作成 2002.1.27-2002.2.10


AGFA OPTIMA 1x35 sensor シリーズの
内部動作について(その1)

ここでは 1x35 sensor シリーズのシャッターまわりの動作について考察しますので、今後の修理の参考にしてください。
但し、この考察はうりゃを☆が検討した結果であり、間違っている可能性も充分にあります。
この記事の内容については無保証です。当記事により係争や損害が発生しても関知いたしません。
基本的には1035、も1535もほぼ同じシャッター構造です
シャッターレリーズ機構を見てみましょう
1535sensorの斜め上から見たところ。

受光素子に2個のCdSセルに感度差を付けて制御範囲を拡大したプログラムシャッターで動作します。
フラッシュ機能はストロボをホットシューに差し込むとシャッター速度が一定になり絞り値の設定が有効になりますが、距離に応じて絞り値が変わるフラッシュマチック機能ではありません。
また、スロトボが不要な程明るい場合は、ストロボを発光可能にしておいても発光しません。その理由は後述します。
シャッターユニット表面です。
丸い穴の中に見えているのは2枚羽根の絞りで、シャッター羽根は裏側にあります。

赤矢印がチャッターチャージカム、青矢印がシャッターリリースカムです。
巻き上げレバーによりシャッターリンク()が黄色矢印の方向に動き、シャッターチャージカムが時計方向に回されてシャッターをチャージ(シャッター開放)します。シャッターリリースカムはシャッターを繋止します。

シャッターボタンが押されるとシャッターリンクが左方向に戻ります。この時に調速機構により戻りスピードが制限されるのですが、この調速機構の音が独特な「ジャッ」という音を発します。


受光素子である2個のCdSセル(内)があります。
左側のゴムローラー状のものが絞りを開閉するアクチュエータです。これの回転が絞り羽根の開閉動作となり、開き具合によって絞り値が制御されます。
(写真は1035 sensorです)

2枚羽根ですから絞り形状は変形六角形〜変形四角形〜長円形まで変化するので画質的には悪い影響がありそうです。

CdSセルの表面にはそれぞれ異なった濃度のNDフィルターがかけられています。
これは2個のCdSセルをそれぞれ高輝度域用と低輝度域用に分けて出力特性を合成することで、広帯域にわたって露出制御をさせているのでしょう。
1535sensorは最短1/1000秒から最長15秒までのシャッター速度を制御しますが、現代のコンパクトカメラと比較すると異例なほど制御範囲が広いです。

ただし1035sensorの場合は片方にしかNDフィルタが入っていませんでした。これがどのような違いになるのかは今のところわかっていません。
シャッターユニットを外すには、シャッター基板を軽く手前に引きながらシャッターレリーズカムを左右に軽く動かすと簡単に抜き出せます。

配線を切らないように注意!
決して無理に持ち上げないで下さい。
シャッターユニットの裏側です。

シャッター制御回路はIC(トランジスタ?)チップが直付けされています。

露出設定用と思われる半固定抵抗は裏と表で3個ありますが、調整方法が皆目わかりませんので触らないことにします。
もし代替電池使用による感度ずれの問題があるならレンズ周りに付いているASA感度ダイヤルの調整で対応したほうが良いでしょう。

ちなみにフィルム室下側の目隠し板を外すとシャッターユニットの半固定抵抗にアクセスできます。
おそらくこれで手ブレ警告かシャッタースピードを後から調整するのでしょうが、今回は調整方法がわかりませんのでいじらないことにします。
(写真は1035 sensor)
赤矢印がチャッターチャージカム、青矢印がシャッターリリースカムです。
大きなコイルは電子シャッターの動作時間を決めるためのソレノイドです。

シャッターリンクは黄色矢印の方向に動き、シャッターチャージカムが水色矢印方向に回されます。
シャッターは開放状態になると同時にシャッターリリースカムがシャッターを繋止します。
また、ソレノイドに金属片が接触します。このときはまだソレノイドに通電されていませんからそのままですとまた戻ってしまいますので機械的な繋止手段が必要です。それがシャッターリリースカムです。

シャッターの半押しでソレノイドに通電され金属片が吸引されるものと思われます。
シャッター全押しでシャッターリリースカムがシャッター羽根の繋止を解きますが、ソレノイドに電流が流れている間は金属片が吸引されていてシャッターが閉じません。
規定の露出時間がくるとソレノイドの電流が遮断されて金属片が外れ、シャッターが閉じます。
指でシャッターをチャージしている途中です。
シャッターチャージは先に絞り羽根が先に完全に閉じて遮光します。
その後にシャッターが開放状態となってチャージ終了です。
チャージ終了状態です。シャッターリリースカムがシャッターチャージカムを繋止しているのがわかります。
シャッターレリーズしたときの状態です。
まずは絞り羽根制御アクチュエータが絞り羽根を制御します。
シャッターは規定時間が来るまでソレノイドが金属片を吸引しているので開いています。
写真では金属片を指で押さえて吸引状態を表しています。

規定時間が来てソレノイドへ通電が遮断されると金属片が離れてシャッターが閉じます。
写真では指で金属片を押さえているのでシャッターが中途半端に開いていますが閉じるのは一瞬です。
完全にシャッターが閉じたところです。

巻き上げ〜シャッターチャージまわりを観察します
今はシャッターチャージされ、シャッターボタンが押されていない状態です。

シャッターチャージリンク先端のレバー(黄色矢印)がシャッターレリーズレバー(↑)で繋止されていています。

シャッターボタンが押されていないので、カメラの電源スイッチ(内)も開いていて回路が動作していません。

黄緑色の矢印(↓)は後述するフラッシュ機構の切り替えレバーです。
シャッターボタンを半押しすると、まずカメラの電源スイッチ(内)が閉じて測光回路が動作します。

次にシャッターチャージレバーの繋止が外れ(内)シャッターが落ちます。

シャッターの開放時間はプログラムなので自由には決められません。(ホットシューにストロボがない場合)
シャッターレリーズ後に半押しした状態です。

シャッターの電源SWのON/OFFまでのストロークとシャッターレリーズのストロークは矢印のネジで調整できます。
これによりシャッターフィーリングを変えることができますが、特に問題なければいじらない方がよいでしょう。
回しすぎるとシャッターがレリーズできなくなりますので注意して下さい。

シャッターチャージされていないと電源スイッチは入らない機構になっていますが、シャッターがチャージされると露出計の電源が入ります。
すなわちシャッターボタンを押したまま巻き上げると、巻き上げレバーが戻ってきた際にシャッターを機械的に繋止することができずにシャッターが落ちてしまい、しかも規定の露光がなされるのでフィルムが感光してしまうのです。

1台目の1535sensorの問題はまさにこの状態でした。
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