歯科医院の法務 |
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| 最終更新日 2011/07/06 | Dental System Center | ||
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★ 原告と被告
日常の診療においてトラブルを抱えたとき、時として原告の立場に、そして被告の立場になる場合がある。
# 被告 : 主として医療過誤や診療契約の不履行の時、歯科医師は被告となる。
# 原告 : 患者側の診療費の未払いや診療契約の不履行の時、歯科医師は原告となる。
被告になったときは守りに徹すべし。
「弁護士を立てたり」「内容証明郵便」等、攻撃的な方法は最後の手段。
まずはクレームを持つ患者と真摯に応対すること。
文書が必要ならば内容証明郵便などではなく、普通の親書が望ましい。
これで解決できず、相手が法的な手段に訴えて来てからでも遅くはない。
なぜなら、カルテやX写真など証拠物件を押さえているのはこちらですから。
歯科医師は患者に対しては専守防衛。
逆に訴える立場(原告)になったら、第一に証拠保全の先制攻撃。
この時は弁護士が必要でしょうね。もっとも、診療費の未払いくらいでは証拠保全も必要ないし、弁護士も要らないでしょう。
■ 労働契約法(要約)
第3条: 労働契約は「労働者」と「使用者」が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更しなければならない。
第4条: 使用者は労働契約の内容について、できるだけ書面にて労働者に周知し理解させる必要がある。
第8条: 使用者と労働者は、両者の合意により労働条件を変更することができる。
第17条: 使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。
第19条: 公務員に対しては、労働契約法は適用除外。
この法律は平成20年3月1日に施行していますので注意しましょう。
■ 行政処分を受けた歯科医師の再教育研修
(1) 戒告の者: 団体研修1日
(2) 業務停止6月未満の者: 団体研修2日+課題学習(課題研究及び課題論文1
本)
(3) 業務停止6月〜1年未満: 団体研修2日+課題学習(課題研究及び課題論文2本)
(4) 業務停止1年〜2年未満: 団体研修2日+個別研修80時間以上
(5) 業務停止2年以上: 団体研修2日+個別研修120時間以上
# 政令とは内閣が定めた命令で閣議の決定によって成立し、主務大臣が署名し、総理大臣が連署し、天皇が公布する。例: 歯科医師法施行令
根拠法: 日本国憲法
第73条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
6.この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。
但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
# 省令とは、各省の大臣が主任の行政事務について、または、法律もしくは政令の委任に基づいて発する命令。例: 歯科医師法施行規則
根拠法: 国家行政組織法
(行政機関の長の権限)
第12条 各省大臣は、主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、それぞれ
その機関の命令として省令を発することができる。
2 各外局の長は、その機関の所掌事務について、それぞれ主任の各省大臣に対し、案をそなえて、省令を発することを求めることができる。
3 省令には、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、
若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない。
# 通知(通達)
通達とは書面によって送付された訓令のこと。訓令とは上級行政機関がその指揮命令権に基づいて下級行政機関に発する命令を言う。
通達は、法令に違反しないかぎりにおいてしか効力を有しないので、法律の規定を重視し、ついで法律が空白である範囲において通達に従う
べきである。
# 行政指導
行政機関が、行政目的を実現するために私人又は他の行政機関に対して法的拘束力の無い手法によって働きかけることをいう。そういった意味
では保険医の指導が行政指導として認識していいのか疑問である。
しかし、ここにも記載したように、指導要綱は行政内部の規範(行政規則)にすぎないのであるから、指導要綱を根拠とすることだけをもって
行政指導が適法と評価されるわけでは無い(最判平成5.2.18民集47巻2号574頁)ということから、保険医の指導大綱がどのような意味を持つ
のかは不明である。
# 条文の読み方
「1」: 項と読む
「一」: 号と読む
参考:「新行政法辞典」ぎょうせい刊 平成11年3月25日版
法律の基本的な考え方
# 法の概念
法の中心になるものは憲法の理念のもとに国会で制定された「法律」であり、法律の細則を定めた政令(施行令)・省令(施行規則)や地方に
て制定された条例等も含まれる。その他に裁判所の判決・慣習なども法としての効力を持つことがある。
例) 日本国憲法 → 歯科医師法(他の法令) → 歯科医師法施行
令 → 歯科医師法施行規則 → 厚生労働省通知
# 診療契約とは何か?
診療契約は一般的に「準委任契約(民法656条)」とされ、委任者(患者)が受任者(歯科医師)を信頼して労務(診療行為)を依頼することを原則としており、これは通説、判例により裏付けされています。
又義歯の製作・正常分娩などを請負契約とみなす説もある。しかし、これらの医療を請負契約とする考え方には反対意見も多い。
# 歯科医療行為の合法性
他人の体に傷を付けたり(歯を抜く)、劇薬を飲ませたり(風邪薬を処方する)行為は刑法204条などにより暴行罪や傷害罪に問われる。し
かし歯科医療という正当な業務の範囲で有れば犯罪にはならない。これは刑法35条「正当な業務による行為は罰しない。」による。
ではどの様な行為が正当な診療業務と認められるのか?それは
@ 治療を目的とすること。
A 歯科医学上一般的に認められた方法であること。
B 本人・保護者などの同意があること。
# 診療契約上の歯科医師の義務
@ 善良なる管理者としての注意義務
専門家としての歯科医師に求められる歯科医療水準に達した医療行為が要求される。
A 説明義務
患者は自分の身体の状況に対して知る権利があり、歯科医師はこれに対して説明義務がある。ここで言う説明とは民法上の契約関係(民法64
5条の報告義務)から生じてくる最低限のものであり、インフォームドコンセントとしての説明とは異なる。
B 転医の勧告
自らの医療水準で治療が不可能な患者に対して、適切な医療機関へ転医させる事を言う。
# 歯科医師が診療に際して守るべき義務
@ 診療応召義務(歯科医師法第19条)
応召義務の拒否は、正当な理由の有ったときのみ許される。
(応召義務に関しての厚生省通達 昭和24年)
(1) 診療報酬の不払いがあっても、ただちにこれを理由として診療拒否はできない。
(2) 診療時間を制限している場合でも、この理由により急患の診療拒否はできない。
(3) 特定の人を相手に診療する医師(会社の医務室勤務等)でも、緊急の診療の求めがあって、近隣に他に診療に従事する医師が居ないとき
