大半が「店舗オペレーション」に関するもので、「マーチャンダイジング」・「サプライチェーン・マネジメーント」・「E-ビジネス」等のカテゴリーは、”導入中””検討中”とする企業が目立つ。総じて日本の大手小売業のITインフラ構築度はせいぜい2合目〜3合目のレベルといえる。

この様な現状の下、ERPの必要性が叫ばれています。ERPは生産や販売、人事・会計など各業務を最初のシステム構築時点で統合し、効率的経営を可能にする支援システムです。
特に供給系システムの集大成といえる」SCM、需要(マーケティング)系の総合システムとしてのCRMは、先進流通におけるハードとソフトの両輪といえ、この両者を統合するERPは、高度IT活用による経営の最適化を可能にし、従来の組織そのものに大きな変革を齎すもので、IT基盤整備の遅れを取り戻す起死回生策といえる。
しかし、こうした業務革命に意欲的に取り組んで、欧米列強に伍して戦っていく気構えを見せているのはイオン等僅かにとどまっている。

イオンの戦略IT構想
イオンは2001年8月「グローバル10構想」を発表し、その実現を「戦略IT構想」で実現しようと言うものです。この構想はECR(IT・物流総合戦略プロジェクト)、BRP(ビジネスプロセス改革プロジェクト)という2つのプロジェクトによって成り立っており、各プロジェクトは計8チーム編成されている。
この構想の策定と実現に向け、ウォルマートやホームデポの情報戦略指導に実績を持っている米KSAをコンサルタントとして起用している。全システム構築には500億円を越す投資を予定し、既に実行段階に入っている一連のプロジェクトの最終年度は2005年2月期に設定されている。更に「総合業務システム(ERP)」は2004年2月期から本格導入する。

[BtoC]・[BtoB]ビジネスの現状

■[BtoC]が登場して5年以上が経過するが、この間家庭用パソコン・インターネット機能付き携帯電話の普及・ブロードバンド通信の浸透等ネットショッピングの環境は加速度的に進んだ。環境整備に伴い、当初はパソコンや書籍、特産品等に限られていたネット上の販売品目はファション商品・生活雑貨・化粧品・トラベルチケットといった分野にまで幅広い拡大を見せている。アクセンチュア調査によると、2000年のネット通販市場は前年比2.5倍の8,240億円で、同社では2005年の市場規模をその16倍の13兆3000億円と強気の予測をしている。
(※当方のクライアントの中にもネットショップをされる業者がおいでですが、リアルショップ以上に安定した売上上昇の様子です)
しかし、兼業企業はネット事業そのもののノウハウと実績に乏しくネット業者と小売業者が連携・補完しあうマルチチャンネル化の時代が主流になると思われる。

■[BtoB]商取引は従来売り手・買い手の個別相対方式であるが、「e-マーケットプレイス」のメリットは、それを一堂に集め、距離・国・時間を超えて相互に取引をリアルタイムに出来る拡張性に富且つ格段の安いコストで済む点にある。
2000年2月〜3月に」かけて世界的な大手小売業が2グループに分かれ2大「e-マーケットプレイス」を設立した。一方はカルフール・シアーズ・メトロ等7社が参加する「GNX」で7社の合計売上45兆円。もう一方は、アルバートソン・テスコ・イオン・西武等57社加盟の「WWRE」で加盟企業合計売上は98兆円に及ぶ。この背景には、単独で26兆円を誇るバイイングパワーを持っているウォルマートに対する危機感がある。このウォルマートは単独で「リテールリンク」というe-マーケットプレイスを稼動させていて、今後更に充実・強化する方針で、世界の流通はこの3極構造の中で更なる大編成に向かっている。こうした強者連合によるBtoBは取引に於ける系列・国境の破壊、究極の効率追及を意味し、これまでの実績や国内ゆえの優位性は今後通用しなくなる事を意味しているのです。



物流革新


物流革新
物流を制するものが流通を制する

これまで物流はその業務の性格上、主に輸送業者や倉庫業者等、流通・商業の”素人”が担ってきた。在庫が優良資産だった時代は支障なかったが、しかしそれが逆資産となった今、物流は流通・商業の”プロ”がコントロールしなければ立ち行かなくなっている。

