作成 2002.5.5


Agfa Ambi Silette II型(その2)

軍艦部〜レンジファインダー分解手順
軍艦部はを外すには巻き戻しつまみと巻き上げレバーを外します。このあたりはSilette-Aと同じです。そちらを参照してみてください。

巻き上げレバーは中央のかに目ネジで止まっています。このネジは順ネジです。分解したら汚れを洗浄した後グリスアップしておきます。
軍艦部と巻き上げレバーの擦れは、巻き上げ軸の高さが低めなことが問題でした。このため巻き上げレバー下面にテープを貼って高さを稼ぐことにしました。写真では0.03mm程度の薄いテープですが、実際にはもっと厚いテープを貼っています。
皿ビス1本と巻き戻し軸を友締めしているリングを外します。
写真ではアクセサリーシューのネジと金属板が外れていますが、ここは軍艦部の固定には関係ありません。

しかし、なんとアクセサリーシューの飾り板の下の部分にもグリスが塗られていました!!。何の理由で塗布したのか全くわかりません。
どうも素人が分解したような形跡があるのが気になります。(この予想は当たっていることが後ほどわかります)
巻き戻しつまみ側の吊り金具は軍艦部には固定されておらず、巻き戻し軸を通って外に出ています。この吊り金具を持ち、持ち上げると軍艦部が斜めに外れます。巻き上げレバー側の吊り金具はボディに固定してあるのでこれ以上は持ちあがらないので、写真左方向にスライドして吊り金具から抜き出します。
このように巻き戻しつまみ側の吊り金具は別部品になっています。
軍艦部とボディの対比です。
銀色の円板は軍艦部を固定してるスタッドの補強のようです。簡単に外れてしまうのでなくさないように注意します。
写真のように接眼レンズ部に汚れがありますので、ネジを外してレンズだけ取り出してクリーニングします。凸面がカメラボディがわになるようです。
うっかりレンズを陶器製の洗面台にぶつけてしまい、縁が欠けてしまいました。取り付け時には掛けた部分をよけて取り付けました。
ファインダー上面の視野枠切替機構です。画面中心近くのマイナスネジは偏芯ネジになっていて、スライドしたときに視野枠切替機構に対して平行に動くように調整します。
ファインダー天板とそれを止めているネジです。これらのネジは頭の形状は同じですが、ネジ部が異なる2種類が使われていました。2箇所はM1.2の段付きネジで、1箇所だけM1.4ネジです。M1.4ネジの位置を間違えないようにしてください。

拡大画像はこちら
レンジファインダー部分です。
距離計連動ピンの動きが黄色矢印で示したレンズの動きとなり、二重像を形成します。

マゼンタ色の矢印は二重像の上下方向の位置調整です。

青紫色の円内は二重像の合致位置調整です。円内の穴には調整用の偏芯ネジが付いていたと思われますが、このボディにはありませんでした。レンジファインダー機能が正常ならばこのあたりをいじる必要はないのですが、最初に調整した時点ではうまく調整しきれなかったので、この辺りも調整しなおしました。
この個体正規修理以外の手がだいぶ入っているようです。
レンズを外した状態での無限遠整ネジの初期位置です。これを確認しておいてください。
確認しないままでの無限遠調整や2回転以上の調整は絶対に行わないでください!!

このネジをグングンねじ込んで行くと、距離計連動ピンがせり出してきてレンズ側に突き刺さるになります。ここで具合の悪いことに距離計連動ピンの先端に小さな球がついているため非常に強い力で食い込んで行きます。すなわち、レンズを付けたまま無限遠調整ネジをねじ込むと距離計連動ピンが引っ込まないためレンズに押し傷をつけてしまいます。
さらに距離環を回してしまうと左の写真のように交換レンズ側のの距離計連動面に傷をつけてしまいます。このときは”ヘリコイドが少し重いかな?”程度なので傷をつけてしまったとは思えないので注意が必要です。
この傷の深さはわずかですが、距離計連動精度に問題を残すことになります。
レンズを取り付ける前に距離計連動ピンをつめの先で押し込んで、ほぼ全部が引っ込むかどうかを確認してください。飛び出し量はマウント基準面より低い化粧リングに対して、ボールの先端部分が爪の先で感じられる程度までです。
逆に引っ込みすぎると近距離で距離計が連動しなくなるのでこれにも注意してください。
レンジファインダーの対物レンズ側を分解途中です。固定金具を外し、視野枠機構の保護ガラスと化粧カバーを外したところです。

