五行歌




<その一>  
  
 
日曜日の昼下がり
まどろみの中で 
ほんわりと   
君の微笑みは  
砂糖菓子だね  



水平線の    
向こうから   
やさしい音色の 
思い出が    
ゆうらりゆらりと
漂ってくる   



たとえ世界が
終わりを  
告げても  
私はあなたを
愛してる  



どこまで   
ゆくのかと  
たずねられても
答えられない 
わたしがいる 



柔らかな    
風のメッセージに
春の香りを   
加えて     
伝えよう    

  
 




<その二>  
  

疲れ果て 
壊れた心を
癒すのは 
暖かい光と
貴方の声 



打ち捨てられ 
崩壊した都市の
子どもたち  
静かな歌声が 
流れているよ 



核の脅威が    
存在し続けている 
ぼくらの未来だけど
子どもたちには  
夢を       



墜ちていく  
飛行船の窓から
見たものは  
果てしない  
海原だった  



狂うほど  
狂わざるなり
恋狂い   
恋に恋して 
人を愛さず 




<その三>  
 
黄砂が   
静かに   
積もりゆく 
あなたの  
いなくなった
部屋の中  


祖父の死も 
幼い    
従兄弟達には
再会の   
よろこび  



旅の途中で  
逝った友の  
元気だという 
絵葉書が届いた
昼下がり   



「彼ら」は
死なない 
死ぬのは 
兵士と  
市民だ  



手作りの   
真空管ラヂオの
灯りが誘う  
雑音まみれの 
異国の言葉  



黙ったままで
冷めきった 
コーヒーを 
いつまで  
眺めてるの?
 


五行歌の会
いわき五行歌




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