作成 2001.5.19


Agfa KARAT IV Agfa Solinar 1:2,8 / 50 (その2)

シャッターチャージ状況をみていたら、フィルムが巻き上がらない!
巻き上げ系をチェックしていたら、巻き取りスプールもスプロケットも動きません。そしてたまに逆方向に動こうとしています!これはかなりヘンです。

巻き戻しボタンも動きがおかしいので、まずは底板を開けてみることにしました。

底板は化粧皮の下に3本隠れていました。
皮は接着剤で止められているようなので、必要な部分だけをはがしています。

見えているギア回りにはオイルが固まったゴミがかなり入っていましたのでベンジンで清掃して注油しました。その結果スプロケットが軽く回り、巻き戻しボタンもロックするような事はなくなりました。
ロックする現象はゴミが影響していたようです。

ここには巻き上げ不良の原因はないので底板はすぐに閉めてしまいました。
軍艦部を外して巻き上げ系を確認します。

軍艦部は巻き戻しつまみを外し、外観に見えている3本のビスと押さえ金具を取ればすぐに外せます。
ビスの長さに注意。

右は巻き戻しつまみの内部パーツです。
シャッターチャージと巻き上げを見るためにフィルムカウンターの部分を分解して行きます。

ここでフィルム巻き上げが出来ない原因を見つけました。

巻き上げレバーの上の3つ爪のカムをご覧下さい。
このカムの向きでは時計回転の巻き上げレバーの運動はカムに伝わりません。どうもカムの裏表が逆のようです。
そこでカムの裏表を変えてチェックしたところ、バッチリ!。巻き上げはちゃんとスプールもスプロケットも回るようになりました。

左:元の状態   右:裏表を逆にした

後日確認したところ、オーナーがバラされたときに組み違えていたようです。

しかしシャッターチャージ不良は解決していません
シャッターチャージは細いロッド(棒)を回して行っています。
このロッドは巻き上げレバーに連動したラックによりギアを介して回転します。この回転が僅かに足りないようです。
まずはシャッターを見てみます。
分解手順を左に示します。


レンズの前側はねじ込まれているだけなので、CCW(反時計方向)に回して外します。
次に3つの皿ネジを外すと絞り指標リング
が外せます。
花形リングは右のネジある切り欠きを合わせると回せるようになります。

真鍮色のスペーサを外すとシャッタースピードダイヤルが見えます。このダイヤルの切り欠きにそって内部の部品が動いて規定のシャッタースピードになるように制御されたり、バルブ動作と定速シャッターとの切換を行ったりします。
外したリング類です。

右はシャッター清掃/調整時にシャッター羽根に異物が入らないように作ったカバーです。コニカのフィルムコンテナのキャップをくりぬいて作りました。
サイズはぴったりです。(^^;)
これはレリーズ後のシャッター全景です。

このピンが動く距離がシャッター速度です。(羽根が開いている時間)
1/20以下はの定速ガバナーが動作します。
1/50以上の場合は定速ガバナーが働かずに高速動作します。

低速ガバナー。低速域が粘るならこの辺を洗浄します。

シャッター羽根をレリーズするレバーと、セルフタイマー時のレリーズ制御部分。
(タイマー動作中”J"型部品の根本の段差で係止)

セルフタイマーの動作ピンとレリーズ制御レバー

ボディのシャッターボタンを押すとこのレバーが動作します。

バルブ時はこのピンが大きく動いてチャージカム()を途中で停止させてバルブ状態になります。
チャージカム周辺の動きを見ていると問題が判ってきました。
シャッターチャージカムの動きに対して巻き上げレバーの動きが足りず、シャッターガバナーチャージレバーのチャージ位置とロック金具の適正な動作位置まで回らないのです。

また、チャージカムを強制的に回してもオーバーストローク(←余裕なしと書かれている部分)がとても少ないので、ラックとギアの噛み合わせ位置を変えてもダメみたいです。
ダメもとでラックとギアとのかみ合わせタイミングを買えてみましたが・・・

結果はダメでした。

あとはシャッター裏のチャージ機構部に微調整機構がないかと思うのですが、結局アクセスできずに終わりました。
これ以上は無理かと思って諦めかけて組み直し始めたのですが、ふと見ると蛇腹の折り畳み機構のためにチャージロッドとギア軸がスライドして出入りする部分(→ ←)のガタが過大なことに気づきました。

そこで、この部分をペンチで挟んでガタを減らすように強く力を加えたところ、まともにチャージできるようになりました。(^^)

何度か繰り返し加圧することでだいぶ調子は良くなったのですが、スライドでの動きは若干渋くなってしまいました。でも問題の発生するレベルではありません。

その後のチェックで判ったのですが、これでもまだガタが大きいようです。特にレンズの焦点が近距離になるほどチャージに失敗するようです。
残念ですがこれ以上は運用でカバーしてもらうようにしましょう。(じっくり丁寧に巻き上げる)
 

さて、これで問題解決かと思ったらいろいろ問題が出てきちゃいました(^^;)


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