は診療拒否はできない。
(4) 天候の不良なども、事実上往診不可能な場合を除いて診療拒否はできない。
(5) 医師が自己の標榜する診療科以外の疾病について診療を求められた場合にも、患者がこれを了承する場合には正当な理由になるが、了承
しないで診療を求める場合には、応急処置その他できるだけの範囲のことはしなければならない。
A 無診察治療の禁止(歯科医師法第20条)
一般的に無診察治療とは、たとえば「歯が痛いと訴えて来院した患者が忙しくて待っていられないから薬だけでもほしいという申し出に対して、
無診察で鎮痛剤を処方する。」等を言う。
以下の行為は無診察治療とは言わない。
(1) 通信回線を利用して医療情報を送ることによる診断。
(2) 患者を継続的に診療している場合で、患者の病状に著しい変化が無い場合で、電話によって病状の変化を尋ね、指示を行うこと。
B 保健指導義務(歯科医師法第22条)
患者に対する保健指導も歯科医療の一部である。
C 診療録の記載と保存義務(歯科医師法第23条)
診療録は患者と医師との診療契約に基づく診療過程を記載するもので大事な職務である。
医療過誤が生じた場合に、診療録は解明のための重要な文書となる。司法上の証拠としては、日本では一般文書には証拠能力は無いとされてい
る。しかし診療録は業務の通常の過程において作成された書面に含まれ、例外的に証拠能力のある書類と見なされている。(刑法第323条)
民事上は文書は証拠能力を有するので、診療録は重要な証拠とされる。
D 患者の秘密を守る義務(刑法第134条)
業務上知り得た他人の秘密をみだりに漏らしてはならない。
# 患者の人権
患者の権利をうたった宣言として有名なものに、「リスボン宣言」があ
る、これは1981年の世界医師会総会で出されたものである。
リスボン宣言
実際的、倫理的、または法律的に困難であるかもしれないと言うことを認識した上で、医師は常に自己の良心に従い、また常に患者の最善の
利益のために行動するべきである。下記の宣言は、医師が与えようと努める、主な患者の権利の一部を述べている。
@ 患者は自分の医師を自由に選ぶ権利を有する。
A 患者はなんら外部からの干渉を受けずに、自由に臨床的および倫理的判断を下す医師の治療看護を受ける権利を有する。
B 患者は十分な説明を受けた後に、治療を受け入れるか又は拒否する権利を有する。
C 患者は自分の医師が、患者に関係するあらゆる医学的および個人的な詳細なことがらの機密的な性質を尊重することを期待する権利を有す
る。
D 患者は尊厳を以て死を迎える権利を有する。
E 患者は適当な宗教の聖職者の助けを含む精神的および道徳的慰めを受けるか、またはそれを断る権利を有する。
■ 歯科医師の説明義務の一例
東京地裁判決 平成13年12月20日: メタルボンドを使用した奥歯の補綴処置及び12本の歯牙に対する抜髄処置について、歯科医師に患者に対する説明義務違反はないとされた事例
「医療行為は高度の専門性を有しており、医師が、治療の都度、患者に対し、治療の専門的な名称や内容、他にとりうる方法などを全て説明し、患者の選択を受けなければならないとすれば、専門技術としての適正な医療行為は到底行うことができないと解される。従って、医師の患者に対する説明の程度及び方法については、具体的な病状、治療方法の合理性や危険性、患者の知識、性格等を考慮した医師の合理的裁量に委ねざるを得ない部分が多いものと認められる。
■ 夫婦間の共有財産
民法 第762条〔特有財産、帰属不明財産の共有推定〕
夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産とする。
(2)夫婦のいずれに属するか明かでない財産は、その共有に属するものと推定する。
夫婦共稼ぎの場合、「夫の収入は夫の財産であり、妻の収入は妻の財産」となる。しかし、第760条〔婚姻費用の分担〕にも記載してあるように(夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する)、いわゆる家事費はお互いの収入に応じて分担して支出することとなる。しかし、実際にはある程度それらの支出は混在して明確に区分できないことも多く、結果として後にそれらの明細を立証できないことが多い。それは当然のことであり、それが家庭生活である。帳簿記載義務のある事業会計とことなるのは当然である。しかし、ある場合にはそれが裏目と出る場合があるので注意が必要である。
その代表的な一例が「専従者給与で生活する」という例です。事業所得の余剰金は後の設備投資の資金源としたり、借入金の返済にあてたり、運転資金としたりで余裕が無い場合がある。そういった場合には「専従者給与で生活する」ことになるのである。しかし、この場合専従者(一般には妻)の給与は家事費としての消費に当てられるため資産として残ることはなく、結果として事業主(一般には夫)の方に事業資産として蓄積される事になる。この結果どういう事が想定されるか考えてみたい。
@ 離婚の場合: 婚姻後に形成された財産は、離婚のときに財産分与の請求という問題が生じるが、その金額は「財産形成上の寄与」が考慮され、理論的には「専従者給与で生計を支えた」という寄与によって事業主の財産形成が行われたと考えられることから、夫の財産の相当額は妻に分与される。そしてこの場合純粋に民事上の問題で、お互いの話し合いでどうとでも解決できることです。
A 相続の場合: たとえば夫が死亡した場合、夫名義の財産が多ければ相続財産が多くなり、結果として相続税に跳ね返ります。従って、専従者給与を家事費として消費して夫の財産だけが増えていくようになると困ってしまうので、そういった状態にならないように注意しなければなりません。それにはいくつかの方法がありますが、ここでは割愛します。
また、普段の支出を専従者給与から行い、資金繰りのゆとりのある時に何ヶ月かぶんの金額を妻に夫が一括して支払う場合には贈与と認定されないように注意が必要です。特に、その資金移動が夫の口座から妻の口座へ振替のような状態で行われてる場合、将来の相続税の反面調査の際には単なる資金移動(若しくは贈与)とみなされる場合がある。何度もいうが、一般の家事消費とそれに伴う資金移動は事業会計とは異なり立証のための証拠(帳簿)が残っていないケースがほとんどである。
家庭生活を営んでいると、その財産がどちらのものか判別できないことも良くあることである。例えば、夫が拠出した生活費の一部を妻がへそくりとして蓄えた場合などである。この場合は、前述の民法 第762条の(2)において共有財産と判断される事になるのだが、そのへそくり?が妻の収入から得たことが事実だとしたらどうであろう?これまた夫が死亡した相続時において、「帰属が判別しない財産」となれば当然のことながら、相続財産として相続税の対象となり、「妻の財産」とすればそれにあたらない。これは大きな問題になりかねない。
歯科医療においてはほとんどが保険診療である。従って日々の保険一部負担金においては、常に貸し倒れということに遭遇しかねない。しかしながら、保険一部負担金の未収においては、状況に応じて保険者に請求することが可能であり、実質的に訴訟によって請求しなければならないケースはおこらない。しかし、保険外診療においては貸し倒れの危険は常に伴うので、必要に応じて少額訴訟の御世話になることもあり得るだろう。そういった意味でも、少額訴訟の基本は押さえておいた方が良いでしょね。
