| A相続・遺言・贈与の用語 相続について: 相続とは、死亡した者の所有していた財産を、家族など(親戚、友人、知人)に引継がせることです。前者を被相続人といい後者を相続人といいます。遺言を書いたから相続財産を継承できる訳ではありません。は「贈与」とは死亡する前に財産を受け渡すことです。遺言書に書かれた相続人を受遺者と呼びます。相続される財産とは、資産の他に所有権や抵当権といった「権利」や、被相続人が負っていた借金をなどもあります。したがって、被相続人の負債の整理もしなければならないということです。マイナスになるような財産は相続しないようにするためには、相続が開始されたことを知ってから3ヶ月以内という期限があります。相続手続きはいづれは登記をすることになります。被相続人が行方不明になったりした時は、家庭裁判所に失踪宣告(しっそうせんこく)の申立てをすることによって、被相続人の死亡が認められれば、相続が開始されることになります。 相続税のかかる財産: 土地、建物、現金、預貯金、事業・農業用財産、有価証券、家庭用財産、その他財産、生前贈与財産:相続開始前3年以内に被相続人から贈与された財産 相続税のかからない財産: @ 墓地、墓石、霊廟、祭具、神棚、神体、神具、仏壇、仏像、位牌、お霊屋、墓所、庭内神し、古墳などの祭祀用具 A 相続税の申告期限までに国や地方公共団体、特定の公益法人に寄付した寄付財産 B 相続税の申告期限までに、特定公益信託の信託財産とするために支出した一定の金銭 C 宗教、慈善、学術、その他公益を目的とする事業を行う一定の個人等が相続や遺贈によってもらった財産で公益を目的とする事業に使われることが確実なもの D 交通事故の損害賠償金(遺族の精神的な苦痛に対する慰謝料としての賠償金を請求する権利の部分などで全てではありません。) E 心身障害者共済制度に基づく給付金の受給権。 みなし相続財産: 生命保険金や死亡退職金など、被相続人が亡くなった後に相続や遺贈によって相続財産としてみなされるものがあります。死亡退職金関係(法定相続人1人当たり500万円が控除されます。)生命保険金関係(法定相続人1人当たり500万円が控除されます。)生命保険金権利関係(相続時にはまだ保険事故(保険会社が保険金を支払わなければならない保険契約者の死亡、病気、ケガなどのこと)が発生していないもの。)定期金契約権利関係(被相続人が掛け金や保険料を負担し、被相続人以外の者が契約者であるものの内、被相続人が負担した割合に相当する部分。)定期金受給関係(郵便年金などで、契約に基づいて被相続人の死亡後に遺族に支給される一時金や年金。)退職年金継続受給権関係(退職年金で、被相続人の死亡後に遺族に継続して支給されるもの。) 遺産分割の方法: そこで遺産分割手続きをして、各相続人の相続分を法的に確定させることになります。遺産の分割は、分けやすいものと分けにくいものがありますので次のような方法で分割することができます。 @現物分割 最も一般的な分割方法で具体的に相続財産を決める方法です。 A換価分割 相続財産が金銭で無く、全員で均等に分けることができ無い不動産の場合、共有で不動産を持つことが不都合である場合等は、その不動産を売却し、その売却代金を全員で均等に分けるという方法も考えられます。この方法を換価分割と言います。不動産の売却には、売買手数料や譲渡税、測量費用、解体費などの経費が掛ります。 B代償分割:不動産に農地が含まれている場合、都会に住んでいる者は農業をやらない場合、農業をやっている長男などが取得することが望ましいので、そんな場合、その農地等を取得する者が、金銭を他の相続人(兄弟など)に現金を与えるという方法があります。この方法を代償分割と言います。 公簿(こうぼ)の確認: 公簿とは戸籍簿・住民票・不動産登記簿・商業登記簿などのことです。公簿についての説明。戸籍の謄本(とうほん)・抄本(しょうほん):戸籍には同じ氏を持つ者しか記載されていません。また現行法では親子2世代までの記載しかできませんので、孫が生まれた時は必ずその戸籍からの除籍が行われます。通常婚姻をすると別の戸籍簿を作ることになるので問題は無いでしょう。また昭和60年の改正戸籍法により、外国人との婚姻の場合も同様に新戸籍の編成ができるようになっています。戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)とは、その戸籍に含まれる全ての者の記載があるもので、戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)とは、その戸籍の内の1人について記載しているものです。取得場所は各市区町村です。戸籍の閲覧は見るだけということは現在はできませんので、申請取得することが必要です。戸籍の附票(ふひょう):戸籍の附票は戸籍簿と住民票を結びつけるもので、氏名の他、本籍や現在と過去の住所等が記載されています。しかし、現在は改製が進み、古い住所地は削除されていることがあり、必要のある時は「証明願」を提出して、過去の住所地の証明書類とすることになります。取得場所は各市区町村です。改製原戸籍(かいせいげんこせき):現在につながる戸籍は明治初期にできた戸籍法を元としており、それ以後、幾度かの戸籍法や民法の改正により、明治・大正・昭和初期に生まれた者の戸籍は、現在の戸籍簿ではなく、この改製原戸籍簿に載っています。したがって、そういう昔に生まれた人の戸籍が必要な時はこれを取得することになります。取得場所は各市区町村です。除籍簿(じょせきぼ):本来あった戸籍から、全員が死亡や婚姻によってその戸籍を抜け、当該戸籍簿から除かれて別につづられた一種の空になった戸籍簿のことです。相当に古いものは次第に保存されなくなってきているようです。取得場所は各市区町村です。地籍図(ちせきず):役所が国土調査によって地籍調査を行い、土地の所有者・地番・地目・地籍等を記載した図面です。地域によっては所有者の記載していない所もあるようです。不動産の相続登記を行う時の、土地の確認において必要となります。取得場所は各市区町村です。住民票:氏名・出生年月日・男女の別・世帯主の氏名・世帯主との続柄・戸籍の表示・住所等が記載されており、相続手続きには欠かせない公簿です。戸籍と同様に謄本と抄本があります。取得場所は各市区町村です。固定資産税評価証明書・名寄帳(なよせちょう):不動産登記における登録免許税の算出に利用されます。名寄帳とは「土地・家屋課税台帳兼名寄帳」といい、固定資産について所有者ごとに物件をまとめたものをいいます。各不動産の評価額や課税標準額・税額などがわかります。取得場所は各市区町村です。印鑑登録証明書:登録できる印鑑には、その大きさや材質、印影のはっきりしないものは不可等の一定の条件があります。1人に付き1個で、同じ印鑑を使って夫婦でそれぞれ登録することはできません。登録が完了すると、登録用のカードが発行されるので、印鑑登録証明書が必要な時にはこのカードだけを市区町村の窓口に持っていき、必要事項を書いて申請すれば直ぐに発行してもらえます。不動産登記簿(ふどうさんとうきぼ):書面は3つの部分に別れ、表題部には土地や建物の所在・地番・地目・地籍・登記の原因・その日付等が記載されています。その下は甲区(こうく)で所有権に関する事項が記載されています。更にその下には乙区(おつく)という部分があり、所有権以外の権利(抵当権や賃借権等)に関す事項が記載されています。記載事項の無い部分は「余白」となっています。戸籍や住民票と違い、その事由を書かなくとも誰でも申請取得できます。これにも謄本と抄本があります。取得場所は各法務局(出張所でも可)です。 相続税の計算 相続人数(戸籍・遺言書・遺産分割協議等で確認します。)相続財産総額(不動産登記簿・預貯金通帳等で確認します。)各相続人の相続額(遺産分割協議や法定相続分での分配を確認します。) 遺言 遺言者の意思によってその生前に子孫に残すために一定の事項を記載した文書にしたもの。遺言は未成年者であっても、15歳以上であればできます。遺言の効果は遺言者が死亡した時に発生します。民法では、遺言がない限り誰がどれだけの財産を相続するか、その割合が決まっています。土地や建物など不動産の場合割合どおりに分配できないのが普通です。親族が住居としている建物等は売却すれば住まいがなくなってしまいます。そこで遺言で誰になにを誰にと指定すれば分けられるわけです。この遺言による相続分の割合は民法に優先し、自分の世話をよくしてくれた他人に全ての財産を相続させるとか、先に住宅を建てて贈与した長女には僅かな額を相続させるなど、遺言は被相続人の自由意志によって決めることができるのです。大学や慈善団体に寄付することもできます。遺言を書くときは、事前に家族と相談したほうがよいでしょう。