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1月12日夜半、越後湯沢にある友人宅にて酒を酌み交わす男が二人。 |
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新前橋から赤城山に行くルートは大まかに二つ、県道4号「前橋・赤城線」と県道16号「大胡・赤城線」を使う方法だ。 1999年度版ツーリングマップルではどちらも冬季閉鎖の記載は無い※1が、標高1300mを超す尾根沿いの道が通れるかどうかはほとんど運次第になるだろう。 ※1:後日、人文社の「広域道路地図5万分の1メッシュ」を見るとしっかり「冬季閉鎖」の文字が。なんだかなあ。 となれば県道16号から赤城山へ登り県道4号で新前橋まで戻る周回ルートをとるしかないが、この道はアマンダでもマウンテンクライムの旧ルートとして話題に挙がるなどサディスティックな道として有名である。 大胡から県道16号のピーク「牛石峠」までは約1300mのアップ。これだけでも十分ウンザリなのに10%を超す勾配の箇所もあって普通の脚しかない私などは途中の赤城神社に行くだけでも一苦労だ。 |
滝沢温泉を過ぎ、赤城温泉の手前にあるゲートを越えてからが赤城山への本当の登りだ。ステムから聞こえる軋み音、インナー×ローにチェンジしても変わらぬペダルの重さがそれを物語る。 そういえば「大佐渡スカイライン」を登っていた時に「赤城山と雰囲気が似てるなあ」と考えていたことを思い出した。アレ程の勾配ではないが平均10%のこの道も十分過ぎるくらいキツい。 標高1000mまでは何故冬季閉鎖をしているのか解らないくらい良好な路面状況だった。しかし日陰部分で凍結箇所が増え、標高1100mを過ぎると徐々に1cm、2cm、3cm・・・と積雪が増してくる。 5cm位の雪ならならまだ可愛いが、10cmにもなってくるとバイクはなかなか前には進んでくれない。10%の勾配というだけでもペダルが重いのに10cmの積雪、メーターも時速7kmを切って失速直前の状態についにバイクから降りてラッセルへと切り替えた。 雪で重くなったバイクを引きずりながら幾つもの九十九折れをクリアーするたび雪はどんどん増してくる。そして富士見村の標識が立つ牛石峠が見えたとき、思わずその場で立ちつくしてしまった。 |
ガードレール側の雪は強風に飛ばされ、積雪箇所の表層は完全に凍ってしまっている。氷の下には積雪20cm強、まさに「赤城おろし恐るべし」といったところか。 ガードレール側も雪こそ積もっていないが人一人がやっと通れる程の道幅に氷が幾重にも張られていて乗車も押しもチョット厳しい状態。オマケに小沼までは下り、こうなるとここは担ぐしかないか。 フロントバックの荷物を携帯リュックに詰め替えアイゼンを装着、それにタオル(※温泉用)をバイクのトップチューブに巻き付け担ぎ上げる。 小沼の手前2kmはまだ膝下程度の積雪でまだ写真を撮る余裕もあった。だが下るほどに積雪は酷くなり、小沼の手前1kmに至っては太股まで沈み込みはじめた。 現状の装備ではさすがに限界を感じ新前橋に置いてきたスノーシュー(※専用アイゼンを入れて約3kg)への欲求も高くなるが、あんなのを背負って1300mアップなどとても無理な話だ。 |
どうやらここまでのようだ。 こう判断し牛石峠へ引き返すが峠上では赤城おろしが一段と強くなっていた。先刻までの雪中行軍で冷え切った所に加えこの強風、さすがにこれじゃ身体が言う事をきいてくれない。 そこでリュックから鹿児島の芋焼酎「古瓶造り」(※36℃)を取り出し口に含める。一口で終わらない所は私らしいが、これで身体が上気したのか、手足の痺れがようやく取れはじめた。 なんとか身体も動くようになり雪の牛石峠を後にするも積雪・凍結、それに急勾配とブラインドカーブの連続で予想以上に手こずる。ここはアイゼン・ブレーキを多用し何とかクリアーしていく。 標高1000mまで下ると牛石峠での強風と積雪が嘘のように穏やかな様相へと移り変わっていた。眼前に広がる関東平野や暖かい日差しに緊張感が和らぎ「馬鹿なこと(ツーリング)をしたもんだ」と少し自己嫌悪に陥るが、喉元過ぎればなんとやらで新前橋駅に着いたときには「またいつ来ようか」と不埒な考えを起こす始末である。 懲りることを知らないバカは死ななきゃ直らない。いやいや、バカは死んでも直らないようだ。 |