コンセプト


「なぜあえて自分の国を悪玉にしたてるのか?」

 Shadowrunの世界で日本はカリフォルニアを満州国のような傀儡国家とし、ハワイの独立に干渉し、多分同じことを多々やっているであろうと思われる存在です。
 映画や小説的に呼べば、悪の帝国ですね。名称もそのまま日本帝国です。これはもう「悪役」として設定するしかないじゃないですか?

「なぜあえて自分の国を悪玉にしたてるのか?」
 もし、あなたがそう問われるなら、こうお答えしましょう。
「だって、面白いじゃん」

 明確な特長は以下の通りです。
 1.日本帝国は見かけ上、強力な国家である。
 2.日本のメガコーポは外で自由競争し、国内では外国企業を排斥するために談合している。また、国に対しては愛国的に見せようとしている。
 3.日本帝国を維持している力には「魔法」も入っている。
 4.しかしながら多数の難民、メタヒューマン、それに「覚醒」した朝廷にまつろわぬ民たちなど、帝国は数々の問題をかかえている。
 5.2050年代にはこれらの問題がいくつかの大都市でふきだし、治安の維持が限界に達しつつある。
 (このような都市でランは行なわれます)


プレイヤーキャラクターの立ち位置---現代日本人としてのプレイヤーの視点2000-Sep 追記


 このような社会でプレイヤーキャラクターはどのような位置にあるでしょう? シャドウランはサイバーパンクRPGですから、社会の歯車はあまりふさわしくありません。どちらかといえばこんな社会に疎外された人々です。社会の歯車であっても上司に睨まれリストラ寸前の社員というところでしょうか。
 現代日本であれば、前科者、不良、失業者、浮浪者、やくざ、チーマーのようなギャング、いじめられっこ、遺伝病の家系、なんらかの理由で戸籍のない人、不法就労外国人、在日韓国・朝鮮人および中国人、同和集落出身者等の人々に該当者を見出すことができるでしょう。この架空の日本でもそれは同じです。加えてメタヒューマンと戸籍に相当するもののない人々が2029年のコンピュータクラッシュおよび疫病の蔓延の混乱の中で生まれています。
 早い話が、生まれや不運や自身の気骨、そして恐怖や嫉妬などの感情によって差別を受ける境遇にあるのがプレイヤーキャラクターの社会的位置なのです。
 もちろんそのような差別を受けている人々にもいろいろいますが、サイバー「パンク」である以上、ただの負け犬ではいけません。自分たちをこのようないわれない苦境に追いやる組織や社会に対して負けない気持ちを持っていなければなりません。その気持ちの表れは社会に対する抵抗運動(音楽によるにしろ、テロに走るにしろ)や、自分の力で(カネの力にしろ、名声にしろ)で差別[ハンディキャップ]を跳ね返してやろうというものでもかまわないでしょう。意地というのが一番簡単な表現でしょう。
 ですから、キャラを作るときには彼または彼女がどういう境遇なのか、そしてどのような意地を持っているかを考えるのがコツです。置かれた境遇と、得意な技能などは自信と意地の裏付けになるでしょう。
 では、ランとは彼らにとってなんでしょう?。ありていにいえば、自分たちを差別している社会や組織、唾棄すべきそいつらからカネをむしりとる行為です。この殺伐とした時代、カネほど頼りになるものはありません。テロリストだって活動資金なしには何もできません。これは純粋にビジネスの関係です。プレイヤーキャラクターは通常、副業にしろ専業にしろ、そのような裏仕事を請け負って暮らしや自身の野望の糧としている者たちと位置づけられます。これがシャドウランナーです。
(したがって、キャクターどうし、あるいは雇い主との関係はドライなものになりがちなのが普通です。なにしろカネを稼ぐための臨時仕事に集まっただけの日雇いの関係な上に、雇い主も仲間も信頼できるという保証はないのです。しかし、ビジネスの関係ですから信用は重要です。無闇な裏切り行為にはそれなりの報復があるでしょう。そして報復もできない者は弱い者を食い物にする手合いにねらわれる危険があります。すぐ裏切る者に仕事をまわす手配師[フィクサーなど]もいません。評判は重要です。ただ・・・雇い主は巨大な力を持つがゆえに弱いものを虐げて平然とする組織である場合が多いため、裏切る危険は高いでしょう。彼らが裏切っても報復の危険は少ないけれど、彼らを裏切ればその圧倒的な力で必ず報復できると知っているからです)
 日本帝国設定はそのようなビズを前提としたシナリオを想定しています。しかし、多少の手間はかかりますがそうでないシナリオにも応用可能です。シャドウランナーはビジネスとして裏仕事をひきうける雑多な人々ですが、これをビジネスではなく、その生活、人生そのものにからめた事件にしてしまえばよいのです。ただ、その場合はプレイヤーキャラクター全部にある程度の制限が必要でしょう。また、境遇についても念入りに作りこんでおく必要があります。たとえば、全員ギャングメンバーで仲間を守り、縄張りを広げ、のしあがっていくキャンペーンをやることもできるでしょう。あるいはメタヒューマンの互助組織の一員で、仲間の無念をはらし、同族を守る仕事をやっているのでもよいでしょう。はたまた組織の歯車で、思うにまかせぬ上司の思惑で難儀な仕事をこなしてゆくのでも、あるいは警察の捜査課でストリートにおきた悲劇的な犯罪を追うこともできるでしょう。いずれにも権力や社会の壁にしいたげられた人々が(PCでもNPCででも)存在すればよいのです。それと、容赦ない死の存在を忘れないことです。意地を張り通すときは命がけの覚悟が必要なときもある、ということですね。

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