# 少額訴訟
簡易裁判所が管轄する訴訟事件のうち、請求額が60万円以下の金銭の支払請求を目的とする訴えについて、原則として、一回の期日で審理を完了して、直ちに判決を言い渡すなどを内容とする特別の手続である。
一回の期日で終わらせるために証拠などに制限が加えられており、また相手方が少額訴訟によるのをのぞまないときは、通常訴訟への移行することができます。
1、証拠調べは、即時に取り調べることができる証拠に限りすることができる。
物的証拠の場合は、法廷に持ち込まれているもの、証人の場合は、法廷に出席を対象とします。鑑定や現場検証は通常行いません。
2、被告は、訴訟を通常の手続に移行させるよう希望することができるが、被告が第1回口頭弁論期日において弁論をし、またはその期日が終了した後は、できません。
3、少額訴訟の判決に対しては、判決書の送達を受けた日から2週間の期間に、判決をした裁判所に異議を申立てることができる。
このように、少額事件訴訟手続きの大きな特色に控訴ができないということがあります。
# 利用適格
1、訴訟対象は、60万円以下の金銭支払請求に限る。
2、同一の簡易裁判所において、原告が、同一の年に利用できる回数は、10回まで。
3、原告は、訴えの際、その年にその裁判所での利用回数を届出なければならない。
虚偽の回数を届出たときは、10万円以下の過料に処せられる。
4、訴えの際、「少額訴訟による審理及び裁判を求める」旨の申述をする。
少額訴訟に関する申述
# 手続の選択と通常訴訟への移行
1、原告の選択
原告は、少額訴訟によるか通常の手続によるかの選択ができる。
2、被告の移行申述
被告は、原告が選択した少額訴訟を、通常の手続に移行させる旨の申述ができる。
3、裁判所の移行決定
原告が少額訴訟を選択しても、次の場合には、裁判所が、被告の意思、態度に関係なく、訴訟を通常の手続により審理・裁判する旨の決定をしなければならない。この移行決定に対しては、不服申立ては許されない。
少額訴訟の要件を満たさない場合
原告に対し、相当期間を定めて利用回数の届出を命じたにもかかわらず、期間内に届出がない場合。
公示送達によらなければ被告に対する第1回口頭弁論期日の呼出しをすることができない場合
少額訴訟手続きによって審理及び裁判をすることが相当でないと認める場合(現場検証が必要な場合、取調べの必要がある証人が多数いる場合等)
# 審理
1、一期日審理の原則
少額訴訟では、特別の事情がある場合を除き、最初にすべき口頭弁論期日において審理を完了しなければならない。
2、反訴
反訴の提起は、許されない。1期日審理の原則に適合しないからである。
3、訴えの変更
訴えの変更は特に制約されていないので許される。ただし、変更の結果少額訴訟の要件を欠いたり、少額訴訟が相当でなくなるようなときは裁判所の移行決定で処理されることになる。
4、証拠調べ
証拠調べは、即時に取り調べうる証拠に限る。この証拠制限により、書証と証人尋問及び当事者尋問程度で審理が終了することが多いと思われる。
# 判決
1、言い渡し
少額訴訟の判決は、相当でないと認める場合を除き、口頭弁論の終結後直ちに言い渡す。判決の言い渡しは、判決書の原本に基づかないですることができるが、裁判所は、書記官に、調書判決を作成させなければならない。
2、支払の猶予
裁判所は、請求を認容する判決をする場合において、被告の資力その他の事情を考慮して特に必要があると認めるときは、判決の言い渡しの日から3年を超えない範囲内において、認容する請求に係る金銭の支払について、支払猶予若しくは分割払いの定めをし、又はこれと併せて、猶予された支払期限に支払をしたとき、若しくは期限の利益を喪失することなく分割払いをしたときはは訴え提起後の遅延損害金の支払義務を免除する定めをすることができる。
3、仮執行宣言
請求認容判決には、職権で、仮執行宣言を付す。
4、執行文不要
少額訴訟判決による強制執行については、単純執行文の付与は不要である。
判決に対する不服申立
1、不服申立ての制限
少額訴訟の終局判決に対する不服申立ての方法は、異議の申立のみであり、控訴をすることができない。当然上告も(憲法違反を除く)できない。
2、異議申立て及び異議後の手続
少額訴訟の終局判決に対し、判決書又は判決に代わる調書の送達を受けた日から2週間の不変期間内又は期間前に適法な異議があったときは、訴訟は口頭弁論の終局前の程度に復する。
少額訴訟は、原則として、一審限りのものとして貫かれている。
医療におけるインフォームド・コンセントとは,医師が患者にその病状をよく説明し,それに応じた検査や治療について十分な情報を提供し,患者はそれを十分に理解したうえで・誰にも強制されない自由な立場で検査や治療法を選択し,その同意に基づいて医師が検査や治療を行う・とい)ったことを意味する。換言すれば,医師からの十分な説明を患者が理解・納得・同意して検査や治療を受けることである。「インフォームド・コンセント」は,「説明と同意」,「十分な説明がなされたうえでの理解」などの訳語が用いられることがぁるが,あまり適切でないために・一般に「インフォームド・コンセント」という言葉が広く使わ れている。
インフォームド・コンセントの考え方の背景には,第二次世界大戦中における敵国の捕虜を使っての非人道的な人体実験が世の人々の非難の的と なったことがある。この人体実験はニュールンベルグ軍事裁判で厳しく糾弾され「ヘルシンキ宣言 と呼ばれる医の倫理の基本を示した宣言が出されるに至った。 この宣言では,人道的な見地から個人の人権尊 重を基に,人体実験について厳しい枠を設け・被 験者の強制きれない状況での自由意思を尊重するという原則が示されている。今ではこの原則が広く世界で容認されるようになり,日本でも患者主体の医療という考え方が導入されるようになった。
平成8年の受療行動調査(全国の外来入院患者を対象とした病院選択理由や受療内容などの満足度の調査が平成8年度から開始されている)によると,8割の患者が病状または病名について医師から説明を受けており,かつその説明を理解しているという。これは医師の患者に対する説明に関する認識の変化つまり,主役は患者であり・医 師は患者を診察した際には患者に情報を伝え・その説明の際には専門用語ではなくわかりやすい言葉を用いる必要性を認識してきた結果と考えられる。 一方,患者側の認識としても・医師に疑問点を尋ねることは当然のことになってきており・インフォームド・コンセントの概念は医療現場では徐々に日本になじんだ形で普及しつつある。
また,説明に対して同意能力に障害のある人に対しては,患者の権利の観点から十分な配慮を払う必要があるのはいうまでもない。
| 埋伏智歯の抜歯に際してのIC | 1.症状の無い予防抜歯に関しては明確な答えは無い。 「少しずつ証拠となる事実をもって医療を行うことをEBMと言う。」 ★ 下顎智歯の抜歯による神経損傷率(英国医師会発行の「クリニカル・エビデンス 第4版」による) |
| 麻酔時のIC | ★ 伝達麻酔後の開口障害 ★ 特に小児における、唇や口腔内粘膜の誤咬や火傷。 |
| 妊産婦の治療時のIC | 妊婦の歯科治療 妊娠初期 胎児の各器官形成期であり、母体にとっては胎盤の成熟期で妊娠中では不安定な時期である。この時期の歯科治療は、除痛を目的とした対症的処置にとどめる。 妊娠中期は比較的安定している時期であり、妊娠中に必要な抜歯などの歯科治療はこの時期に行う。 妊娠後期においては子宮筋の収縮が起こりやすく、早産を起こしやすい。この時期の歯科治療は、除痛を目的とした対症的処置にとどめる。 麻酔 浸麻は通常の使用量では母体・胎児共に問題ない。 X線 妊娠初期の奇形発生の閾値は0.1Gyである。 薬剤 薬剤投与の問題点 |
