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2000/07/16(日) 東京・山梨・神奈川

和田峠を行く

和田峠と夕焼小焼バス停

走行区間: JR青梅線 青梅駅〜梅ヶ谷峠〜武蔵五日市〜本宿〜上川乗〜甲武トンネル〜棡原〜和田峠〜JR中央線 高尾駅 72km



朝起きると小雨がパラついている。ツーリングを決行するかどうか迷いもしたが「この程度なら逆に涼しくて良いか」と考え直した。もちろん「(まあ、本格的に降られたらドコぞで飲むか・・・)」との不埒な思いがあったことは言うまでもない。

今日は青梅から武蔵五日市〜棡原間の「甲武トンネル」を経て陣馬街道の「和田峠」へ向かうという予定で、全行程の殆どが登っているか下っているかというまことに夏向きじゃないルート。今回、和田峠を目指したキッカケは筆者がお世話になっている 55kazさんや おおまぐろさんのホームページに話題が出ていたからなのだが、青春18キップの有効開始日を目前にしてあまり遠出をしたくなかったというのが実際の本音であった


梅ヶ谷峠にて撮影

青梅を出発した後は吉野街道を使い梅ヶ谷峠入り口に向かうと、朝とはうってかわって晴天の空が広がっていた。

甲武トンネルや風張峠、鋸山へ向かうときは武蔵五日市か奥多摩を起点にするのが一般的なのだろうが、筆者はいつも青梅駅を起点にしている(「風張峠を行く」でもそう)。これは青梅から武蔵五日市の途中にある梅ヶ谷峠を越えることで当日のコンディションを確認できる(気がするだけ)というのが理由だ。

梅ヶ谷峠は登る距離こそ短いが勾配は結構きつく、ここをどれ位の調子で越えられるかで自分の調子が計れる。楽に感じれば風張峠〜今川峠、甲武トンネル〜松姫峠のような長いルートでも大丈夫だろうし、キツく感じるなら峠を一つ越えたところでさっさと引き上げれば良い、という具合だ。

今日はどうかというと「なんかイマイチ」な感じ。暑さのせいなのか、はたまた前日の酒が残っているせいなのかは解らないけど思ったように足が出ていかない。峠で息を整えながら「(和田峠へのアプローチはキツイかもしれないなあ・・・)」などと既に言い訳モードに突入している。

梅ヶ谷峠から坂下交差点まで軽快に下った後は武蔵五日市を経由して檜原街道(県道33号)を進む。秋川渓谷沿いに続く檜原街道は日陰の箇所が多く、清流の雰囲気とあわせて暑さを気にせず走れる。しかし日陰が切れる箇所も当然あるわけで、その度にボヤキが入ってしまう。

本宿を通過すると秋川を左に見ながら上川乗まで走れるが、その涼しげな風景から早々に休憩したいという欲求に駆られた。青梅から一時間位しかたってないので「(休憩にはまだ早いなあ)」と理性では思いつつ「(早よ飲も!)」という悪魔の囁きが脳を這い回る。理性と悪魔の勝負、これはもちろん悪魔の圧勝で幕を閉じた。





秋川渓谷(上川乗の手前2km)で撮影

入渓後は、素早くビールとトマトを川に入れて冷やし始める。今日は朝食を食べていないのでこれが代わりとなるのだが、その割には(途中の売店で買っておいた)トマト三つと家から持ってきたサンマの水煮缶、ビールというメニューはヘビーだったかもしれない。でも甲武トンネルへの登坂を控えて荷物はできるだけ減らしたかった。

楽しい食事と小休憩が終わり、再び檜原街道へ戻って上川乗を目指す。

檜原街道は林道への分岐を除くと鋸山(本宿経由)、風張峠・甲武トンネル(上川乗経由)へと続くため、武蔵五日市に引き返さない限り必ず峠越えをしなければならない。その中で今日通過する甲武トンネルは一番簡単に登れるのだが、これから先は日陰が期待できないので気分的には辛い。

甲武トンネルへと続く道を見上げ、ため息を一つついたところで登り始めた。勾配の最高は9%位だろうか、ペダルを践んだ分だけ確実に高度が稼げるので登っている最中の景色がそこそこ良いのが救いだ。ただ下から上ってくるオートバイの数にはちょっと閉口してしまうが。

