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| 秋口から初冬に掛け上越方面の天気が悪いというのは例年通り。
晴れているかと思えば一転バケツをひっくり返したような土砂降り、気象予報士も外れた時の反応が余程怖いのか予報に必ず「にわか雨」を織り交ぜる念の入れようだ。しかしこの3連休に関してだけは全国的に晴れるとのお墨付きが出されていて出立と相成った。 |
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新潟を経由し羽越本線の坂町駅から国道113号「小国街道」を使って小国町へ。 荒川、そして米坂線と併走するこの道は登り勾配、その上、米沢に向かう車線は路肩もほとんどなく車側からはさぞ邪魔に見えたことだろう。せっかく新潟08:39発米沢行きの「快速べにばな2号」に乗ったんだから小国駅まで輪行すればよかった。しばし我慢のツーリング。 小国駅で食材の買い出しを済ませ越後街道十三峠の一つである黒沢峠へと向かうため黒沢集落に入る。国道の喧騒とは一転静寂な世界でのツーリングとなるが、静かすぎて耳につく感じもする。そんな中、峠の入り口からバイクをデポし徒歩にて黒沢峠を目指した。 敷き詰められた敷石の苔の緑、落ち葉の赤と黄色がなんとも不思議な雰囲気演出している。敷石自体が滑りやすいためその上を歩くこともままならないが、敷石道保存という面からはその方が良いかもしれない。この敷石は黒沢峠、そして黒沢集落の反対側、市野々まで続いていた。その中でも勾配の厳しい場所やつづら折れでの敷かれ方は見事としか言いようがなく、先人達の高い技術に驚かされる。 黒沢峠の写真はこちら デポ地から30分、黒沢峠への到着と同時に雨が降り出してきた。そこで雨宿りを兼ね長めの昼食、雨とガスバーナーの音だけが峠で鳴り響く。 |
降りしきる雨を後目に黒沢峠を越え市野々まで下ったあとデポ地に戻るが雨足は一向に弱くならず、しばしデポ地そばにある四阿で雨宿り。だが降り止んだのは 15:00過ぎと、日暮れまでに宿に着けるかというギリギリの時間である。 今日泊まる予定の泡ノ湯温泉「三好荘」は今回のツーリングの目的地「樽口峠」を越えて4km程下った場所にある。いくら標高500mに満たない峠とはいえ日が暮れてしまえば身動きがとれなくなるのは間違いない。 そんな状況にも関わらず樽口峠の入り口となる玉川口へ向かう途中にある赤芝峡で足を止めてしまうのはツーリング屋の性、景色の良いところではつい立ち止まってしまう。先のことより今を楽しむと言えば聞こえは良いが、無理・無茶・無計画の三拍子揃った「アホ」と言ったほうがここでは正しい。 赤芝峡は荒川流域を代表する景勝地で、ブナ、ミズナラ、カエデが生い茂ると同時に紅葉の名所でもある。また県道15号「玉川沼沢線」に入ってすぐそばにある玉川渓流も赤芝峡と同様に紅葉の名所、特に新田橋から見る渓谷が味わい深い。 玉川渓流の写真はこちら |
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下新田から樽口峠へは最短距離を進むべく長者原側からではなく足野水・足水中里側からアプローチを開始した。 足野水から樽口集落までは緩やかな勾配の田舎道、脇からは足水川のせせらぎも聞こえてくる。直線的で見通しの良い所では飯豊連峰も見え隠れするが「なんでこんな雰囲気のエエ道を全力で走らなけりゃアカンねん」と自己ツッコミ、こんな必死になって漕ぐのも本当に久しぶりの話だ。 滝倉を過ぎて林道樽口線に入ると本格的な登りへ突入する。全線舗装のこの林道の路肩には落ち葉が堆積していて、その上を走る「クシャッ」とした感触がなんとも心地良い。たわいのないコトだが、こんなことでも単調な九十九折れの繰り返しを楽しむ要素の一つになる。 樽口を見下ろしながら暫し九十九折れが続くと次は尾根沿いの道へと変化する。それをクリアーし夕日に焼けた飯豊連峰と峠の碑が眼前に出現、そこが「樽口峠」だ。 現在の時刻は16:20、なんとか日暮れ前の到着であったが先を急ぐと展望所に出る。早く宿に向かわねばと焦っているにも関わらず、そこから見る飯豊連峰の展望には足を止めざる得なかった。標高は低いのに飯豊連峰のやまなみが余程近いのだろう、冠雪した山々が重なり合う姿には感動を覚える。時間が無くても当然お約束の一杯。 夕暮れ間際の樽口峠展望所の写真 |
展望所での一時を楽しみ、今日の宿でもある泡ノ湯温泉「三好荘」で温泉につかる。この温泉の湯は「泡ノ湯」の名の通り日本では珍しい炭酸泉でジワッっと身体に染み込んでくる。そして夕闇にうっすらと浮かび上がる飯豊連峰も眺めながら浸かるというのも格別で、今日一日の疲れがとれていく。 |
翌朝は朝日を待ち、湯に浸かりながら陽を浴びる飯豊連峰を楽しむ。 宿を出発しても新雪を被る飯豊連峰のパノラマを前に樽口峠展望所からなかなか離れることがでない。 誰も来ることが無いたった一人だけの贅沢な時間を、暫し心から味わうことにした。 |