| X線撮影時のIC | |
| 有病者治療時のIC | |
| サホライド塗布時 | |
| 前歯部の修復 | |
| 臼歯部の修復 | |
| Brの作製時 | |
| 義歯の作製時 | |
| インプラント | |
| インプラントの除去 | ★ 神経の損傷などのリスク インプラントの撤去後に下唇の麻痺などの後遺障害が残り、また術前の説明不足を争点として3300万円を請求した損害賠償訴訟で、平成18年12月25日に金沢地裁で慰謝料50万円の支払いの判決が下された。 3300万円の請求に対して50万円とは非常に少ないが、これは説明不足は認めたものの、「神経を損傷した」という過失を認めなかったからである。 この事例だけでなく、術前に術後の不具合の可能性には充分説明しなければならないと言うことは当たり前のことなのでしょうが、どういうケースについてどこまで説明しなければならないかは迷うところである。 |
★ 時効には「取得時効」と「消滅時効」があります。
消滅時効: 権利を行使しないで放置すると権利が消滅。
取得時効: ある法律行為を一定期間行っていると権利が生じるもの。これの代表として、例えば登記上の敷地の境を越えて、隣地にはみ出して塀や小屋を建てたりして一定期間経過すると自分の物になると言うもので、もちろんこれは故意や悪意ではダメなのですが。
ということでここでは歯科医療に関係する時効を記載します。
| 項 目 | 時効期間 | 参 考 | 起算日 |
| ● 刑法関係 | |||
| 死刑に当たる罪については | 25年 | 刑事訴訟法第250条 | |
| 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については | 15年 | 刑事訴訟法第250条 | |
| 長期15年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については | 10年 | 刑事訴訟法第250条 | |
| 長期15年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については | 7年 | 刑事訴訟法第250条 | |
| 長期10年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については | 5年 | 刑事訴訟法第250条 | |
| 長期5年末満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については | 3年 | 刑事訴訟法第250条 | |
| 拘留又は科料に当たる罪については | 1年 | 刑事訴訟法第250条 | |
| ● 民法関係 | |||
| 診療費 | 3年 | 民法第170条 | 診療終了時 |
| 弁護士費用 | 2年 | 民法第172条 | 事件終了の時 |
| 売買代金 | 2年 | 民法第173条 | 売買をした時 |
| 財産分与請求権 | 2年 | 民法第768条(2) | 離婚の時 |
| 飲食・宿泊代金 | 1年 | 民法第174条 | 飲食・宿泊が終了した時 |
| 損害賠償請求権・債務不履行 | 10年 | 民法第167条 | 損害賠償請求をすることができる時(原則として債務不履行の時) |
| 損害賠償請求権・不法行為 | 3年 | 民法第724条 | 被害者が損害及び加害者を知った時 |
| 損害賠償請求権・不法行為 | 20年 | 民法第724条 | 不法行為の時 |
| 抵当権 | 20年 | 民法第167条2項 | 被担保債権の弁済期日 |
| 一般貸金債権 | 10年 | 民法第167条2項 | 弁済期日 |
| 契約解除権 | 10年 | 民法第167条1項 | 債務不履行の時 |
| 確定判決に基づく債権 | 10年 | 民法第174条ノ2(1) | 確定判決に基づく債権 |
| 利息制限法超過分の返還請求権 | 10年 | 民法第167条(1) | 支払った時 |
| PL法に基づく請求権 | 10年 | PL法第5条 | 製造業者等が当該製品を引き渡した時 |
| ● 商法関係 | |||
| 預貯金の払戻請求権 | 10年 | 商法第522条 | 払戻請求ができる時 |
| 金融機関の貸金債権 | 5年 | 商法第522条 | 弁済期日 |
| リース料債権 | 5年 | 商法第522条 | 原則として各弁済期日 |
| 小切手債権・所持人の裏書人、振出人に対する請求権 | 6ヶ月 | 小切手法第51条(1) | 所持人の裏書人、振出人に対する請求権 |
| 小切手債権・遡及権 | 6ヶ月 | 小切手法第51条(2) | 小切手の払戻しをした日 |
| 損害・生命保険金請求 | 2年 | 商法第663・682条 | 保険事故が発生した時 |
| ● 税金関係 | |||
| 国税 還付金請求権 | 5年 | 国通第74条(1) | 請求することができる日 |
| 国税 国税徴収権 | 5年 | 国通第72条(1) | 法定納期限 |
| ● 雇用・労働関係 | |||
| 賃金 | 2年 | 労働基準法第115条 | 支払日(民法174条では1年) |
| 退職金 | 5年 | 労働基準法第115条 | 支払日 |
| 災害補償請求権 | 2年 | 労働基準法第115条 | 支払日 |
| 保険料徴収権 | 2年 | 健康保険法第4条 | 納期限の翌日 |
| 療養費の請求権 | 2年 | 健康保険法第4条 | 療養に要した費用を支払った日の翌日 |
| 病手当金の請求権 | 2年 | 健康保険法第4条 | 労務不能であった日又は労務に服さなかった日ごとに、その翌日 |
| 出産手当金の請求権 | 2年 | 健康保険法第4条 | 労務不能であった日又は労務に服さなかった日ごとに、その翌日 |
| 休業補償給付 | 2年 | 労災法第42条 | 支給日 |
■ 歯科医院の法務
(1) 概論
我々は法治国家である日本で生活しています。すなわち歯科医師であろうとなかろうと法律と無関係で生活することは不可能で有ります。ましてや歯科医院の運営はすべてが法律行為と言っても言い過ぎでは有りません。法律は弁護士や法律関係者だけの物ではなく国民全員のものであり、我々医療人も無関心でいるわけにはいかないのです。
「法は不知を許さず」と言う言葉があります。これは「法律を知らなかったと言うことで法から逃れることはできない」と言うことです。そう言う意味でも最低限の法知識は持つ必要があります。
法の概念: 法の中心になるものは国会で制定された「法律」であり、法律の細則を定めた政令(施行令)・省令(施行規則)や地方にて制定された条例等も含まれる。その他に裁判所の判決・慣習なども法としての効力を持つことがあるのです。
# 法の概念: 法の中心になるものは憲法の理念のもとに国会で制定された「法律」であり、法律の細則を定めた政令(施行令)・省令(施行規則)や地方に
て制定された条例等も含まれる。その他に裁判所の判決・慣習なども法としての効力を持つことがある。
例) 日本国憲法 → 歯科医師法(他の法令) → 歯科医師法施行
令 → 歯科医師法施行規則 → 厚生労働省通知
では我々歯科医師が歯科医院を運営するために密接に関係する法規とは何でしょうか?
