競泳のトレーニング強化(上級者)

 はじめに上級者向きなので初心者・中級者の方は難しいかもしれません。トレーニングはただ泳ぐだけでは、上達しているのか解らず、飽きたりもしてしまいます。自分自身がどうすれば良いのかを考えていく事で水泳への魅力や楽しさ、体調管理まで繋がっていくことと思います。トレーニングメニューは無限にあると言われていますが、ここでは一般的な選手向けのトレーニングをご紹介します。水泳ライフを楽しんでもらえると幸いです。

1.トレーニングシステム

 トレーニング科学により、競泳で使用する身体全体を刺激することで、スピードが強化されます。以下の表は練習時に一番重要となる表です。これを目安に練習メニューをこなしていきます。
カテゴリー スイムスピード トレーニング 心拍数/分 レスト エネルギー源
エアロビック A1 〜+8秒 エアロビック 〜120 10〜15秒 脂肪
エンデュー
ランス
EN1 〜+2秒 ベーシック 120〜140 10〜30秒 脂肪
EN2 基準タイム+0秒
トレーニングスピード算出値
スレッシュホールド 130〜170 10〜30秒 脂肪
グリコーゲン
EN3 −4秒〜 オーバーロード 160〜180 30〜60秒 グリコーゲン
スプリント AN1 MAX(限界) ラクテート
トーラレンス
MAX 1〜3分 グリコーゲン
AN2 MAX(限界) ラクテート
トーラレンス
MAX 8〜10秒 グリコーゲン
AN3 MAX(限界) パワー 140〜170 30秒〜 クレアチリン酸
(注意)心拍数は練習中、常に取るようにしましょう。トレーニングが適切かどうかは反復練習が終わった直後に脈を計るのがベストです。計り方は手首や首などの頚動脈に指先を当てる。10秒間の数×6倍で1分間の脈拍を算出するのが一般的である。

システム トレーニング 使用頻度
A1 ・エアロビック(AE)で、有酸素トレーニング。ウォーミングアップやリカバリースイムなどに対して使用していく。 ・ほぼ毎日の中で取り扱う
EN1 ・毎日の練習のベース(基礎)となるトレーニング。ここでは、常にフォームを大切に泳ぎより良いフォームの確立を目指す。
この練習は単調なものになりやすい傾向があるので、飽きないように、エ夫をしていく必要がある。
・週におよそ2〜3回程度行う
EN2 ・スレツシュホールドトレーニング。(ATトレーニング)
つまり、有酸素代謝から無酸素代謝に変わるぎりぎりの強度で行う。
持久力向上には欠かせないトレーニング

例えば…50mx20本1t〜5t・DES・A1〜EN1に上げていく。
(70〜75”)6t〜10tEN1で泳ぐ 11t〜20tトレーニングスピード
・週におよそ2〜3回程度行う
EN3 ・オーバーロードトレーニング。
オーバーロードとは…トレーニング原理のなかで漸増的過負荷 の法則と呼ばれるもので、トレーニングを続けることにより、負荷 に対して体の生理的機能が適応する上で、体力レベルの向上に応じて次第に運動負荷を増していくこと。

例えば…50mx28本 1t〜6t・DES・Al〜EN3に上げていく。
      (70〜75”)7t〜18tEN2/Hard交互   19t〜28tHard・全力
・ストレスがかかりやすいので、控えめに おこなう。 週に1〜2回程度。
AN1 ・ラクテートトーラレンス(耐乳酸)トレーニング。 乳酸による筋肉の痛みを和らげる(緩衝能力)の向上が目的。
例えば…50mx16本(1’30”〜)  Bestで3本(MAX)×1本イージースイム×4set
・週に1回程度が適切
AN2 ・ラクテートピーク(乳酸形成)トレーニングで無酸素代謝を向上 させ、スピード能力の改善を図る。 ストレスが非常にかかるため頻度は慎重に行う。
例えば…50mx6〜12本(5’)  すべてをMAX〜最大スピードで泳ぐ。
1tづつをDatoとして記録しておき、次回に  その平均タイム以上の記録を残すように練習していく。
・2〜3週間に1度くらいを目安に考えていく
AN3 ・パワートレーニングで筋肉と神経系に刺激を与えてパワーの向上を図る。 25M以下(20秒以下)を、最大努力(レーススピード以上)で泳 ぐ。 ・週に3〜5回が目安


2.トレーニングスピード算出

練習メニューでの制限タイムの基準を以下で算出してみましょう。この時、必ず一定ペースで30分間泳(T-30)を行うことでその時期の体力などで正確な変化したタイムを算出することができますので、実際にプールへ行ってテストして下さい。30分間泳(T-30)は3週間に1度テストしてみるのがベストかもしれません。
↓30分間泳の結果の距離を入力し「計算」をクリックして下さい。
30分間泳の距離 m

システム 500m 400m 300m 200m 100m 50m
A1
EN1
EN2
EN3
AN1 MAX MAX MAX MAX MAX MAX
AN2 MAX MAX MAX MAX MAX MAX
(注意)キックやドリルなどは、除く。計算結果で、小数点以下は四捨五入と考える。

3.練習メニュー作成方法

一般的な練習メニューについて簡潔に紹介します。練習を行っていく上で、大きく分けると以下の3つです。

1.年間プログラムを立てる。

@年間プログラムを立てる際、目標となる
試合種目タイム設定が必要である。
A年間トレーニングを立てる際、夏季(4月〜9月)と冬季(10月〜3月)の2シーズンで考えるのが一般的である。また、前年度の練習量と比較しながら行うと更に良い。

2.トレーニングシステム

@一般的には、
ミドル(月間単位・週間単位)、ミクロ(日単位)で分類されており、こちらも前年度と比較し不十分は補充していくようにします。

3.トレーニング管理

@乳酸カーブテスト・・・血中乳酸測定装置を用いて、水泳中のOBLAスピードを測定し、有酸素的能力を改善する為のトレーニングに応用する。
AT-30
全力で30分泳いだ距離により、OBLA(血中乳酸蓄積開始点:Onset of Blood Lactate Accumulation→血中乳酸濃度が4mmol/lに達した時点)スピードが推測できるテスト。
Bスピードテスト
測定方法は色々あるが、300m、400m、600mの距離を2本(3本でも良)スピードを変化させて泳ぐ事でOBLAスピードを測定できる。
Cゴールセット
定期的に同じプログラムを行い、平均・最高タイムを比較することで能力向上の度合いを調べる。短距離選手に多く使われる。


(補足)心肺機能、技術の向上を目指すことが練習であるので、しっかりとドリルを取り入れましょう。




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