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 エンジンのチュ−ニングにともなって大容量インジェクタ−に交換する場合が有りますが、その時に以下の様なことが心配されます。

 まず、インジェクタ−とECUの関係を簡単に説明します

インジェクタ−のばらつきグラフ
 インジェクタ−の流量とECUから出る駆動パルス幅との関係は上のグラフの様になります。
このグラフはインジェクタ−のパルス幅に対する理論値流量と実際の噴射量のズレをグラフにした物で、理想的なインジェクタ−の場合はナナメの黒線とかさなりますが、
実際のインジェクタ−は赤や青のラインの様に理論値からばらついたグラフとなります。
 理想的にはパルス幅と流量は比例関係にあるべきですが、インジェクタ−が駆動パルス幅に対して噴霧されるガソリン流量に生じるばらつきを流量の直線性と言います。
この直線性はパルス幅が短い領域で大幅に悪化します。(グラフの黄色い部分)この理由の内の1つが以下による物です。




 ECUからのインジェクタ−駆動パルスは、上の図のようにきれいな方形波です。しかし、インジェクタ−に流れる電流波形は、インジェクタ−の逆起電力により遅れが生じます。
これは、インジェクタ−の構造が電磁石の原理で噴射ノズルを駆動しているため、コイルに電流が流れる際に発生するものです。駆動パルスの幅が十分長い場合にこの遅れは
無視できる範囲ですが、右図の様にパルス幅が短くなると逆起電力による遅れ等で(ほかの理由もありますが割愛します。興味のある方はメ−ル下さい。)、本来噴射される
べき流量と実際に噴射される量に差が出てきます。


 これは、インジェクタ−を大流量の物に交換した際に気を付けなければいけないことを意味します。話を分かり易くするために仮定のインジェクタ−と駆動パルスで説明します。



 仮に2倍の流量のインジェクタ−に交換した場合、そのままではアイドル時も倍のガソリンを噴射してしまうためエンジン不調になってしまいます。そこで、燃調を取ることに
なりますが流量が2倍流れているので、ECUからの駆動パルスが半分になるように燃調を取ることになります。
 このとき、駆動パルス幅が上のグラフの黄色の領域になってしまうと、本来ねらったガソリンが噴射されずにアイドル不調などの原因になります。タ−ボ車の場合ノ−マルの
状態でも、不安定領域(グラフの黄色領域)ギリギリの所でセッティングしてる場合が多いので大容量インジェクタ−に交換した場合は黄色領域になる可能性が高いです。

 実際に大容量インジェクタ−に交換した場合は全ての領域で燃調の見直しが必要で、アイドル安定性よりこちらの方が大きな問題となります。レ−ス仕様などで有る特定の
回転数だけ調子が良ければOKと言った使われ方ならあまり問題にはならないでしょうが、街乗り主体の自家用車では、大容量インジェクタ−への交換は大きな賭であることは
間違い有りません。