木の上のミミズ

  8月20日の朝,台風15号が日本海から青森県に上陸した頃,宮城県では風もおさまり始めて来た頃に,学校に登校しました。
 すると,校門の脇にあるシダレヤナギの木が,地上2mあまりの高さから折れていました。
 その日は,危険なので上からぶら下がっていた幹を取り除いて,次の日に行われるPTA奉仕作業で後かたづけをしようと思いました。そこで折れた幹を何気なくみていたら,
「あれれ,これってシマミミズ!?」
木の幹の中に,空洞があってワラジ虫やゲジといっしょに,シマミミズがいました。
 もしかして,あの折れ口のあたりにもまだいるのだろうか。みんなといっしょに確かめてみると,いましたいました。空洞のところに土が詰まっていて,そこにミミズが住んでいました。
2学期がはじまってから,みんなでのぞいてみたところが左の写真で,木の上の方の切り口です。
 木の中の空洞の部分に,虫がいたり,根がはっていたり,生きている木の時とはだいぶちがった様子になっていました。
 よーく見ると,ワラジ虫の姿が見えます。木の中に詰まっていた土は,きっと虫たちが作ったのですね。
 そこでみんなで考えました。ワラジ虫やゲジはもちろん木の幹を登ることはたやすいでしょうが,シマミミズはどうなんでしょうか。木の幹を登っていくことができるのでしょうか。
 3年生のドライバーを扱わせたら,ナンバーワンのとも君は,
「木を登ったにきまってるよ」
と胸をはります。
「本当かなぁ,こんなとこのぼるかなぁ」
というと,
「それじゃ,やってみようよ」
ということになりました。
 とも君がミミズを木にとまらせると,おぉっ!ミミズが木にくっつきました。なんと,木登りをするんでしょうか。
 もしかしたら,知らないうちに木の幹をたくさんのミミズがぞろぞろと登る…。ええっ,本当!?
「ほぉら,登るじゃん」
「ううん…。」

あれれ,でも体をのびちぢみさせてるけど,ちっとも動くことができないぞ。なんか,体が木から離れそうだけど…。
「なんか,上に登ろうとしていたのに体がさがってきちゃったけど」
「うわっ,落ちたぁ!」
ミミズは2分と半ぐらいで,木から落ちてしまいました。
「これじゃ,のぼれないんじゃないの」
「もう一回やってみよう」
…。
「あらっ!?」
今度はすぐに落ちちゃいました。
 「あらら,どうも木登りはむずかしいんじゃないの。」
 「うーん,へんだなぁ…。」
 「わかった。木の中にずっと穴があいてるんだ。だから,木の下の方から,木の中を通って上までやってきたんだ…。まちがいない。」
「ふうん。なるほど。そういえば,このままじゃ危ないから木を切ろうって話もあったな。それじゃ,木を切って
確かめてみるか?」
「やるやる。お父さんがチェーンソーもってるから,木って貰おうよ。」
「えっ,そうかでもちょっとまってね。先生が借りられるかもしれないから,頼むときは先生が電話するよ。」
「わかった。ぜったいやろうね」

さてさて,果たして木の中に,ミミズの通り道はあるのでしょうか。

  続く

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