『iDVD 5』レビュー
初稿2005.02.15、改訂2005.05.29
※お読みになる前に(iDVDの2層メディアの対応について)
PowerMac G5やiMacの2層式SuperDrive搭載によりiDVDでも2層DVD+Rメディアが使えるようになり、最長記録時間は240分になった。本原稿はiDVD発売当時の情報に基づいており、2層メディアに対応していなかった時の情報のままなのでご注意いただきたい(近日中にアップデート予定)。
iDVD 5とは
『iDVD 5』は、Apple Computerの「iLife'05」に含まれたソフトの一つで、簡単に高機能なDVDを作ることの出来るソフト(DVDオーサリングソフト)だ。DVDに加えられるコンテンツはムービーとスライドショー。バージョンも5になりシンプルな操作は変わらないがディスクイメージでの書き出しや、DVD±RWに対応したりと機能はだいぶ豊かになった。公式な記述は見当たらないものの、映像の最大収録時間はiDVD4と変わらず120分のようだ。60分を超えるものについては2パスでエンコードするためサイズの割に高画質な映像が得られる。それでは『iDVD 5』について詳しく見ていこう。
※『iDVD 5』の新機能については「iDVD5新機能レビュー」にまとめた。本ページでは新機能というより機能全体の紹介に焦点をあてるので、「iDVD5新機能」についてはそちらをご参照いただきたい。
テーマ
初心者でデザインに自信がない、という方でも簡単におしゃれなDVDを作ることのできる機能が『iDVD』には、ある。それが「テーマ」という機能だ。メニューの背景やボタンなど、プロのデザイナーの手によってあらかじめ作られたテンプレートがあるのでそれを選んだ上で作業を進めるだけでいいのだ。もちろん背景だけでなくボタンの形やテキストなど、テンプレートを変更したりカスタマイズを加えることもできる。また、カスタマイズしたものをオリジナルテーマとして保存して何度も利用することも可能だ。ただ、テーマによってはボタンの数などデザイン上の制約が出てくるので自分の作りたいプロジェクトをよく考えてベストなテーマを選択していただきたい。
ドロップゾーン
iDVDのドロップゾーンというのはかなり面白い機能だ。DVDのメニューの中にメニューの一部としてムービーやスライドショーを設定することが出来るのだ。『iDVD 5』ではさらにこのドロップゾーン自体が動くテーマが登場した。
例えば『iDVD 5』についてくるデザインのテンプレートであるテーマ「Travel Cards」では、動くドロプゾーンが設定されており、そのゾーンの中だけでムービーやスライドショーを再生させることが可能だ。設定はきわめて簡単でドロップゾーンに設定したい画像やムービーをドロップするだけ。なお、ドロップゾーンはあくまでも背景なのでムービーへのリンクなどを設定することは出来ない(ドロップゾーンの上にボタンを配置することは出来る)。
チャプター
『iDVD』ではチャプターにも対応している。チャプターマーカーの設定はiMovieで行う。そこで設定したチャプターマーカーは環境設定で設定しておくと、iDVDに持ってきたときにそのまま読み込まれる。
オープニングムービー
『iDVD 5』では、オープニングムービーを設定することが可能である。オープニングムービーとは、DVD再生時に最初のメニューが表示される前に自動で再生されるムービーのことだ。さらにこのオープニングムービーはループ再生も可能なのでオープニングムービーの機能を活用すれば、展示会や店頭でDVDを入れるだけで自動でムービーを再生し、そのままずっとエンドレスで流しっぱなしに出来るDVDが作ることができるのだ。
作成の仕方はマップを表示し、「ここにドラッグした内容が〜」と書いてある枠にオープニングムービーとして設定したいムービーをドロップするだけ。さらにループさせたい場合はオープニングムービー選択状態で「高度な操作」メニューから「ムービーを繰り返し再生」を選択すればOKだ。注意したいのは、オープニングムービーをループ再生設定すると、それ以降のメニューやムービーはプレイヤーによっては見ることができなくなってしまうので要注意だ。
iLifeとの連携
iLifeとの連携も非常に優れていてiPhotoやiTunes、iMovieなどはiDVD内のサブウィンドウから簡単にアクセスすることが出来る。プロジェクトへの追加はサブウィンドウからメニューウィンドウへドラッグ&ドロップするだけだ。また、iMovieで設定したチャプターマーカーを使ってiDVDでDVDのチャプターとして読み込むことが出来る。
iDVD 5を使ってみよう!