つづら折れの登坂を十数回繰り返したとこだろうか、一つ目のトンネルが見えてくると勾配が緩くなる。そして二つ目のトンネルにさしあたるとそこが甲武トンネルだ。

 
 
 

甲武トンネル(東京側)で撮影

しかし暑い、標高600m位じゃ全然涼しくならんか。となれば展望すらないこの甲武トンネルに用はないので、さっさとトンネルを抜けて棡原へと下り始める(近くにある獣道のような遊歩道から浅間峠には行けるけど)。棡原までの下りだが、暴走防止用のハンブ舗装が施されている箇所が多数散見され走りにくくなっている。

そういえば、ここでBD-3は2回もパンクしたんだよなあ、と嫌な思い出が蘇る。ツーリングの最中、しかも走行中にパンクした今までで唯一の事象だ。もっとも、そのBD-3はもうないが。

甲武トンネルから棡原の中間まで来ると、道からハンブ舗装が消え走りやすくなる、と同時に集落に到着する。学校なんかもあるので飛び出しなんかに注意をしながら速度を抑え、棡原にある売店で水の補給を行った。

今日は棡原から県道522号を使って奈須部、上河原を経由して陣馬街道(県道521号)に出る予定でいたが、ここでルートミスをした。県道522号を走っているつもりが檜原街道と併走する町道を走っていたのだ。県道522号への復帰も出来ずに甲州街道(国道20号)へ出てしまった為、新町三叉路から上河原まで登り返さなければならなくなった。

新町三叉路から上河原へのアップダウン後、上を見上げてはため息をついていた。正直、和田峠までのアプローチは甲武トンネルの時よりもはるかに気が重い。日陰も少ないだろうし、なにより勾配がキツイからだ。勾配を表す標識がないので正確な勾配は解らないが、10%前後だろう。

実はこれと似たような道がある、それは数馬〜風張峠間の登坂だ。風張峠を知らない人には申し訳ないが、数馬〜風張峠間の距離を短くし、勾配はそのままにして、つづら折れのカーブを倍にしたような感じだと表現すればよいか。

随分前に和田峠へ訪れたときは初冬で雰囲気もよく、キツイ勾配でもなんとかなったが、今日は真夏日。ふう、意識が遠くなる。
 
 
 
 

バス停「夕やけこやけ」で撮影

案の定、脚が出ない、減り続ける水、そして止まらないボヤキ。とりあえず陣馬相模自然公園センターまで自販機が点在するのが唯一の救いだが、とても一気に和田峠まで登れそうもない。この先にある手打ちうどん屋で「昼には早いけど昼食も兼ねて休憩しよう」とペダルを必死に回し続ける。

手打ちうどん屋に到着後は倒れるんじゃないかという位フラフラになりながら軒先に転がり込んだ。このお店の名前は「白河うどん」といい、普通の民家の広間を使って営業している。メニューは煮込みうどんとざるうどん、釜揚げうどんの三種類しかないが、味はなかなかで今日はざるうどんを頼む。

この昼食と休憩が効いたのか、身体の方も大分落ち着いてきたので再び和田峠を目指す。でも勾配は一向に緩くならなず、陽差しもきつい。「峠はまだかいな・・・、ったく」と繰り返しボヤくこと暫く、ようやく和田峠と峠の茶屋に到着した。
 

和田峠と「峠の茶屋」

峠での撮影を済ませ、八王子側へ下り始める。八王子側は今まで登ってきた道とは違って林に覆われていて涼しいが、道幅が狭く車の量も多いので気が休めない。しかも結構飛ばしてくる車とバイクもいてヒヤリとさせられることも多い。ともかくブレーキレバーを握りっぱなしで腕も痛いし、なんとも面白くない下りだ。

道幅が広くなり夕焼けこやけ碑のある宮尾神社に着いたが、立ち寄る気力もないのでさっさと先を急ぐ。バス停の「夕やけこやけ」を過ぎ高尾駅まで一気に走ったが、ともかく疲れた。夏場に向かないルートだとは解っていたが、まさかここまでとは。

汗だくでバイクをバラした後は中央線の汽車にすぐ乗り込んだ。しかし駅の売店でビールを買う気が起きないほどの疲労に、日頃の運動不足を思い知らされるツーリングとなってしまった。


■輪行区間と料金

 
[往路] JR青梅線 東京〜青梅駅 \890
[復路] JR中央線 高尾〜東京駅
\890