作成 2002.9.8


AGFA SELECTRONIC 3 (その2)

底板と軍艦部を外してゆきます。
やはり冠水していたようで、内部は赤錆だらけの場所もありました。
しかし、錆を落としてやるとうまく動き出したようなのですが・・・。

底板と軍艦部分解
底板を外そうとしましたが、ネジ頭がつぶれています。(左側)
ワインダー連結軸やそのとりつけネジも錆びていて、前途多難の予感。
錆びたネジは細いドリルで頭を飛ばして底板をはずしました。
底板を外してビックリ!赤錆だらけの巻き上げ部です。
写真よりももっと錆びついていたという印象があります。
右端には頭を飛ばしたネジの胴体が見えています。
このネジはWD−40=ルーゼン(ネジ緩め)・防錆剤:CRC 5.5.6類似品=をピンセットでネジの根元にかけて少し放置してからニッパーで咥えて回しましたが、かなりひどく固着していました。ルーゼンを使用していなければネジを切ってしまうか、ボディの雌ネジを壊してしまいそうな感じでした。
メカの電気接点付近には変質したゴム状のものが付着しています。
各部のレバーに触っても。最初は固着していて動かない程でした。
画像無し(撮影し忘れました) そこで、錆落としと清掃をします。
分解出来ない部分はベンジンとピンセットにペーパーを巻きつけた物で擦り洗いします。
あるいは注意してWD-40を滴下し、機構部を擦り合わせるようにして錆をとぎ出すようにすると赤錆汚れが出てきますのでベンジンをつけたペーパーで拭い去ります。
場合によってはベンジンをビンから直接ふりかけて汚れを落とします。手荒なようですが、ベンジンが染み込んでもかまわない場所はこれで充分です。
ベンジンで油分が無くなって困る部分は、適宜5%希釈に調製したスピンドル油を注油したりグリスを塗布します。このときのオイルにはWD-40やCRC-5.5.6などのルーゼンを使ってはいけません。

分解できる部品は、WD-40に漬け込み&動かすと、赤い錆よごれが出てきます。何度も動かしてはWD-40に漬け込んで汚れを溶かすようにすると軽く動くようになりました。WD-40は赤茶色になって、錆が落ちたことがわかります。
最後にベンジンで2回程ジャブ洗いしてから調製したスピンドル油を摺動部にわずかだけ塗布しておきます。
もし多すぎた場合はペーパーや綿棒などで全体に極薄く塗り広げておけば良いでしょう。それでもおおいと思ったら、潔くベンジンでジャブ洗いしてもう一度注油しなおします。くれぐれも油まみれのままにしないことです。

以下に示す部分はこのようにして錆落とし&注油を行います。
まずはワインダーの電気接点を磨きます。
そして接点の針金を曲げてしまわないように取り外しておきます。
その下のレバー(黄色矢印)を触りましたが、どうにかノソーッと動きます。
レバー下も錆で固着しはじめています。
このレバーも後から分解して、WD-40漬け込み清掃をします。
通常のシャッターチャージ後の巻き上げレバーの動きを規制するカムを強制的に動かしてやり、巻き上げしてみましたが、びくとも動きません。どうも他の要因で動かなくなっているようです。
さらにこのカムも本来なら自動的に戻るはずなのに、固着していて変なところで止まっています(写真)。分解してWD-40漬け込み清掃をします。
巻き上げレバーが動かない原因は巻き上げレバーが途中で戻らないように組み込まれているラチェットが完全に固着していたからでした。
最初はピンセットで触っても全く動かなかったので、固着部分にピンセットでWD-40を塗布した後に大き目のドライバーで強くこじったところ、ようやく動くようになりました。
ためにし巻き上げレバーを動かして見ると軽く巻きあがります。

WD-40を滴下、擦り合わせるようにして出てきた汚れをベンジンをつけたペーパーで拭い、それを繰り返すと完全に動作が回復しました。

最後にベンジンでジャブ洗いしてWD-40を洗い流し、グリスを塗布しておきました。
その他の外せる金具は分解清掃します。現在問題無く動いていても、錆びついたネジが固着して外れそうに無い部分は無理に外さないことにしました。

