北極海へ KAYAK SOLO TO THE ARCTIC 野田知佑 文春文庫
単行本 1990年2月 文芸春秋
1995年第1刷 1998年第3刷
カヌーイスト野田さんが北極圏までカナダのマッケンジー川を下る。1シーズンに30から40組のカヌーが下る中で、平均して1、2人の死者が出るという川。
とはいえ、挑戦とか冒険とか根性といった気負いは全然感じられない。ちょっとそこまで、といった風情である。行く先々で酒を飲み、女の子に声をかけ、インディアンの家に上がりこむ。あっさりさらっと書いてあるが、睡眠時間5時間、1日に15時間以上カヌーに乗りつづけ、食料は全て現地調達(釣り、射撃、木の実、物々交換)といった3ヶ月間の旅が根性も無くできるわけが無いところがえらいところだ。
面白かったところ。
カナダでは蚊に刺されて死ぬということ。イヌイットのリンチで婦女暴行犯は立ち木に裸で縛っておくのだそうだ。蚊の大群が来て、全身がボールのようになって死ぬのだという。
蚊取り線香、即席ラーメンは”モスキートコイル”、”イチバン(さっぽろ一番のこと)”といって、カナダではごく普通に手に入るということ。
村毎に、酒を売るかどうか住民投票で決め、売っていない村(ドライビレッジという)も多いということ。