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2000年12月23日(土) 静岡

戸田峠を行く

−ヘロヘロ登る戸田峠−


駿河湾と富士が織りなすパノラマ

■始点 ■終点
JR東海道線 沼津駅 伊豆箱根鉄道 大仁駅
■走行区間・距離
JR沼津駅〜古宇〜真城峠〜瞽女展望所〜戸田峠〜修善寺温泉〜伊豆箱根鉄道 大仁駅 49km


淡島から遠方に見える富士

「ヘロヘロ登る戸田峠」とは主催の 55kazさんが今回の「横町」を呼びかけた際の呼称で、青春18きっぷ冬休み編が発売されたのを機に、伊豆半島にある戸田峠を越えて富士山を見ようという企画だ。

この企画の参加者は幹事の 55kazさんをはじめ、へっとこさん、くずてつさん、えのさん、美好さん夫妻、そして筆者の7人。各自沼津駅でバイクを組み立て、スーパーで買い物をしてから国道414号を進んでいく。

この国道での数キロは走っていて怖かった。道幅狭い、交通量多い、路面ボコボコ、歩道狭い、ドライバーの運転荒い、等々など。特にアスファルトが車のタイヤに沿って削れていた箇所では危うくハンドルを取られそうになったりもしたが、土肥方面へ続く分岐から駿河湾沿いに走るようになると状況は一気に好転する。

交通量がうって変わって激減、しかも駿河湾を眺めながら走れる状況に気分は俄然盛り上がる。もし、伊豆半島を目指そうとする方がいらしたら、伊豆箱根鉄道なんかを併用して国道を極力避けるようにした方が良いのかもしれない。

潮風の中、淡島へとペダルを進めていく。宿場を過ぎた当たりで駿河湾に目をやると頂が白くなっている山が飛び込んでくる・・・、ん?、ありゃ富士山か!。小さい港なんかでは駿河湾と富士を一緒に納めようと、三脚持って写真を撮っている方が多い。こちらも負けじとデジカメで富士を撮ったものの、広角寄りに写るこのカメラではその魅力も半減だ。でも、絞りとかが装備されているようなデジカメは大きくてフロントバックに入らんし思案のしどこではある。



県道127号 達磨山西浦線から見る富士

真城峠、戸田峠に続く県道127号達磨山西浦線の分岐がある「古宇」までは富士を見ながら走れるが、古宇から道は本格的な登りへと変化する。局所的に出現する10%を越すようなヘアピンでは汗がブワッと噴き出し、「こりゃタマラン」と、ジャケットを脱いで走り出したものだが、あと十日足らずで年が明けようとするこの時期に、暖冬とは言えする格好じゃあない。

美好さんの奥さんは既に押しが入っていた。「休み休み行くから大丈夫」というふれ込みから参加していた訳だけど、今の自分が置かれている状況に対し、我々の姿は悪魔か詐欺師に見えるのかもしれない。ただ、こちらも余力があるハズはなく、(地図を見た限りは)こんなハズじゃなかったんだけどなあ、と言い訳だけはしておきたい。サブタイトル通り「ヘロヘロ」登っているのが現状である。

分岐から300m近く登ったところで真新しいRの大きなヘアピンが現れ、ここをクリアーして駿河湾方向へ視界を向けると富士山がヒョッコリ顔を出した。これまで畑や工事中の道しか見えず、登った、という実感が乏しかっただけに、少しは気持ちが楽になったような。だが、それもほんの僅かな時間で、道は直ぐに鬱蒼とした林の中へと延びていく。



鬱蒼とした林へと続く県道127号

しかし手強い道だ。

展望がないというのが一番の理由であるが、これは登った標高と目に入ってくる情報が一致しないという事を指す。高度計で「それなりに登っているんだ」という事は解るけど、それだけじゃ楽しくは登れない。辛い登りも展望があってこそ、と、個人的には思うのだが。

この登り難い状況と急勾配のヘアピンは風が吹き荒れる標高490mの真城峠まで続いていた。当初はこの真城峠で昼食を取ろうと目論んでいたが、火器も使えないような強風が吹く状況に、それは脆くも崩れ去ろうとしている。どうする?、戸田峠はまだここから遠い。なら途中、昼食をとれそうな場所があり次第やろう、と意見がまとまり、戸田方面から延びている県道18号修善寺戸田線に合流する地点まで下っていく。