(2) 医療関連法規
# 医学及び歯学の教育のための献体に関する法律
# 医師法
# 医道審議令
# 医療法
# 外国医師又は外国歯科医師が行う臨床修練に係る医師法第十七条及び歯科医師法第十七条の特例等に関する法律
# 介護保険法
# 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
# 救急救命士法
# 健康保険法
# 国民健康保険法
# 歯科医師法
# 歯科衛生士法
# 歯科技工士法
# 児童福祉法
# 社会保険医療協議会法
# 社会保険診療報酬請求書審査委員会規定
# 診療放射線技師法
# 生活保護法
# 地域保健法
# 保険医療機関及び保険薬局の指定並びに特定承認保険医療機関の承認並びに保険医及び保険薬剤師の登録に関する政令
# 保険医療養担当規則
# 薬剤師法
# 薬事法
■ その他の法規
# 印紙税法
# 行政指導
# 行政不服審査法
# 軽犯罪法
# 刑 法
# 刑事訴訟法 (全文)
# 小切手法
# 個人情報保護法
# 消費税法
# 消費者契約法
# 所得税法
# 製造物責任法(PL)
# その他の法令
# 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律
# 地方公務員法
# 地方自治法
# 著作権法
# 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律
# 電子メール規制法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)
# 道路交通法
# 独占禁止法
# 特定商取引に関する法律
# 日本国憲法
# 廃棄物処理法
# 不正アクセス行為の禁止等に関する法律
# 民事訴訟法
# 民 法
# 労働安全衛生法
# 労働基準法
■ 法律には本則の他に、政令や省令といったものがあります。
# 政令とは内閣が定めた命令で閣議の決定によって成立し、主務大臣が署名し、総理大臣が連署し、天皇が公布する。
根拠法: 日本国憲法
第73条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
6.この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。
但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
# 省令とは、各省の大臣が主任の行政事務について、または、法律もしくは政令の委任に基づいて発する命令。
根拠法: 国家行政組織法
(行政機関の長の権限)
第12条 各省大臣は、主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、それぞれ
その機関の命令として省令を発することができる。
2 各外局の長は、その機関の所掌事務について、それぞれ主任の各省大臣に対し、案をそなえて、省令を発することを求めることができる。
3 省令には、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、
若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない。
# 通知(通達)
通達とは書面によって送付された訓令のこと。訓令とは上級行政機関がその指揮命令権に基づいて下級行政機関に発する命令を言う。
通達は、法令に違反しないかぎりにおいてしか効力を有しないので、法律の規定を重視し、ついで法律が空白である範囲において通達に従う
べきである。
# 行政指導
行政機関が、行政目的を実現するために私人又は他の行政機関に対して法的拘束力の無い手法によって働きかけることをいう。そういった意味
では保険医の指導が行政指導として認識していいのか疑問である。
行政指導から考える保険指導: http://dscyoffice.net/office/members/law/001115.htm
しかし、ここにも記載したように、指導要綱は行政内部の規範(行政規則)にすぎないのであるから、指導要綱を根拠とすることだけをもって
行政指導が適法と評価されるわけでは無い(最判平成5.2.18民集47巻2号574頁)ということから、保険医の指導大綱がどのような意味を持つ
のかは不明である。
# 条文の読み方
「1」: 項と読む
「一」: 号と読む
参考:「新行政法辞典」ぎょうせい刊 平成11年3月25日版
(3) 診療と契約
診療契約は一般的に「準委任契約(民法656条)」とされ、委任者(患者)が受任者(歯科医師)を信頼して労務(診療行為)を依頼することを原則としており、これは通説、判例により裏付けされています。
又義歯の製作・正常分娩などを請負契約とみなす説もある。しかし、これらの医療を請負契約とする考え方には反対意見も多い。
歯科医療行為の合法性
他人の体に傷を付けたり(歯を抜く)、劇薬を飲ませたり(風邪薬を処方する)行為は刑法204条などにより暴行罪や傷害罪に問われる。しかし歯科医療という正当な業務の範囲で有れば犯罪にはならない。これは刑法35条「正当な業務による行為は罰しない。」による。
ではどの様な行為が正当な診療業務と認められるのか?それは
@ 治療を目的とすること。
A 歯科医学上一般的に認められた方法であること。
B 本人・保護者などの同意があること。
診療契約上の歯科医師の義務
@ 善良なる管理者としての注意義務
専門家としての歯科医師に求められる歯科医療水準に達した医療行為が要求される。
A 説明義務
患者は自分の身体の状況に対して知る権利があり、歯科医師はこれに対して説明義務がある。ここで言う説明とは民法上の契約関係から生じてくる最低限のものであり、インフォームドコンセントとしての説明とは異なる。
# 歯科医師の説明義務の一例
東京地裁判決 平成13年12月20日: メタルボンドを使用した奥歯の補綴処置及び12本の歯牙に対する抜髄処置について、歯科医師に患者に対する説明義務違反はないとされた事例
「医療行為は高度の専門性を有しており、医師が、治療の都度、患者に対し、治療の専門的な名称や内容、他にとりうる方法などを全て説明し、患者の選択を受けなければならないとすれば、専門技術としての適正な医療行為は到底行うことができないと解される。従って、医師の患者に対する説明の程度及び方法については、具体的な病状、治療方法の合理性や危険性、患者の知識、性格等を考慮した医師の合理的裁量に委ねざるを得ない部分が多いものと認められる。
B 転医の勧告
自らの医療水準で治療が不可能な患者に対して、適切な医療機関へ転医させる事を言う。
| 我々が歯科診療時に、自院の設備技術などでその疾患に対応できないことがおこる場合がある。その際然るべく転医の勧告をしなければならない。 では、どの様な場合に転医勧告をしなければならないか? その疾患が、その医療機関の設備又は技術で対処できず、又近隣に、それに対処できる医療機関が存在することが前提となろう。 もしこういった事項において転医勧告を行わなければ、民法上の「善管義務違反」を問われる可能性がある。 しかし問題となるのは、この転医勧告自体もさることながら、「転医勧告をした患者が、その転医勧告に従わない場合、その結果にどうのように対処したら良いか」である。 この事項に関する判例も知らないし、またどう対処したらいいか?筆者もわからない。 参考判例 ある判例によると「他の十分な設備の整った病院の診断を受けるよう原告に勧めなかったからといって、その責を問うことはできない」として善管義務違反を否定しているが、ケースによっては逆の解釈もあり得るので注意が必要である。 |
(4) 医療保険制度
# 保険制度の種類: 日本における医療保険制度は、被用者保険(健康保険)と地域保険(国民健康保険)に区別される。また社会保険医療の他に生活保護法等に代表される公費医療が存在し、国民皆保険制度がとられている。
# 保険診療の範囲: 保険診療は一定の制限のもとで行われる。たとえば、薬剤に関しては「薬価収載」のものに限られるし、処置や検査も保険の基準として認められたものに限られる。昨今、東京地裁で「混合診療の禁止は違法」との判決があったが、この訴訟は最高裁までいくであろうし、この判決一つをもって、全ての混合診療が合法であるという見方をすることも危険で、今後の推移に注意を払わなければならない。
(5) 歯科医師の職務
# 歯科医師の業務は法律によって定められた公法上の業務であり、歯科医師免許を持っている人にだけ与えられた独占業務である。
歯科医師が診療に際して守るべき義務
@ 診療応召義務(歯科医師法第19条)
応召義務の拒否は、正当な理由の有ったときのみ許される。
(応召義務に関しての厚生省通達 昭和24年)
(1) 診療報酬の不払いがあっても、ただちにこれを理由として診療拒否はできない。