[ロジステックス]
物流が単に素材や商品の輸送・保管・入出荷に関する「物理的業務」であるのに対し、ロジステックスは「(戦いで勝利を目的とした)戦略的業務」で、商流・物流・情報流に関する総合管理システムである。「適時適品の納入」・「不良在庫の削減」・「過剰生産の抑制」までを目的とする。各セクションの都合による政策とロジステックスとのトレードオフ関係を解消し、如何に「全体最適」に繋げるかが今日の流通業最大の課題なのです。「物流を制するものが流通を制する」と言われる所以なのです。

[物流最前線]

●スーパーや百貨店など自前で配送センターを運営するところが多い。そのコストは「センターフィー」としてサプライヤーから徴収するのが]一般的ですが、これは日本的なやり方。

●イトーヨーカドーは「窓口問屋制」というユニークな一括納品制度を採用。

●逆に大手問屋は生き残りをかけ物流センター投資を行い主力問屋の位置を確保しょうとの動きがある。

●窓口問屋制を更に進めたのがセブンイレブンの「協同配送システム」です。

[3PL(サードパーティ・ロジステックス)]
3PLは物流のアウトソーシングで、物流に関する全体業務を請け負う機関です。依頼企業はランニングコストや物流部門人員削減及び倉庫・物流センター等の固定資産の肩代わりで変動費化が図れる。3PLを担う機関には物流関連のアセットを有するか否かは問わない。ロジステックスはトラックや倉庫を売るのではなく、総合的な物流システムの設計・運用・管理をその収益源とするからです。よって、総合商社、情報関連企業、コンサルタント機関等も近年続々と名乗りをあげており、今後物流革新の台風の目となりそうです。



マーケティング


マーケティング
マスマーケッティングからロイヤリティマーケッティングへ

現代はマスプロ、マスセール方式では立ち行かなくなっている。消費の多様化・個性化に対応する為にはマス(大衆)対象ではないパーソナル(個人)に焦点を当てたマーケッティングが求められる。

[ワントゥワン・マーケッティング]成熟国家における消費欲求の度合いを「マズローの欲求5段階説」の生きて行く為の基本である「生理」「安全」の欲求は完全に充足され、3段階の「親和(他者と同じようにしたい)の欲求も大衆消費社会の到来で満たされ、現代の消費欲求レベルは4段階以上の「自我」・「自己実現」と言え、極めて高度且つ「個人的な」欲求になっている。この段階ではマーケッティングは抜本的な変革を迫られる。それは「価値は市場・商品にあるのではなく、個々の顧客にある」という発想の転換であります。モノと情報の流れ同様マーケッティングも消費者→小売業→メーカーへと逆流を始めたのです。

[ロイヤルカスタマーの囲い込み]
人口が増え、需要が拡大する右肩上がり経済の時代には、新規客獲得に力を注ぎ「マス・マーケティング」がフル回転し、売上増と利益に直結した.
一転して現在は少子高齢化、モノ余り、消費価値観の変化等で、真に顧客の求める価値を提供しなければモノは売れない。又競合激化の中、「既存の顧客を如何に維持するか」の重要性がクローズアップされている。ところがお店側はコストをかけて相変わらず新規顧客獲得競争に明け暮れているが、所謂「2割/8割の法則」即ち上位2割の顧客が売上(利益)の8割を作るという優良顧客重視の囲い込みマーケティングを重視する必要があるのではないでしょうか?

[データーベースマーケッティング]
データーベース・マーケティングは、「ワントゥワン・マーケティング」や「ロイヤリティ・マーッケティング」等も包含するより広い概念です。
実際に、誰と誰が優良顧客なのか?を明らかにし、優良顧客とのより良い関係を構築し「ロイヤルカスタマー」として固定客化を図る事がデーターベース・マーケッティングの目的です。
このデーターベース・マーケティングの基本は顧客グルーピング手法とされる「RFM分析」です。
「RFM分析」とはリセンシー(最終購買日)、フリークエンシー(購買頻度)、マネタリー(購買金額)の頭文字をとったもので、一定期間を区切って「REM分析」をしてみると
@最終(最新)購買日の日付けが新しい顧客ほどレスポンス率が高い。(良く買物をしてくれる)
A購買頻度が高い顧客ほどレスポンス率が高い。
B購買金額の多い顧客ほどレスポンス率が高い。
という結果がでます。
こうした結果をもとに、RFMの各項目でポイントを設定し、その総合点によって顧客をグルーピング(ランク付け)することが出来ます。
このグループ毎に夫々異なるコストと中身による販促やアプローチをかけことになります