それではいよいよ『iDVD 5』でDVDを作ってみよう。『iDVD 5』で扱えるムービーのフォーマットはQuickTime形式なのでiMovieから書き出したムービーやDVカメラから読み込んだムービーなどはそのまま素材として読み込むことが出来る。操作は基本的にドラック&ドロップ。背景を設定したければ「設定」タブの背景に素材をドロップすればいいし、ムービー再生ボタンを設定したければそこにムービーをドロップすればいい。「ムービー」フォルダに入れておいた動画は「メディア」タブから簡単にアクセス可能なので素材はそこにまとめておくと便利だ。
実際に流れを追うと、まずDVDに収録したいムービーをメニューにドロップする。テーマにもよるがそうするとメニュー上にアイコンが表示されるのでサムネールとなるムービーの画像を選択し、サブウィンドウでボタンの形などを設定する。ボタンの配置はグリッドに沿わせることも、自由に配置することも可能だ。また、アイコンが表示されない場合は、サブウィンドウの「設定」タブからボタンのスタイルを選択すると表示されるはずだ。
同様にしてムービー、スライドショーなどDVDのコンテンツを追加し、ドロップゾーンなどを利用した(利用しなくても可)メニューの設定が終わったらいよいよDVDの作成だ。右下にある作成ボタンを押すとエンコードが開始される。なお、60分以下のムービーについては環境設定でバックグラウンドエンコードも設定可能だ。60分を超えるムービーは2パスでエンコードしているようなので非常に時間がかかるがサイズの割に高画質な映像にすることが出来る。
プレビューのすすめ
時間がかかって面倒かもしれないが、個人的にはDVDのプロジェクトは一度DVD-RWなどに焼いてテレビの画面でプレビューしてみることをオススメする。特に慣れないうちはテレビの画面に移したときに初めて気が付くことがあるはずだ。このボタン、もう少し右に寄せたいな、テキストが小さすぎて読めないな、などなど。
『iDVD 5』ではプレビューに便利な2つの機能が増えた。DVD±RWの対応とディスクイメージでの書き出しだ。DVD±RWは書き換え可能なディスクなのでコストもかからずプレビューすることができる。ディスクイメージでの書き出し対応は、Apple DVD Playerでのプレビューを可能にする。動作確認はMacではない単体のDVDプレイヤーがいいと思うのだが、面倒な方は最低でもこちらで動作を確認することをおすすめしたい。
iDVDで出来ないこと
残念な点としては、2層式のDVDを作ることはできない(対応済み)。また、MPEG2のデータを素材として読み込むこともできない。この辺は次のバージョンでの対応を期待しよう。
iDVD 5は便利!
以上の通り『iDVD 5』は非常に簡単な操作で高度で美しいDVDが作れるソフトだ。『iDVD』は、多少なれてくると物足りなくなってくる部分もあるが、次の選択肢となる「DVD Studio Pro」の敷居は多少高いので、モーションメニューを利用したドロップゾーンやオープニングムービーなどを駆使して、オリジナリティあふれるDVDを作っていただきたい。
なお、iDVDなどで作成したDVD-Rの複製は、Mac OS Xに標準で付属する「ディスクユーティリティ」を使うことで簡単にコピー出来る。詳しいDVDのコピーの仕方は、AppleのTech Info Libraryをご参照いただきたい。
