アフターパーツで強化ラジエターキャップを見かけます。このパーツは誰でも簡単に交換できるので交換している方もそれなりにいるようですが、目的がはっきり
しないで付けると痛い目に遭うことになります。
●ラジエターキャップって何をする物
水は100度で沸騰します。もしラジエターキャップがないと車の冷却水も100度で沸騰してしまいますが、運転条件によっては水温が100度以上になることも
あるので100度で沸騰しない様にラジエターに圧力を掛けておくための物です。
一般的に純正のラジエターキャップは90KPa程度のの圧力が掛かる様になっています。(エボの場合の既定値はは93KPa〜123KPaです。)
この場合、冷却水の沸騰する温度は120度くらいです。(LLCの濃度や気圧で変わってきます)
●純正のラジエターキャップで不都合がでるの?
冷却水を循環させるのにウォーターポンプを使いますが、純正のラジエターキャップではこの循環がうまくいかない場合が有ります。ウォーターポンプは羽根が
冷却水の中で回転することで冷却水を循環させます。羽根はクランクシャフトの回転と比例しているのでエンジンが高回転になると羽根も高回転します。
この時、羽根の高回転になるとキャビテーションと言う現象が発生して泡が発生します。泡は空気なので水より熱交換がうまくいかず、エンジンからの吸熱と
ラジエターからの廃熱がうまくいかなくなります。(LLCには泡の発生を抑えるために消泡剤が含まれています。)
このキャビテーションの発生を抑えるには、次の方法が考えられます。
1.泡が発生しにくいLLCを使う。
2.ラジエターの中の圧力を上げる。
強化ラジエターキャップは2番目の圧力を上げてキャビテーションの発生を抑えます。
●強化品に交換するとマズイ事はないの?
強化品に交換すると良いことばかりではありません。
1.純正では120度位でラジエターキャップから水蒸気を吹くのでオーバーヒートがすぐに分かりますが、強化品では130度位まで水蒸気がでません。
水温計に注意していないとエンジンに大きなダメージが出ます。
(純正の水温計は当てになりません。オーバーヒートしそうになって、初めて針が動き出す感じです。強化品をいれるなら社外の水温計も入れましょう。)
2.ラジエター内部の圧力が高くなるのでホースのつなぎ目やパッキン部分から水漏れしやすくなります。
3.同じように圧力が上がるのでラジエターが変形する場合もあります。
●どうしたらいいの?
街乗りや高速を流すぐらいでは強化ラジエターキャップ必要有りません。常に高回転を多用するサーキット走行やジムカーナでしかその効果は有りません。
街乗りや峠レベルでは強化ラジエターキャップの効果は無いばかりか、水漏れ・オーバーヒートの心配もあります。今、水温の上昇に悩んでいる人は純正の
ラジエターキャップへ交換してみましょう。ラジエターキャップ消耗品です。常に圧力にさらされているのでだんだん設定圧力が下がってきます。それほど高い
部品ではないので車検ごとに交換した方が安心です。