(2) 診療時間を制限している場合でも、この理由により急患の診療拒否はできない。
(3) 特定の人を相手に診療する医師(会社の医務室勤務等)でも、緊急の診療の求めがあって、近隣に他に診療に従事する医師が居ないときは診療拒否はできない。
(4) 天候の不良なども、事実上往診不可能な場合を除いて診療拒否はできない。
(5) 医師が自己の標榜する診療科以外の疾病について診療を求められた場合にも、患者がこれを了承する場合には正当な理由になるが、了承しないで診療を求める場合には、応急処置その他できるだけの範囲のことはしなければならない。
A 無診察治療の禁止(歯科医師法第20条)
一般的に無診察治療とは、たとえば「歯が痛いと訴えて来院した患者が忙しくて待っていられないから薬だけでもほしいという申し出に対して、無診察で鎮痛剤を処方する。」等を言う。
以下の行為は無診察治療とは言わない。
(1) 通信回線を利用して医療情報を送ることによる診断。
(2) 患者を継続的に診療している場合で、患者の病状に著しい変化が無い場合で、電話によって病状の変化を尋ね、指示を行うこと。
B 保健指導義務(歯科医師法第22条)
患者に対する保健指導も歯科医療の一部である。
C 診療録の記載と保存義務(歯科医師法第23条)
診療録は患者と医師との診療契約に基づく診療過程を記載するもので大事な職務である。
医療過誤が生じた場合に、診療録は解明のための重要な文書となる。司法上の証拠としては、日本では一般文書には証拠能力は無いとされている。しかし診療録は業務の通常の過程において作成された書面に含まれ、例外的に証拠能力のある書類と見なされている。(刑法第323条)
民事上は文書は証拠能力を有するので、診療録は重要な証拠とされる。
D 患者の秘密を守る義務(刑法第134条)
業務上知り得た他人の秘密をみだりに漏らしてはならない。
(6) 患者の人権
患者の権利をうたった宣言として有名なものに、「リスボン宣言」がある、これは1981年の世界医師会総会で出されたものである。
リスボン宣言
実際的、倫理的、または法律的に困難であるかもしれないと言うことを認識した上で、医師は常に自己の良心に従い、また常に患者の最善の利益のために行動するべきである。下記の宣言は、医師が与えようと努める、主な患者の権利の一部を述べている。
法律又は政府の行動が患者のこれらの権利を否定する場合には、医師は適当な手段により、、それらの権利を保証または回復するように努力すべきである。
@ 患者は自分の医師を自由に選ぶ権利を有する。
A 患者はなんら外部からの干渉を受けずに、自由に臨床的および倫理的判断を下す医師の治療看護を受ける権利を有する。
B 患者は十分な説明を受けた後に、治療を受け入れるか又は拒否する権利を有する。
C 患者は自分の医師が、患者に関係するあらゆる医学的および個人的な詳細なことがらの機密的な性質を尊重することを期待する権利を有する。
D 患者は尊厳を以て死を迎える権利を有する。
E 患者は適当な宗教の聖職者の助けを含む精神的および道徳的慰めを受けるか、またはそれを断る権利を有する。
■ 医師・歯科医師の行政処分の見直し
医師・歯科医師の行政処分が平成19年4月から見直しになります。
(1) 現行
@ 戒告(行政指導)
A 医業停止(5年が上限)
B 免許取消
(2) 改正後
@ 指導(行政指導)
A 戒告(行政処分)
B 医業停止(年が上限)
ABの行政処分を受けた者には再教育を義務づけ
C 免許取消
再教育の仕組み
STEP1: 都道府県による弁明聴取(再教育)
STEP1: 厚生労働大臣による再教育受講命令
STEP1: 倫理研修・技術研修
* 行政処分の内容・原因により再教育の内容・期間は異なる。
STEP1: 再教育終了
* 再教育修了までの間は、病院・診療所の管理者になることができない。
医師法・歯科医師法の改正により、平成19年4月1日から氏名、性別、医籍の登録日、処分に関する事項が公表されることになり、厚生労働省のホームページに検索システムが設けられる予定。
■ 医療過誤訴訟の流れ
一般的には
(1)下準備(証拠保全など): カルテ・X線写真・検査記録・歯科衛生士実地指導記録簿・技工指示書等の当該患者に関する全ての医療情報を含み、その訴状の内容によっては、日計表をはじめとする会計帳票や領収書なども対象となる場合がある。
(2) 提訴(裁判所に訴状を提出します)原告側
答弁書(訴状に対する反論など)被告側
(3) 準備書面の提出
双方が「訴状」と「答弁書」をもとに追加事項を提出します。
(4) 証拠調べや鑑定
準備書面の提出で、原告・被告の主張が一致しない点について調べる。ここで問題になるのは鑑定人の選定で、原告(患者)のために鑑定証言をしてくれる専門家(医師、歯科医師など)を探すのが大変である。
(5) 和解又は判決
# 裁判所の仲介による和解
# 裁判長の判決
(6) 原告又は被告が裁判所の判決に対して不服がある場合には高等裁判所に控訴することができる。また高等裁判所の判決に不服がある場合には最高裁判所に上告することができる。
■ 医療情報の提供と法律
個人情報保護法 同意なしで提供の事例公表 省庁連絡会議
平成18年2月28日に開催された第3回個人情報保護関係省庁連絡会議で、個人情報保護法上の過剰反応が問われている情報提供において、以下のようなとりまとめが行われた。
★ 本人の同意を得ないでも個人情報を提供できる主な事例
# 警察や検察による刑事訴訟法に基づく医療機関への捜査照会
# 振り込め詐欺に関連して弁護士による弁護士法に基づく金融機関への照会
# 大規模災害や事故などに際して家族らから医療機関への安否確認
# 欠陥家電製品を回収するためにメーカーによる家電販売店への顧客名簿の提供要請
但しこれは個人情報保護法上の問題で刑法上の問題は別という考え方もありますので御注意を。
第134条(秘密漏示)
医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産婦、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
その根拠となるのが「医療・介護関係事業者における
個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」でその中には以下のような記載がある。
@ 法令に基づく場合
医療法に基づく立入検査、介護保険法に基づく不正受給者に係る市町村への通知、児童虐待の防止等に関する法律に基づく児童虐待に係る通告等、法令に基づいて個人情報を利用する場合であり、医療・介護関係事業者の通常の業務で想定される主な事例は別表3のとおりである。
根拠となる法令の規定としては、一般に刑事訴訟法第218条(令状による捜査)、地方税法第72条の63(個人の事業税に係る質問検査権、各種税法に類似の規定あり)等が考えられる。
これらの法令は強制力を伴って回答が義務づけられるため、医療・介護関係事業者は捜査等が行われた場合、回答する義務が生じる。
また、刑事訴訟法第197条第2項(捜査に必要な取調べ)等については、法の例外規定の対象であるが、当該法令において任意協力とされており、医療・介護関係事業者は取調べ等が行われた場合、回答するか否かについて個別の事例ごとに判断する必要がある。この場合、本人の同意を得ずに個人情報の提供を行ったとしても、法第16条違反とはならないが、場合によっては、当該本人からの民法に基づく損害賠償請求等を求められるおそれがある。
つまり刑事訴訟法197条と218条を混同してしまうとやっかいなことになるので注意が必要である。
■ 医療法における広告違反者への指導と措置
今回の医療法の改正によって、医業広告の緩和が行われましたが、それに違反した場合には以下のような措置が取られます。
@ 行政指導: 任意の調査、違反広告物の回収・撤去などの指導、書面による改善指導
A 報告命令又は立入検査: 都道府県知事、保健所設置市長の命令による
B 中止命令又は是正命令: 指導などに従わなかった場合には、期限を定めて当該広告を中止し、又はその内容を是正するように命じる
C 告発:
D 行政処分: 病院又は診療所の開設許可の取消、一定期間の閉鎖命令
罰則: 虚偽広告又は中止命令又は是正命令に従わなかった場合には6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金。
公表: 行政指導に従わない際には、原則として事例を公表し、患者や住民に対して当該違反広告に対する注意を喚起する
「カルテは公文書か?」。これはすでに決着した議論であると思っていたが、先日某所よりまたもや「カルテは公文書である」という意見が出てきたようだ。その背景には「法律によって作成が定められている」からなのだそうだが、はたしてそうなのだろうか?
