■監督ご挨拶

人喰い大ガメとの闘いを決意した刑事トビサワは云います。
「持ってるものは何も無い」「ただ、やる。それだけだ。」

この台詞は『イチモツ』を作っていた時の、私の心情そのものかも知れません。
自分の出来るスケールよりさらに上を、手が届かないかも知れない上を最初から目指した作品です。
初めての長編映画だからこそ、「挑戦」したかったんです。

『ジョーズ』『ガントレット』『ロンゲストヤード』等、そんな、とにかく胸のすく様な活劇を目指しました。

ところで、登場人物のひとりであるヨシミの祖父オトジロウにはモデルがいます。
私の祖父、山本亀吉です。
この映画は、「モノを作って誰かに喜んでもらう」その楽しみと姿勢を教えてくれた亀吉おじいさんに捧げる作品でもあります。

私にとって『イチモツ』ほど、映画を作る楽しさと苦痛を感じた作品はありません。
そしてこの作品ほど、血肉になる経験をした作品もありません。

『イチモツ』は素敵な映画になった、と思います。

これは、ひとえにキャスト・スタッフがそれぞれの持ち得るものを最大限まで作品に寄せ、出来うる限りの高さへ運んでくれたおかげです。
心からの感謝を込めて。
どうもありがとうございます。

キャスト・スタッフ全員がこの作品を自分のモノとして愛してくれたら、
そしてご覧になったみなさんが、この作品を愛してくだされば、これほ ど嬉しい事はありません。

山本 拓

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