後で記述しますが、視野枠機構の近距離補正による動作力が高い」ので、摺動部分に5%スピンドル油を微量注油する必要がありました。

無限遠側の様子     最短距離側の様子
拡大画像はこちら    拡大画像はこちら
レンズの動きにしたがって近距離補正をする様子です。
左の写真は小さいので、拡大画像もご覧ください。
ミラーやハーフミラーを清掃しています。このカメラのミラー類は拭いても蒸着が取れることはありませんでした。調子に乗って拭いていたら視野枠を写すミラーに傷をつけてしまいました(失敗)
視野枠の反射ミラーの清掃前後の写真です。だいぶクリアになりました。
視野枠を緑色に着色しているレンズです。中心部は二重像用に穴があいています。これもカビのようなものでだいぶ汚れていたのですが、綺麗になりました。
ミラー類とレンズ類のクリーニングが終わったところです。
ファインダーのハーフミラーは干渉膜のためか前面での反射色や接眼部からの透過色はアンバーですが、反射色は補色のブルーになって視野枠ミラーに写っています。
距離計を外したところです。裏側の距離計連動関係のパーツが見えます。このときに高さ調整用のワッシャーが入っている場合があるので無くさないように注意します。
この距離計には鉛筆で118と書いてありました。一方ボディには119と書かれていました。このあたりはどんな管理をされていたのでしょうかね?

長いネジはカメラ側の連動カムとあたって動く部分です。これで距離計の調整をします。
距離計がたまーーに動くという問題は、左のバネによる引き戻しの力が弱くて、距離形連動部分がボディ側のカム面の動きに連動しないせいでした。
そこで距離計の軸を分解したところ、中にはモリブデングリスが固まっていました。これでは抵抗が大きすぎて動かなくなるわけで、バネが弱すぎたわけでは無いようです。軸と受け側のグリスを全部拭い去り、ベンジンをつけた布で良く拭いてから粘性の低いグリスを塗布したところ、きちんと動作するようになりました。
しかし、距離計単品ではバネによる戻し力による動作がOKなのですが、カメラに付けると再び距離計の動作が不良になりました。これは先の視野枠の注油で完全に直りました。
青い楕円内はモリブデングリスが塗られた跡です。このように大きな力がかかる部分はモリブデンでも良いのですが、わずかな力で動く部分や狭い隙間にはモリブデングリスは逆効果ですね。

ピンクの矢印が示すネジは偏芯カムになっており、これを微妙に回すことでコの字型の開口部との隙間(ガタ)を調整します。
距離計の近距離側すなわちレンズを外した状態の写真です。
この状態は距離計連動ピンが押されないのでフリーになっているため、コの字型の開口部のガタ(図のピンクの矢印部分)が距離計のガタになります。
そこで距離計連動ピンをごくわずか動かしたときでもガタがなくきちんとカムが動くように偏芯ネジを回してガタの調整をします。
このときには距離計連動ピンを押し込んでカムがきちんと規定の位置まで動くかどうかを先に確認します。レンズを外して指先で距離系連動ピンを止まるまで押し込みます。
ここで青矢印の先の隙間を見てください。おそらくストッパーネジにバッチリと当たってるはずです。目いっぱい押し込んでもストッパーに当たらないなら距離計連動ピンの長さ調整が短すぎるのでそちらを先に修正しましょう。
次にレンズを無限遠位置に合わせてからカメラボディに押し込む(回さずに押し込むだけ)と写真のような位置に来るはずです。ここがごくわずかに開いていますか?。万一ストッパーに当たるようなら距離計連動ピンの長さ調整が長すぎるので修正しましょう。

要するにレンズを無限遠にしたときにストッパーに当たらないことと、交換レンズによっては無限遠位置がわずかにずれていたとしてもストッパーにあたってレンズの距離計連動面を傷つけることのないようにわずかに余裕をとれば良いのです。
もちろん、レンズを外した状態でも距離計連動ピンの動作にガタが無いことも満足する必要があります。

↑マウント面からの調整部分  距離計連動ピン↑
距離計連動ピンの長さ調整は距離計連動ピンの根元のネジ部分(ピンクの矢印部分)を回しても調整可能ですが、回転できる範囲は1回転程度です。それ以上調整する場合は一旦シャッター側を分解して距離計連動ピン自体の長さ(ネジになっている)を調整する必要があります。

レンジファインダー部をいじったので、無限遠調整が必要です。

実際にはシャッター清掃やマウント清掃などすべての作業が終わってからピント関係の調整をします
今回は最初に交換レンズをとりつけた状態でコリメータ法を使ってレンズの無限遠位置で正しいバックフォーカス(フィルムゲート位置でのピント像)を確認した後、簡易型コリメーターでファインダーの無限遠位置を調整しました。
その後3mでのピント調整と無限遠位置の調整を繰り返して仕上げたので最短撮影距離でも誤差は少なくなりました。

次はシャッターの分解清掃関係の記事です

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