ねじまき鳥クロニクル 村上春樹 新潮文庫

暴力の匂いがする。村上春樹にしては今回は鼻に血の気がした。とはいえ、今までも村上氏の小説にはしばしば暴力が不思議なユーモアを交えて登場していた。今回はユーモア無し怒りつきの生粋の暴力である。繰り返し登場していたねじまき鳥のモチーフにこの小説ではある解答が与えられている。その意味では読んで良かった。しかし「羊をめぐる冒険」では”ねずみ”を殺されてがっくりさせられ、ここでも何かやるせない落ち着かない気持ちを与えられ、村上氏の本は読後感を見事に裏切ってくれるので面白い。あまり書かれていないことだが氏は結構ハードボイルドである。

 

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