真城峠の画像はこちら


道幅が広くなり快適に下っていけるものの気分は重い。県道18号に合流する場所までは真城峠から2kmの距離を140m程下らなければならず、戸田峠まで再度登り返さないといけないのだ。おおまぐろさん じゃないけど、こういう道を通る度に「自転車の事を考えてないよなあ」と思わずにはいられない。

結局、県道18号に合流しても昼食を取れそうな場所は見つからなかった。加えて眼前には結構な勾配の道が上の方へ「スーっ」と続き、これには一同ゲンナリしていた。諦めにも似たムードの中、しょうがない、と漕ぎ出したのは へっとこさん と えのさん、そして筆者の三人。次第に減る口数、重々しい空気。だが、先行した えのさん が道の反対車線に向かって指差した事で、その雰囲気は払拭されることとなる。

えのさん が見つけた場所は林道への分岐、しかも通行止めの看板が立っていて、昼にはお誂え向きの空きスペースができていた。あれほど疲労の色を見せていたメンバーであったが、昼食兼宴会の準備となれば途端に明るさを取り戻す。

筆者は珍しく水炊き風鍋なんぞを作ったが、バーナーの調子が悪くて出来上がりが遅かった。その間にも、55kazさんのフライドチキン、へっとこさんのワンタンや肉の変わりにコンビーフを使った麻婆豆腐(これが絶品)、くずてつさんのつくね串等が出来上がり、スッカリご馳走になってしまっていた。筆者は最後に鍋の残り汁で煮たうどんで締めくくる。

楽しい宴会の後は、再び戸田峠に向けてペダルを回す。ここでふと上を見ると展望所らしき所が目に入る。これには誰もが「あそこが峠か!」と思ったであろうし、ペダルを漕ぐにも力が入っていた。だが、いざ着いてみれば、そこは瞽女展望所という場所であった。脇を見ると道はまだ上へ続いていて溜め息も漏れたが、休憩と併せて展望台へと歩いていく。

ようやく覗ける展望に、ここまで登ってきたか、という実感が伴ってくる。美好さんの奥さんも、今まで登ってきた道程を見下ろしてビックリしていたようだ。

瞽女展望所の画像はこちら





展望も何もない戸田峠(標高770m)

瞽女展望所の標高を失念してしまったのだが、確か えのさん が戸田峠までは「後、少しだよ」と行ったのを覚えている。えのさん は山サイのスペシャリスト、地図の読みは確かなのだ。展望所から少し進むと、再び上の方に展望所が見える。しかも、そこには標識らしきものも立っていた。

距離にして約1km前後、えのさん の読みとほぼ一致する。

高度計が指している標高からも、西伊豆スカイラインを案内する標識が戸田峠かと思っていた。しかし、側にある駐車場兼展望所には「霧香峠」と書かれていて、地図上には記されていない峠の出現に「まさか戸田峠はまだ先なのか?」と落胆は激しかった。ここから距離にして50m位先がピークのようなので気を取り直して進んで行くと、西伊豆スカイラインの分岐と共にイキナリ「戸田峠」の標識が現れた。

じゃあ、先刻の場所は何なんだ!?、と突っ込まずにはいられなかったが、戸田峠は駐車場だけで何もない所だけに「いらんお世話的」な「霧香峠」を役所が造ったのかもしれない。ま、なんにせよ展望すらないこの峠に用があるはずもなく、休憩もとらず修善寺方面へと下っていく。

下りは全員早い。だが、少し下った所にある休憩所らしき場所で、先頭を走る 55kazさんが脚を止めた。ここは達磨山休憩所というレストハウス設備もある所だが、裏手に回ると、視界の前方には富士、手前には淡島、そして駿河湾と、富士を中心に織りなすパノラマが拡がっていた(トップの写真)。これには一同感嘆の声が上がる。

今日走ったルートは確かにキツい。だが、それも「この場所に来るためだったのか」と納得させるに十分な風景を、暫し足を止めて見入る。まさに、旅の終わりを締めくくるに相応しい景色であった(これで車さえ少なけりゃあなあ)。この後は修善寺温泉を経て大仁まで走り、立ち寄り湯で汗を流してから帰路に着いた。東京までは2時間超の長い道程であるから、当然、反省会が盛り上がったことは言うまでもあるまい。