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  フロントパイプやマフラーを交換して排気効率を上げると低速トルクが細くなると言いますが、どうしてトルクが細くなるかご存じですか。
雑誌などには『抜けが良くなると下のトルクが細くなる』と書かれていますが、実際にどんなメカニズムでトルクが細くなるか知らない方も
いると思います。これを説明する前にバルブタイミングを理解してもらう必要があります。

  下の図(左側)は一般的なエンジンのバルブタイミングです。ランエボ9から可変バルブタイミング機構が搭載されましたが、その機構で
進角した場合は上の図(右側)のように進角します。
バルブタイミングバルブタイミング(進角)

  これを見ると分かるように、吸気バルブは上死点前に開き始め、排気バルブは下死点前に開き始めます。普通に考えると、下死点前に排気バルブが
開いてしまうとガソリンの爆発圧力がそこから出てしまい爆発力が無駄になってしまうと思う方もいると思います。
しかし、開き始めたバルブが最大に開くまでに時間が掛かることや、エキマニの中に他の気筒の排気圧力が残っているので、実際にはガソリンの爆発
圧力は排気バルブからほとんど漏れません。しかし、排気効率の良い部品に交換するとエキマニに残っている他の気筒の排気圧が低くなり、純正状態
では漏れなかった爆発圧力が漏れるようになってしまい、低回転のトルクが減少してしまいます。

  ターボ車の場合は排気バルブとタービンまで(エキマニ)の圧力を1次排圧、タービン以降(フロントパイプ、マフラー)の排圧を2次排圧と言います。
マフラーやフロントパイプを効率の良い物に交換した場合は当然2次排圧は下がりますが、1次排圧はそれと連動していません。また、カーメーカーに
よってバルタイの基本的なセッティングに差があるので、抜けの良いパーツに交換した場合、低速トルクがそれほど細くならないメーカーと影響が大きな
メーカーが有ります。(N車は比較的影響が大きなバルタイになっています。

  ですから、排気効率の良い部品に交換して低速トルクが細くなった場合は、バルブタイミングを調整すれば解消されます。MR以前の4G63でバルタイの
調整をするには、タイミングベルトのスプロケットを調整式に加工してセッティングしますが、ランエボ9の様にエンジン回転数や負荷でバルタイを変更でき
ないので、狙った回転域がベストになるようにセッティングして、その他の回転域は多少目をつぶるしか有りませんでした。又、セッティングの見直しをする
場合はエンジンを開けてスプロケットを調整する必要が有るので、簡単にセッティングの変更は出来ません。

  しかし、ランエボ9からは任意の回転域のバルブタイミングをECUでコントロールできる様になったので、全ての回転域でベストのバルタイにセッティングが
可能となりました。また、エンジンを開けずに調整が可能になったので、セッティングはそれ以前のエンジンと比較して格段に取りやすくなっています。