 |
シャッターユニットとマウント部を外すにはピンクの矢印が示す3ヶ所の蓋を外してその下のビスを抜きます。
この蓋は針でつついたら欠けてしまい、使い物にならなくなってしまったので、修理完了後は糊付きの植毛シートを丸く切り出して貼り付けました。 |
 |
シャッター部が外れたボディです。非常に単純な構造です。 |
 |
外したシャッターの裏面です。薄汚れた感じです。シャッターチャージ軸を操作しても重く、まともに動作しません。 |
 |
シャッターを取り出したマウント部です。ピンクの矢印が距離計連動ピンです。この部分はくるくる回ってしまうのですが、回ってしまうとピンの長さが変わってしまい、あとで厄介です。回さないようにそっと取り出して長さを計っておきましょう。 |
 |
取出した距離計連動ピンです。
この写真ではわかりにくいのですが、キノコの傘の根元部分と曲がった柄の先はネジになっていて、キノコの傘を回すと全長が変わるようになっています。
うっかり回さぬように注意深く取り出して全長を計測しておきます。
左記の数値は少し回してしまったので正確な数値になってはおりませんので注意してください。 |
 |
レンズマウントから見えるカバーを取り去ったところです。
レンズマウントに出っ張っている部分がレンズ側のきれ込みに入り込み、右回しに約10度回すとマウント部から3枚の羽根が出てきてレンズの溝にはまり込む構造です。
後ほどマウント部分の分解工程を示します。 |
  |
再びシャッターに戻ります。
左がシャッターリリース後、右がシャッターチャージ後の状態です。チャージは正しく行えるようですし、カメラボディ側のチャージリンクとは正しく勘合しているようなので、2回チャージしないとシャッターが切れないというのはシャッター本体の問題のようです。 |
 |
シンクロ端子へのはんだ付けを外してシャッターユニットを取り出したところ。
ふと見るとシンクロ端子の根元あたりに赤い繊維が見えます。 |
 |
シャッター取り付け枠を外してみると、赤い毛糸がはさみ込まれていました。これは何でしょう??
特に意味があるとは思えないので取り去ってしまいましたが、他のカメラでも存在するものかを知りたいところです。
|
 |
シャッターの表側です。内部を分解するには中央のC型リングを外すのですが、今回は外さずに清掃してみます。 |
 |
準備するのはシャッターユニットが丸ごと入ってベンジンなどの溶剤に耐えるケースです。
そこへベンジンをシャッターが浸るほど流し込んで、何度もシャッターを切ります。シャッター速度はB、1秒、1/30秒など、各ガバナーが動作する時間をチェックしながらベンジン中でシャッターを切ったり、ベンジンから取り出したりを繰り返しながら数十回シャッターを切りました。
シャッターを切っているうちにゴミが出てきて調子が良くなってくるのがわかります。
このときつまみにくいのでうっかり素手で操作しましたが、ゴム製の手袋などで指先を保護した方が良いでしょう。 |
 |
ベンジン浴は新液で2回行いました。
写真は洗浄液を蒸発乾燥させた後の残滓です。
ゴミのほか油性のものも析出しています。
だいぶ調子が良くなったのでベンジンから引き上げて、動作させながら乾燥させます。 |
しかし、ベンジンが乾くにつれて低速シャッターは
ガバナーの動作が緩慢になりついには止まりそうになります。
さらにはレリーズしてもシャッターが開かず、その後再び
シャッターチャージすると開くという妙な動きになってしまいました。
|
 |
やはり分解して内部を見なければだめなようです。
Cリングとシャッター速度盤を外したところです。 |
 |
動きを見ていると、ピンクの矢印で示した部分にもモリブデングリスが塗られています。この部分の動きが渋くて悪さをしているようですので、再度溶剤で洗浄します。
といっても浸しただけでは落ちないので、小さくきったクリーニングペーパーとピンセットを使ってこすり洗いをします。
今回の洗浄液はマルチクリーナーを使ってみましたが、ベンジンよりは乾燥が速いようです。洗浄力に違いは感じられませんでした。 |
それでも乾燥するとガバナーは止まりそうになるし、シャッターリリースがうまく行きません。
ちょっと考えてみました。
結論は油切れです(^^;)
以前分解清掃した Super Silette-LKのシャッターはこれの4倍くらい大きな機構でしたから注油なしでも動いたのでしょう。
このシャッターは全体に小さな部品で構成されており、潤滑油が不可欠なのです。
それも粘度が低くて潤滑性の高いものが求められます。
埃の吸着も怖いので、ピンポイントで極少量だけ注油する必要があります。 |
 |
ということで、カメラのきむらで扱っているスピンドル油をベンジンで5%に希釈した溶液を注油しました。
注油部分は各ガバナーの回転軸と先のピンク矢印の部分、そしてシャッター速度盤の下の”ろ”の字形のカムです。
必要なら他の回転部分にも注油してください。
今回はスポイトの先に、瞬間接着剤用の鶴口ノズルをつけて注油しましたが、手の温度で溶剤が揮発して油が飛び出だしますのでよく注意してください。スポイト内部に液を貯めず、ノズルに残った液の動きをみて注油量を調節します。
何度かカラシャッターを切っいるとシャッター羽根に油が回ってくるとおもいますから、EEクリーナーとスピックなどのシートで良くクリーニングすれば清掃完了です。
2002.5.26 追記
スポイトより注射器と注射針を使うほうが良さそうです。ただ、この場合はノズルが不透明で出てくる油の量を確認しづらくなります。 |
注油によりシャッターが正常に動作するようになり、スローガバナーきちんと動き出したので
シャッターの修理完了となりました。
しかし、注油量が足りなかったのか、低速ガバナーが遅く、1秒が少し長めになっているようです。
今回使った液は含油量が5%と極めて薄いので、もう少し滴下量が多くても良かったのでしょうか。
今後はスピンドル油の量を調整するか、ラウナのような希釈しないオイルを使った方が良いかもしれません。
2002.5.26 追記
メカものにオイルを注入した後は、1週間ぐらいたってから動作を再確認する必要があるという情報を得ました。
希釈したオイルの場合は特に注意が必要だと認識しました。 |