[FSP(FrequentShoppersProgram)]
具体的なデーターベース・マーケティングの手段として、FSPが注目されています。
簡単にいいますと、小売業やサービス業で発行する顧客カードの購買実績で顧客を識別し、夫々のランクに応じた各種特典プログラムを付与するというもので、要は顧客の貢献度に応じた「差別的」サービスを実施するものです。(※航空会社・ホテル・百貨店・スーパー等で定着している「マイレージサービス」がこれにあたります)
※FSPは単なる割引や景品サービスの為のポイントカード等、短期的な販促効果を狙うシステムとは異なり、あくまで中・長期的に企業と顧客が良好な関係で結ばれ、そこにロイヤリティが醸成される”仕組み”として位置付けされねばなりません。



業界動向


業界動向
[百貨店]:西武ーそごう連合が再編の台風の目?

概況

(そごう破綻・店舗閉鎖等)店舗と売場面積の過剰感の解消、人口の都心回帰、消費2極分化等を背景に2000年ごろから穏やかな回復気配にあるものの、商品別では婦人服・身の回り品・食料品の好調さと紳士服・家庭用品の落ち込み巾が大きく、ばらつきが目立つ。

地域別では、元気なのは東京・大阪等大都市中心部立地の一部の店に限られ、岩田屋(福岡)・岡島(山梨)等の経営不振、大牟田岩田屋・丸正(和歌山)・四日市松坂屋・コトデンそごう(高松)・新浜大丸・松屋(福岡)等の撤退と、地方百貨店のおおくは今だ深刻な不振に喘いでいる。

再編
これまで、大手が主宰し地方百貨店が加盟する三越グループ・高島屋主宰のハイランドグループ、伊勢丹主宰のADOグループ等穏やかな連携はあるが、本格的業務提携・合併とは無縁であった当業界も、「西武ーそごう連合」の出現で日本最大の店舗網を誇る巨大百貨店が誕生することになり、危機感をもつ大手各社は伊勢丹が岩田屋に、三越がプランタン銀座に資本参加する等業界再編の動きが活発化してきた。


[GMS]:3極体制が明確になってきた。

概況

2000年長崎屋、2001年マイカル・壽屋の経営破綻、2002年ダイエーの産業再生法・西友ウォルマート資本参加・ニコニコ堂民事再生法申請と激震が走っている。

淘汰と選別が進行する中、2001年度GMS大手決算は(マイカル除く)7社中4社が減収とGMSを取り巻く市場環境は一段と厳しさを増している。

再編

盟主ダイエーが再建企業に転落、マイカルなきあとイオングループ・イトーヨーカドーグループ・西友ーウォルマート連合の三極体制が明確になってきた。

大掛かりな業界再編が加速している。先頭をイオンが走り、ヤオハン・マイカル・壽屋・亀屋みなみチェーン等破綻企業を呑み込み一気呵成の拡大戦略を推進中である。

イトーヨーカドーはグループの磐石な財務体質もあって、これまでM&A等には冷ややかであったが、最近はマイカル店舗の引き受けや西友の買収に触手を伸ばす等の動きを見せている。
内外資本が絡み合う今後の流通大再編成に部外者で居られない。今後豊富な資金力で自ら再編を仕掛ける可能性も有りうる。

中部地域で連結売上1兆円を超すユニーグループ、リージョナルチェーンの共同仕入れ機構のニチリュウグループ、SM企業群等々第4勢力が今後独立独歩を貫くのか三大陣営のいづれかに組み込まれてゆくのかで業界勢力地図は大きく変化する事になる。
※広島本拠のニチリュウ中心メンバーのイズミはニコニコ堂支援に乗り出し、マイカル九州をめぐってイオンとスポンサー争いをしている。


[SM]:独自業態として発展・拡大期待。

概況

1999年現在、店舗数18,707・対全小売業年間販売額シェアー11.6%を占めるSMは、百貨店シェアー6.7%、GMSシェアー6.2%であることから見ても小売業首位の座占める筆頭業態です。
日本人の食に対する消費レベルの高さと選択眼は世界一の水準で、カルフールも苦戦しているように、食品部門の強化は外資に対しても最大の砦になると思われる。