まず、原則論で言うと、公文書とは「公務員が作成したもの、若しくは公務員が取得して保存した書類」を言うのが定説である。従って公的医療機関の作成したカルテは公文書なのだろうが、民間の一般的な医療機関で作成されたカルテは公文書とは言えない。
次に、法律で作成が定められている書類が公文書と判断されるかと言うことになるが、カルテ以外にも作成が定められた書類は沢山あり、それらが公文書であるという話は聞いたことは無い。
# 法律で作成が定められた書類などの代表例
(1) カルテ(医師法)
第24条 医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。
(2) カルテ(歯科医師法)
第23条 歯科医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。
(3) 点検整備記録簿(道路運送車両法)
第49条 自動車の使用者は、点検整備記録簿を当該自動車に備え置き、当該自動車について前条の規定により点検又は整備をしたときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載しなければならない。
1.点検の年月日
2.点検の結果
3.整備の概要
4.整備の完了した年月日
5.その他国土交通省令で定める事項
(4) 青色申告者の帳簿書類(所得税法)
所得税法における青色申告を選択したときの帳簿の作成と保存義務
第148条 第143条(青色申告)の承認を受けている居住者は、財務省令で定めるところにより、同条に規定する業務につき帳簿書頬を備え付けてこれに不動産所得の金額、事業所得の金額及び山林所得の金額に係る取引を記録し、かつ、当該帳簿書類を保存しなければならない。
これらの文書も含めて全て公文書と言えるのか?それともカルテに関しては他の条文などにより公文書と認定できるなんらかの背景があるのだろうか?
■ カルテは誰が記載するか?(厚生労働省見解)
(平成16年4月26日 厚生労働省医政局医事課回答・保険医協会資料より)
@ 医師法は第24条で診療録の記載義務を規定し、施行規則第23条で記載事項が規定されているが、「誰が記載するか」については特段の定め
はない。従って、医師の責任に基づき診療録の記載をすることになるが医師以外のものが診療録の記載を代筆することを否定していない。
その際、一人の患者に一人の医師が診療する場合は、医師以外の者が代筆した場合でも、代筆の部分に対し医師の署名あるいは記名・捺印を必ずしも必要としていない。
代筆の部分も含めて当該医師の責任で診療録が記載されたことになる。
A 診療録と同様、処方箋、診断書の記載についても、医師の責任に基づき、医師以外の者が代筆することは認められる。ただし、処方箋や診断書
は第三者に提示するものであるため、医師の署名、あるいは記名・捺印が不可欠である。
(注)療養担当規則においても診療録の記載と保存義務があるが、記載方法についての定めはない。従って、医師法の考え方が基盤となる。
しかし、、、診療録は公文書扱いであるため、実際の個別指導の際は診療録の記載は医師が行うこと、複数医師の場合は署名・捺印と指摘されてい
るため、厚生労働省保険局との再度の交渉が必要である。
つまり、医師法ではカルテの記載を、医師本人と限定していませんが、保険指導においては、医師本人の記載が原則とされているのが実情です。
歯科技工士は歯科技工士法第18条で「歯科医師の指示書によらなければ歯科技工を行ってはならない。」とされ、反対解釈として歯科医師は歯科技工士に技工を外注する場合には「歯科技工指示書」の発行が必要とされる。
では院内の技工士に技工を指示する場合にも技工指示書が必要かとの疑問が生じるが、同法には「ただし、病院又は診療所内の場所において、かつ、患者の治療を担当する歯科医師の直接の指示に基いて行う場合は、この限りでない。」という文言より必要ないことになる。と同時に、歯科医師が同院内で技工を行う場合にも歯科技工指示書が必要との意見が一部にあるようだが、歯科技工士への指示書さえ不要な事例において、歯科医師が自ら技工を行う場合に技工指示書が必要とはなり得ない。ただし、法的に云々はともかくとして、院内の管理体制として技工指示書に類する記録を整備することは重要なことでは無いかと思われる。
では技工指示書にはどの様な内容を記載しなければならないか?それは歯科技工士法施行規則第十二条(指示書)に以下のように記載されている。
一 設計
二 作成の方法
三 使用材料
四 発行の年月日
五 発行した歯科医師の住所及び氏名
六
当該指示書による歯科技工が行われる場所が歯科技工所であるときは、その名称
また当該歯科技工指示書は、電磁保存も可能とされている。
参考: 診療録等の電子媒体による保存について
(平成一一年四月二二日)(健政発第五一七号)
(五) 歯科技工士法(昭和三〇年法律第一六八号)第一九条に規定されている指示書
■ 双務契約における相互義務
歯科医療の契約の基本は「準委任契約」なのであるが、この契約の履行には術者だけの努力では達成できないという側面があります。それを「双務契約における相互義務」と言います。例えばどういうケースがあるかと言うと、
(1) 医師の指示したように薬を服用しない。
例えば、1日3回服用するように指示されている薬を、面倒だからと行って1日1回しか服用しない。
(2) 忙しいからと言う理由で、3ヶ月に1回くらいしか来院しない。
逆に言えば、家を建てるとき大工さんが建設現場に1ヶ月に1回くらいしか作業にこなかったらまともな家が建つでしょうか?