これでメカは動くようになったのですが、シャッターが落ちません。
やはり軍艦部をあけないとだめなようです。
巻き上げレバーカバーを外します。裏から2本のネジで止まっているだけですが、錆びてネジ頭が見えないほどです。
でも、ここがこれほど錆びているということは、内部もかなり錆びているようです。
外した巻き上げレバー(カバー)とネジ
巻き上げレバー(金具)を外します。固定しているネジは普通の右ネジでした。
ネジ頭の直径が大きい割にはすり割溝が細く浅いので、幅の広いドライバーの先端を削って薄くしたものを使って回します。

AGFAのシンボルであるシャッターボタンを外します。
これは1秒と1/2秒の目盛りの間に細い溝があってドライバの先端でこじると簡単にはずれます。
中のネジを回してはいけません。シャッターボタンフィーリングが変わってしまいます。
シャッター速度ダイヤル内側のリングを外します。
リングを外すとシャッターレリーズまわりが分解出来ます。
真中の軸の下に接点があって、シャッターレリーズ時に使われます。
シャッター速度盤類

ここまで分解すればOK。
軍艦部の止めネジを外します。
まずは巻き上げレバー下の肩の部分。
多重露出レバーのネジとシャッター速度ダイヤル近くのネジ
ペンタプリズムカバー下の2本。
(ネジのまわりの液体は、ネジ緩めとしてWD-40を塗布したものです)

外から見えるネジはこれだけです。少しずつ種類が違いますね。

ホットシュー部分は軍艦部の分解には関係ありませんでした。
まき戻しつまみを外します。通常のカメラと同じなのでフォーク部分を固定しておいてつまみを反時計方向に回すと外れます。
巻き戻し軸がボディ内に落ち込んでしまうと裏蓋が開かなくなりますので、巻き戻し軸にテープなどを巻いて落ち込まないようにしておきます。
フィルム感度調整ダイヤル中心のリングをカニ目回しなどで外します。
フィルム感度調整ダイアルを外すときには、外したときの感度を覚えておきます。
ボディを固定している3本のネジを外します。
フィルム感度設定ダイヤルを固定している押しボタンを外します。
押しボタンの周りの溝が狭いので手持ちのカニ目回し(ピン径0.8mm)では入りませんでした。
そこで手持ちのドライバービットを削って溝に合うように工作しましたが、市販のオープナーを使えば簡単だったかもしれません。
ただ、ペンタプリズムが邪魔になる可能性があります。
外した押しボタン部品です。
全てのネジ類を外したら軍艦部をそっと持ち上げて外します。
ホットシュー部分が繋がっているので配線が切れないように注意します。
ペンタプリズム部のFPC(フレキシブルプリント基板)部分。
シャッター速度盤側
この黒い線材は、FPCの配線と並列になっています。FPCが切れた時を考慮したのでしょうか?
ICの足側の配線露出部が長くてショートしてしまい、シャッター速度表示がおかしくなったりしたので注意が必要でした。
配線の一部が錆びています。完全には機能を回復出来ない可能性があります。
シャッター速度を決めるスイッチ部分です。金メッキした回路にも錆びが出始めていました。接点のパターンを清掃してので現在はなんとか保っていますが、もう少し冠水量が多かったら完全にダメになっていたでしょう。
清掃時にはブラシ部分(回転する熊手のような部分)には触らないでください。へたに押したりしますとかえって接触不良になります。プリント配線のパターン側だけクリーニングします。

シャッターダイヤルを回す場合には、つまみをつけて回しますが、OFFポジションを行き過ぎないように注意します。そうでないとメイン電源スイッチを形成する金具に無理な力がかかってしまいます。
シャッター速度設定スイッチの下にシャッターレリーズスイッチがあります。ここを清掃したところ、シャッターが切れました。巻き上げ系もなんとか動いているので数回シャッターを切ることが出来ました。これでこのカメラも復活できそうな気配です。

しかし、軍艦部をあけたまま作業したせいか、シャッター速度表示が出ないポジションが出て来たりしました。これは前出のように配線のショートだったので修正しましたが、それ以外にも一部機能しないものがあるようです。うまく機能しない物としてはセルフタイマーのLED表示があります。セルフタイマー自体は動作するのですが、表示用LEDが点灯しません。これらには別な原因が考えられますが、現時点では撮影にあまり影響していないということでこれ以上の調査はしていません
なお、露出計はシャッター半押しで動作しますが、SELECTRONIC1SELECTRONIC2のようにはホールドしないようです。
これはOEMのChinon CE4がホールドしないのと同じだと思います。
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