SMは今後さらに発展・拡大の可能性がある。新しい動きとして、マルエツのSMの「24時間営業化」、クィンーズ伊勢丹・シェルガーデン・石井成城「都市型高質SM」等従来の画一的チェーンSMから脱却し、よりバリエーション豊な日本独自のSM業態の進化が期待される。「

再編(争奪戦)

リティール戦略を強化している大手商社は収益率の低いGMSからCVとSM企業の取り込みに動いている。
丸紅はマルエツの株式の25%取得、サミット等のSM子会社を有する住友商事は西友に出資しウォルマート提携の影の仕掛け人と言われる。イオンは秀和からいなげや鰍取得。M&S戦略で拡大中のエスコ、独立系優良SMヤオコー等の動向も注目である。


[CVS]:過剰競合・デフレ・異業種に苦戦

概 況
2000年、セブンイレブンはダイエーを抜いて売上首位の座に踊り出た。ダイエーが三越の売上を抜いた1972年以来28年ぶりの”主役交代”です。つまりこの30年間で小売業の筆頭勢力は百貨店→スーパー→コンビニへと変遷してきた事になります。既に店舗数は5万5千軒を数え、市場規模は7兆7330億円に達する。しかし、過剰なまでの競合によりFCシステムそのものが軋みを上げている。CVS1店当り人口は既に2,500人割っているのです。日経「CVS調査」(67社)では、2001年度の既存店売上対前年比は0.6%減(※比較可能な22社ベース)と4年連続のマイナスとなっています。
各社は不採算店の閉鎖と好立地への店舗リプレイスを急いでいる。(※大手5社は2001年度に2258店を出店する一方過去最高の1503店を閉鎖)
過剰競合・成熟化と同時に、CVSは利便さを武器に正価販売を貫いてきましたが、牛丼・ハンバーガー等の外食チェーン、100円ショップ等の低価格競争が激化する中、弁当やおにぎり等主力商品の値下げに踏み切らざるを得ない環境にあります。これが客単価の低下を招き既存店売上の前年割れに直結している。加えてSM等の24時間営業が本格化すれば、更に追い詰められる事になります。
一方、IT時代の切り札として導入したマルチメディア端末やATMは期待したような稼動を見ておらず、赤字の現状にあります。

再 編
今後のCVS業界では、資本と体力で圧倒的に勝るセブンイレブンの更なる独走と中下位チェーンを軸とした再編が加速しそうに思える。


[ホームセンター]:リージョナルチェーンからナショナルチェーンの時代へ。

概 況
HCはこれまで、典型的なドミナント支配型の業態で、ナショナルチェーンが存在しなかった。’90年代初頭まで各地で多数のHC企業が犇めきたが、オーバーストア・異業種(Drg・DS等)競合激化で体力の無いHCを中心に選別淘汰、吸収合併の動きが活発化している。それが逆に強いHCを更に強くし、完全な「1県1強型」の構造になりつつある。そして、更なる成長・拡大に向け県外、他エリアへの進出を本格化させている。つまり、リージョナル企業による「エリア棲み分け構造」が崩れつつある。

再 編

ホーマック(北海道)はカスミホームセンター(茨城)を買収し関東へ進出。ダイコーエイト(福島)と資本・業務提携しせいりょくを拡大している。

ジョイフル本田(茨城)はアークランドサカモト(新潟)等と提携し北海道に進出表明。

コメリ(新潟)はミスタージョン(三重)・キッコリー(大阪)を買収し中部・関西に享保等を築く。

カーマ(愛知)はジョイフル本田と業務提携。

コーナン商事(大阪)はケーヨー(千葉)と将来的な経営統合を視野に業務提携。
※図抜けた存在にならなければ生き残れないという危機感で、業務提携・M&Aが進んでおり、ナショナルチェーン時代に移行する過渡期にある。

[ドラッグストア]:激しい覇権争い。

概 況
Drg・HBC(ヘルス&ビューティ)は健康・美容への感心の高まり、予防医療・セルフメディケーション志向、高齢化・介護マーケットの増大等の時代背景の下、今後とも大きな成長が期待される有望分野です。Drg大手30社の決算も大幅な増収増益で好調。日本チェーンドラッグストア協会は、2001年度店舗数1万3千店、年間総売上約3兆円で2005年は1万8千店、4兆3千億円、2010年には3万店、10兆円の市場に成長すると予測している。
但し、市場拡大を謳歌・リードしているのは近代的流通理論武装した一部のチェーン企業で、旧来の無競争時代の小規模薬店から豊富な品揃え・低価格を武器に根こそぎパイを奪い急成長した結果である。