この問題には遺留分という法律が含まれてきます。(遺留分の項参照)特定な人だけに相続させるような遺言は、被相続人の誰かが反対するとその遺言は遺言者の意思どおりにはならないことが多いのです。遺言内容が複雑な場合やには、遺言執行人を親族や第三者である弁護士や行政書士などに指定しておくこともできます。遺言を書くときに特に気をつけなければならない事は、「誰に、なにを、どれくらい、相続させる。」とはっきり書くことです。必ず署名をし、実印で押印をすること、日付を何年何月何日と書くことです。民法1022条には「遺言者は何時でも、遺言の方式に従って、その遺言の全部または一部を取り消すことができる」とありますので、何度でも書き換えることができます。 遺留分: 民法で定められたように遺産分配がなされていない場合には、遺留分(いりゅうぶん)という法律によって、自分の取り分であったはずの最低限の財産を取得できるようになっています。遺留分はどの相続人にもあるわけではありません。遺留分があるのは配偶者と直系尊属(父母)と直系卑属(子供)だけで、被相続人の兄弟姉妹にはありません。遺留分の割合は次のように民法で決められています。 1. 直系尊属のみが相続人になっている時は被相続人の財産の3分の1。 2. その他の場合は被相続人の財産の2分の1。 遺産分割協議書 遺産分割協議とは遺言があればその通りに分割しますが、不満があったり、不明な遺産があったり、または遺言のない場合等、相続人の間で協議をして遺産を分けあうことになります。相続人の中に未成年者がいる場合は、家庭裁判所でその未成年者の特別代理人の選任を受け、その未成年者の代わりに協議をしてもらいます。遺産は現金だけなく、不動産や預貯金がありますので、協議結果を書面する必要があります。この書面を遺産分割協議書協議書といいます。所有権移転登記も預金の引き出しも出来ません。相続税の特例を受けるためにも必要です。協議書の作成に一般的な決まりはありませんが、不動産ならどこの土地であるとか、預貯金ならどこの銀行のいくらであるとか、分れば問題ありません。提出時には印鑑証明書がいるので、押印する印鑑は実印でなければなりません。遺産分割協議書の書き方: 遺産分割協議書 :平成○年○月○日に死亡した被相続人○○○○の遺産については、同人の相続人全員で分割協議を行った結果、次の通り相続人が遺産を分割し、取得することに決定した。 相続人Aが取得する財産 1 東京都杉並区久我山○丁目○番地○号 宅地○○u 2 同所同番地所在 家屋番号○○番 木造スレート葺き2階建居宅1棟 床面積○○u 相続人Bが取得する財産 ○○銀行○○支店 普通預金 ○○万円 上記の通り相続人全員による遺産分割協議が成立したので、これを証するため本書2通を作成し署名押印する。 平成○年○月○日 Aの住所 相続人 A 実印 Bの住所 相続人B 実印 贈与 贈与とは一種の契約で、書面での贈与契約をした場合は法的拘束力が生まれます。家族や親戚、友達などの間で口約束で贈与できますが、その約束によって利害が生ずるような場合は、書面にして残すことが大事です。土地や建物の不動産を贈与する時は、所有権の移転登記や、契約書が必要になります。贈与には贈与税がかかるから、現金を出ない場合は、不動産(土地、建物)や動産(宝石など)を貰った場合はそれを売却したり、借入して払うことになります。年間110万円までの贈与額は無税で申告の必要もありません。 宅地の評価 土地の評価をする場合には次の幾つかの評価方法があります。@売買時価(実勢価格) A公示価格(標準価格)B相続税評価額(路線価格) C固定資産評価額 これらの価格には差があります。通常最も高いものは売買時価でしたが、バブルの後、変化してきました。相続税評価額よりも売買時価が低い場合、それを税務署に示せば、時価での申告が認められます。しかし、遺産分割時には売買時価での分割が現実的です。宅地の相続税評価額を算出する方法には路線価方式と倍率方式があります。毎年1月1日を評価時点とします。 <路線価方式> 路線価とは道路に面した標準的な土地の1uあたりの価額のことで、国税庁の路線価図にまとめられています。評価額は単純に(路線価×面積)で計算できます。路線価図の見方:例えば300Gとあるものは、単位が千円ですから、1uあたり30万円で、借地権割合が30%(G)ということです。