(3) 入れ歯が合わないからと言って自分で削って合わせる。しかしどうしようもなくなって直してくれと来院する。
服を買って、ウェストが太いからと言って自分で裁断して、細くなりすぎてきつくなったから直してくれと言う洋服屋のお客さんのようですね
(4) 歯みがきや禁煙食事指導に従わない
まぁ、これは歯科だけの問題ではないですが、喘息があるため禁煙を指示されたが、それに従わず喘息が治らないというケースなどが代表的でしょうか。
(5) 症状や病歴などきちんとした情報の提供がなされない場合
診断を行う場合、現在の情報はもとより、今までの病歴が大きく左右する場合があります。例えば、前歯の痛みが単なるむし歯なのか、それとも歯牙の破折が疑われるのかなどは、今までの打撲などの外傷の履歴が大きく関係します。それがなされないで、単にむし歯を詰めただけでは治らないケースがあります。
(6) 医療の対価としての医療費を支払わない
これは、ものを買ったり食べてもその代金を払わないのと同じです。「物を買ってもその代金を支払わず、支払いの意思がなければ、一般には万引き」といいますね。また、「物を食べてその代金を支払わず、支払いの意思がなければ、一般には食い逃げ」ですね。
他にも沢山あるでしょう。(6)は双務契約などと言う難しい言葉を使う以前の社会的常識の欠如となるでしょうが。
また(5)の情報の提供については、以下のような判例があります。
医療行為は、その性質上医師と患者の信頼関係、協同関係を基礎として行われるものであるから、患者としても誠実にできる限り正確な情報を提供すべきであり、患者が誤った情報を提供した結果、医師が診断を誤ったとしても、医学常識に照らし容易にそれが誤った情報であることが判明する場合は別として、医師の注意義務が軽減すると解する。「神戸地裁判決平成6.3.24」
そこで、患者の協力や情報提供が、双務契約における法律上の義務となるかという点が問題となります。これについては解釈が分かれ、
@ 「患者の情報の提供が法的義務とされ、これを怠ると患者の債務不履行責任が問われ、患者の過失も問われる」と言う考え方。
A 「患者の情報の提供は信義上の問題での義務で、結果として債務不履行責任は問われないが生じた結果においては医師と患者における過失相殺が構成される。」と言う考え方。
が、存在します。そして現在では後者の考えが主流のようです。
つまり患者の債務不履行責任は生じないが過失相殺が生じるということであり、前述の判決においてはその過失相殺の割合は80%にも及んでいます。
なお、(6)の医療費の支払いは契約上の「相互義務」には入りますが、「医療費の未払いを理由に診療拒否を行うことはできない」ので注意して下さい。
これと似た例で以下のような事例があります。
某市の保育園で、保育料の滞納に対する対応として「滞納があった場合には退所する」という念書を書かせた事例で、これは「児童福祉法」上問題があり、退所をさせることはできず、あくまでも未払い保育料に対する強制徴収などの方法によらざるを得ないのです。
■ ワンポイント
# 歯科医療に係る領収書には「保険」「私費」にかかわらず印紙の貼付は必要ない。
# 文書料や自費診療費の決定に際して同地区の他の歯科医院の数値を参考にすることは問題ないが、歯科医師会などで一律に料金を設定したり目安料金を設定することは独禁法違反となる場合があるので注意が必要である。
# 歯科医師は照射録の作成は必要ない
診療放射線技師法
(照射録)第28条 診療放射線技師は、放射線を人体に対して照射したときは、遅滞なく厚生労働省令で定める事項を記載した照射録を作成し、その照射について指示をした医師又は歯科医師の署名を受けなければならない。
診療放射線技師法施行規則
(照射録)第十六条 法第二十八条第一項
に規定する厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
一 照射を受けた者の氏名、性別及び年齢
二 照射の年月日
三 照射の方法(具体的にかつ精細に記載すること。)
四 指示を受けた医師又は歯科医師の氏名及びその指示の内容
このように、照射録の作成は診療放射線技師にかせられた義務であり。医師、歯科医師が照射した場合の義務とは書かれていない。
# 歯科医師は放射線を照射することができる
診療放射線技師法
(禁止行為)第24条 医師、歯科医師又は診療放射線技師でなければ、第2条第2項に規定する業をしてはならない。
# 歯科医師がみずからの患者の歯科技工を行う場合には歯科技工指示書の作成は必要ない。
歯科技工士法
(歯科技工指示書)第18条 歯科医師又は歯科技工士は、厚生労働省令で定める事項を記載した歯科医師の指示書によらなければ、業として歯科技工を行つてはならない。ただし、病院又は診療所内の場所において、かつ、患者の治療を担当する歯科医師の直接の指示に基いて行う場合は、この限りでない。
# 歯科医師が歯科技工を行えるのはみずからの患者にたいしてのみ
歯科技工士法
(用語の定義)第2条 この法律において、「歯科技工」とは、特定人に対する歯科医療の用に供する補てつ物、充てん物又は矯正装置を作成し、修理し、又は加工することをいう。ただし、歯科医師(歯科医業を行うことができる医師を含む。以下同じ。)がその診療中の患者のために自ら行う行為を除く。
(禁止行為)第17条 歯科医師又は歯科技工士でなければ、業として歯科技工を行つてはならない。2 歯科医師法(昭和23年法律第202号)第7条第2項の規定により歯科医業の停止を命ぜられた歯科医師は、業として歯科技工を行つてはならない。
# 歯科医院での院内処方
歯科医院で院内処方をする場合には以下のような事項について注意する必要があります。
薬剤師法
(調剤)第19条 薬剤師でない者は、販売又は授与の目的で調剤してはならない。ただし、医師若しくは歯科医師が次に掲げる場合において自己の処方せんにより自ら調剤するとき、又は獣医師が自己の処方せんにより自ら調剤するときは、この限りでない。
1.患者又は現にその看護に当たつている者が特にその医師又は歯科医師から薬剤の交付を受けることを希望する旨を申し出た場合
2.医師法(昭和23年法律第201号)第22条各号の場合又は歯科医師法(昭和23年法律第202号)第21条各号の場合
歯科医師法
第21条 歯科医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護に当つている者に対して処方せんを交付しなければならない。ただし、患者又は現にその看護に当つている者が処方せんの交付を必要としない旨を申し出た場合及び次の各号の一に該当する場合においては、その限りでない。
1.暗示的効果を期待する場合において、処方せんを交付することがその目的の達成を妨げるおそれがある場合
2.処方せんを交付することが診療又は疾病の予後について患者に不安を与え、その疾病の治療を困難にするおそれがある場合
3.病状の短時間ごとの変化に即応して薬剤を投与する場合
4.診断又は治療方法の決定していない場合
5.治療上必要な応急の措置として薬剤を投与する場合
6.安静を要する患者以外に薬剤の交付を受けることができる者がいない場合
7.薬剤師が乗り組んでいない船舶内において、薬剤を投与する場合