再 編
各地で繰り広げられたDrg戦争は、新興チェーン企業等の圧勝を経て第2幕に入った。即ち、リージョナルの覇者からナショナルへの勢力拡大である。2000年以降大手チェーンを中心としたグループ化や業務提携、M&Sが活発化している。
■イオンが主導する地域大手チェーン12社連合の「イオン・ウェルシア・ストアーズ」
■マツモトキヨシを核に6社の中堅チェーンで固める「マツモトキヨシ連合」
■「カワチ薬品・サンドラッグ連合」
■「セイジョー・コクミングループ」
■「ユタカファーマシーグループ」
等による覇権争いに業界は揺れている。こうした大同団結は、最終的には圧倒的なナショナルチェーンを築き市場を牛耳ろうと言うシナリオである。


[家電・パソコン専門店]:淘汰・再編・強者生き残り傾向が更に強まる。

概 況
家電・PC専門店企業は、専門店業界の筆頭勢力と言える。売上1000億円以上の専門店37社中1/3強を占める13社が家電・PC勢なのです。
2002年3月期にコジマを抜き業界トップとなったヤマダ電機は専門店分野で前人未到の売上5000億円を突破し、頂点にたった。家電・PC大手10社の売上合計は約3兆2000億円で、イトーヨーカドーの連結売上と肩を並べる規模に達しています。
家電メーカは世界ナンバーワン級の技術力・企業力を有しメーカチャンネル支配が続き、大手家電量販店の多くはメーカーとの仲良しクラブ的色彩の強い「NEBA」加盟企業である。そこに「Y2K](ヤマダ電機・ヨドバシカメラ・コジマ)等NEBA非加盟企業群がメーカーと新たな緊張関係を作り出した。
業界最大の課題は、利益率が極端に低い事で、大手10社の経常利益合計額は548億円(計上利益率平均1.6%)とイトーヨーカドーの連結経常利益の3割に満たない点です。その背景は、すさましい競合激化・激越な価格サービス競争で、ドミナントレベルの戦争からナショナルを舞台とした覇権争いの段階に入ったと言えます。

再 編
弱い企業の存在が許されない業界で、第一家電、そうご電器・星電社等老舗や名門家電チェーンが続々破綻。一定の規模は当然で全国をネットする強力な販売力がなければ生き残りが困難な状況下で、エディオン(デオデオ・エイデンの経営統合企業)の大同団結のように、今後オーバーストア状況下にあって淘汰・再編・強者生き残り傾向は一層強まると思われます。


[アパレル系専門店]:目まぐるしい新旧交代。

概 況
近年のアパレル系専門店は消費低迷とデフレに直撃され、他業種以上に厳しい経営環境にある。価値組みの寿命も短く、「良品計画」が成長の壁にあたり、ユニクロが失速局面にある。変って今好調なのが「ユナイテッドアローズ」、「ビームス」等都市型セレクト系カジュアル企業。その背景には定番商品を主体にした極度の絞込みMDへの”飽き”やアメカジ型ベーシックからヨーロピアンカジュアルへのトレンド回帰等の潮流変化があると思われる。ファションの世界は当然その”再逆転”減少が起きても不思議でないのです。
一方「しまむら」の成長が止まらないし、「西松屋チェーン」も意気軒昂です。両社はデフレに強い”実用衣料”である事と、店・イメージからは想像もつかない近代的・先進的な情報・物流システムを独自に構築している事です。
アパレル業界は、明確に数量化感性・イメージの世界ですが、この両社はそうした経営価値観とビジネススタイルを「商売」から「産業」へ変えたと言えます。
今ひとつ特質すべきは、都市型アパレル勢「ファイブフォックス」・「ワールド」・「サザビー」等の好調さです。これら企業の各業態は都市部一等地商業施設のカオとして欠かせない”定番化”している点にあると考えられます。

動 向
日本の大都市都心部や巨大ターミナルは、世界的レベルで比類ない莫大な商圏ポテンシャルを持っており、今後人口の都心回帰・郊外商業立地の見直しと相まって新たな都市再開発・再々開発ブームが予感される。そのような商業立地を制することもアパレル業界にあっては大きなウェートを占めるのではないでしょうか。










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