この土地が100uある時は次のようになります。宅地を自分で使用している「自用地」の場合は、借地権割合を考慮する必要はありません。 借地権価額=自用地の価額×借地権割合 30万円×100u×30%=900万円 貸宅地価額=自用地の価額−借地権の価額 3,000万円−900万円=2,100万円 借地権割合とは、更地の時価に対する借地権価格の割合のことです。 記 号 A B C D E F G 借地権割合 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% アパートのような共同住宅で、借家人が住んでいる場合、その建物が建っている敷地のことを貸家建付地と言います。貸家建付地の評価額の計算 自用地の価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合) 自用地の価額が3,000万円 借地権割合が60% 借家権割合30% 賃貸割合100%の場合 3,000万円×(1−0.6×0.3×1)=2,460万円 底地(そこち):借地権をはじめとして、所有権以外の権利がついた土地のことをいいます。借地権の取引慣行がない場合、貸宅地価額は自用地の価額の80%で評価するようです。 <倍率方式> 郊外にある土地や農村部の宅地の場合は、固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて相続税評価額を算出します。上の2つの評価方式の内のどちらかが適用されますが税務署に問い合わせれば間違いありません。 路線価方式における各種の修正計算 宅地の評価を行う場合、土地の形状や場所によって、単純計算した土地価額を修正して再計算する必要があります。 <奥行価格補正> 面積が同じ土地でも、道路と接する部分の長さと奥行距離によって奥行価格補正率表を使って補正する必要があります。その補正方法。 <側方路線影響加算(角地加算)> 土地が2つの道路の角地にある場合は利用価値が高いと判断され、路線価で計算した額に一定の金額を加算して評価することになります。 <二方路線影響加算(裏面加算)> 土地の表と裏に道路が接している場合に適用されます。3つの道路が接している場合の三方路線影響加算や、四方が道路に接している四方路線影響加算があります。 <間口狭小補正> 道路と接している土地の間口が狭い場合は、土地の利用が不便なので間口が狭いほど評価額は安くなります。 <奥行長大補正> 間口の大きさに対して奥行の長い、土地は利用価値が下がるため、その割合が高くなるほど評価額が安くなります。 <不整形地補正> 土地は凸凹形の、整形でない土地のほうが評価は低く補正計算できます。 <無道路地の評価> 無道路地とは、道路に直接接していない土地をいいます。 <がけ地補正> がけ地補正は、評価地内にがけ地等で危険とか、使用しにくいとか通常の用途に供することができないと認められる部分がある場合に評価額が減額されます。 事業用及び居住用宅地とその他の評価 都市部の地価は地方より高額になり、それを相続した場合、相当の相続税を納めなければなりませんから、そこが事業や居住の生活拠点である場合は一定の条件の下で相続税が減額されるようになっています。 <特定事業用宅地> この特例を受ける面積は400uが上限で、次の要件を満たしている場合は、その土地の本来課税される相続財産から80%が控除されます。相続開始前において被相続人等の事業(不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業及び準事業を除く)の用に供されていた宅地等で、その宅地等を取得した親族で、その宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を相続税の申告期限までに承継し、かつ、その申告期限までその宅地を所有し、その事業を営んでいること。被相続人と生計を一にしていた親族の事業の用に供されていた場合、その宅地等の取得者が、相続開始前から相続税の申告期限(その者が死亡した場合はその死亡の日)までその宅地を所有し、その宅地上で引き続き事業を営んでいること。相続開始直前に被相続人及びその親族その他被相続人と特別の関係がある者が株式又は出資の50%を超えて有する法人の事業の用に供されていた宅地等で、その宅地等を取得した親族がその会社の役員となり、相続開始時から相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を有し、引き続きその法人の事業の用に供していること。