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上野始発05:10の宇都宮線に乗り那須塩原へと向かう。 この時間ではまだ「緑の窓口」が開いてないため「上野〜宇都宮駅」(\1,890)の切符を買い後で精算する手筈だったが、那須塩原駅で精算を行うと「宇都宮〜那須塩原駅間」の始発料金(\820)を請求される。本来の「上野〜那須塩原間」の料金(\2,520)と金額が合わないため「額が間違っている」と駅員に食い下がると「この切符では宇都宮で下車したことになる」と頓珍漢な答えを返してきた。「上野発の始発電車が出る時間には緑の窓口が開いてないから(塩原までの)切符は買えんでしょ!」と更に詰め寄ると駅員は渋々という感じで差額を返金する。 朝から気分は悪かったが駅の外に出てみればこれがなかなかに良い天気。「これなら今日はアイゼンを使うことはないか」と気分も少し落ち着いてきた。 |
東小屋三叉路から県道182号「東小屋黒羽線」、そして県道342号「大田原寒井線」と道を変え「寒井」、ここからは上坪と「川田」を経て木佐美川沿いに続く一般道で県道321号「上南方大山田線」上の「西の入」を目指していく。 木佐美川に沿って走るこの一般道は車の少ないノンビリとした田舎道だ。畑や部落の合間に花をつけた梅の木なんかも散見され、春らしい感じも醸し出していた。道はやがて意に反して登りの様相を見せ始める。地図を見る限りはピークの手前での短い登りを予想していたが、ここまで勾配が上げるとは思っていなかった。それに結構キツい。 最近走った所では「戸田峠を行く」中の真城峠の雰囲気とよく似ている道。オマケに勾配までソックリで、距離的には2kmもなかったろうが 200m程度登らされることとなった。一般道じゃないよ、コリャ。 そしてピーク手前、路面ガッチガチやん。 タイヤはまだグリップしていたが、いつ足を付いても良いように念のためアイゼンを履いてペダルを回していく。すると程なくピークに到着、木々の間からは那須の山並みが見える。 |
ピークから「西の入」までは路面凍結もなく快適に下っていけたが、せっかく苦労して登った分を捨てるようで何とも複雑な気分だ。 「西の入」からは、いよいよ八溝山へと向けて足を進める。道の右には栃木と茨城の県境にある花瓶山の山並みが見られるが、阿寺を過ぎると道は林の中へと伸び景色も単調に変わる。それにしてもここら辺りは製材所が多いのだろうか、伐採され丸裸になった斜面がなんとも痛ましい。 勾配はまだ緩やかだが上南方を過ぎると再び路面に雪が現れる。そこで再びアイゼンを取り付けていると、上から降りてきた車から男性が声をかけてくる。 「自転車で棚倉(八溝山)へ行くんか?、雪がまだ残ってるぞぉ」(ドライバー) 「とりあえず乗れるところまで乗って後はアイゼン履いて押していこうと思ってます」(筆者) この時は車が降りてきたんだから八溝山への道は大丈夫だと達観していたけど、車の男性はこちらを舐め回すように見て 「まあ、気ぃをつけて行ってくれやぁ・・・」 と半ば呆れ顔。まあ、普通の人から見たら此方の行動は奇異に見られてもしょうがない。 |
上南方を過ぎ2kmほど登っただろうか、雪は所々に散見されるものの乗っていけないと言う程ではない。逆に車も走ってこないし展望も利くので気分良く走れたくらいである。 ヘアピンを幾つか過ぎた所で、アイスバーンの酷いところに乗り上げてしまった。急にトルクがかからなくなりバイクが後に下がり出したため、両足をついて転ばないよう踏ん張る。とりあえず事なきを得たが、アイゼンを履いてなければ派手に転んで落車していたところだろう。 やがて道上に止めてあった除雪車を過ぎる。「まさか・・・」と嫌な予感を感じつつも更に先へ進むと 「ガードレールの高さまで積雪してる・・・」、正直言葉を失った。 スノーシューだとこの位の積雪(これでも少ない方)はいつものことだが、「バイク」という荷物を持ってこの中を歩くというのは初めてで、押して歩くのにも難儀しそうに思える。 この雪の中、難儀している模様はこちら 雪質は結構ハードでとりあえず身体が沈むことはなさそう。そこで雪質の堅そうな所を選びながらさらに上へと伸びる道を押して歩くことにした。サクッ、サクッ、サクッ、っと小気味良いテンポで歩き続ける。やがてバイクのホイールには雪がどんどんまとわりついて重みを増す。歩く音も「サクッ、サクッ、サクッ」から「ザクッ、ザクッ、ザクッ」っと変化してきた。 これ以上バイクに雪が付くいて重くなってはたまらんと、押しから担ぎに変更する。ところが今度はバイクを持った分、身体の沈み込みが大きくなって歩くテンポが遅くなる。押しも担ぎもどっちもどっちの状況に半ばあきらめの心境で担いで行く。 「ザクッ、ザクッ、ザクッ」、「ザクッ、ザクッ、ザクッ」、そして ズボッ!・・・って、ズボッ!? なんと雪質の柔らかい箇所を踏んでしまい身体が一気に股下まで埋まってしまった。しかも担いでいたバイクも横倒しになって埋まってしまうというオマケつきである。雪質がソフトの所では踏ん張りが効かずハード路面の場所へ移動するにも苦労した。全く「我ながらアホやってるよなあ」と自分で自分を笑うしかない。 |
難儀しながらも真名畑・八溝林道の分岐に到着。もし路面状態さえ良好なら八溝山へ登った後は真名畑・八溝林道で大子まで行こうと思っていたが、林道を見る限りはとても行けそうにない。強行すれば「遭難」という文字が頭の中をチラつく、そんな感じである。 しょうがないので八溝山山頂へと向け更に先を急いでいると、除雪の進んだ路面へと出ることができた。どうやら八溝山山頂に続く道に出たようである。そこでバイクと身体にまとわりついた雪を軽く落とし、再びサドルに跨って最後の一仕事といく。 急勾配を喘ぎながら登ると鳥居、そしてその上には境内が見えると八溝山山頂へ到着。ふう、今日は結構疲れたぞ。 八溝山山頂の写真はこちら 八溝山はブナやナラの木に囲まれていて展望が利かないと言うのが玉に瑕であるが、ここまで来るとようやく展望をうかがうことができる。更に展望を楽しみたければ八溝嶺神社の横に展望台もあるけど、有料(\100)というのが頂けない。ま、結局展望台に登ったけど。 展望台からは那須岳と奥日光の山々が一望できる。風はチト冷たいが、360℃のパノラマを堪能することができた。 展望を楽しんだ後は八溝林道を使って「蛇穴」を経由し県道28号「大子那須線」で大子まで。そして大子からは烏山線の烏山駅まで走ることとなる(烏山〜大子間のルートは「袋田を行く」を参照してください)。 これはツーリングの途中、烏山の「東力士」という酒造で「日本酒祭り」が行われるという看板を見たためだ。その東力士に到着したのは日本酒祭りの終わる間際であったが、蔵の方々からは快く日本酒を振る舞っていただけた。雪に難儀した疲れも吹き飛ぶオマケに、帰りの汽車では終始上機嫌であった。 |