貸家建付け地や貸宅地場合の他、以上の要件に該当しない小規模宅地は面積限度が200uで50%の減額適用になります。 <宅地面積が500uで通常評価額が5,000万円の場合> 5,000万円×200u/500u×80/100=1,600万円 5,000万円−1,600万円=3,400万円 3,400万円に相続税が課税されます。 <特定居住用宅地> 被相続人の配偶者やその子居住用宅地を相続した場合、次の要件を備えていれば240uを限度に、その土地の本来課税される相続財産から80%が控除されます。配偶者の場合は条件はありません。被相続人(死亡者)の配偶者が被相続人の居住用宅地を相続すること。相続開始直前に被相続人と同居していた親族で、相続開始時から申告期限まで引き続き居住し、かつ、その宅地等を所有していること。被相続人の配偶者または相続開始直前において、被相続人と同居していた法定相続人がいない場合で、被相続人の親族で相続開始前3年以内に自己又は自己の配偶者の所有に係る家屋(相続開始直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋は除外)に居住したことがない人(相続開始の時に住所が日本国内にない人で、日本国籍を有しない人は除外)で、相続開始時から申告期限までその宅地等を所有していること。被相続人と生計を一にする親族の居住の用に供されていた場合、相続開始前から相続税の申告期限まで引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を所有していること。但し、同居ではなくその宅地上に居住していれば可。相続税の申告期限までに遺産分割されていること。ただし、その申告期限までに分割されていない場合でも、相続税の申告期限後3年以内に分割された時や、相続税の申告期限後3年を経過する日において分割できないやむを得ない事情があり、税務署長の承認を受けて、その事情がなくなった後4か月以内に分割された時は、遺産分割が行われた日の翌日から4か月以内に税務署長に対し、更正の請求書を提出することができます。 <宅地面積が500uで通常評価額が5,000万円の場合> 5,000万円×240u/500u×80/100=1,920万円 5,000万円−1,920万円=3,080万円 3,080万円に相続税が課税されます 対象外になる50%減額の場合の計算は、特定事業用宅地と同じです。 <国営事業用宅地> 相続開始直前において国の事業の用に供されていた宅地等で、その宅地等を取得した者の中に被相続人の親族がおり、その親族から相続開始後5年以上その不動産を国の事業の用に供するため借り受ける見込みであることについて、地方郵政局長(又は沖縄郵政管理事務所長)の証明がなされたものをいいます。 <特定同族会社事業用宅地> 相続開始直前から相続税の申告期限まで法人(被相続人等が株式又は出資の50%以上を有する法人に限られる)の事業の用に供されていた宅地等で、その宅地等を取得した者の中に、相続税の申告期限において、その法人の役員である親族がおり、かつ、相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を有し、引き続きその法人の事業の用に供している宅地。 <特定事業用宅地と特定居住用宅地の同時適用> <セットバックを要する土地> 建築基準法でいう道路は幅員が4m以上のものをさしますが、幅員が4m未満の道であっても特定行政庁(県)が指定したものは建築基準法上の道路と見なされ、その中心線から両端まで距離2mの線がその道路の境界線と見なされます。建物を建てる場合はこの距離をとって建てなければなりません。この境界線まで後退することをセットバックと言います。セットバックした部分はその70%が評価減されます。 <マンションの敷地評価> マンションの敷地は、通常は共有となっているので、その敷地全体を1つの土地として評価額を出し、その評価額にそれぞれの共有者の共有持分の割合をかけて評価します。 建物の評価 建物の評価は全国1倍の倍率方式です。 建物の評価は、土地の評価のように面倒ではありません。市町村の固定資産税評価額がそのまま建物の評価額です。現在は全国どこへ行ってもこれはかわりません。 固定資産税評価額は税務署ではなく市町村役場の固定資産税係、もしくは税務課で調べられます。評価証明書も同様です。 建物の付属設備 家屋には電気・ガス・水道など現在ではエレベーターなど様々な付属設備がありますが、こういった設備も家屋の一部としてみられるので、別に相続税の評価を考える必要はありません。 建物から独立した設備 建物から離れている門、塀、庭木、庭石、池などは、建物とは別の評価です。門や塀は再建築価額(相続時に新たに設置する費用)から経過年数に応じて減額評価します。庭木や池などの庭園設備は調達額(相続時に同程度と思われるものを取得する場合の価額)の70%相当額が相続税の評価額です。 貸家の評価 建物を借りて居住している居住者には「借家権」という権利があり、その建物をこの場合「貸家」と言います。貸主ではなく借主が住んでいるわけですから、通常の家屋の評価とは違ってきます。従って貸家の評価の場合は、借家権の価額を控除したものが相続税の評価となります。 貸家の評価額 固定資産評価額×(1−借家権割合×賃貸割合) 借家権割合は全国的には30%ですが、大阪の一部だけは40%となっているようです。ですから貸家は通常の家屋の評価額の70%相当が評価額になります。貸家と言っても相続時に借家人が入居していなければ貸家の評価にはなりません。 住居を兼ねる貸家の評価 住居付きの貸家の場合、建物の固定資産税評価と相続税の評価額は違ってきます。相続税の場合は区分計算が必要ですので、例えば3階建で、3階部分が居住用、残りの2階が賃貸部分となる時は次のように計算します。 建物の固定資産税評価額が3、000万円。 借家権割合が30%、賃貸割合が100%の場合 居住用部分 3,000万円×1/3=1,000万円 賃貸用部分 3,000万円×2/3×(1−30%×100%)=1、400万円 相続税の評価額 1,000万円+1,400万円=2,400万円 以上のように相続前に自分の住居だけを建てるのではなく、住居付きの賃貸アパートなどを建てておくと相続時に相続財産を軽減させることができるわけです。また住居を兼ねたアパートなどの敷地も同様に「貸家建付地」として区分評価されるので相続税控除に有利になります。 建築中の建物評価 完成していない建物は費用原価の70%で評価されます。費用原価は相続時までにかかった建築費用や工賃を価額に直した額ですが、その費用明細は請負契約書を精査して算出します。 相続による不動産登記 不動産の登記はもらう側は必ずしなければならないというものではありませんが、譲る側はその登記をしなければなりません。相続では何代にも渡って登記が移転されていないことがよくあります。お金が掛かる、面倒だ、など色々だと思います。何代も移転登記をしていないと相続人が多くなり、難しくなります。 <相続登記に必要な書類> 被相続人の戸籍謄本(必要に応じて除籍謄本や戸籍の附票) 不動産登記簿の謄本(または登記事項要約書) 相続人全員の戸籍謄抄本 相続人全員の印鑑証明書 相続人全員の住民票 遺産分割協議書 相続関係説明図(必要に応じて) 固定資産評価証明書(又は名寄帳) 登記申請は法務局にします。地方の場合は出張所があると思います。相続の場合の登録免許税は固定資産税評価額の1000分の2です。なお、司法書士が不動産登記申請書の作成や、登記手続きを代わってしてくれます。 遺言執行者 遺言執行者は、遺言通りに不動産や預貯金など、故人の遺産を相続人で分割する全ての権限を有します。遺言に相続人の廃除や廃除の取消し、子の認知の届出がある場合は必ず遺言執行者を選任しなければなりません。遺言執行者は遺言書に指定しておくことができます。遺言書に指定のない場合、または死亡した場合は、相続人や遺言者の債権者、遺贈を受けた者などが家庭裁判所に申立てることにより、遺言執行者を選任することができます。遺言者は一人又は数人の遺言執行者を指定することができ、またその指定を第三者に委託しておくこともできます。遺言執行者が数人いる場合、財産処分の執行を行う時は過半数で決することになりますが、遺言に指示がある時はその指示に従うことになります。相続人の中から遺言執行者を選ぶこともでき、弁護士や行政書士などの第三者を選ぶこともできますが、未成年者や破産者は遺言執行者になることができません。 |
||